鹿島槍ヶ岳に向かうまで
雨飾山下山後、雨飾高原キャンプ場から鹿島槍ヶ岳の赤岩尾根コース登山口である大谷原へ向かう。
大谷原は人里離れた山間の登山基地のため、途中の白馬でコンビニに立ち寄り食料を確保。ゲーム「かまいたちの夜」の舞台として有名な「ペンション シュプール」のモデル「ペンション クヌルプ」に、聖地巡礼として立ち寄った。
鹿島槍スキー場より奥地の大谷原に到着後、翌日の長距離登山に備えて車中泊。
2019年7月13日 鹿島槍ヶ岳を日帰りピストンする長い1日
鹿島槍ヶ岳は通常1泊2日で登る山だが、自身の体力とペースを考慮し、大谷原登山口からの赤岩尾根コースで日帰りピストンに挑戦。
日の出とともに出発するため4時前に起床し、明るくなるのを待った。
実際に登ってみた
日程: 2019年7月13日(土) [日帰り] 天候: 曇り
アクセス
大冷橋手前に10台以上収容可能な駐車場とトイレを完備。 大冷橋を渡った先のゲート前は工事プレハブがあるため駐車不可。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
08:05 | 20.5km | 2,096m | 2,112m |
コースタイム
ルート: 大谷原-冷池山荘-布引山-鹿島槍ヶ岳-布引山-冷池山荘-大谷原
- 04:31
- 05:19
- 06:32
- 07:35
- 07:48
- 08:02
- 08:43
- 09:18
- 09:57布引山
- 10:19冷池山荘テント場
- 10:24冷池山荘
- 10:35冷乗越
- 11:12
- 11:57西俣出合
- 12:38
白馬から戸隠への道は酷道だった
白馬から戸隠への最短ルートとして国道406号を選択したが、これが大きな誤算だった。狭隘で急勾配が連続し、まさに酷道の典型。調べてみると、やはり酷道として悪名高いルートだった。
現在は、オリンピック時に整備された県道を利用するのが一般的になっているようだ。

戸隠キャンプ場途中にある戸隠神社中社を参拝。 その後、戸隠キャンプ場入口の登山者用無料駐車場で翌日の高妻山登山に備えた。
下山後の感想
コース状況・危険箇所等
【大谷原~西俣出合】 ゲート通過後は林道歩き。工事車両の通行もあるため注意が必要。 砂防ダム内のトンネルを通過して赤岩尾根へ取り付く。
【赤岩尾根】 高千穂平まで700m、冷乗越まで300mの急登。 ハシゴ等で整備されており、急登の割には登りやすい。冷乗越手前の鎖場のみ要注意。
【冷乗越~鹿島槍ヶ岳南峰】 心地良い稜線を緩やかに登る。
感想・記録
遠征2日目は鹿島槍ヶ岳。メジャーな柏原新道ではなく赤岩尾根を選択した理由は、松本清張の短編推理小説「遭難」のルートを辿る文学的聖地巡礼を体験したかったからである。
体力を消耗する赤岩尾根の急登、冷池山荘、そして物語の核心である鹿島槍ヶ岳南峰の分岐点を、この目で確認したかった。物語から50年が経過した現在、踏み跡は明瞭でケルンも設置されており、迷うことは考えられない状況だった。
北アルプス三大急登の一つとされる赤岩尾根だが、予想に反して意外に登りやすい道だった。無理なステップアップを強いられる箇所もなく、難所にはハシゴ等で適切に整備されている。一定の急登が続くため、一定ペースを維持すれば息切れすることもなかった。
前日に続き、展望は諦めて足元の高山植物ばかり撮影していたが、多様な花々との出会いがあり、充実した山行となった。特に鹿島槍ヶ岳山頂手前のハクサンイチゲのウイニングロードは印象的だった。
翌日は最終日。高妻山への登頂を予定している。
かかった費用と装備
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 雨飾山の記事でまとめています。
今になって思うこと
鹿島槍ヶ岳の登山口として赤岩尾根コースが主流だった時代もあったが、現在は柏原新道ピストンが一般的になっている。
当時の感想にも記したが、松本清張の「遭難」で描かれたルートを辿ってみたくて選択した。「ヤマノススメ」のような漫画とは異なり、小説では視覚的描写がないため、文字から想像していた情景が実際の登山で色付いていく感覚があり、また違った面白さを体験できた。