日本百名山全山踏破 73座目 大台ヶ原 | 記録的大雨の中で見えた多雨地帯の真の姿

日出ヶ岳 日本百名山
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大台ヶ原に向かうまで

台風直撃による北アルプス計画の急遽変更

10月18日、当初は自転車を輪行して乗鞍岳へのヒルクライム登山を予定していた。そのまま奥飛騨側へダウンヒルで下り、奥飛騨温泉に一泊。翌日は笠ヶ岳を日帰りで攻略する計画だった。

しかし、12日に上陸した台風19号(後の令和元年東日本台風)の甚大な被害により、中央本線が長期間運休となってしまった。北アルプスへのアクセスルートが完全に断たれた格好だ。

急遽、台風の影響が比較的軽微だった近畿地方の大台ヶ原と大峰山への遠征に計画を変更した。

2019年10月18日 実家経由での関西遠征開始

金曜日に有給休暇を取得し、新宿発の夜行バスで名古屋へ向かった。早朝に実家に立ち寄り、母親から車を借りて奈良県の大台ヶ原へ向かった。

実家を出発したのがちょうど朝8時。国道23号と名阪国道を経由して大台ヶ原ビジターセンターを目指す。到着は5時間半後の午後2時だった。当初4時間程度と見積もっていたが、奈良県内の南北移動は思いのほか時間がかかるものだ。

実際に登ってみた

日程: 2019年10月18日(金) [日帰り] 天候: 大雨

アクセス

大台ヶ原ビジターセンターに駐車。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
01:596.5km363m368m

コースタイム

ルート: 大台ケ原駐車場-大台ヶ原山-正木ヶ原-シオカラ谷吊橋-大台ケ原駐車場

山行タイムライン
  • 14:10
    大台ケ原ビジターセンター
    大台ヶ原ビジターセンターの駐車場
    大台ヶ原ビジターセンターの駐車場

    大台ヶ原ビジターセンターの駐車場で準備を整え、暴風雨の世界へ足を踏み入れた。この時点で既に並外れた雨量を実感していたが、これが序章に過ぎないとは知る由もなかった。

    大台ヶ原ビジターセンター
    大台ヶ原ビジターセンター
    東大台周遊コース入り口
    東大台周遊コース入り口

    東大台周遊コースを時計回りに歩く予定。あまりに悪条件なら、日出ヶ岳までのピストンに変更することも頭に入れていた。

    紅葉し始めた大台ヶ原の森林

    紅葉で色付き始めた木々が美しいが、尋常ではない雨のためゆっくり鑑賞している余裕はない。

    雨で冠水した東大台周遊コース遊歩道
    東大台周遊コース遊歩道

    遊歩道は完全に冠水状態。この時点で靴に水がジャブジャブ入ってくるが、もはやそんなことは諦めの境地だった。

    紅葉し始めた大台ヶ原
    霧に包まれた大台ヶ原
  • 14:34
    展望台分岐
    日出ヶ岳への分岐
    日出ヶ岳への分岐

    展望デッキがある日出ヶ岳への分岐点に到着。

  • 14:37
    大台ヶ原山
    日出ヶ岳
    日出ヶ岳
    大雨の中の日出ヶ岳山頂
    日出ヶ岳
    視界ゼロの日出ヶ岳展望デッキ
    日出ヶ岳展望デッキ
  • 14:44
    展望台分岐
    正木ヶ原方面への木道

    正木ヶ原方面までは立派な木道が続いている。紅葉の中をゆったり歩けるはずなのだが、現実は苛烈だった。

    霧で先が見えない大台ヶ原の木道

    先が見通せず、心細さが募る。しかし引き返すには惜しい場所でもある。

  • 15:03
    正木ヶ原
    正木ヶ原
    正木ヶ原
    記録的大雨の正木ヶ原
    正木ヶ原

    正木ヶ原からの下りの遊歩道が、もはや川と化している状況だった。

  • 15:11
    尾鷲辻
    尾鷲辻付近の濡れた遊歩道
    大台ヶ原の神武天皇像
    神武天皇像
    牛石ヶ原
    牛石ヶ原

    この後の大蛇嵓ピストンは、どうせ何も見えないと判断してスキップした。賢明な判断だったと思う。

  • 15:22
    牛石ヶ原
    シオカラ谷への下り
    シオカラ谷への下り

    シオカラ谷への下りは、完全に沢下りと化していた。

    雨の中でも美しい大台ヶ原の紅葉

    紅葉シーズンはまだ始まったばかりだが、色とりどりのグラデーションが美しく染まっていく様子は、悪天候の中でも印象深かった。

    川と化した大台ヶ原の遊歩道

    川ではなく遊歩道である、ということを改めて強調しておく。

  • 15:45
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷吊橋
    シオカラ谷からビジターセンターへの登り返し

    これまで下った分だけ石段を登り返してビジターセンターへ。

  • 16:07
    大台ケ原駐車場

大台ヶ原ドライブウェイでの野生動物との遭遇

大台ヶ原ドライブウェイのシカ
大台ヶ原ドライブウェイのシカ

帰りの大台ヶ原ドライブウェイでは鹿が見送ってくれた。翌日登る大峰山(八経ヶ岳)登山口への途中にある国道169号沿いで車中泊。大雨はいつまで経っても止む気配がないが、明日は果たして大丈夫だろうか。

下山後の感想

計画では乗鞍岳と笠ヶ岳の北アルプス行きを予定していたが、台風19号の影響で予定していたアクセス方法が使えなくなったため、急遽計画変更を余儀なくされた。台風被害の影響が少ないだろうと考えて奈良の大台ヶ原と大峰山へ向かったのだが、これが吉と出るか凶と出るか。

行く前から雨予報とわかって来てみたものの、想像を遥かに超える雨と風だった。来る途中でスパッツを忘れて後悔していたのだが、そんなものはどうでもよくなるほどの水深で遊歩道が冠水しており、すぐにずぶ濡れになってしまった。

笑えるような雨の量に、これが多雨で知られる大台ヶ原かと妙に納得してしまった。後で知ったのだが、このときに記録的短時間大雨情報が発表され、三重県側では川が氾濫したとのこと。やはり、あの雨は異常だったのだ。

道路が封鎖される前に下りて、翌日は大峰山へ向かう。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

交通費用

  • ガソリン代: 5,402円

交通費合計: 5,402円

食費・その他

  • 食費: 朝昼晩 2日分 4,000円
  • 行動食: 2日分 600円

食費合計: 4,600円

総費用

合計: 10,002円

今になって思うこと

完全に実家を便利なベースキャンプとして活用するスタイルだった。実家に帰る途中、実家から戻る途中で山に登るということは今までもあったが、今回は実家から山へアクセスして実家まで戻るパターン。寝る場所、食事はもちろんのこと、車も提供してもらえ、本当にありがたく使わせてもらった。

大台ヶ原と大峰山は、日本百名山が疎らな西日本の中では隣接している2座。大台ヶ原はハイキング程度の難易度なので、1日で両方登るのも容易だと思う。

記録的な大雨の中での登山は、ある意味で大台ヶ原の真の姿を体験できた貴重な機会だったのかもしれない。年間降水量が日本屈指の多雨地帯の本領を、身をもって知ることができた。


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