甲斐駒ヶ岳に向かうまで
装備の準備と帰省ルートの発案
前年の夏、父親から譲り受けた大型ザック。9月に計画している北アルプス縦走のために、モンベルのオンラインショップでアウトレットのザックカバーを購入。1,663円の出費だ。
さらに、0.5Lのナルゲンボトルをアマゾンで購入。1,254円。ハイドレーション用のTPU袋は必須アミノ酸のスポーツドリンクに使用するため、純粋な水用として別途必要だった。ナルゲンボトルは広口なので、プロテインのシェーカーとしても活用できそうだ。まあ、ペットボトルでも困ったことはないのだが。
一筆書きの帰省ルートという冒険
実家への帰省も、毎回同じルートでは面白味に欠ける。山登りを組み込みながら東京から実家(愛知県)へ帰れるルートを模索した結果、南アルプスの山々が候補に浮上した。
そこで立案したのが、荻窪駅→甲府駅→広河原→北沢峠へと電車とバスでアプローチし、甲斐駒ヶ岳登頂後は北沢峠→仙流荘→伊那市駅→刈谷駅という一筆書きの帰省ルート。おそらく誰もやったことのない斬新な帰省方法だろう。
前回の五竜岳でも使用した青春18きっぷを活用し、始発の荻窪駅4:31発で甲府駅を目指す。

広河原への始発便は甲府前泊が必要なので、7時5分発の広河原行きバスを利用。電車で甲府駅に20分前到着したが、すでに長蛇の列ができており、その場で料金徴収が行われていた。
バスが到着して乗り込むと、自分の後ろあたりで座席が満席となり、立ち客ですし詰め状態。甲府駅からは増便なく1台で出発したが、竜王駅で後続バスが到着し、立ち客はそちらに移動して全員着席できた様子だった。

広河原までのバスが遅延し、北沢峠への接続が不安になったが、連絡を取って待機してもらえることになった。北沢峠行きのマイクロバスでは、膝上にザックを載せての出発となる。

北岳や仙丈ヶ岳、滝などの見どころでは、運転手がスピードを緩めて案内してくれる心遣いがありがたい。

予定より10分遅れで北沢峠に到着。南アルプスの玄関口としての風格を感じさせる。
実際に登ってみた
日程: 2018年8月4日(土) [日帰り] 天候: 晴れ
アクセス
往路
- 南アルプス登山バス:甲府駅 7:05 → 9:05 広河原(2,050円、利用者協力金100円含む)
- 南アルプス市営バス:広河原 9:10 → 9:35 北沢峠(1,000円)
復路
- 南アルプス林道バス:北沢峠 16:00 → 16:45 仙流荘(1,340円、手回り品料金210円含む)
- パノラマライナー:仙流荘 16:50 → 17:30 伊那市駅(800円)
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
05:49 | 10.2km | 1,270m | 1,256m |
コースタイム
ルート: 北沢峠-長衛小屋-仙水峠-駒津峰-甲斐駒ヶ岳-摩利支天-駒津峰-双児山-北沢峠
- 09:46
- 09:51
- 09:56
- 10:17
- 10:38
- 11:32
- 12:02
- 12:47
- 13:16
- 13:33
- 14:02六方石
- 14:19
- 14:46
- 14:52双児山南峰
- 15:34北沢峠 こもれび山荘
- 15:35北沢峠
北沢峠に到着するなり、急いでトイレに駆け込む。何とかセーフ…

仙流荘でパノラマライナーに乗り換え。北沢峠からのバスは増便されて何台も運行されていたが、パノラマライナーとの接続のため、早めのバスに乗車できるよう優遇してもらえた。

昔、様々な場所で目にした「ぼくくうかん鳥」という空き缶回収機。非常に懐かしい。

伊那市駅に到着し、予定通りバスの乗り継ぎを完了。その後、飯田線で岡谷駅に戻り(飯田線で豊橋へ向かうとその日のうちに帰宅できない)、中央西線で名古屋へと向かった。
下山後の感想
コース状況・危険箇所等
分岐が合流する駒津峰からの登りは、狭い岩場の登りとなり混雑による渋滞が頻発する。山頂への直登コースは、初めは手でよじ登るような岩場だが、その後は比較的楽になる。最後は白い砂のザレ道が特徴的だ。
感想・記録
東京から実家の愛知へ帰省する途中に登れそうな山を探索した結果、甲斐駒ヶ岳がルート上に浮上し、今回の計画となった。甲府駅、広河原、北沢峠、仙流荘、伊那市駅とバスを乗り継いで南アルプス林道を走破できるのも興味深い体験だった。
甲斐駒ヶ岳は、中央線の車窓から眺める白い山頂がいつも気になっていた山だ。白く見える花崗岩の山肌を実際に歩いていると思うと、深い感慨を覚えた。ただし、ガスに覆われた景色だけは残念だったので、機会があれば次回はテント泊で挑戦したい。
かかった費用と装備
交通費
- 電車(青春18きっぷ1枚分): 2,370円
- バス: (2,050円+1,000円+1,340円+800円)5,190円
交通費合計: 7,560円
食費
- 昼食: 500円
- 行動食: 300円
食費合計: 800円
装備費
- ザックカバー: 1,663円
- ナルゲン0.5Lボトル: 1,254円
装備費合計: 2,917円
総費用
合計: 11,277円
今になって思うこと
実家帰省の機会を活用するのは、日本百名山攻略において非常に重要な戦略である。
2019年の伊吹山(帰り)、天城山(行き)、2020年の甲斐駒ヶ岳(行き)、2019年の槍ヶ岳・穂高岳(行き)、大台ヶ原・大峰山(帰省中)、2020年の大山(行き)、2021年の光岳・聖岳(帰省中)など、帰省の行きか帰りの途中に立ち寄ったり、帰省中に登りに行った百名山は数多い。
大型連休が確保できることと、帰省交通費を削減できることが最大のメリットだ。しかし、帰省する姿が薄汚れた登山靴とザックということになり、ろくな土産も持参できないため、家族には顰蹙を買うかもしれない…