十勝岳から幌尻岳まで
2021年7月22日 チロロ林道から日帰りで幌尻岳へアタック
前日、チロロ林道の終点ゲート 二岐沢出合 登山口に到着したのは20時頃。
携帯の電波も届かないのでやることないし、日が昇る前に起きたいので、食事を取ったらすぐに寝た。
今日登る幌尻岳のチロロ林道コースは、標準コースタイムで19時間。山行途中で日が暮れるのはリスクが高くなるので、できるだけ早い時間から登りたい。
夏至から1ヶ月ほど経った今日、日の出は4時10分で日の入は19時10分。
登山道に入る前の林道歩きは暗くても行けるだろうと思い、まだ暗い3時過ぎに出発した。
幌尻岳の山行記録
- 日程:2021年7月22日(木) [日帰り]
- 天候:晴れ
アクセス
十勝岳から下山後、道の駅「日高道の駅」に寄り、セイコーマートで夕食・朝食・ブランチ・昼食と水を購入。
明日が休日ということもあり、登山口の駐車場が空いているかが心配だったので、そのまま登山口へ。
チロロの巨石を過ぎてしばらくすると舗装路からダート道へ変わる。ダート道ではあるが、フラットで落石も少ないので走りやすい。
途中のゲートで入山届に記入。登山口の駐車場は20台くらいか?すでにほぼ満車。なんとか停めれて、そのまま就寝。
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
14:18 | 25.0km | 2,450m | 2,449m |
コースタイム
二岐沢出合 登山口 03:21 → 03:55 取水ダム → 04:16 二岐・二ノ沢出合 天場 → 05:34 トッタの泉 05:40 → 06:29 ヌカビラ岳肩 → 06:37 額平岳 06:45 → 07:15 北戸蔦別岳 → 07:48 幌尻山荘分岐 → 08:12 戸蔦別岳 08:25 → 09:26 幌尻岳の肩 → 09:58 幌尻岳 10:32 → 10:56 幌尻岳の肩 → 12:09 戸蔦別岳 12:16 → 12:49 幌尻山荘分岐 12:50 → 13:25 北戸蔦別岳 13:39 → 14:02 額平岳 14:05 → 14:07 ヌカビラ岳肩 → 14:43 トッタの泉 15:38 → 16:35 二岐・二ノ沢出合 天場 → 16:59 取水ダム → 17:39 二岐沢出合 登山口
- 03:21二岐沢出合 登山口
あまり寝られず早めに出発。
初めはヘッドライトを点けていたが、数十分歩いて空が白んできた。 - 03:55取水ダム
ここから登山道へ。
沢に沿って歩く道に入るが、序盤からロープ付きの足場が不安定なところを渡る。
- 04:16二岐・二ノ沢出合 天場
渡渉箇所にはピンクテープがあるのでわかりやすいが、暗くなったら見逃しそうかな。
ここからトッタの泉を挟んで額平岳まで900mほど急登。
- 05:34トッタの泉
テン泊スペースがあり、泊まっていたグループが朝食の後片付けをしていた。
- 06:29ヌカビラ岳肩
ようやく稜線へ。
幌尻岳を捉えるも、時計回りで稜線を伝っていかないと行けないので、まだまだ遠い。
花畑が広がる。
- 06:37額平岳
額平岳を踏む。ここまでの急登で既にバテてるけど、タイム的にはまだ問題ない。
北戸蔦別岳まで続く稜線の道。
- 07:15北戸蔦別岳
まだまだ先は果てしない。
- 07:48幌尻山荘分岐
岩がゴロゴロしていて、細かいアップダウンがあるので、チクチクHPを削られる。
幌尻岳を見てHP回復。
- 08:12戸蔦別岳
幌尻岳は目の前だけど、登り返しがエグい。
振り返って、ここまで来た道。
これから行く道。200m下って、300m登る。
ヒグマいるかな?って探したみたけど、見つけられず。
この幌尻岳の肩へ向かう道が、核心部。
足を前に進めて登る力に加えて邪魔なハイマツを跳ね除ける力が必要で、普段の2倍は疲れる。全然、前に進まない。
- 09:26幌尻岳の肩
肩に到着して安堵。
振り返ると、七ツ沼カールが素晴らしく綺麗。あとは幌尻岳までゆったりとした稜線トラバース。
幌尻岳のピークが見えた。
- 09:58幌尻岳
遠かった幌尻岳にようやく登頂。
もういっぱいいっぱいなので、帰りたくない。額平川コースの稜線。
最高な景色や、ここまでの道のことを考えると帰りたくない。
が、しぶしぶ下山へ。 - 10:56幌尻岳の肩
今度は戸蔦別岳の登りがキツイ。
しかも、日差しで体が暑く、熱中症気味で一歩一歩が重かった。 - 12:09戸蔦別岳
- 12:49幌尻山荘分岐
- 13:25北戸蔦別岳
北戸蔦別岳からもまだまだ先が長い。
登りよりも下りのほうが何倍も長く感じられるのは気のせいだろうか? - 14:02額平岳
- 14:07ヌカビラ岳肩
- 14:43トッタの泉
熱中症と睡眠不足が重なりフラフラになりつつトッタの泉まで到達。
あとは下りだけになるが、意識が冴えない中で下ると取り返しのつかない事故になりうると危機管理。
ここでツェルトを敷いて横になって、1時間ほど休憩。 - 16:35二岐・二ノ沢出合 天場
- 16:59取水ダム
- 17:39二岐沢出合 登山口
ヘロヘロになりながら、日没前に下山できた。
幌尻岳から下山後は日勝峠を越えて帯広へ
下山してからは国道274号を東に進み日勝峠。周りの車が結構なスピード出しながらカーブの連続を下っていくのでビビる。
帯広市に入ってからは北上し、音更町の「健康ハウス木野温泉」というお風呂へ。ここはモール温泉という黒いお湯。その後、道の駅おとふけ(移転前。足寄国道沿いにあった。)で車中泊。
2021年7月23日 オフ日に史上最大のピンチ
今日は幌尻岳登山のための予備日だったが、無事に下山することができたのでオフ日として1日観光する。
ホリエモンのロケットとして有名なインターステラテクノロジズ社の打ち上げ発射場が、帯広から南の太平洋沿岸にあり、Googleマップに行きたい場所としてマークしてあったので見に行くことにした。
グリュック王国跡
途中、帯広空港の近くにある廃墟「グリュック王国」。物々しいバリケードと看板で萎縮したので、外からちょっと覗く程度。
道の駅 コスモール大樹で、ソフトカツゲン \127/㍑ を買って飲む。さすがにリットル飲みはきつかった。
旭浜のトーチカ群
太平洋戦争で米軍上陸を阻止するために作られた数多くのトーチカが、今も戦争遺跡として残されている。
トーチカを見るために、砂浜まで車で下りてしまったのが悲劇の始まり。
いざ帰ろうと浜を登るもタイヤが空回りして、完全にスタック。
砂浜にゴミ拾いをしに来たという大学生サークルに助けを求め、車を押すのを手伝ってもらったが、脱出ならず。
最終手段のJAFを呼ぶ。作業が立て込んでいるということで、到着するまで2時間ほど待ちぼうけ。
到着してからはJAFのお兄さんと一緒に牽引作業。
位置を変えては牽引し直すこと7回、作業時間にして2時間でなんとか救出された。作業料金は28,500円、痛い。
手伝ってくれた帯広畜産大学の皆さん、JAFのお兄さん、本当にありがとうございます。
砂浜には朝の11時に着いたのに、今はもう夕方の16時。軽率に砂浜へ下りたことを、めちゃくちゃ後悔した。
大樹町宇宙交流センター SORA
本来の目的場所だった大樹町宇宙交流センター SORAへ。
コロナの影響で一般開放されてないのは知っていたので、JAXAの格納庫などを見て雰囲気に浸る。
ここでも種子島でもどこでもいいけど、一度はロケットの打ち上げを現場で見てみたいものだ。
今日来た道を戻って、明日のトムラウシ山に近い 道の駅しかおい で車中泊。
精神的に休むことができないオフ日となってしまった。
当時の感想
コース状況・危険箇所等
【二ノ沢】
渡渉で靴が完全に浸かるようなところはなかったが、水が多い場合はわからないので気をつけて。
【額平岳への登り、下り】
900mの厳しい急登。トッタの泉が本当に癒やし。
【戸蔦別岳~幌尻岳の肩】
200m下って300m登る。高低差よりもハイマツが刺さるような向きで進行を邪魔するので体力を削られる。
感想・記録
北海道で残っていた日本百名山の4座を登る遠征旅2日目。
十勝岳から下山し、道の駅で食料を買い出し、そのまま電波の通じない登山口へ前乗り車中泊。
距離は25キロなのに、標準コースタイムが19時間もあるのはなんだろうと不思議だったが、
かき分けないと進めず歩く負荷を何倍にもするハイマツと、越えなければいけないピークの連続が、体力的に精神的に辛いものになるんだと体感してわかった。
登りは幌尻岳まで6時間半ほどだが、下りは7時間もかかっている。
お昼を過ぎて暑くなってきたのに加えて、睡眠不足のせいか頭がうまく働かず、下りに最適な足運びが途中からわからなくなり、危険を感じたのでトッタの泉でツェルトを敷いて横になり休んだ。
そのおかげで、今まで異常に高かった心拍が収まり、安全に下山することができたので、良い判断だと思う。
明日は一旦休んで、明後日にトムラウシ山へ登ります。
費用
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 十勝岳の記事でまとめています。
今に省みる
幌尻岳はとよぬか山荘から渡渉を何度もして、幌尻山荘に泊まって登るコースがメジャー。しかし、コロナ禍でどちらの山荘も運営しておらず、今年は行けないかもしれないと思っていた。
ところが、ヤマレコを見てみるとチロロ林道から入っているレコがあり、ハードな日帰りコースになるが、行けるのはこれしか無いと決行。
北海道遠征の直前に行った、幌尻岳を想定して25キロを歩いた奥多摩から秩父へのトレーニングしていたこと。日の出前から出発して日没になるまでの時間に余裕があり、意識朦朧となっていた下山途中でも休憩をとる判断ができたこと。これらのおかげで無事に下山することが出来たんだと思う。