日本百名山全山踏破 52座目 阿寒岳 | 噴煙轟く活火山・オンネトー周遊の絶景コース

雌阿寒岳頂上 日本百名山
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阿寒岳に向かうまで

前日に羅臼岳を踏破した後、知床半島の山奥から阿寒岳への大移動を敢行。携帯電波の届かない地の涯ホテル駐車場から雌阿寒温泉の駐車場まで、北海道の広大な道のりを車中泊で乗り切った。

雌阿寒温泉周辺は温泉宿が点在するものの、コンビニエンスストアのような商業施設は皆無。事前に阿寒湖湖畔のセイコーマートで食料を調達しておいた判断は正解だった。

2018年9月3日 雌阿寒温泉の駐車場から雌阿寒温泉コースで登山

雌阿寒温泉の駐車場で迎えた北海道遠征3日目の朝。観光バスが何台も駐車できる広大な駐車場から阿寒岳に登る。

実際に登ってみた

日程: 2018年9月3日(月) [日帰り] 天候: 晴れ

アクセス

雌阿寒温泉には観光バスが何台も駐車できる大規模な駐車場が整備されている。登山基地として申し分ない環境だ。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
03:3710.6km919m915m

コースタイム

ルート: 雌阿寒温泉-(雌阿寒温泉コース)-雌阿寒岳-(オンネトーコース)-オンネトー湖-雌阿寒温泉

山行タイムライン
  • 05:31
    雌阿寒温泉コース登山口
    雌阿寒温泉の駐車場
    雌阿寒温泉の駐車場

    雌阿寒温泉の駐車場は観光バスが何台も駐車できる広大なスペースを確保しており、登山者にとって理想的な拠点となっている。

    雌阿寒温泉のトイレ
    雌阿寒温泉のトイレ

    雌阿寒温泉と駐車場の間に設置されたトイレ施設。登山前の最終準備に重宝する。

    雌阿寒温泉
    雌阿寒温泉

    雌阿寒温泉の建物群。手前に見えるのが野中温泉の施設だ。

    雌阿寒温泉の小川
    小川

    温泉成分を含んだ白濁した水が流れる小川。

    雌阿寒温泉登山口
    雌阿寒温泉登山口

    阿寒湖方面へ道路を少し下った地点にある雌阿寒温泉登山口。雌阿寒岳は噴火警戒レベル1の活火山のため、事前の火山情報確認が必須だ。

    雌阿寒温泉コースのエゾマツ林
    エゾマツ林

    登山道はエゾマツ林の斜面を着実に上昇していく。北海道らしい針葉樹林が迎えてくれる。

    雌阿寒温泉コース旧登山道への案内
    旧登山道への案内
    雌阿寒温泉コース1合目
    1合目

    雌阿寒温泉コース1合目の標識。いよいよ本格的な登山行程が始まる。

    雌阿寒温泉コースの森

    森林限界が近づき、周囲の視界が開けてくる。雌阿寒岳の威容が徐々に明らかになってくる。

    雌阿寒岳火口から1km以内
    雌阿寒岳火口から1km以内

    ハイマツ帯に入り視界が開けた地点で、雌阿寒岳火口から1km以内への立入を注意する看板が設置されている。活火山らしい緊張感が漂う。

    雌阿寒温泉コースのガレた道
    ガレた道

    火山特有のガレた道をジグザグに登っていく。9合目まで続く単調な登りが始まる。

    雌阿寒温泉コースから見た雲海
    雲海

    眼下に広がる美しい雲海。上空にも雲が浮かぶものの、前日の斜里岳・羅臼岳の悪天候と比べれば格段に良好なコンディションだ。

    雌阿寒温泉コース6合目
    6合目

    雌阿寒温泉コース6合目の標識。着実に高度を上げていく。

    雌阿寒温泉コース

    6合目を過ぎると、阿寒カルデラの壮大な景観が眼前に広がってくる。

    雌阿寒温泉コースから見た雄阿寒岳
    雄阿寒岳

    雄阿寒岳が眼下に姿を現す。実際は同程度の標高だが、雌阿寒岳から見下ろすような角度で見えるのが興味深い。阿寒湖は雲海の下に隠れている。

    雌阿寒温泉コース8合目
    8合目
    雌阿寒火口湖の赤沼
    火口湖の赤沼

    火口壁からシューっという音とともに白い噴煙が立ち上がる。火口湖の赤沼も美しい赤色を湛えている。活火山の迫力を間近に感じる。

    雌阿寒温泉コース
    火口湖の赤沼
    火口湖の赤沼
    火口の外縁部
    火口の外縁部

    火口外縁部を慎重に周回。足元に注意しながら火口の全貌を把握していく。

    雲海に浮かぶ雄阿寒岳
    雲海に浮かぶ雄阿寒岳

    雲海に浮かぶ雄阿寒岳の神秘的な姿。まるで雲の海に浮かぶ島のように美しい。

    阿寒富士
    阿寒富士

    火口を周回していくと、阿寒富士の美しい円錐形が姿を現す。端正な山容が印象的だ。

    雌阿寒岳の地層
    地層

    火口壁に刻まれた地層のグラデーション。火山活動の歴史が層状に記録されている。

  • 06:56
    雌阿寒岳
    雌阿寒岳頂上
    雌阿寒岳頂上

    雌阿寒岳頂上に到達。噴煙の轟音が響く活火山の山頂から、雄阿寒岳の堂々とした姿を望む。その右奥には前日登頂した斜里岳のシルエットも確認できる。

    雌阿寒岳頂上からのパノラマ
    雌阿寒岳頂上からのパノラマ
    雌阿寒岳頂上からのパノラマ
    雌阿寒岳頂上からのパノラマ
  • 07:17
    阿寒湖畔コース分岐
    エメラルドブルーの青沼
    青沼

    透明度の高いエメラルドブルーの青沼。火口湖特有の神秘的な色合いが美しい。

    雌阿寒岳火口周辺の複雑な地形
    阿寒富士
    阿寒富士

    美しい円錐形の阿寒富士。登山予定もあったが、雌阿寒岳からの圧倒的な景観を見た後では物足りなく感じ、登頂を取りやめた。

  • 07:31
    オンネトーコース八合目分岐
    阿寒富士
    阿寒富士

    阿寒富士の頂上までジグザグに続く登山道がくっきりと見える。整備された登山ルートだ。

    オンネトーへの下山道
    オンネトーへの下山道

    オンネトーへの下山道は適度な傾斜で、足が自然に前に出るような歩きやすさ。快適にサクサクと下っていける。

  • 07:37
    オンネトーコース七合目分岐
    オンネトー湖
    オンネトー湖

    眼下にオンネトー湖が美しく輝いている。

    オンネトーコース森林帯
    森林帯

    森林帯に入ると、一般的な登山道の様相に変わる。歩きやすい道が続く。

  • 07:47
    オンネトーコース五合目
    オンネトーコースの花
  • 08:07
    オンネトーコース二合目
    オンネトーコース
    オンネトーコース
    オンネトーコースのエゾトリカブト
    エゾトリカブト
  • 08:21
    オンネトー国設野営場
    オンネトーコースのエゾトリカブト
    エゾトリカブト
    オンネトー登山口
    オンネトー登山口

    オンネトー登山口に到着。

    オンネトー茶屋
    オンネトー茶屋
    オンネトー湖畔
    オンネトー湖畔

    オンネトー湖畔を散歩するエゾシカ。人を恐れる様子もなく、自然に湖畔を歩いている。

    オンネトー
    オンネトー
    オンネトー
    オンネトー
    オンネトー
    オンネトー

    オンネトーの湖面に映る山々や木々。北海道の雄大な自然が織りなす絶景。

    オンネトーで斜面を登るシカ
    斜面を登るシカ
  • 08:32
    オンネトー湖
    オンネトー湖畔
    オンネトー湖畔
    オンネトー湖畔
    オンネトー湖畔
    雌阿寒温泉への分岐
    雌阿寒温泉への分岐

    オンネトー湖畔を短時間散策した後、雌阿寒温泉への帰路につく。雌阿寒温泉への分岐から山中へ向かう帰路が始まる。

    雌阿寒温泉への登山道

    雌阿寒温泉への登山道は緩やかな上り坂。ただし、ヤブ蚊などの小さな虫が執拗に付きまとってくる。虫除けスプレーがあったほうがいい。

    湿原の木道
    湿原の木道

    雌阿寒温泉直前の湿原に設置された木道。

    雌阿寒温泉直前の湿原に設置された木道

    駐車場に直接到着し、阿寒岳登山が完了。

  • 09:05
    雌阿寒温泉コース登山口

この日は札幌まで鉄道での長距離移動が控えており、その後レンタカーで羊蹄山麓まで向かう必要があるため、時間的余裕が限られている。行こうか迷っていた旧常呂町へのカーリング聖地巡礼は断念し、北見市街地に直行することにした。

赤いサイロを求めて清月の一番街本店へ

清月 一番街本店
清月 一番街本店

ロコ・ソラーレのもぐもぐタイムで一躍有名になった「赤いサイロ」。入手困難になるほど人気を博したこの銘菓を会社へのお土産として購入すべく、製造元の菓子店「清月」一番街本店を訪れた。

平昌オリンピックでの銅メダル獲得から半年が経過したこの時期でも、ロコ・ソラーレ旋風は継続中。本店でも単品購入は可能だが、個数制限のため全員分のお土産としては不十分な数量しか入手できない状況だった。

清月 一番街本店 ロコ・ソラーレの特別展示
清月 一番街本店

店舗のショーウィンドウには、ロコ・ソラーレの特別展示が設けられており、地元チームへの誇りと愛情が伝わってくる。

その後、清月の屯田支店にも立ち寄ったが、赤いサイロの販売はなし。諦めてレンタカーを返却し、北見駅へ向かった。

北見駅 ロコ・ソラーレ
北見駅

旧常呂町を擁する北見市は、ロコ・ソラーレの聖地として町全体で選手たちを応援している。

北見駅 ロコ・ソラーレ
北見駅
赤いサイロ
赤いサイロ

北見駅の売店で幸運にも赤いサイロの入荷に遭遇。購入制限上限の箱入り2箱を無事に入手できた。

北見駅
北見駅

13時25分、北見駅を出発。特急大雪で旭川まで、そこから特急ライラックで札幌に向かう約4時間半の鉄道旅が始まる。

その後、ニコニコレンタカーJR新札幌駅店でフィットをレンタルし、約2時間半をかけて羊蹄山比羅夫登山口のある半月湖野営場に到着した。

下山後の感想

コース状況・危険箇所等

雌阿寒温泉からの登山道は、最初はエゾマツ林の斜面を登り、ハイマツ帯に入るとガレた道をジグザグに刻んで進む。オンネトーへの下山道は多少ザレているものの下りやすく、トラバース気味に下っていき、森林帯に入ると歩きやすい一般的な登山道に変わる。オンネトー湖畔から雌阿寒温泉への帰路は緩やかな登りだが、ヤブ蚊などの小さな虫が執拗に付きまとうため、虫除けスプレーの携行を強く推奨する。

感想・記録

北海道遠征3座目の雌阿寒岳。前日の斜里岳・羅臼岳では天候に恵まれず、山頂からの景色をほとんど望めなかったため、今回こそは少しでも良い展望を期待していた。

9合目から響き渡る轟音と共に白い噴煙が立ち上がる様子を目の当たりにした瞬間、すでに大きな満足感を得られた。お鉢周りでは火口湖や火口壁の変化に富んだ景観を存分に楽しめたのも印象深い。

山頂では、北海道をロードバイクで時計回りに周遊している青年との出会いがあった。素晴らしい旅路の話を聞かせてもらい、無事に旅を続けられることを心から願った。

自分は北見に戻って札幌まで鉄路でスキップ。明日は羊蹄山にアタックして、今年の北海道遠征を後悔なく締めくくりたい。

かかった費用と装備

費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 斜里岳の記事でまとめています。

今になって思うこと

山頂で出会った北海道ロードバイクツーリング中の青年との会話は、今でも鮮明に覚えている。自分も大学生時代に小樽から札幌、そして道南の函館まで自転車でツーリングした経験があるが、道東の人里離れた地域は別次元の困難があるはず。

ツーリング中での人との出会いは、時が経っても忘れられない特別な思い出になる。函館でのツーリング最終日に、競走馬の獣医をされている方に夕食をご馳走になり、一緒に函館山に登って見た夜景は、今でも脳裏に鮮明に焼き付いている。

自分が受けた親切を今度は若い世代に返していきたいと常々思っているが、そのような機会はなかなか訪れないもの。それでも、いつかそのチャンスが巡ってくることを信じて、心の準備は整えておきたい。


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