東海道五十三次を歩く旅 第3弾!大磯から小田原まで19kmの海沿いウォーキング
湘南アルプスハイキングからスタートした一日
2022年12月15日、東海道五十三次ウォーキングの第3弾として、大磯から小田原までの区間を歩いてきた。今回はただ歩くだけじゃもったいないと思って、朝イチで湘南アルプス(湘南平〜浅間山〜高麗山)の周回コースをハイキングしてから東海道歩きをスタートするという、ちょっと欲張りなプランにしてみた。
高麗山といえば、歌川広重が描いた「東海道五十三次」の大磯宿の絵にも登場する、まさに大磯のシンボル的な山。標高は168mと低いけど、相模湾を一望できる絶景スポットで、広重が見たであろう景色を自分の目で確かめられたのは感慨深かった。朝の爽やかな空気の中、富士山もくっきり見えて、これから歩く東海道への期待が高まってきた。
大磯宿から始まる旧東海道の旅
湘南発祥の地・大磯の歴史を感じて
10時22分、大磯駅入口交差点から旧東海道に合流。前回の続きからのスタートだ。大磯宿には小島本陣跡や高札場跡など、江戸時代の宿場町の面影を残すスポットが点在している。

特に興味深かったのは「湘南発祥の地碑」。日本三大俳諧道場の一つ、鴫立庵の前に立つこの石碑によると、中国湖南省にある洞庭湖のほとり湘江の南側「湘南」の地形に大磯が似ているから、この地が湘南と呼ばれるようになったんだとか。へぇ〜、湘南って中国由来の地名だったんだ!こういう発見があるから街道歩きは楽しい。
松並木に見る東海道の名残

大磯を出て国道1号線沿いを歩いていくと、ところどころに松並木が残っている。江戸時代、この松並木は旅人に木陰を提供し、道しるべの役割も果たしていたんだろうな。今では断片的にしか残っていないけど、それでも当時の東海道の雰囲気を感じさせてくれる貴重な存在だ。
国道1号線をひたすら西へ:単調だけど富士山が励ましてくれる
二宮町から小田原市への道のり
正直なところ、大磯から小田原までのルートは、ほぼ国道1号線沿いをひたすら歩くだけ。旧東海道といっても、今では車がビュンビュン走る幹線道路沿いなので、風情という点では少し物足りない。でも、時折姿を見せる富士山が、単調な道のりに彩りを添えてくれた。

二宮駅前を通過したとき、ふと「戦前にはここから秦野まで湘南軌道という軽便鉄道が走っていた」という案内板を発見。今となっては「なんでここに?」って感じだけど、当時はそれなりに需要があったんだろうな。こういう小さな発見も、徒歩旅ならではの楽しみだ。
相模湾の眺めと富士山の変化
12時頃、押切橋を通過。このあたりで小田原市に入ったと思ったら、また二宮町に戻ったり。市町村の境界が入り組んでいるのは、きっと川の影響なんだろう。西湘バイパスの向こうには相模湾が広がっていて、潮風が心地よい。

面白いのは、西に進むにつれて富士山の見え方が変わってくること。最初は全体がくっきり見えていた富士山が、小田原に近づくにつれて明神ヶ岳に隠れていく。「あ、さっきまで見えてた部分が隠れちゃった」なんて思いながら歩いていると、自分が確実に前進していることを実感できる。
セブンイレブン縛りの苦戦と小田原かまぼこ通り
コンビニ密度の地域差を実感
恒例の「見かけたセブンイレブンには必ず立ち寄って何か買う縛りプレイ」、今回は大苦戦だった。旧東海道沿いに限れば、セブンイレブンの店舗数はなんとゼロ!結局立ち寄れたのは、道を間違えて迷い込んだ大磯の店舗と、帰りの小田原駅近くの店舗の2軒だけ。
都心部では数百メートルごとにあるセブンイレブンも、郊外の国道沿いとなると極端に少なくなる。これも日本の地域差を実感する貴重な体験かもしれない。それでも、立ち寄った店舗でのアイスコーヒーブレイクは、長距離ウォーキングの疲れを癒してくれる大切な時間だった。
小田原名物・かまぼこの街

13時31分、酒匂川に架かる酒匂橋を渡ると、いよいよ小田原の中心部へ。国道1号線から1ブロック海寄りにある旧東海道は「小田原かまぼこ通り」と名付けられていて、その名の通り、かまぼこ製造会社がずらりと並んでいた。
鈴廣、籠清、山上蒲鉾店…有名店の看板が次々と現れる。店頭では揚げたてのさつま揚げを売っていて、いい匂いが漂ってくる。今回は時間の都合でゆっくり見て回れなかったけど、次回はぜひかまぼこの食べ比べをしてみたいな。
小田原宿の史跡と小田原城
歴史の重みを感じる本陣跡

14時過ぎ、小田原宿の中心部に到着。清水金左衛門本陣跡や明治天皇宮ノ前行在所跡など、格式高い史跡が残されている。特に明治天皇行在所跡は、ちょっとした広場になっていて、石碑が静かに歴史を物語っていた。
小田原宿なりわい交流館では、宿場町時代の小田原の様子を紹介する展示があった。東海道最大の難所・箱根を控えた宿場町として、多くの旅人で賑わっていた当時の様子が目に浮かぶようだ。
小田原城のお堀沿いを歩いて
御幸の浜交差点で旧東海道から離れ、小田原駅へ向かう途中、小田原城のお堀沿いを歩いた。水面に映る石垣と、その向こうに見える天守閣。北条氏の本拠地として、そして江戸時代には譜代大名の居城として、長い歴史を刻んできた小田原城。今回は時間がなくて城内には入れなかったけど、お堀の外からでもその威容は十分に感じられた。
東海道五十三次ウォーキングのコツと次回への期待
今回学んだウォーキングのポイント
1. 事前の下調べは重要
- 旧東海道のルートは意外と複雑。特に市街地では道が入り組んでいることも
- コンビニや休憩スポットの場所を事前にチェックしておくと安心
2. 歩きやすい装備で
- 今回は19kmと比較的短距離だったけど、アスファルトの上を長時間歩くのは足への負担が大きい
- クッション性の高い靴と、厚手の靴下がおすすめ
3. 見どころは積極的に立ち寄る
- 史跡や名物店など、その土地ならではのスポットは積極的に立ち寄るべき
- 時間に余裕を持った計画が大切
次回はいよいよ箱根越え!
14時26分、小田原駅に到着して今回の東海道歩きは終了。歩行時間3時間51分、距離19.0kmと、数字だけ見れば大したことないように思えるかもしれない。でも、湘南アルプスのハイキングも含めると、なかなか充実した一日だった。
次回はいよいよ東海道最大の難所・箱根越えに挑戦する予定。標高差800m以上の山道を登ることになるから、今までとは全く違う装備と心構えが必要になりそうだ。でも、だからこそワクワクする。芦ノ湖の絶景、箱根関所、そして石畳の道…楽しみがいっぱいだ!
大磯から小田原まで、一見すると地味な区間だったかもしれない。でも、富士山を眺めながら、海風を感じながら、そして歴史の痕跡をたどりながら歩いた19kmは、確実に自分の中に新しい記憶として刻まれた。これだから東海道五十三次歩きはやめられない!
大磯~小田原の歩行記録
- 日程:2022年12月15日(木)
- 天候:晴れ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
03:51 | 19.0km | 21m | 35m |
地図・標高グラフ
コースタイム
大磯駅入口交差点から【小田原宿】まで
大磯駅 10:19 → 10:22 大磯駅入口交差点(前回の続き) → 10:54 大磯城山公園 11:00 → 12:00 押切橋 → 12:29 国府津駅 → 13:31 酒匂橋 → 14:03 明治天皇宮ノ前行在所跡 → 14:08 【小田原宿】 → 14:08 小田原宿なりわい交流館 14:09 → 14:11 御幸の浜交差点 → 14:14 小田原市観光交流センター → 14:26 小田原駅
- 10:19
- 10:22大磯駅入口交差点(前回の続き)
大磯駅入口交差点 大磯駅入口交差点(前回の続き)で旧東海道に合流。
ここからいよいよ旧東海道を歩きます。大磯宿の小島本陣跡 江戸時代、大名や要人が宿泊した格式ある本陣跡。今は跡地のみですが、当時の面影に思いを馳せて。
大磯宿の高札場 当時の法令やお触れが掲示された場所。現代の掲示板のような役割を果たしていました。
湘南発祥の地碑 日本三大俳諧道場の一つ、鴫立庵の前に立つ石碑。大磯が「湘南」と呼ばれるようになったことを表す碑です。
中国湖南省にある洞庭湖のほとり湘江の南側「湘南」の地形に大磯が似ているため、湘南と呼ばれるようになったとのこと。
松並木 かつては旅人の目印や日陰を提供してくれた松並木。今はその名残が少しだけ。
- 10:54
- 12:00
- 12:29
- 13:31
- 14:03
- 14:08【小田原宿】
- 14:08
- 14:11
- 14:14
- 14:26