東海道五十三次 金谷から磐田まで~小夜の中山峠越えと静岡県の広大さを実感する33.7kmの旅
金谷駅から始まる石畳の急坂、そして東海道三大難所へ
2023年12月29日、快晴。前回の続きで金谷駅からスタート。電車の車窓から見ていると、島田駅から大井川を渡って金谷駅までの道中が結構な上り坂だったことを改めて実感した。「歩いてきた道を電車で振り返る」というのも、街道歩きならではの楽しみ方だよなぁ。

金谷一里塚跡で旧東海道と合流すると、すぐに「金谷坂の石畳」が始まる。大きな丸い石が敷き詰められた石畳は、風情は抜群だけど、正直めちゃくちゃ歩きにくい。歴史を感じさせる丸みを帯びた石は、一歩一歩慎重に進まないと転びそうになる。雨の日や暗い時間帯は相当危険だろうな。
坂を登り切ったところに「すべらず地蔵尊」があるのも、なんだか意味深。きっと昔から多くの旅人がここで転んだんだろう。
小夜の中山、想像とは違った穏やかな峠道
茶畑に囲まれた絶景の道

東海道三大難所のひとつ「小夜の中山」。名前から急な山道を想像していたけど、実際はなだらかに台地を登るような感覚だった。道の両側には一面に広がる茶畑。静岡らしい風景に思わず足を止めてしまう。

久延寺を過ぎると、絵になる茶屋「扇屋」が現れた。こちらの名物は「子育て飴」。今回は時間の関係で立ち寄れなかったけど、江戸時代から続く老舗の茶屋で一服するのも旅の醍醐味だろう。
爽やかな風を感じながら歩く道は、本当に気持ちがいい。これが難所?と思うくらい快適な道のり。でも、きっと雨の日や霧の深い日は違った表情を見せるんだろうな。
夜泣石跡と歴史の重み

中山峠には「夜泣石跡」がある。現在、石自体は国道1号線沿いに移設されているが、ここは元々石があった場所。妊婦が山賊に殺され、その霊が石に宿って夜な夜な泣いたという伝説。こういう話を聞くと、昔の街道がいかに危険だったかがよくわかる。

峠を下りると、昔ながらの街並みが続く「日坂宿」に到着。住民の方々が街道の風情を守り抜こうとする努力が伝わってくる。通りの家々には昔の屋号の看板が掲げられていて、まるでタイムスリップしたような気分になる。
この金谷から日坂までの区間は、旧東海道の魅力がぎゅっと凝縮されたおすすめスポット。「短時間で東海道らしさを体感したい!」という方には特にぴったりだと思う。
掛川宿の七曲りと変化に富んだ街並み
城下町特有の複雑な道筋

日坂宿を後にして掛川へ向かう。掛川宿に入る手前で「七曲り」と呼ばれる区間を通る。新しい住宅街を縫うように曲がりくねる細い道は、当時の防衛上の工夫がそのまま残されている。
城下に入る際の独特の緊張感が伝わってくるようで、歩いていてワクワクする。現代の住宅街の中に、江戸時代の道筋がそのまま残っているなんて、なんだかロマンチックじゃない?
シャッター商店街に見る時代の変化
掛川の商店街に入ると、シャッターが閉まった店が目立つ。ちょっと寂しげな風景だけど、これも時代の流れなんだろうな。でも、そんな中でも「桂花園」という店には行列ができていた。地元で愛される店は、やっぱり強い。

掛川宿の本陣跡は、今では屋台村として再利用されている。歴史的な場所が現代の商業施設として生まれ変わる。これも一つの文化の継承の形なのかもしれない。
袋井宿、東海道のちょうど真ん中で感じる達成感
どまん中推しの町
西掛川駅を過ぎて、原川の松並木を楽しみながら袋井へ。袋井宿は東海道五十三次で西からも東からも27番目、つまりちょうど真ん中の宿場。「どまん中東小学校」こと袋井東小学校の名前を見て、トコトンどまん中推しなのがよくわかった。

「東海道どまん中茶屋」という観光案内所もある。長い旅路もようやく半分。ここまで歩いてきた道のりを思い返しつつ、一息つける場所だ。
復元された木原一里塚

袋井を出てすぐの木原一里塚は、立派に復元されていて見応えがあった。久しぶりに見る完全な形の一里塚。こういうのを見ると、地元の人たちの歴史を大切にする気持ちが伝わってくる。
磐田市へ、そして姫街道との分岐点
静岡県の広大さを実感
許禰神社(きねじんじゃ)を過ぎて、袋井市から磐田市へ。それにしても、静岡県は本当に広い!歩いていると改めてその広さに驚かされる。金谷から磐田まで、同じ県内なのに33.7kmも歩いている。
東京だったら、東京駅から八王子駅くらいまでの距離。それがまだ静岡県内というんだから、スケールが違う。
見付宿と姫街道
見付宿に入ると、「見付追分」で浜名湖北方面へ向かう姫街道との分岐点を通過。脇街道として使われた姫街道は、浜名湖を船で渡るのを避けたい旅人や、女性の旅人に人気があったという。
こういう分岐点に立つと、昔の旅人たちがどちらの道を選ぶか悩んだ姿が目に浮かぶ。東海道を歩く楽しさがますます膨らむ瞬間だ。
磐田駅でゴール、そして新たな発見

16時29分、磐田駅に到着。もうすぐ日が暮れそうな時間帯。今日も7時間15分、よく歩いた。
駅前では「chocoZAP磐田駅前店」が新規オープン準備中だった。最近、本当にどこにでもできるなぁ。店舗内にはマッサージ機もあるので、街道歩きで疲れた体をほぐすのにちょうどいいかも?
東海道歩きを楽しむためのアドバイス
最後に、これから東海道を歩く人へのアドバイスを。
小夜の中山峠について
- 名前ほど険しくないが、石畳や坂道は滑りやすいので注意
- 茶畑の風景は必見、カメラの準備を忘れずに
- 扇屋で休憩するなら時間に余裕を持って
静岡県内の歩き方
- とにかく広いので、1日の行程は無理せず計画的に
- 松並木が多く残っているので、歴史を感じながら歩ける
- 商店街も多いが、営業時間に注意(シャッター街も多い)
見どころポイント
- 金谷坂の石畳:風情はあるが歩きにくいので要注意
- 日坂宿:昔の屋号看板が残る風情ある宿場町
- 袋井宿:東海道のちょうど真ん中、達成感を味わえる
- 見付追分:姫街道との分岐点、歴史の交差点
次回は、いよいよ浜名湖に向かって進む予定。東海道のさらなる魅力を探しながら、旅を続けたいと思う。静岡県、まだまだ続くぞ!
金谷~磐田の歩行記録
- 日程:2023年12月29日(金)
- 天候:快晴
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
07:15 | 33.7km | 330m | 412m |
地図・標高グラフ
コースタイム
金谷一里塚跡から【日坂宿】まで
金谷駅 09:12 → 09:15 金谷一里塚跡(前回の続き) → 09:35 諏訪原城ビジターセンター → 09:48 菊川の里会館 09:49 → 10:06 小夜の中山 → 10:11 中山峠 → 10:42 【日坂宿】
- 09:12
- 09:15
- 09:35
- 09:48
- 10:06
- 10:11
- 10:42
【日坂宿】から【掛川宿】まで
【日坂宿】 10:42 → 10:42 東海道25宿日坂宿 → 10:58 遠江国一宮 事任八幡宮 → 12:20 東海道26宿掛川宿 12:21 → 12:21 【掛川宿】
- 10:42
- 10:42
- 10:58
- 12:20東海道26宿掛川宿
- 12:21【掛川宿】
【掛川宿】から【袋井宿】まで
【掛川宿】 12:21 → 12:49 西掛川駅 13:00 → 13:42 名栗花茣蓙公園 → 14:32 東海道27宿袋井宿 14:33 → 14:33 【袋井宿】
- 12:21
- 12:49
- 13:42
- 14:32
- 14:33【袋井宿】
【袋井宿】から【見付宿】まで
【袋井宿】 14:33 → 15:28 大日堂 → 16:00 旧東海道 見付宿(問屋場跡) → 16:26 【見付宿】
- 14:33
- 15:28
- 16:00
- 16:26【見付宿】
【見付宿】から磐田駅まで
16:26 【見付宿】 → 16:26 旧東海道との分岐 → 16:29 磐田駅
- 16:26【見付宿】
- 16:26
- 16:29