日本百名山全山踏破 64座目 槍ヶ岳、65座目 穂高岳 | 大キレット縦走と北アルプス最高峰制覇

奥穂高岳頂上 日本百名山
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槍ヶ岳、穂高岳に向かうまで

昨年に計画しながらも、天候不安のために見送った槍穂高縦走。今シーズンは体力面でも技術面でも、この憧れのルートに挑む準備が整っていると確信していた。いよいよ実行に移すタイミングが到来したのだ。

計画として設定したのは、実家への帰省を兼ねた上高地起点のルート。1日目に上高地から槍ヶ岳を経て南岳、2日目に大キレットを越えて奥穂高岳から上高地への反時計回りの縦走コースとした。槍・穂高の順番の方が大キレットの難易度が下がるという情報と、1日目の行程が南岳小屋で区切りよく終了する計算から、このルート設定に決定。今回はテント装備は持参しない山小屋泊での軽量行程とした。

あとは当日の天候が好転することを祈るのみだった。

2019年8月9日 憧れの槍穂高縦走で大キレットに挑戦

昨年の焼岳・常念岳テント泊縦走でも利用したさわやか信州号で前夜に渋谷を出発。上高地バスターミナルに降り立つと、願いが通じたかのような晴天の気配が漂っていた。

実際に登ってみた

日程: 2019年8月9日(金) ~ 2019年8月10日(土) [1泊2日] 天候: 2日間とも晴れ

アクセス

【行き】 [渋谷発さわやか信州号] 渋谷駅マークシティ 22:00→5:20 上高地バスターミナル(7,600円)

【帰り】 [路線バス、電車乗り継ぎ] 上高地 14:05→15:10 新島々 15:25→15:55 松本(2,450円)

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
17:2639.7km3,417m3,411m

コースタイム

1日目

ルート: 上高地BT-徳沢-横尾-ババ平-槍ヶ岳山荘-槍ヶ岳-槍ヶ岳山荘-大喰岳-中岳-南岳-南岳小屋[泊]

山行タイムライン
  • 05:32
    上高地バスターミナル
    上高地バスターミナル
    上高地バスターミナル

    定刻通りに上高地バスターミナル到着。

    上高地バスターミナル
    上高地バスターミナル
    上高地登山相談所前の案内看板と登山届提出場所
    上高地登山相談所

    登山届はコンパスで提出済み。

  • 05:36
    無料トイレ
    河童橋から見る穂高連峰の朝日に照らされた山稜
    河童橋
    河童橋上からの梓川上流方向の眺望
    河童橋

    穂高岳の稜線が朝日に輝いて、絶好の天候を予感させてくれる。

    梓川の清流
    梓川
    河童橋周辺で咲くクサボタン
    クサボタン
  • 05:43
    小梨平(森のリゾート小梨/上高地野営場)
    小梨平のテント場
    小梨平のテント場

    小梨平のテント場を通過。多くのテントが設営されている。

    小梨平周辺の遊歩道
    明神岳の峻厳な岩峰群
    明神岳
  • 06:09
    明神館
    明神地区の山小屋
    明神

    明神地区を通過。

    明神
    明神
  • 06:12
    徳本口(徳本峠分岐)
    徳本峠分岐点付近
    梓川沿いの登山道で咲くソバナ
    ソバナ
    登山道脇に咲くキツリフネ
    キツリフネ
    梓川沿いの湿った場所に咲くキオン
    キオン
    登山道沿いで見つけたダイコンソウ
    ダイコンソウ
  • 06:41
    徳沢公衆トイレ
    徳沢園
    徳沢

    徳沢を通過。

  • 06:52
    新村橋(パノラマ分岐)
    パノラマ分岐付近で咲くセンジュガンピ
    センジュガンピ
    前穂高岳のパノラマ
    前穂高岳のパノラマ
    新村橋周辺で咲くクガイソウ
    クガイソウ
    梓川沿いで見つけたハクサンオミナエシ
    ハクサンオミナエシ
  • 07:22
    横尾 (横尾山荘)
    横尾山荘
    横尾

    横尾を通過。

    横尾大橋
    横尾大橋
    横尾から先の登山道

    横尾から先、これまでの平坦で歩きやすかった道から一転、本格的な山岳登山道へと変化する。

    槍沢ルート序盤の沢沿いの登山道

    森林に囲まれた沢沿いの道は涼しく快適だ。

    槍沢登山道脇で見つけたキツリフネ
    キツリフネ
    沢沿いの湿った場所に咲くセンジュガンピ
    センジュガンピ
  • 07:50
    槍見河原
    槍見河原付近で見つけたダイコンソウ
    ダイコンソウ
  • 07:56
    一ノ俣
    一ノ俣
    一ノ俣
    一ノ俣周辺で咲くシナノオトギリ
    シナノオトギリ
  • 08:02
    二ノ俣
    二ノ俣
    二ノ俣
    槍沢ルート中盤の登山道
  • 08:21
    槍沢ロッヂ
    槍沢ロッヂ
    槍沢ロッヂ
    槍沢ロッヂ周辺から見上げる槍ヶ岳方面
  • 08:34
    赤沢岩小屋(ババ平)
    ババ平付近で咲くミヤマアキノキリンソウ
    ミヤマアキノキリンソウ
    ババ平で見つけたヤマハハコ
    ヤマハハコ
    ババ平の高山植物ミヤマママコナ
    ミヤマママコナ
    ババ平キャンプ場
    ババ平キャンプ場
    ババ平からの槍ヶ岳方面へ
    槍沢大曲り手前の登山道

    森林限界を抜け、直射日光が背中に当たるようになる。

    槍沢で見つけたヤリトリカブト?
    ヤリトリカブト?
    高山帯で咲くグンナイフウロ
    グンナイフウロ
  • 09:05
    槍沢大曲り
    槍沢大曲り

    日差しと草いきれが立ち込める厳しい登り区間となる。

    高山帯の花畑に混在する色とりどりの野花
    花畑

    一面がハクサンフウロなどが咲き誇る美しい花畑の光景。

    槍沢上部の登山道
    槍沢上部の植物群落と登山道
    槍沢で見つけたミヤマキンポウゲ
    ミヤマキンポウゲ

    金属的な光沢を放つミヤマキンポウゲが印象的だ。

  • 09:32
    槍沢・天狗原分岐
    天狗原の分岐
    天狗原の分岐
    水沢水場付近の冷たい湧水と給水地点
    水場

    水沢の水場より少し下にある水場で給水休憩。

    天狗原分岐付近で咲くヤクシソウ
    ヤクシソウ
    ついに姿を現した槍ヶ岳の特徴的な穂先
    槍の穂先

    ついに槍ヶ岳の特徴的な穂先が視界に飛び込んできた!

  • 10:15
    坊主岩屋下
    坊主岩屋下の岩場と登山道の急斜面
  • 10:21
    播隆窟
    播隆窟の石祠と修験者ゆかりの史跡
    播隆窟
    播隆窟付近で咲くミヤマリンドウ
    ミヤマリンドウ
    播隆窟からの槍ヶ岳穂先への最終アプローチ

    槍の穂先が間近に見えてくると、俄然気力が湧いてくる。

    高山帯で見つけたイワツメクサ
    イワツメクサ
    槍ヶ岳山荘への最終登り区間の急峻な岩場

    前言撤回、やはり相当に厳しい登りだ。

    大喰岳方面の雪渓
    大喰岳方面の雪渓
    槍ヶ岳山荘直下の登山道
    高山帯で咲くミヤマキンバイ
    ミヤマキンバイ
    槍ヶ岳山荘付近の花
    東鎌尾根との合流地点から下を見下ろす
    東鎌尾根との合流地点
    東鎌尾根との合流地点
  • 11:04
    槍ヶ岳山荘
    槍ヶ岳山荘
    槍ヶ岳山荘

    ついに槍ヶ岳山荘に到着。

    槍ヶ岳山荘前からの景色
    槍ヶ岳山荘前から見上げる槍の穂先
    槍の穂先

    いよいよ槍の穂先アタックへ。

    穂先登山道脇で咲くチシマギキョウ
    チシマギキョウ
    槍ヶ岳穂先への岩場登攀ルート

    登りと下りで道が分かれているため、流れはスムーズだ。

    槍ヶ岳穂先の岩場

    手がかりが豊富で、足だけでも問題なく登っていける。

    穂先頂上部直下の2連ハシゴ
    2連ハシゴ

    頂上部に出る最後の2連ハシゴ。

    槍ヶ岳穂先の2連ハシゴ
    2連ハシゴ
  • 11:30
    槍ヶ岳
    槍ヶ岳頂上(3,180m)
    槍ヶ岳頂上

    槍ヶ岳頂上に到達、三角点タッチ完了。

    槍ヶ岳頂上から見下ろす槍ヶ岳山荘
    槍ヶ岳山荘
    槍ヶ岳頂上から見下ろす景色
    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳頂上
    槍ヶ岳頂上

    狭い山頂だが、記念撮影の列ができていて7分ほど待機。こんな場所でも秩序が保たれているのは日本らしい光景だ。

    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳頂上
    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳からヘリコプターを見下ろす
    槍ヶ岳からヘリコプターを見下ろす

    ちょうど槍ヶ岳山荘への荷揚げヘリコプターが飛来。わずか10秒ほどで荷物を下ろす連携技術に感心させられた。

    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳頂上からの展望
    槍ヶ岳頂上からの下り

    下りは前方が渋滞していたため、ほぼ待機状態での下りとなった。

    槍ヶ岳穂先下りルートでの待機
    穂先下降中に見つけたイワツメクサとミヤマキンバイ
    イワツメクサとミヤマキンバイ
  • 12:28
    槍ヶ岳山荘
    槍ヶ岳山荘への下山完了
    槍ヶ岳山荘

    穂先への往復は、登り20分、滞在15分、下り40分だった。この所要時間は他の登山者の混雑状況によって大きく左右される。

    槍ヶ岳山荘前のテント場
    槍ヶ岳のテント場

    まだまだ行程は長いため、槍ヶ岳のテント場を通って南岳方面の稜線へ向かう。

  • 12:45
    飛騨乗越
    飛騨乗越(2,909m)の標識
    飛騨乗越

    飛騨乗越通過。日本で最も高い場所にある峠だ。

    飛騨乗越付近で咲くタカネシオガマ
    タカネシオガマ
    大喰岳への登り道
  • 12:59
    大喰岳
    大喰岳(3,101m)頂上
    大喰岳

    地味な存在だが、日本の高峰トップ10に名を連ねる大喰岳(3,101m)に到達。振り返ると常に槍ヶ岳が視界に入るのが心地よい。

    大喰岳頂上からの展望
    大喰岳付近で咲くヨツバシオガマ
    ヨツバシオガマ
    大喰岳から中岳への稜線道
    大喰岳から中岳への稜線道
    高山帯で見つけたクモマグサ
    クモマグサ
    中岳ピークへのハシゴ
    中岳ピークへのハシゴ
    中岳直下の岩場
  • 13:24
    中岳
    中岳(3,084m)頂上
    中岳
    中岳周辺で咲くオンタデ
    オンタデ
    稜線の白丸ペンキ

    適切に配置された白丸ペンキが最適なルートへと導いてくれる。

  • 13:57
    天狗原分岐
    天狗原分岐
  • 14:11
    南岳
    南岳(3,033m)頂上
    南岳

    南岳到達。南岳小屋はもう目と鼻の先だ。

    南岳頂上
    南岳
    南岳からのパノラマ
    南岳からのパノラマ
    南岳から南岳小屋へ
  • 14:18
    南岳小屋
    南岳小屋
    南岳小屋

    南岳小屋に到着。ウェブサイトに記載されていた宿泊客へのミネラルウォータープレゼントは、現在は実施していないとのこと。ヘリコプター荷揚げ料金の高騰が理由だそうで、最近よく耳にする山小屋共通の課題だ。

2日目

ルート: 南岳小屋-(大キレット)-北穂高岳-涸沢岳-穂高岳山荘-穂高岳-(吊尾根)-紀美子平-前穂高岳-紀美子平-(重太郎新道)-岳沢小屋-上高地BT

山行タイムライン
  • 04:51
    南岳小屋
    南岳小屋の夜明け前
    南岳小屋
    南岳小屋の夜明け前
    南岳小屋

    翌朝、日の出少し前に出発。

    獅子鼻展望台での日の出撮影待ちの登山者
    獅子鼻展望台
    獅子鼻展望台からの朝焼けの空
    獅子鼻展望台

    獅子鼻展望台で日の出撮影待ちの登山者。日の出方向に薄雲が覆っていたため、鮮明な日の出は望めなさそうだ。

    獅子鼻展望台から見下ろす大キレット
    大キレット

    これから通過する大キレットの全貌が眼下に展開している……

    獅子鼻展望台からのパノラマ
    獅子鼻展望台からのパノラマ
    大キレットへの下降開始

    十分に視界が明るくなったため、いよいよ大キレットへの下降を開始。

    朝焼けに照らされる大キレット
    大キレット

    朝焼けに照らされる大キレットの景観が美しい。

    大キレットの急峻な下降路

    かなりの高度をがっつりと下っていく。

    大キレットの長いハシゴ
    長いハシゴ
    大キレットの稜線歩き

    意外にも、ただの稜線歩きといった感じで高度感はほとんど感じない。

    大キレット中間部のアップダウン続く岩稜
  • 05:37
    長谷川ピーク
    長谷川ピーク(2,841m)
    長谷川ピーク

    細かなアップダウンを繰り返しながら長めの登りを登り切ると、そこが長谷川ピーク。

    長谷川ピークの岩場に設置された頼もしいステップ
    長谷川ピーク

    右下に見えるステップの存在に心底感謝する。

    長谷川ピークの鎖場
    長谷川ピーク

    鎖の設置。風雨のある時には命綱となるのだろう。

    長谷川ピーク周辺で咲くソバナ
    ソバナ
    大キレット中間部で見つけたシナノオトギリ
    シナノオトギリ
    A沢のコル
    A沢のコル
    A沢のコルから振り返る大キレット通過ルート
    大キレット

    振り返ると、大キレットを渡り切った感があるが、ここからの登りが長く厳しい。

    北穂高岳への飛騨泣きの長い登り区間

    息を切らせないよう、ゆっくりとしたペースで登り続ける。

    飛騨泣き中間部の白丸ペンキ

    ○や矢印の道標に従っていけば、自然と最適なコースを辿ることができる。

    北穂高岳への急斜面登攀
    飛騨泣き上部で咲くミヤマダイコンソウ
    ミヤマダイコンソウ
    高山帯で見つけたヨツバシオガマ
    ヨツバシオガマ
    飛騨泣き
    飛騨泣きの途中で振り返る槍ヶ岳の雄姿
    槍ヶ岳

    登りで疲れた時に振り返るだけで、槍ヶ岳の雄姿に癒される。

    北穂高小屋への最終登り区間
    疲労回復のための槍ヶ岳展望
    槍ヶ岳
    北穂高小屋直下で見つけたイワツメクサ
    イワツメクサ
  • 06:35
    北穂高小屋
    北穂高小屋
    北穂高小屋

    長い登りを終えた先に北穂高小屋が現れた。

    北穂高小屋からのパノラマ
    北穂高小屋からのパノラマ
    北穂高小屋からの展望
    北穂高小屋
  • 06:57
    北穂高岳(北峰)
    北穂高岳(3,106m)頂上
    北穂高岳

    小屋から少し登ると北穂高岳。360度の見渡せる素晴らしい景観が広がる。

    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳頂上からの槍ヶ岳・大キレット方面の展望
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    北穂高岳からの眺め
    涸沢岳への下降開始

    次の涸沢岳に向けて、さらに進む。

    北穂高岳から涸沢岳への岩稜歩き

    北穂高岳から涸沢岳は、大キレットより危険箇所が多いと感じた。

    北穂高岳から涸沢岳へ
    北穂高岳から涸沢岳へ
    涸沢岳への鎖場連続区間

    まさに鎖地獄の様相だ。

    涸沢岳への急峻な岩場
    涸沢岳

    ようやく涸沢岳のピークに人影が見え、あそこがゴールだと確認。岩場に張り付いていると、様々な方向に振り回されて方向感覚を失いそうになる。

  • 08:10
    涸沢岳
    涸沢岳(3,110m)頂上
    涸沢岳頂上

    涸沢岳頂上到達。完全なる岩山の頂上だ。

    涸沢岳からの眺め
    涸沢岳からの眺め
    涸沢岳頂上からの穂高岳山荘
    穂高岳山荘

    涸沢岳と奥穂高岳のコルにある穂高岳山荘が見えてきた。

  • 08:35
    穂高岳山荘
    穂高岳山荘
    穂高岳山荘

    涸沢から登ってくる登山者が多いためか、山荘前の広場が賑やかだ。

    奥穂高岳への道
    奥穂高岳への道

    ドーンと急峻に見える奥穂高岳への道。実際にはここだけの急登で、これを超えると歩きやすい道となる。

    奥穂高岳への最終登攀区間
  • 09:07
    穂高岳
    奥穂高岳(3,190m)頂上
    奥穂高岳頂上
    奥穂高岳頂上
    奥穂高岳頂上
    奥穂高岳頂上からのジャンダルム方向の展望
    ジャンダルム方向

    ジャンダルムには5人ほどの登山者の姿が確認できた。

    奥穂高岳頂上からの焼岳と上高地
    焼岳と上高地

    こんな高所から、ゴール地点がはっきりと見渡せるのは感動的だ。

    奥穂高岳頂上からの吊尾根
    吊尾根

    前穂高岳への吊尾根を進む。

    奥穂高岳頂上からこれまでの道を振り返る
    吊尾根中間部のアップダウン
    吊尾根から紀美子平へ
  • 09:21
    南稜の頭
    南稜の頭通過
    吊尾根の景観美
    吊尾根からの景色
    吊尾根の景観美
    紀美子平直上の岩場
  • 10:10
    紀美子平
    紀美子平の平坦地
    紀美子平

    吊尾根の途中で休憩できるスペースは限られているため、ここで休憩する登山者が多い。

    紀美子平でのザックデポと前穂高岳ピストン

    ザックをデポし、前穂高岳へのピストンに向かう。

    前穂高岳への最終登り区間の岩場
  • 10:31
    前穂高岳
    前穂高岳頂上、三角点
    前穂高岳頂上、三角点

    ザックがないため、サクッと頂上到達、三角点タッチ。

    前穂高岳頂上
    前穂高岳頂上
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳からの眺め
    前穂高岳頂上
    前穂高岳頂上
    前穂高岳頂上
    前穂高岳頂上
  • 10:51
    紀美子平
    紀美子平でのザック回収
    紀美子平
    重太郎新道と急峻な下降開始
    重太郎新道

    紀美子平から重太郎新道を下るが、序盤は高低差が激しく、鎖も設置されている。

    重太郎新道の整備された石段
    重太郎新道

    整備が行き届いて、下りやすくなっている。以前は落石なども多発していたのだろう。

    重太郎新道中間部

    途中のハシゴで時間をかけていた韓国人グループに声をかけ、先に行かせてもらった。言葉は通じなくても、お互いの意図は理解し合えるものだ。

  • 12:00
    岳沢小屋
    岳沢小屋
    岳沢小屋

    節約していた水事情からようやく解放される。水が美味い。

    岳沢小屋からの上高地への長い下山路

    岳沢小屋から上高地までは結構長く感じられた。

  • 12:41
    7番標識
    天然クーラー
    天然クーラー

    天然クーラー地点。ひんやりとして気持ちよい。

    岳沢下降路で見つけたエゾアジサイ
    エゾアジサイ
  • 13:04
    岳沢湿原・岳沢登山口
    岳沢登山口
    岳沢登山口

    ついに下山完了。

  • 13:13
    日本山岳会上高地山岳研究所
    上高地山岳研究所付近のガスった穂高連峰

    数時間前とは打って変わって、穂高連峰にガスがかかってきている。

  • 13:18
    河童橋
    河童橋と異世界のような観光地への復帰
    河童橋

    まるで異界から戻ってきたかのような観光地・上高地に帰還。河童橋を渡って周回路完成。

    河童橋からの梓川最後の眺め
    梓川

    さらば上高地。

  • 13:25
    上高地バスターミナル

下山後に一息つき、上高地バスターミナルからバスで新島々駅へ向かう。係員がバスの整理券番号を読み上げて順番に乗車させているが、並んでいる客の3割程度が外国人という状況で、このシステムに問題は生じていないのだろうか。

バスで新島々駅到着後は、上高地線で松本駅へスムーズに乗り継ぎ。そこから先は青春18きっぷの中央西線経由で実家に到着。長い帰省の旅路だった。

下山後の感想

コース状況・危険箇所等

【上高地~横尾】 奥に進むにつれて登山者の割合が高まる平坦路。

【横尾~槍ヶ岳山荘】 徐々に斜度を増していく槍沢コース。 序盤は森林の中で涼やかな水の流れを楽しみながら歩けるが、沢沿いになり樹木がなくなると早朝の直射日光が背面に当たって暑くなる。 コース途中のトイレは横尾かババ平テント場。 水場はババ平テント場か天狗原分岐を過ぎたところにある水沢の沢水。

【槍ヶ岳穂先】 登りと下りが別ルートだが、すれ違いは困難なため、タイミングによって往復に必要な時間が大きく変動する。 テクニカルな箇所はなく、落石の心配もほぼない。

【槍ヶ岳山荘~南岳小屋】 これまでの賑やかな登山道から一転、周囲に誰もいなくなる。 大喰岳、中岳、南岳の3ピークを越えるが、歩きやすい稜線で振り返れば槍ヶ岳も見えるので気持ちよい。

【大キレット】 南岳小屋からはハシゴが連続するガレ場をかなり下って最低コルへ。 白丸ペンキに誘導されるまま細かなアップダウンを繰り返し長谷川ピーク。ここが核心部。ありがたいステップも設置されているので、慎重に三点確保で進む。 A沢のコルまで来ると安心してしまうが、ここからの飛騨泣きが長大な岩登りとなる。 岩登りの最中で息を切らせると、何かあった時に対応できないので、若干の余裕を持ちながら登っていく。 最後は東に回り込みながら北穂高小屋へ。

【北穂高岳~涸沢岳】 大キレットよりもこちらの方が危険箇所が多いと感じた。 特に涸沢岳に登る途中には、両手で岩場に掴まり身体を使ってよじ登る場面があった。 一方で、涸沢岳頂上から穂高岳山荘はザレているが歩きやすく整備された登山道。

【奥穂高岳】 穂高岳山荘からは切り立った岩山に見えて迫力があるが、容易に登れる。 ただし、登山者が多いため、槍ヶ岳のように渋滞していた。

【吊尾根】 尾根の上ではなく、アップダウンのあるトラバース道。 難しい箇所はないが、これまでの道と違って白丸ペンキが明瞭でない場所が多かった。

【前穂高岳】 紀美子平からのピストンで、ザックをデポしたので岩場登りでも随分楽だった。 しかし、浮いている岩や小石が多く、登っている人も多いので落石には要注意。

【重太郎新道】 紀美子平直下は鎖が連続する急坂。あとは至って普通の登山道。 ここが下りに注意とされているのは、ここまでの行程で大腿四頭筋が疲労して足裏でのストップが効かなくなると、そのまま転がり落ちてしまうからなのだろう。

感想・記録

前々からやってみたかった槍穂縦走。昨年は準備不足を感じて、焼岳・常念岳・燕岳の縦走に留めた。まさしく様子見として山麓を横から眺めるにとどまったが、今年はプランも身体も万全、あとは天気だけという状況だった。

一週間前から連続で現れた台風の進路に気を揉まされたが、当日は最高の晴天となった。今年の山行は散々な天気ばかりだったので、神様が慈悲を与えてくれたのだろう。

槍ヶ岳はご褒美気分で穂先を目指して登り、大キレットは朝焼けの中で綱渡り、北穂高岳から涸沢岳はまさに岩登り、重太郎新道を下りると異界のような上高地。全てが美しかった。これまで山に登り続けて本当に良かったと実感する山行となった。

かかった費用と装備

交通費用

  • さわやか信州号: 渋谷→上高地 7,600円
  • 路線バス・電車: 上高地→松本駅 2,450円
  • 青春18きっぷ等: 154円+青春18きっぷ 2,370円

交通費合計: 12,574円

宿泊費用

  • 南岳小屋: 7,300円

宿泊費合計: 7,300円

食費・その他

  • 食事: 朝昼晩 2日分 4,000円
  • 行動食: 2日分 600円

食費合計: 4,600円

総費用

合計: 24,474円

今になって思うこと

日本百名山の中で人気の山といえば、槍ヶ岳と穂高岳は必ずトップに食い込んでくるだろう。自分も日本百名山への登山を始めた当初から常に憧れの山として意識しており、いつか大キレットを渡ってみたいと思い続けていた。

そして、この登山はこれまで登ってきた60座余りの経験と思い出の集大成でもあり、実際に最高の絶景と感動を与えてくれた。ここまで登り続けて本当に良かったと心底感じられた。

ここで重要なのは、憧れの山へ登りたいと思っていても、登る順番は後回しにした方が良いということだ。適切なマイルストーンとゴールを設定するのは、モチベーションを保つ上で極めて重要なことなのだ。

自分の場合は、この槍ヶ岳と穂高岳、そして最後に登った剱岳がご褒美としての山だった。憧れを最後まで取っておくことで、長い百名山の旅路を最後まで歩き続けることができたのだと思う。


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