2ヶ月以上前から計画していた北海道遠征
雲取山に登った後に計画した、群馬・長野、東北、栃木の遠征。そして、北海道遠征の計画。
北海道は日本百名山が9座あるが、北の利尻山、南の幌尻岳、東の羅臼岳、西の羊蹄山と北海道各地に点在している。全てを登るには何週間もの長期休暇を取らないと周りきれないので、北海道への遠征は複数回に分けることにした。
- 【道北/宗谷地方】利尻山
- 【道東/オホーツク、根室、釧路地方】羅臼岳、斜里岳、阿寒岳
- 【道北、道央/上川、日高地方】大雪山、トムラウシ山、十勝岳、幌尻岳
- 【道央/後志地方】羊蹄山
近い山同士をブロックにわけると、この4ブロック。
最初の北海道遠征は、この中で一番行ってみたい利尻山へ行くことに決めた。
羅臼岳はヒグマが怖いし、幌尻岳は百名山最難関ともいわれる所なので、今はまだ無理だろうというネガティブで避けたというのももちろんある。しかし、何よりも行きたい山に登る、これが重要。
そして、利尻山のある利尻島だけでなく、隣の礼文島にも訪れる2泊3日欲張りプランで計画。
離島の宿は最優先で予約するべし
北海道でも、利尻島などの離島は、泊まる場所の確保を最優先して予約しないといけない。宿に泊まれる人数は限られてるし、代替がきかないからだ。
楽天トラベルで、礼文島と利尻島の宿を1泊ずつ予約。利尻島の宿は、翌朝に登山口まで送迎してくれることを確認した(大抵の宿はやってもらえると思う)。
次に、現地までのアクセス方法を検討する。
今回は、週末と有給の3日間しかないので、飛行機一択だ。利尻島までは、
- 羽田空港→新千歳空港→稚内空港 からフェリーで利尻島
- 羽田空港→稚内空港 からフェリーで利尻島
- 羽田空港→新千歳空港→利尻空港
の3パターンが考えられる。
今回の行きは羽田空港から稚内空港に飛び、そこからフェリーで礼文島。帰りは利尻空港から新千歳空港経由の羽田空港という形にした。
羽田から稚内まではANA便の旅割55で19590円、利尻から新千歳のANA便は株主優待割引(ANAの株主になると貰える株主優待)で半額の13200円、新千歳から羽田はLCCのバニラエアで6960円、それぞれ予約した。
後でわかったが、利尻から新千歳経由の羽田という経路にすれば株主優待の割引がきくっぽい。わざわざLCC使うよりも、そっちのほうが安かったかも。
あとは、フェリーの便と礼文島内のバス時刻を調べて、予定表にスケジューリング。
礼文島のフェリーからバスへの乗り継ぎ時間に余裕がないのと、利尻山下山後に空港まで徒歩で行けるか(タクシーが捕まるか)等の不安はあったが、期待のほうが格段に大きかったので、出発当日までワクワクしていた。
8月5日 羽田→稚内→礼文島。礼文島で久種湖一周
初めての飛行機を使った登山遠征。
今回は道中、全ての持ち物を背負う必要があるので、荷物は必要最低限で1つのザックにまとめた。
そのため、水や昼食などは現地調達。礼文島で開いている店があるかわからないので、稚内駅周辺で買う必要がありそうだ。
羽田空港に着いた後、iPhone充電用のライトニングケーブルを家に置いてきたことに気付く。これも稚内駅周辺で調達しないと、iPhoneの電池が持たない。
10時55分(当初は10:30)出発で、13時(12:20)には稚内へ着く予定(30分程度遅延)。飛行機は速い。
実は、去年も稚内へ訪れていたのだが、その時は札幌からバスで6時間半、鉄路でも5時間以上かかっていた。そりゃ、宗谷本線が廃止の危機になるわけだ。
途中、飛行機の窓からは、先月に登ったばかりの岩手山が見えた。登った山を上空から眺めるのは感慨深い
北海道の大地を飛び越して、宗谷海峡の海の上。
宗谷丘陵に並んだ風力発電が見えてきたら、旋回して稚内空港へとアプローチ
到着は30分遅れ。空港発の連絡バスは到着便に合わせて出発するので、遅延しても待っていてくれるが、バス会社の人もゴタゴタしてて、ここでも時間を取られた感
直接フェリーターミナルに行かずに稚内駅前ターミナルで降りて、駅ビル内にあるセイコーマートでiPhoneケーブルや明日用の食料などを購入
稚内駅は去年も来ていて、その時にこんな最果てに来ることは暫くないだろうと思っていた。まさか1年経たずに、また来ることになるとは思わなかった
フェリーターミナルへは駅から歩いて10分ほど
本来なら出港の時間まで1時間半くらい余裕があったはずなんだけど、なんとかギリギリ間に合った
礼文島へ向けて出港
土曜日だが予想してたより乗客は少なくて、余裕でカーペット席で寝転がれた
昼食を食べる暇がなかったので、船上でサッポロクラシックをあけ、ザンギやコロッケをつまむ。ようやくバタバタしてた緊張感も抜け、最高な北海道旅の幕開けを祝う
遠くに見える、明後日に登る予定の利尻山。霞がかってクッキリ見えない
2時間弱で礼文島の香深港へと入港
旗を振っていたのは桃岩荘ユースホステル(北海道旅をしていると、各地で話題にあがる名物ユースホステル)の方たちかな?
香深港から船泊・スコトン方面へのバスに乗って、礼文島の北端(船泊)にある予約していた宿へ
宿でチェックインを済ませ、身軽になって近所をお散歩がてら久種湖畔キャンプ場へ
予定してなかったけど、せっかくなので久種湖を一周してみる
礼文島の久種湖一周
久種湖は日本で一番北にある湖。湖を一周できる久種湖畔コースが整備されており、色々な花を眺めながら1時間弱の散歩を楽しんだ。(いずれ、別の記事で書くかも)
スコトン岬の夕焼けが美しい
8月6日 礼文島縦断8時間コース。礼文島→利尻島
早めに朝食をいただき、宿を朝7時にチェックアウト。
礼文島縦断(8時間コース+桃岩展望台を経て香深港)
今日は、愛とロマンの8時間コースというトレッキングコースで、礼文島を縦断する。
8時間コースにプラスして桃岩展望台まで進んで、じっくりと礼文島を網羅する8時間弱のトレッキングを堪能した(こちらも別記事で書きたい)。
利尻島へのフェリーに乗船
さようなら礼文島
礼文島から利尻島へ。いよいよ明日は利尻山に登山
あっという間に利尻島の鴛泊港へ
利尻山に負けないくらい印象的な地形のペシ岬
鴛泊港に着いて、目の前の土産物屋(レンタカー屋)で利尻名物の乳酸飲料ミルピスをゲット
ルナヨーグルトを飲んでる感じ
昨日といい今日といい、ウニの小鉢が必ずあるのが嬉しい。
そして、明日に向けて熟睡。
山行記録
- 日程:2017年08月07日(月) [日帰り]
- 天候:快晴
アクセス
登山口へは宿からの送迎してもらう
下山後は、登山口から利尻空港まで歩いた
【飛行機】利尻空港 14:35[15:00] → 15:25[15:49] 新千歳空港(機材到着遅れで25分遅延)
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
08:04 | 20.5km | 1,623m | 1,799m |
コースタイム
利尻山北麓野営場(登山口)→甘露泉→長官山→利尻岳山小屋→沓形分岐→利尻山北峰→沓形分岐→利尻岳山小屋→長官山→甘露泉→利尻山北麓野営場(登山口)→利尻島ファミリーキャンプ場ゆ〜に→旅の宿 しらかば→北国グランドホテル/コテージ北国→利尻空港
- 05:06利尻山北麓野営場(登山口)
宿から鴛泊コースの登山口である利尻北嶺野営場まで送迎していただく
だいたい5時くらいにみんな上がっていくので、この時間が一番賑わう時間帯甘露泉水までウッドチップを固めた歩きやすい道、両側には花が咲いていて、これから登っていく気分を高めてくれる
- 05:14甘露泉
程なく最後の水場となる甘露泉水へ
冷たくて美味しい。本当に甘く感じるのはなんでだろう汲み口が下の方なので、口径の狭いペットボトルだと汲みづらいかもしれない
ツバメオモトの青い実
4合目 野鳥の森
1合ごとに名前が付いてるのいいな5合目 雷鳥の道標
前日までの曇天模様とは違って、真っ青な快晴で昨日までいた礼文島もバッチリ見える
北側からのコースなので、日差しも強くなくサクサクと登れる6合目 第一見晴台
ペシ岬や鴛泊の街並みもよく見える
7合目 胸突き八丁
ここのあたりから本格的な登り道になっていき、次の8合目までが長く感じる手前のピークが長官山
- 07:03長官山
8合目 長官山
長官山まで登るとようやく利尻山のピークが見えてくる
赤い屋根の避難小屋が見えてきた
- 07:20利尻岳山小屋
鞍部にある利尻岳山小屋
裏側には携帯トイレブースあり利尻岳山小屋の中を覗いてみた
9合目。ここは特に名前がなかったようだ
今までの登山道とは打って変わって岩場や
一人ずつしか通れない崩壊したザレ場が現れる
- 07:59沓形分岐
何メートルも土が抉れた登山道は、これ以上の土砂流出を防ぐために様々な保全整備がされていて、登りやすくなっている
山頂が見えてきたが、ちょっとガスってる
- 08:16利尻山北峰
利尻山頂上についたー
船のスクリューが奉納されているのは利尻島らしさがあって良いね左に礼文島、右に北海道、そしてその間に薄っすらとサハリンが見えた
利尻山にミルピス(中身はVAAM)を奉納
利尻山南峰とローソク岩
- 08:58沓形分岐
下山中。登っている時には気づかなかったが9合目と避難小屋の間にはリシリブシの群落が
- 09:30利尻岳山小屋
- 09:38長官山
- 11:12甘露泉
- 11:29利尻山北麓野営場(登山口)
時間に余裕があるので、利尻空港まで歩くことにした
登山口まで降りた後、アプローチ道を歩いて鴛泊の街へ
途中までウッドチップを固めた歩道となっており、足に優しい - 11:59利尻島ファミリーキャンプ場ゆ〜に
- 12:07旅の宿 しらかば
鴛泊のセイコーマートでちょっと休憩
- 12:24北国グランドホテル/コテージ北国
利尻空港までのルートをGoogleに託すと、普通に考えたら絶対選ばない、こういう道へといざなってくれるので好き
- 13:09利尻空港
利尻空港に到着
流石にアスファルトの道を長く歩くと足が痛い
利尻空港
新千歳へ飛ぶ飛行機の到着が遅れていたので、空港で利尻昆布がたっぷりはいった利尻昆布ラーメンを食べる。あっさりしてて、スルスル食べられる
利尻空港のロケーション、滑走路の向こうに利尻山がそびえてるの最高でしょ
搭乗待合室は前面ガラス張りで、到着した飛行機がよく見える
タラップから降りてきた乗客のほとんどがカメラを取り出し撮影してた
こんどは搭乗客が撮影する番
利尻空港は、素敵な空港でした
当時の感想
よく整備されており、無理のある段差も少なく非常に登りやすかった。9合目からの崩壊したザレ場では、土砂流出を防ぐために金網などで保全整備されており安心して通過できる。
ただ、樹林帯では頭上にある低木に頭やザックをぶつけることがあった。
礼文・利尻の2泊3日の遠征も最終日、本命の利尻山に登る日がやってきた。
旅の前から天気をずっと心配していたが、最高の青空が広がっていて本当に運が良かった。
帰りの飛行機の時間に間に合うために、登り4時間・下り3時間くらいと考えていたが、登山道の登りやすさもあってそれより幾分早く登れたが、下りは小石や浮き石が多く気を使うのでペースには乗れない感じで、登山口で甘露泉水を飲むことを考えながら下っていた
登山口から利尻空港までは1時間半ほどかかった。下山があと10分ほど早ければ利尻富士温泉のバス停で空港行きに乗ることができたと思うが、空港に早く着きすぎてもやることないので歩いてよかったかと
礼文8時間コーストレッキング、利尻山登山と充実してた反面、スケジュールを詰め込んで忙しなかったので、今度訪れる機会があればゆったりと滞在したい
費用
航空券はANAの旅割55と株主優待割引を使った。旅割は割引率が高いが、キャンセルに取消手数料がかかるので変更などはし辛い。株主優待割引は半額になって日時の変更も可能。
利尻空港からの便には旅割が設定されていなかったので、こちらに株主優待割引を利用した。
株主優待割引はANAの100株以上の株式を持っていると半期に1回貰える株主優待。以前からANAの株を持っていたので、いろんな所で活用させてもらっている(この株主優待は、費用としては0円とした計算した)。
新千歳から羽田行きにはバニラエア(今はピーチに統合された)というLCCを使った。LCCだと機内持ち込みできる荷物に重量制限があったり、預け荷物が有料だったりするので、縦走するような遠征には使いづらいかと。
今回、新しい装備として用意したのは、モンベルのO.D.トイレキット セット。利尻山には山中にトイレがないので、携帯トイレを自分で用意する必要がある。
交通費:飛行機 羽田→稚内 19590円・利尻→新千歳 13200円・新千歳→羽田 6960円、電車 726+195円、高速バス(成田→東京)1000円、路線バス 稚内空港→稚内駅 600円 礼文島 960円、フェリー 稚内→礼文香深 2370円・礼文香深→利尻鴛泊 850円 / 計 46451円
宿泊費:礼文島(2食付) 7560円、利尻島(2食付) 9450円 / 計 17010円
装備費:携帯トイレ 638円、iPhone充電ケーブル 1706円 / 計 2344円
食費(概算):昼 3日分、夕 1日分 2500円、行動食2日 600円 / 計 3100円
合計:68905円
今に省みる
飛行機を使った北海道遠征。これまでの遠征と違って、全ての持ち物を背負わないといけないので、礼文島縦断から利尻山の登山まで、ずっと縦走してる気分。
利尻山を登りに来たとしても、利尻島だけじゃなく、礼文島にも立ち寄ってもらいたい。花の浮島と言われるだけあって、どこもかしこも御花畑が広がって、絶景の波状攻撃で頭が麻痺してしまうほど。