焼岳、常念岳に向かうまで
これまでの山行で着実に経験を積み、技術的スキルも向上し、北アルプスに挑戦する自信がようやく芽生えてきた。前年には到底不可能だったテント泊縦走も、今年は装備を充実させ、準備は万全の状態だ。
北アルプスには乗鞍岳から白馬岳まで、南北に15もの日本百名山が密集している山岳エリア。しかも一般登山者にとって登攀可能な期間が7月から9月と極めて短い。
当初は憧れの穂高連峰と槍ヶ岳への縦走計画を立案していた。しかし、後日その計画を変更。初回の北アルプステント泊縦走は、焼岳から常念岳を経由するコースに決定した。テント泊縦走の経験が皆無であることと、天候の雲行きが不安定だったのがその理由だ。
さわやか信州号で渋谷から上高地へ
2018年8月17日、前夜23時に渋谷駅のマークシティにあるバス乗り場を出発し、翌早朝5時に中の湯バス停に到着。夜行バスでの北アルプスアプローチが始まった。
実際に登ってみた
日程・天候
日程: 2018年8月17日(金) ~ 2018年8月19日(日) [2泊3日] 天候: 1日目 晴れ、2日目 快晴、3日目 快晴
アクセス
往路
- さわやか信州号:渋谷マークシティ 22:00 → 翌5:06 中の湯(7,250円、カード決済割引により7,400円から150円割引)
復路
- 中房温泉行き定期バス:中房温泉 12:35 → 13:00 穂高駅(1,700円、ダイヤはA運行、乗車時支払い)
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
33:56 | 52.2km | 4,304m | 4,161m |
コースタイム
1日目
ルート: 中の湯バス停-(新中の湯ルート)-焼岳(北峰)-焼岳小屋-田代橋-ウェストン碑-河童橋-徳沢[泊]
- 05:20
- 05:52中の湯温泉
- 05:55
- 07:09広場
- 07:13
- 08:13
- 09:02
- 09:09焼岳展望台
- 09:13
- 09:28
- 10:02
- 10:30
- 10:40西穂高岳登山口
- 10:45
- 10:50
- 11:13
- 11:23
- 11:29
- 11:40小梨平(森のリゾート小梨/上高地野営場)
- 12:09
- 12:13
- 12:44徳沢公衆トイレ
- 12:49


キャンプの受付(700円)を済ませ、テントを設営。下は小石の混じる土で、ペグもたやすく刺さる。


徳澤園名物のソフトクリームを堪能。日がさす昼間はまだ暑かったが、テント内で昼寝。
2日目
ルート: 徳沢-(長塀尾根)-蝶ヶ岳-蝶槍-常念岳-常念小屋[泊]
- 04:44徳澤園
徳澤園のキャンプ場はファミリーキャンプの人も多く、日が落ちても騒がしい感じで眠りも浅い(二敗目)。また、昼間とうって変わって激寒。4時に起きてから朝食を取り、凍えながらテントを撤収。
- 04:46徳沢公衆トイレ
- 04:50
- 05:54
- 07:35
- 07:40
- 07:56
- 08:02
- 08:12
- 08:21
- 08:41蝶ヶ岳・蝶槍間分岐(横尾方面)
- 08:48蝶ヶ岳三角点
- 08:53
- 11:48
- 12:33


明日が一番距離を歩くことになるので、ここ2日あまり眠れず失われていた体力を取り戻すべく、素泊まりすることにした(五敗目)。快晴の土曜日なので、寝床は2人で布団1枚分のスペース&天井低い屋根裏。でも、ぐっすり眠れた。
3日目
ルート: 常念小屋-大天井岳-燕山荘-燕岳-燕山荘-(合戦尾根)-中房温泉登山口
- 04:09
- 06:19
- 06:27
- 06:36大天荘
- 06:51
- 06:55
- 07:53
- 08:06
- 08:30
- 08:50
- 09:01
- 09:06
- 09:14
- 09:25
- 09:30
- 09:50ベンチ
- 10:03合戦山(合戦沢ノ頭)
- 10:11
- 10:26富士見ベンチ
- 10:44第3ベンチ
- 10:57第2ベンチ
- 11:07第1ベンチ
- 11:22


駅近くのお店で「五平餅あります」と張り紙があったが、持ち帰り用の真空パックの五平餅だった……香ばしい五平餅が出てくるのを期待してたけどなぁ。
下山後の感想
コース状況・危険箇所等
中の湯~上高地 釜トンネルから中の湯温泉旅館までは車道歩きなので車両に注意。登山道は前日の雨で少しだけ泥濘んでいたが、通行には問題ないレベル。白い噴気が見える辺りから時々硫黄臭。上高地への下山道には鎖、ハシゴ、架け橋があるが、いずれもしっかりと整備されており安心できる。
上高地 田代橋から河童橋までは一般観光客ゾーン。
徳澤園~蝶ヶ岳 長塀山までひたすら急登。回避不可避な泥濘や水たまりもあり。
蝶ヶ岳~常念岳 常念岳南斜面は岩場、手を使う場面はないが長く続くので、足運びには注意。
常念小屋~燕岳 大天井岳まで気持ちの良い道。小林喜作レリーフまでの下りは急で、落石にも注意。少し危険そうな岩場のトラバースもあり。
燕岳~中房温泉 合戦尾根は急登とされているが、無理のある段差も少なくしっかりと踏み固められているので、いい感じで下りやすかった。
感想・記録
初めての北アルプステント泊縦走。最初は槍穂高縦走で計画していたのだが、初めての事が多く天候も不安だったので、焼岳と常念岳の百名山を2つ繋ぐ縦走コースへと計画変更した。
いざ上高地へ踏み入ると、天候にも恵まれて予定通りの山行ができていたのだが、いろいろと反省点も多く、つくづく計画変更しておいてよかったと胸を撫で下ろした。
今回の経験を生かして、来年には槍穂高縦走へチャレンジしたい。
かかった費用と装備
交通費用
- バス: 渋谷→中の湯 7,250円、中房温泉→穂高駅 1,700円
- 電車: 青春18きっぷ1枚分 2,370円
交通費合計: 11,320円
宿泊費用
- 徳澤園テント: 700円
- 常念小屋(素泊まり): 6,800円
宿泊費合計: 7,500円
食費・その他
- 朝昼夕: 3日分 5,000円
- 行動食: 3日分 900円
食費合計: 5,900円
総費用
合計: 24,720円
今になって思うこと
反省点が多いテント泊縦走だった。今となってはあり得ないが、「夏山はシュラフを持たずにシュラフカバーだけで問題ない」というネットの書き込みを鵜呑みにして、シュラフを持たずに意気揚々とテント泊縦走を試みたのであった。
その結果、寒さで夜に眠れず、2日目はテントを持っているのに小屋泊せざるを得なかった。
それと、この時の食事計画は全て菓子パンとプロテインバーだけで済ませていた。あまり食にこだわってはいないので別にいいんだが……