日本百名山全山踏破 16座目 早池峰山 | 第1回東北遠征開始、ハヤチネウスユキソウと蛇紋岩の岩場

ハヤチネウスユキソウ 日本百名山
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早池峰山に向かうまで

群馬・長野を跨いで、1日目に荒船山と妙義山、2日目に浅間山と四阿山、3日目に破風岳と草津白根山という、ハードな遠征を無事乗り越えた。

次の週末はどこに行こうと、近場の大菩薩嶺に登る計画を立てたものの、季節は梅雨突入。週末は雨予報ばかりで、結局大菩薩嶺へ行くのは諦めた。

6月25日 東京23区内最高峰 箱根山

東京23区内最高峰箱根山での雨模様の息抜き登山
箱根山に登頂

天気の悪い日曜日だったが、出かける用事があったので、ついでに前から行ってみたかった箱根山へ。

新宿にある箱根山は、東京23区では一番高い山(築山)。雨模様ながらも、頂上に立って気分転換にはなる。ちょっとした息抜き登山。

第1回東北遠征の計画

東北地方に百名山はたくさんあるが、エリアが広いため何回かに分けて遠征する必要がありそうだ。そこで、次のように近隣の山ごとにブロックを決めた。

なお、飯豊山と磐梯山は登頂済み、会津駒ヶ岳は上信越エリアの方が都合がいいので、ここには含まれていない。

  • 岩木山、八甲田山:青森県内でも近い距離。所要2日
  • 八幡平、岩手山、早池峰山:岩手県の三座。所要2日
  • 鳥海山、月山、朝日岳、蔵王山:山形県の四座。所要3日
  • 吾妻山、安達太良山:福島県の二座。所要2日

その中でも、まず最初に岩手県の三座を「第1回東北遠征」として攻めたいと思う。福島や岩手の弘前には前年に訪れてたし、朝日岳を日帰り登山するにはまだまだ経験が足りてないかも。そんな理由。

まずは高速バスで仙台へ

登る山は岩手県ではあるが、駅メモという別のゲームアプリで、三陸海岸沿いに新しくできたBRTの駅を周りたいので、仙台まで高速バスで行き、そこからレンタカーを借りることにした。

朝に仙台を出発、沿岸の南三陸町や陸前高田市を通る。2年前の2015年にも鉄道の旅で訪れたが、震災からの復興がまだまだ終わってなく、また後で訪れないといけないと強く思った。

大幅な回り道をしたので、河原坊駐車場に着いたのはお昼を過ぎた頃だった。ちょっと遅いスタートになっちゃったな。

実際に登ってみた

日程: 2017年07月07日(金) [日帰り] 天候: 晴れ

アクセス

車両交通規制にかからない金曜日なので河原坊駐車場に車を停めて、小田越登山口からの入山。

岳駐車場から河原坊駐車場までの道は狭くカーブが連続する道で、車がすれ違うのも大変なので車両規制がかかる理由がよくわかった。帰りは小田越を通過して宮戸側に向かったけど、そちらには薬師岳の駐車場があった(穴場かもしれない)。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
03:279.5km877m867m

コースタイム

ルート: 河原坊-小田越-(小田越コース)-早池峰山-(小田越コース)-小田越-河原坊

早池峰山は小田越コースでのピストン登山。河原坊駐車場から車道歩きで小田越登山口へのアプローチが必要。

山行タイムライン
  • 13:51
    河原坊
    早池峰山河原坊駐車場の3箇所分割駐車エリア
    河原坊駐車場

    停める所が3箇所に分かれている河原坊駐車場。午後2時前の時点では10台程度。近くにトイレとビジターセンターがある。

    早池峰山河原坊バス停とアクセス情報
    河原坊バス停
  • 14:12
    小田越
    早池峰山小田越登山口の仮設トイレ設備
    小田越登山口

    河原坊駐車場から車道を歩いて小田越登山口へ。こちらにも仮設トイレが並んでいた。

    早池峰山小田越コースの樹林帯
    小田越コース

    小田越コースは樹林の中をゆったりと登っていく。時折、クマ対策に叩いて鳴らす一斗缶が置いてある。東北の山だけあって、クマへの警戒は必要だね。

  • 14:28
    御門口
    早池峰山御門口付近の蛇紋岩岩場への変化
    岩場

    樹林帯を抜けると見通しの良い岩場の道。ここから早池峰山らしい蛇紋岩の世界。

    早池峰山の蛇紋岩地帯での紫陽花
    早池峰山岩場での登山道と安全確保
    早池峰山での高山植物観察と写真撮影
    高山植物

    岩の間などには高山植物が沢山咲いていた。ゆっくりと登りながら周りを注視して、高山植物をカメラに収める。

    早池峰山固有種ハヤチネウスユキソウの7月開花
    ハヤチネウスユキソウ

    ハヤチネウスユキソウ発見!そういえば、花巻市街方面からの途中で “早池峰うすゆき荘” って名前の看板を見かけた。この花から取った名前なんだね。

    早池峰山での蛇紋岩と高山植物の共存環境
    ハヤチネウスユキソウの固有種としての貴重性
    ハヤチネウスユキソウ
  • 15:01
    御金蔵
    早池峰山御金蔵での八合目からの山頂展望

    八合目付近を見上げる。まだまだ先は長そうだ。午後スタートだから、時間配分も気になってくる。

    早池峰山中腹の花畑
    早池峰山の岩
    早池峰山上部での岩場歩行と花々
  • 15:13
    天狗の滑り岩
    早池峰山天狗の滑り岩でのロープ場安全通過
    ロープのある岩場

    ロープ場登場。登りには気づかなかったが、横にはハシゴがあって下りはそちらを使った。

    早池峰山のハシゴ設備による安全な岩場通過
    ハシゴ

    ハシゴは古びているが、しっかりと固定されているので怖さは感じない。こういう設備があると安心。

    早池峰山でのハシゴ場後の岩場
  • 15:23
    剣ヶ峰分岐
    早池峰山剣ヶ峰分岐からの稜線木道歩行
    木道歩き

    稜線に出てから、頂上まで木道を歩く。一気に環境が変わった感じ。

  • 15:26
    門馬コース分岐
  • 15:32
    早池峰山
    早池峰山山頂での16座目百名山達成記念
    早池峰山山頂
    早池峰山山頂の広い開放的な山頂エリア
    早池峰山山頂

    早池峰山の山頂に到着。16座目の百名山制覇。割と広い山頂で開放感がある。

    早池峰山山頂からの岩手県山岳展望
    早池峰山山頂からの景色
    早池峰山山頂からの午後霞がかったパノラマ展望
    早池峰山山頂からのパノラマ

    頂上からのパノラマ。午後からの登山なので、霞がかって景色はイマイチ。やっぱり朝一番の方が景色はいいよね。

    早池峰山山頂での東北遠征第1座目達成感
    早池峰山山頂
    早池峰山河原坊コースの通行禁止
    河原坊コースへの道

    河原坊コースへの道へは通行禁止のロープが張られている。

    早池峰山山頂の剣状オブジェと遠野神話文化
    早池峰山の剣

    頂上には、いろいろな形の剣状のオブジェが置かれていた。遠野の神話かなにかかな?早池峰山は霊山としても有名だしね。

    早池峰山山頂からの霊山としての神聖な雰囲気
    早池峰山山頂からの景色
    早池峰山山頂での下山準備と名残惜しさ
    早池峰山山頂
  • 15:35
    早池峰山頂避難小屋
  • 15:54
    門馬コース分岐
  • 15:57
    剣ヶ峰分岐
  • 16:02
    天狗の滑り岩
    早池峰山下山路の花々
  • 16:11
    御金蔵
  • 16:34
    御門口

    登山口までの間、遊歩道横のヤブから「ドーン」と何かが落ちた音に続いて「ガサコソ」逃げていくような音。クマかな?ちょっとドキドキした。

  • 16:49
    小田越
  • 17:11
    河原坊

下山後の感想

中腹から上の岩場では滑りやすい蛇紋岩に注意が必要だった。雨の日なんかは特に危険そう。

下山途中の樹林帯で突如「ドーン」と何かが落ちるような音に続いて「ガサガサ」と逃げ去るような音がして、姿が見えなかったけど熊かもしれないという恐怖からか3分位静止してた。クマ鈴を鳴らしてなかったら鉢合わせしてたかもしれない。

早池峰山は山の魅力がギュッと詰まっていて贅沢な登山に感じた。急登もなく、気軽に登れるのもいいね。ハヤチネウスユキソウも見られたし、大満足の山行だった。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

装備費用

  • 超軽量折りたたみリュック(20L): 1,112円(Amazonセール、180g)

装備費合計: 1,112円

Amazonでセールだった超軽量(180g)のリュックを購入。今回の遠征には使ってないが、重量制限が厳しいLCCでの遠征の時に役に立つかもしれない。

交通費用

  • 高速バス(新宿~仙台)往復: 7,100円(ウィラー)
  • ウィラープレミア会員年会費: 1,100円
  • レンタカー60時間: 10,125円
  • ガソリン代: 6,216円

交通費合計: 24,541円

高速バスは、ピンクのバスで有名なウィラーを使った。ウィラーは年間費がかかるが、バス代が300円安くなるプレミア会員というシステムがあり、1年に2往復するだけで元が取れる。

それ以上にいいのが、「無料シートランクUP」という乗車当日に開いている席があれば、無料でシートランクアップできる特典。4列の安い席で予約して、3列独立シートに交換とかできる(運が良ければだが)。

食費・その他

  • 朝・昼・夕 3日分: 6,000円
  • 行動食 3日分: 900円

食費合計: 6,900円

総費用

合計: 32,553円

東北遠征第1弾としては、高速バス+レンタカーの組み合わせが効率良かった。3日間で3つの百名山を登れたから、1座あたり約11,000円。これは悪くないコスパじゃん。

今になって思うこと

2017年の梅雨は、東北では7月1日頃に梅雨入りしていたので、この遠征時には梅雨の真っ只中ということになる。しかし、7月7日~9日までの3日間とも天候に恵まれた。

個人の感想だが、東北は散発的に雨が降ることがあっても、ジメジメした梅雨ってのがあまりない。なので、梅雨時期には東北地方へ遠征に行くのは結構ありだと思う。

ちなみに、この年の東北では梅雨明けが宣言されることはなかった。気象学的にも面白い年だったね。

早池峰山は花の山として有名だが、7月上旬でもハヤチネウスユキソウを見ることができた。6月下旬から7月上旬が見頃なのかもしれない。固有種の花を見られるのは百名山登山の醍醐味の一つ。

蛇紋岩の岩場も早池峰山の特徴。滑りやすいので注意が必要だが、独特の地質が生み出す植生や景観は他の山では味わえない。地質に興味がある人には特におすすめしたい山だ。

クマとの遭遇(?)も東北の山らしい体験。クマ鈴は必須だし、音を出しながら歩くのが基本。早池峰山は人気の山だから比較的安全だが、東北の山では常に野生動物への警戒が必要だね。


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