日本百名山全山踏破 88座目 大山 | サンライズ出雲と紅葉の伯耆大山

大山頂上の頂上碑 日本百名山
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大山に向かうまで

憧れのサンライズ出雲で挑む山陰の名峰

昨年末の帰省で備中松山城と併せて大山登山を計画したことがあったが、山頂工事のため断念。それから約1年が経過し、ようやく念願の大山登山が実現する運びとなった。

交通手段として選んだのは、かねてから乗車を熱望していたサンライズ出雲。現在では定期運行される唯一の寝台特急として知られるこの夜行列車で、東京から米子駅へのアクセスを図る計画だ。

9月中旬、旅行代理店でサンライズ出雲の乗車券を手配したが、予約開始1ヶ月の時点で寝台席は既に満席。やむなく個室ではないノビノビ座席での手配となった。まぁ、初回利用としてはこれも体験のうちだろう。

サンライズ出雲(東京→米子):乗車券11,880円+特急券3,300円+指定席530円

復路には「秋の乗り放題パス」を選択。青春18きっぷに類似した周遊券(7,850円)で、実家経由で東京へ普通列車での帰路を辿る。秋の乗り放題パスは3日連続使用が条件だが、18きっぷと異なり特定列車の混雑がないため、ゆったりとした鉄道旅が期待できる。

普段の車中泊スタイルから一転、今回はホテルも予約した。Go To トラベルキャンペーンの恩恵で驚くほど格安となったからだ。 東横インのヘビーユーザーとして、東横イン米子駅前をオンライン予約。シングル5,130円の通常会員価格に、さらにGoToトラベルが適用され3,458円(差額はフロント返金)。加えて1,000円の買い物クーポンまで付与されるという、まさに破格の待遇。

2020年10月16日 サンライズ出雲で山陰への夜行旅

サンライズ出雲の東京駅での出発準備
サンライズ出雲

東京駅22時発のサンライズ出雲へ乗車。憧れの寝台特急への初搭乗は、期待に胸が躍る瞬間だった。

サンライズ出雲
サンライズ出雲
サンライズ出雲 ノビノビ座席
サンライズ出雲 ノビノビ座席

フェリーの2等席を彷彿とさせるノビノビ座席。各席が仕切られており、枕のある窓側は壁に隣接しているため、想像していたより快適だ。

翌朝6時頃のアナウンスで事態が判明。「未明からの遅延が拡大し、米子駅到着は約1時間遅れとなる見込み」との報告。大山登山後に予定していた他の山行は時間的に困難になったかもしれない。少々落胆したが、まずは大山登山に集中しよう。

2020年10月17日 夏山コースで伯耆大山にピストン登山

結果的に米子駅到着は予定の9:03から1時間遅れの10時過ぎ。レンタカーを借り受け、大山夏山登山口の南光河原駐車場へ向かった。

実際に登ってみた

日程: 2020年10月17日(土) 日帰り 天候: 曇り

アクセス

大山寺橋・南光河原駐車場に駐車。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
02:116.0km958m958m

コースタイム

ルート: 夏山道登山口-大山-石室-夏山登山口

山行タイムライン
  • 10:50
    夏山道登山口(大山寺橋側)
    夏山登山道
    夏山登山道

    駐車場から夏山登山道へ。

    夏山登山道の整備された石段
    石段

    序盤は石段が続く区間。一歩一歩着実に標高を稼いでいく。

  • 11:12
    三合目
    大山登山道三合目付近の整備された山道
    大山登山道

    完璧に整備された登山道は歩きやすく、ペースを掴みやすい。これほど丁寧に管理された百名山も珍しい。

  • 11:23
    五合目
  • 11:25
    行者谷分かれ
  • 11:32
    六合目避難小屋
    六合目避難小屋
    六合目避難小屋

    六合目避難小屋は工事中で利用不可。10月23日から供用開始予定とのこと。

    六合目付近からの日本海展望
    日本海

    振り返ると、日本海の展望が広がる。独立峰ならではの眺めだ。

    弓ヶ浜半島と境港方面の美しい海岸線
    弓ヶ浜半島

    境港方面の弓ヶ浜半島が印象的。地図で見ていた地形を実際に眼下に望む喜びは格別。

    大山中腹の紅葉に彩られた山肌

    登山中は気づかなかったが、周囲の樹木はすでに秋の色彩に染まっていた。

    大山八合目手前の風景
  • 11:49
    八合目
    大山八合目からの風景
  • 11:54
    石室方面との分岐
    大山山頂手前の石室分岐点
    大山山頂部の木道整備区間
    木道

    山頂周辺は木道で整備されている。

  • 12:01
    大山頂上避難小屋
  • 12:06
    大山頂上碑
    大山山頂1729mの頂上碑
    大山頂上の頂上碑

    大山山頂の頂上碑。少し前まではここも工事封鎖されており到達不可能だったという。タイミングよく工事完了後の登山となった。

    大山山頂から望む弥山と剣ヶ峰方向
    弥山と剣ヶ峰方向
    大山山頂からの雲海に浮かぶ周辺山々の風景
    大山頂上からのパノラマ
    大山頂上からのパノラマ
    大山山頂からの米子市街地と日本海の広大な眺望

    山頂からは米子市街から続く弓ヶ浜半島の美しい海岸線が一望できる。

    大山頂上避難小屋
    大山頂上避難小屋
    工事中の大山頂上避難小屋
    大山頂上避難小屋

    大山頂上避難小屋も工事中のため利用不可。しかし、仮設トイレは利用可能のようだ。

    大山山頂部
    大山山頂からの下山路
    石室を経由するコース
    石室を経由するコース

    下山は石室を経由するコースで周回。こちらは往路の夏山道と比べ人通りも少なく、静寂な山歩きが楽しめる。

    石室ルートの静寂な下山道
    ダイセンキャラボク
    ダイセンキャラボク

    ダイセンキャラボクは赤い実をつけていた。

  • 12:15
    石室
    大山石室
    石室
  • 12:23
    八合目
  • 12:33
    六合目避難小屋

  • 12:37
    行者谷分かれ
  • 12:44
    三合目

  • 12:58
    夏山登山口
    南光河原駐車場
    南光河原駐車場

    駐車場へ戻ってきた。約2時間の大山登山が無事に完了。

三徳山三佛寺の投入堂への挑戦

三徳山三佛寺
三徳山三佛寺

場所を変えて、投入堂への登拝を目指し三徳山三佛寺へ。全国の懸造りを特集した書籍で知り、ぜひ訪れたかった場所だ。

投入堂への参拝は険しい山道を登る必要があるため、単独での登拝は禁止されており、グループでの参拝が必須。入り口で一緒に登る方を募り、即席グループを組んでの参拝を期待して来訪した。

しかし、従来は当然のように行われていた即席グループ結成による参拝が、新型コロナ対策として県からの要請により禁止となったとのこと。まさかの事態。

ここまで来たが、やむを得ず断念する判断となった。

投入堂遥拝所
投入堂遥拝所
投入堂遥拝所からの投入堂
投入堂

心残りを少しでも解消すべく、駐車場近くの投入堂遥拝所から投入堂を眺める。断崖絶壁に建つ建築の美しさは遠望でも十分感じられたが、やはり間近で見たかった…。

三朝温泉で宇崎ちゃんは遊びたい!の聖地巡礼

  • 三朝温泉 薬師の湯
  • 三朝温泉 泉娯楽場
  • 三朝温泉 泉娯楽場
  • 三朝温泉 泉娯楽場
  • 三朝温泉 泉娯楽場
  • 三朝温泉 河原風呂
  • 三朝温泉

三徳山三佛寺から米子への帰路途中にある三朝温泉。ここは「宇崎ちゃんは遊びたい!」(TVアニメ1期)の鳥取旅行エピソードで登場した場所だ。

その後米子へ戻り、レンタカーを返却してホテルへ宿泊。

帰りは乗り鉄旅に切り替え、JRおおさか東線を完乗

米子駅
米子駅

翌日、米子駅から新大阪駅まで普通列車を乗り継ぐ旅程。

王寺駅
王寺駅

新大阪駅から久宝寺駅までのおおさか東線は、2019年3月に全線開業した新しい路線。 こちらを完乗することで、”JR全路線完乗”のタイトルを1年半ぶりに奪還した。

下山後の感想

感想・記録

寝台特急サンライズ出雲の利用は期待通りの体験だったが、遅延で米子駅に1時間遅れでの到着。午後に予定していた三徳山三佛寺投入堂への参拝も困難かと思われたが、まずは大山登山から開始。

夏山登山道は終始階段状の整備路で、丹沢塔ノ岳のようにひたすら登るだけの明快なルート。ペースも掴みやすく、山頂まで特段の見どころもなかったため、サンライズ出雲の1時間遅れを取り戻すことができた。

山頂からは米子市街から続く弓ヶ浜半島の海岸線が美しく、独立峰ならではの展望を堪能。

急いで下山後、三徳山三佛寺へ向かった。登拝受付の3時前には間に合ったものの、受付で「新型コロナ対策の県からの要請で、生活を共にしていないグループでの登拝はできなくなった」と告げられ撃沈。従来は当然のように行われていた即席グループ結成による参拝が不可能になったということだ。東京から楽しみに来たのだが…と嘆きながら、投入堂遥拝所から投入堂を眺めて溜飲を下げた。

かかった費用と装備

交通費用

  • 電車: サンライズ出雲 乗車券11,880円+特急券3,300円+指定席530円
  • 秋の乗り放題パス: 5,233円(3連続日券の本来7,850円を、米子→実家、実家→自宅の2日分利用として3分の2で計算)
  • レンタカー: 12時間 2,635円
  • ガソリン: 1,103円

交通費合計: 24,681円

宿泊費用

  • 東横イン米子駅前: 3,458円(GoToトラベル適用後価格、さらに1,000円クーポン付与)

宿泊費合計: 3,458円

食費・その他

  • 食費: 1日分 2,000円
  • 行動食: 1日分 300円

食費合計: 2,300円

総費用

合計: 30,439円

今になって思うこと

大山登山にサンライズ出雲を利用するプランは非常に有効だった。往復で利用すれば宿泊費も不要となり、東京から大山への日帰り登山も十分可能。

現在の時刻表では、【往路】東京 21:50→米子 09:03、【復路】米子 19:56→東京 07:08 という形で組み立てられる。

想定していなかったコロナ禍の2020年は、この大山登山で通算12座に到達し、残る日本百名山は12座となった。2020年後半の巻き返しにより、2021年の残り12座完登も現実的な目標として見えてきた。

大山は中国地方最高峰でありながら、非常にアクセスしやすく整備された百名山だ。独立峰ならではの展望も素晴らしく、山陰地方の代表的な山として多くの登山者に愛されるのも納得できる。


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