東海道五十三次・徒歩旅ついに完歩!南草津から三条大橋までの感動の最終日
正月に歩いてから数ヶ月。ゴールデンウィークも終わり、季節はすっかり春から初夏の陽気に変わってきました。
今回は、いよいよ東海道五十三次の徒歩旅・最終日。スタートは南草津駅、そしてゴールは京都・三条大橋。2022年11月に日本橋を出発してから、コツコツと歩き続けて約3年半。全18日間の歩き旅も、とうとう終わりを迎えます。
正直、ここまで来るのに長かった。仕事の合間を縫って、週末や連休を使って少しずつ。でも、だからこそ達成感もひとしおです。
運命を感じた南草津駅からの再スタート
夜行バスで到着した朝の静けさ

今回のスタート地点、南草津駅には夜行バスで到着しました。朝5時45分、まだ薄暗い駅前。通勤ラッシュ前の静かな時間帯です。
前回の旅では足を痛めてしまい、たまたまここで中断。振り返ってみれば、その南草津駅が大阪行き夜行バスの数少ない降車ポイントのひとつという偶然が、なぜか運命めいたものに思えてしまいます。
「ここから始めなさい」と言われているような、不思議な感覚。まあ、単に夜行バスの都合なんですけどね(笑)。でも、こういう偶然も旅の醍醐味かもしれません。
最後の一里塚から始まる道

野路の一里塚跡から再び歩き始めると、すぐに「萩の玉川」という場所に出会いました。「日本六玉川」の一つらしいけど…正直、”日本六玉川”って言葉、今回初めて知りました。
調べてみると、和歌に詠まれた名所なんだとか。江戸時代の人たちは、こういう教養があったんでしょうね。現代人の私は「へー、そうなんだ」くらいの感想しか持てませんでしたが。
でも、弁天池は素敵でした。池の真ん中に神社のある島があって、橋で渡れるようになっている。朝の光に照らされた水面が神秘的で、しばし見とれてしまいました。
瀬田の唐橋から大津へ
期待と現実のギャップ

東海道の名所「瀬田の唐橋」。歴史の教科書にも出てくる有名な橋です。「俵藤太のムカデ退治」の伝説でも知られていますよね。
でも、実際に渡ってみると…普通の橋でした。擬宝珠はあるものの、近くで見るとただの鉄筋コンクリートの橋。遠目には風情あるけど、正直ちょっと拍子抜け。
まあ、現代の橋に江戸時代の風情を求めるのが間違いなのかもしれません。それでも、ここを渡って琵琶湖を越えるという行為自体に、歴史的な意味があるんだと自分に言い聞かせました。
滋賀県庁の重厚な佇まい

大津市内に入ると、登録有形文化財の滋賀県庁が目に入ります。重厚な石造りの建物で、隣のNHK大津放送局と並んで、なかなかの存在感。
こういう歴史的建造物が現役で使われているのって、いいですよね。京都に向かう前の、滋賀らしい風景として印象に残りました。
逢坂山を越えて京都へ
峠越えで感じる境界線

南草津を出発し、逢坂山(おうさかやま)を越えて大津から京都へ。町の風景や人の気配が少しずつ変わっていくこの峠越えは、まさに街道歩きの醍醐味です。
逢坂関は、かつての三関(不破関、鈴鹿関、愛発関のちに逢坂関)のひとつ。ここで近江国から山城国へと入ります。県境ならぬ国境を越える瞬間は、やはり感慨深いものがあります。
かつて旅人が感じたであろう、「都が近づいてくる」あのワクワク感。現代の私でも、確かに空気が変わるのを感じました。単なる気のせいかもしれませんが、京都側に入ると、なんとなく洗練された雰囲気が漂ってくるような。
髭茶屋追分での分岐点

京都側に下りた髭茶屋追分では「ブラタモリ」で観た風景がリアルに目の前に広がり、歴史を感じてテンションが上がりました。
ここは東海道と伏見街道の分岐点。もし「東海道五十七次(大坂まで)」を歩くなら、ここが新たなスタート地点になります。今回は右側の京都へ。でも、いつか左の道も歩いてみたいな。
京都市内の見どころ満載ルート
近代建築の宝庫・蹴上エリア

京都市内に入ってからも見どころは満載。蹴上(けあげ)のねじりまんぽは、もっと近くで見たかったけど、向こう側に渡るのが面倒そうだったので断念。でも、遠目にも独特の煉瓦造りが印象的でした。
このあたりは明治時代の近代建築が点在していて、歴史と文化の両方が楽しめます。琵琶湖疏水関連の施設など、京都の近代化を支えた遺産が今も残っているんです。
坂本龍馬の足跡を発見

粟田神社の近くで「坂本龍馬・お龍『結婚式場』跡」を発見。そういえば東海道五十三次の序盤、神奈川宿でおりょう(お龍)ゆかりの料亭があったっけ。
歴史の点と点がつながり、思わずテンション上がります。東海道を歩いていると、こういう発見があるから面白い。龍馬とお龍が、私と同じ道を歩いていたかもしれないと思うと、なんだか親近感が湧いてきます。
ついに三条大橋へ到着
感動のゴール

そして、ついにゴール地点である京都・三条大橋に到着。江戸時代の旅人がそうだったように、僕もこの橋を見て心が熱くなりました。
「やった!ついに着いた!」
思わず声が出ました。周りの人は変な顔してましたが、そんなの関係ない。日本橋から歩いてきた人にしか、この感動はわからないでしょう。
日本橋との対比
出発地点である江戸・日本橋と対になる橋。瀬田の唐橋同様、この橋もコンクリート製ですが、細かい造りに風情があっていいですね。擬宝珠もしっかりあるし、欄干のデザインも凝っています。
東海道の長い道を自分の足で歩いてつないだという実感が、じわじわとこみ上げてきます。スマホで日本橋の写真を見返しながら、「本当に歩いてきたんだな」と実感。
三条大橋には弥次喜多がいるぞ

三条大橋のたもとには、東海道中膝栗毛の弥次喜多像が。最近になって原作を読破してみたんですが、実は彼らは伊勢路に寄ったりして、忠実に東海道をトレースしてる旅ではないことを知りました。
でも、それでいいんです。旅は自由。私も寄り道しながら、自分のペースで歩いてきました。弥次さん喜多さん、お疲れ様でした。
完歩後の京都散策
池田屋事件の現場へ

東海道歩きは終わったけど、せっかくの京都。もう少し歩いてみることに。
三条小橋を渡ると、すぐに池田屋騒動之址が。現在は「はなの舞」になってるのが草。時代の流れを感じる池田屋事件の現場と居酒屋チェーンの組み合わせ。新選組ファンはどう思うんだろう。
祇園の静かな風情

鴨川を渡って祇園へ。祇園新橋の伝統的建造物群保存地区は、京町家が軒を連ねる美しい街並み。意外にも観光客は少なめで、ゆっくり散策できました。
巽橋のあたりは特に風情があって、「これぞ京都」という感じ。東海道を歩き終えた後のご褒美のような時間でした。
東海道五十三次を歩き終えて
達成感と次への思い
この「東海道五十三次徒歩旅」、決して楽な道のりではありませんでした。真夏の暑さ、真冬の寒さ、雨の日もあれば、足を痛めて泣きそうになった日も。
でも、終わってみれば充実感でいっぱいです。江戸から京都まで、歴史ある道を辿りながら、自分の足でつないでいくこの旅は、歩いた人にしか味わえない達成感がありました。
これから歩く人へのアドバイス
東海道五十三次を歩いてみたいという人に、いくつかアドバイスを:
- 無理のない計画を:1日20km程度が適正。欲張らないこと
- 季節を選ぶ:春秋がベスト。真夏と真冬は避けた方が無難
- 装備は大切:特に靴とインソール。ケチると後悔します
- 記録を残す:写真でも日記でも。後で振り返ると宝物になります
- 楽しむこと:完歩が目的になりすぎないように。道中を楽しんで
次なる挑戦は…
次に歩くとしたら「中山道」か、それとも「お遍路」か…。また新しい旅の準備をしつつ、今はこの達成感に浸っています。
東海道五十三次、本当に歩いてよかった。人生の中で、確実に忘れられない経験になりました。さあ、次はどこを歩こうかな。
南草津~三条大橋の歩行記録
- 日程:2025年5月9日(金)
- 天候:くもり
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
05:31 | 24.3km | 141m | 205m |
地図・標高グラフ
コースタイム
上北池公園から【大津宿】まで
上北池公園 5:45 → 6:52 瀬田南小学校前 → 7:01 瀬田の唐橋 → 8:29【大津宿】
- 5:45
- 6:52
- 7:01瀬田の唐橋
瀬田の唐橋 東海道の名所「瀬田の唐橋」。歴史的には有名だけど、実物は普通の橋。
瀬田の唐橋 瀬田の唐橋 擬宝珠はあるものの、近くで見るとただの鉄筋コンクリートの橋
遠目には風情あるけど。ま、こういうもんか。瀬田の唐橋 京阪石山坂本線唐橋前駅 しばらくは京阪石山坂本線と並走。
松の木 工業地帯に入って、旧東海道の雰囲気はなくなるが、たまに街道沿いに植えられている松の木が嬉しい。
瓦ヶ浜駅 滋賀県庁 登録有形文化財に登録されていて重厚な建物な滋賀県庁。
右側はNHK大津放送局。大津宿の町並み 大津宿の町並みが現代に埋もれつつもわずかに残る。
露国皇太子遭難之地 スルーして通り過ぎそうになったけど、ここがあの「大津事件」の現場。
京阪京津線の軌道 ここでは路面を走る京津線の軌道。
京阪京津線の軌道 - 8:29【大津宿】
【大津宿】から【三条大橋】まで
【大津宿】 8:29 → 8:35 関蝉丸神社下社 → 8:49 東海自然歩道歩道橋 → 8:55 旧東海道 近江国・山城国 国境 9:00 → 9:01 逢坂関 9:02 → 9:25 髭茶屋追分 → 10:29 日ノ岡 → 10:37 蹴上駅 → 10:47 粟田神社入口鳥居 → 10:52 東山駅 → 11:01 京阪三条駅 11:08 → 11:15 【三条大橋】
- 8:29
- 8:35
- 8:49
- 8:55旧東海道 近江国・山城国 国境
- 9:01
- 9:25
- 10:29日ノ岡
- 10:37
- 10:47
- 10:52
- 11:01
- 11:15【三条大橋】
三条大橋 三条大橋に到着、これにて東海道五十三次を踏破!
江戸・日本橋からの全行程、無事に完歩した。駅伝発祥の地 三条大橋は駅伝発祥の地でもある。
三条大橋 瀬田の唐橋同様この橋もコンクリートだけど、風情あった細かい造りでいいね。
三条大橋の擬宝珠 三条大橋 鴨川 鴨川を見下ろす。散歩している人、寛いでいる人いっぱいいて、雰囲気いい。
スターバックス コーヒー 京都三条大橋店 三条大橋のスタバ。
旧三条大橋の石柱 スタバの前には旧三条大橋の石柱。
三条大橋 東海道中膝栗毛の弥次喜多像 最近になって「東海道中膝栗毛」を読破してみたが、伊勢路に寄ったりして忠実に東海道をトレースしてる旅ではないことを知った。
池田屋騒動 擬宝珠刀傷跡
京都歩き。三条大橋の近くは池田屋事件の現場

三条大橋までの東海道とはお別れして、ここからは京都散策。
久しぶりの京都なので、ここから東南方向にある祇園へ歩き巡ろうと思う。

池田屋。現代は「はなの舞」になってるのが草。
時代の流れを感じる池田屋事件の現場と居酒屋の組み合わせ。

四条から鴨川を渡って祇園



京町家が軒を連ねている美しい街並み。意外にも観光客は少なめだった。


八坂神社から二寧坂と産寧坂


お昼を過ぎて、雨がパラパラと降ってくる。
八坂神社はインバウンド観光ツアーのコースに組み込まれているらしく、どこも人だらけ。






京都おまけ

コメダでみそカツパンを注文するとき。デフォルトの3つ切りだと食べにくいので、4つ切りにして欲しいと頼む。
普通なら均等に同じ形で4つ切りにしてくれるのだが、京都のこの店舗はスタイリッシュな切り方だった。

東本願寺前に停まっていた京都仕様のバニラカー。