東海道五十三次 三島から富士川まで、富士山と工場とひたすら歩く35kmの旅
箱根越えとは真逆の、忍耐力が試される平坦な道のり
前回の箱根八里越えでは、険しい山道と歴史ある石畳に心躍らせながら歩いた。でも今回の三島から富士川までの道のりは、まったく違う種類の挑戦だった。
延々と続くまっすぐな街道、大きなアップダウンもない平坦な道。体力的には楽なはずなのに、精神的にはなかなかきつい。「ただひたすら歩く」ということがこんなに忍耐力を要求されるとは思わなかった。
それでも、この区間には別の魅力があった。雪化粧した富士山が常に視界に入り、地元の人々の日常生活を垣間見ながら、のんびりと歩を進める。派手さはないけれど、これはこれで東海道歩きの醍醐味なのかもしれない。
三島から沼津へ、朝の街道を歩く
学生たちと一緒にスタート
朝7時26分、三島駅を出発。ちょうど通学時間帯と重なって、駅周辺は学生たちでいっぱいだった。彼らの活気に背中を押されるように、今日の旅が始まった。

三島広小路駅まで来ると、レトロな駅舎の向こうに真っ白な富士山がくっきりと見える。この景色を見た瞬間、「今日は良い一日になりそうだ」と直感した。
そして早速、最初のセブンイレブン三島加屋町店に立ち寄る。ここで見つけたのが「みしまコロッケバーガー」。三島周辺限定商品らしい。地元の名物を食べながら歩くのも、旅の楽しみの一つだ。
一里塚が語る歴史の道

伏見一里塚では、道路を挟んで宝池寺と玉井寺の両方に塚が残っているのを発見。江戸時代の旅人たちも、ここで「江戸から何里歩いたか」を確認していたんだろうな。
黄瀬川橋を渡るときは、富士山を眺めたいところだけど、前景の愛鷹山が絶妙に視界を遮る。でも、これもまた一興。完璧すぎる景色よりも、ちょっと邪魔が入るくらいの方が記憶に残るものだ。
単調な道のりとセブンイレブン巡り
沼津から原宿、そして吉原へ
沼津宿を過ぎたあたりから、道は本当に単調になってきた。まっすぐな道がどこまでも続く。前回の箱根越えが冒険に満ちていただけに、このギャップはなかなか堪える。

でも、こんな時こそ自分なりの楽しみ方を見つけるのが大切。今回も「見かけたセブンイレブンには全て立ち寄る」という縛りプレイを継続中。結果的に7店舗も立ち寄ることになった。
おかげでセブンイレブンアプリの「お店巡りマスター」金バッジ(300店舗)を獲得!次の目標はプラチナバッジ(500店舗)だ。こういう小さな達成感を積み重ねるのって、意外と楽しい。歩き旅の単調さを紛らわせる良い方法かもしれない。
工場と富士山の不思議なコラボレーション
吉原宿周辺では、岳南電車のエリアを歩いた。個人的に期待していたのは、岳南電車と工場の風景がセットで楽しめる光景。でも、どうやらそれは岳南原田駅付近の話だったみたい。ちょっと場所を間違えてしまった。

それでも、日本製紙工場の錆びた外観と、その向こうにちらりと見える富士山の組み合わせは面白かった。工業地帯と日本一の山のコントラスト。これも静岡ならではの風景だろう。
「左富士」の解説広場では、本来なら富士山が左側に見えるはずなのに、工場の屋根に遮られてしまう残念スポットになっていた。でも、こういう「期待外れ」も旅の思い出になるものだ。
富士川を渡って、今日のゴールへ
橋の上から眺める絶景
富士川橋に差し掛かったとき、ちょっとしたトラブルが。左側には歩道がないことが渡り始めてから判明。もう少し手前で案内があれば助かるんだけど…。結局、反対側に渡るために少し戻ることになった。

でも、橋の上から眺める富士山は格別だった。富士川の雄大な流れと、真っ白な富士山。この景色を見られただけでも、ここまで歩いてきた甲斐があったというものだ。
地元の人が羨ましい、富士山のある日常
この辺りを歩いていて思ったのは、地元の人たちは本当に恵まれているということ。毎日、あたりまえのように富士山を眺めながら生活できるなんて、なんて贅沢なんだろう。

富士川駅に到着したのは15時7分。駅のホームからも富士山がきれいに見えた。今日一日、ずっと富士山に見守られながら歩いてきたんだなと実感する。
次回への期待と、東海道歩きのコツ
今回の区間は正直、景色の変化も少なく、単調な道のりだった。でも、だからこそ見えてくるものもある。地元の人々の暮らしぶり、ちょっとした歴史の痕跡、そして何より、どんな時でも存在感を放つ富士山。
東海道を歩く人へのアドバイスとしては:
- 単調な区間では、自分なりの楽しみ方を見つけること(私の場合はセブンイレブン巡り)
- 地元限定の食べ物は積極的に試してみる
- 期待通りにいかない場所も、それはそれで思い出になる
- 富士山が見える区間は、天気の良い日を選ぶと幸せ度が上がる
次回は、東海道一の絶景スポットと言われる薩埵峠を越えて、静岡市内を目指す予定だ。ただ、記事執筆時点では、ハイキングコースの一部が崩落の影響で通行止めになっているらしい。薩埵峠からの景色が一番の楽しみなので、復旧を待って再開することにしよう。
東海道五十三次の旅は、まだまだ続く。次はどんな発見が待っているのか、今から楽しみでしょうがない。
三島~富士川の歩行記録
- 日程:2023年1月10日(火)
- 天候:快晴
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
07:42 | 35.2km | 43m | 52m |
地図・標高グラフ
コースタイム
本町交差点から【沼津宿】まで
三島駅 07:26 → 07:30 三島浅間神社 07:31 → 07:35 本町交差点(前回の続き) → 07:40 三島広小路駅 → 07:52 旧東海道 駿河国・伊豆国 国境 → 08:02 伏見一里塚 → 08:17 黄瀬川橋 08:18 → 08:52 【沼津宿】
- 07:26
- 07:30三島浅間神社
- 07:35
- 07:40
- 07:52
- 08:02
- 08:17
- 08:52【沼津宿】
【沼津宿】から【原宿】まで
【沼津宿】 08:52 → 08:58 東海道12宿沼津宿 → 10:18 東海道13宿原宿 → 10:20 【原宿】
- 08:52
- 08:58
- 10:18東海道13宿原宿
- 10:20【原宿】
【原宿】から【吉原宿】まで
【原宿】 10:20 → 12:29 吉原宿 左富士 12:30 → 12:36 平家越 → 12:44 【吉原宿】
- 10:20【原宿】
原宿入口交差点 セブン-イレブン 沼津一本松店 富士山を背景にした贅沢なコンビニ、セブン-イレブン沼津一本松店。
ここで一休みしつつ、絶景を堪能。富士市へ 間宿柏原本陣跡 東田子の浦駅を過ぎた所にある、間宿柏原本陣跡。
日本製紙工場 日本製紙工場の錆びた外観と、ちらりと見える富士山。この独特の組み合わせがなんとも面白い。
位置と角度を工夫すれば、良い写真が撮れそうなところだ。河合橋 河合橋では遠くから通行止めの看板が見えて一瞬焦りましたが、歩行者は問題なく通れました。
この辺りの住民は、富士山を日常的に眺められるなんて本当に羨ましい限り。
普段の生活がこんな風景に囲まれているなんて贅沢です。依田橋西交差点 富士由比バイパスをくぐった依田橋西交差点で、旧東海道は北へ進路を変える。
- 12:29
- 12:36
- 12:44【吉原宿】
【吉原宿】から旧東海道との分岐まで
【吉原宿】 12:44 → 12:44 吉原本町駅 12:45 → 12:52 東海道14宿吉原宿道標 → 12:56 木の元公園 13:06 → 13:10 西木戸跡 → 14:05 柚木駅 → 14:26 水神社 → 14:31 富士川橋 → 14:48 岩渕の一里塚 14:49 → 15:00 旧東海道との分岐 → 15:07 富士川駅
- 12:44【吉原宿】
- 12:44
- 12:52
- 12:56木の元公園
- 13:10
- 14:05
- 14:26
- 14:31
- 14:48
- 15:00
- 15:07