桑名宿~四日市宿 21.5km 真夏の三重路で限界に挑戦
はじめに:夏休みの帰省で東海道歩きを再開
2024年8月16日、お盆の帰省を利用して、約5ヶ月ぶりに東海道五十三次の続きを歩いてきました。
前回は3月に宮宿(熱田)の七里の渡しまで到達。実際に船で伊勢湾を渡ったわけではありませんが、今回はその海上ルートの到着地である桑名からスタートです。三重県に入って初めての東海道歩き、楽しみにしていたんですが…
「いや~、今年の夏の暑さは本当にヤバい!」
これを「殺人級」って呼ばずに何て言うんでしょうか。結論から言うと、予定していた距離の3分の2しか歩けませんでした。でも、命あっての物種。無理は禁物ですよね。
早朝スタートでも容赦ない暑さ
桑名駅から七里の渡し跡へ

朝6時44分、JR桑名駅からスタート。まだ朝の早い時間帯ということで、影が長く、直射日光をある程度避けられる状態でした。
「早朝なら大丈夫かも」
そんな甘い期待を抱いていた自分を、後で殴りたくなりました。真夏の暑さは、朝だろうが容赦なし。駅から歩き始めて15分もすると、じわじわと汗が噴き出してきます。
桑名宿の見どころ

桑名側の七里の渡し跡に到着し、桑名城跡の三之丸公園にある蟠龍櫓(ばんりゅうやぐら)を眺める。ここが江戸時代、宮(熱田)から船でやってきた旅人たちが上陸した場所。当時の賑わいを想像しながら、しばし感慨にふけります。
背景に揖斐川が広がる美しいロケーションで、早朝の澄んだ空気の中、写真撮影には最高の条件でした。
「これは良い一日になりそうだ」
この時はまだ、そう思っていたんです…
マルマンのアイス饅頭、食べたかった!

桑名の町を歩いていると、「マルマン」というお店の前を通りました。実はここ、8月6日放送の「マツコの知らない世界」で紹介されたアイス饅頭の有名店。
「ワンチャン、朝早くから行けば食べられるかも」
淡い期待を抱いていたんですが、Googleマップの口コミを見ると「既に閉店日まで予約のみで完売」との情報が。しかも、来月には惜しまれながら閉店されるそうです。
「食べたかったなぁ…」
テレビの影響力って本当にすごいですね。でも、地元の人に愛されてきたお店が閉店するのは寂しいものです。
桑名から四日市へ:単調な道のりと増す暑さ
町屋橋から始まる長い道のり
7時56分、町屋橋を渡ります。ここから四日市までは、正直言って単調な道のりが続きます。大きな国道沿いではないものの、これといった見どころも少なく、ひたすら歩くだけ。
でも、こういう何もない道こそ、東海道歩きの醍醐味かもしれません。江戸時代の旅人たちも、きっと同じような景色を見ながら、黙々と歩いていたんでしょうから。
飛び出し坊やの頻出地帯

面白かったのは、この辺りでやたらと「飛び出し坊や」を見かけたこと。
「なんでこんなに多いんだろう?」
調べてみると、飛び出し坊やの本場は滋賀県。三重県は滋賀県に隣接しているから、その影響を受けているのかもしれません。地域性って、こういう小さなところにも現れるんですね。
じりじりと照りつける太陽
時間が経つにつれて、太陽の角度が高くなり、影がどんどん短くなっていきます。9時を過ぎた頃から、もう逃げ場がない状態に。
アスファルトからの照り返しと、上からの直射日光のダブルパンチ。体感温度は確実に40度を超えていたと思います。水分補給のペースも上がり、持参した2リットルの水があっという間に減っていきました。
四日市宿:アーケード街の賑わい
なが餅笹井屋でお土産購入

10時29分、三滝橋のたもとにある「なが餅笹井屋本店」に到着。ここは四日市の銘菓「なが餅」で有名なお店です。
「お土産に買って帰ろう」
店内は冷房が効いていて、まさに天国。しばし涼みながら、なが餅を購入しました。でも、店員さんから心配そうに言われたのが、
「この炎天下で長時間持ち歩くのは、お餅が傷んでしまうかもしれませんよ」
確かに…でも、せっかくなので買って帰ることにします。今日中に食べないといけない使命感。
活気ある表参道スワマエアーケード

10時35分、四日市宿に到着。ここでは旧東海道がそのままアーケード街になっています。「表参道スワマエアーケード」という名前で、諏訪神社の参道でもあるんです。
これまで通ってきた宿場町の商店街と比べて、まだまだ活気が残っている印象。平日の午前中にもかかわらず、そこそこ人通りもあり、シャッターが閉まっている店も少ない。
「こにゅうどうくん」という四日市のマスコットキャラクターのグッズや、首が伸びる妖怪「中入道さん」の人形など、地元色豊かな商品が並んでいて、歩くだけでも楽しい雰囲気でした。
限界到達:南四日市駅でギブアップ
11時、ついに限界が…
四日市宿を出て、次の石薬師宿を目指して歩き始めましたが、11時頃には完全に限界を迎えました。
- 気温は確実に35度超え
- 湿度も高く、汗が蒸発しない
- 日陰がまったくない
- アスファルトからの照り返しが凄まじい
「これ、マジで無理じゃない?」
頭がクラクラしてきて、足取りも重くなってきました。熱中症の初期症状かもしれません。
エスケープの決断
11時24分、JRの南四日市駅に向かう道との分岐点に到着。ここで重要な決断をしました。
「今日はここまでにしよう」
予定では関宿近くまで、あと10km以上歩くつもりでしたが、この暑さでは命に関わります。「エスケープも旅の一部!」と自分に言い聞かせ、南四日市駅へ向かうことに。

11時35分、南四日市駅に到着。冷房の効いた駅舎に入った瞬間、生き返った気がしました。
真夏の東海道歩き:教訓と対策
今回学んだこと
この日の経験から、真夏の街道歩きについて多くを学びました。
- 早朝スタートでも限界がある
- 6時台スタートでも、10時過ぎには危険レベル
- 真夏は日の出前(4時台)スタートが理想的
- 水分補給だけでは不十分
- 塩分補給も必須
- 経口補水液を持参すべき
- 装備の見直しが必要
- 日傘や冷却タオルの活用
- 長袖の速乾性シャツで肌を守る
- 無理は絶対にしない
- プライドより命が大事
- エスケープルートの事前確認必須
次回への対策
明後日は鈴鹿峠直前の関宿まで歩く予定でしたが、この暑さが続くなら30km以上は無理ゲーです。計画を見直し、以下の対策を考えています。
- 日の出前スタート(4時起き)
- 10時までに終了する短距離設定
- 9月以降への延期も視野に
まとめ:安全第一で楽しむ東海道歩き
桑名宿から四日市宿(実際は南四日市駅)まで、21.5kmの道のり。予定の3分の2で終了という結果になりましたが、これも貴重な経験です。
東海道五十三次を歩く上で最も大切なのは「楽しむこと」と「安全第一」。特に真夏の時期は、無理をせず、体調と相談しながら進むことが重要だと改めて実感しました。
次回はもう少し涼しくなってから、または早朝の涼しい時間帯を狙って、続きを歩きたいと思います。京都のゴールはまだまだ先ですが、焦らず、マイペースに、そして何より安全に進んでいきます。
「東海道の旅、まだまだ続きます!」
桑名~南四日市の歩行記録
- 日程:2024年8月16日(金)
- 天候:快晴
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
04:51 | 21.5km | 8m | 3m |
地図・標高グラフ
コースタイム
桑名駅から【桑名宿】まで
桑名駅 6:44 → 7:02 【桑名宿】
- 6:44
- 7:02
【桑名宿】から【四日市宿】まで
【桑名宿】 7:02 → 7:03 桑名宿 7:55 → 7:56 町屋橋 → 10:29 三滝橋 → 10:35 四日市宿 → 10:40 諏訪神社 → 10:46 【四日市宿】
- 7:02
- 7:03
- 7:56
- 10:29
- 10:35
- 10:40
- 10:46
【四日市宿】から南四日市駅まで
【四日市宿】 10:46 → 11:24 東海道との分岐 → 11:35 南四日市駅
- 10:46
- 11:24
- 11:35