ケトーシス状態で登山をするとどうなるのか?

日影沢キャンプ場にテント設営 登山
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ケトジェニックダイエットで高尾山に登る

TL;DR(ただし個人の感想です)
  • ケトジェニックで登山するのは特に問題ないが、パワーは出にくい。
  • 不眠になり疲労回復できないので、日帰り以外はオススメしない。
  • 食事では、軽量化のメリットよりも不自由さのデメリットが上回る。

9月の頭から体脂肪10%前後を維持するため、糖質を一切摂らないケトジェニックダイエットをしている(これを書いてる時点で既にやめた)。
つまり、脂質を最優先で分解するケトン体回路によってエネルギーを作り出す状態、いわゆるケトーシスになっている。

このケトーシス状態で登山に行った場合、長時間の有酸素運動で体脂肪を効率よく燃やすことができる。なので、登山はケトジェニックには向いているように思える。
その上、持参する食料はカロリー比が高い脂質がメインとなるため、荷物を軽くコンパクトにできるという利点が考えられる。
しかし一方、糖質を完全にカットした状態の登山では、途中でハンガーノック(シャリバテ)を起こしてしまった場合、即座に回復できない危険があるように思える。

今後、ケトーシス状態のまま長期の縦走登山をすることがあるかもしれない。
そのための実験として、何があってもすぐエスケープできる高尾山で、テント泊の登山をすることにした。

高尾山の無料テント場「日影沢キャンプ場」を往復はがきで予約

日帰り登山する人が大半であろう高尾山だが、高尾山の北側の旧甲州街道近くに「日影沢キャンプ場」というキャンプ場がある。

林野庁が管理しているキャンプ場なので無料で利用が可能だが、利用の申し込みには往復はがき(126円)を投函して予約する必要があって、令和の時代にこのアナログさが何とも味わい深い。

日影沢キャンプ場利用許可証
日影沢キャンプ場利用許可証

10月初めに予約ハガキを投函し、1週間くらいで利用許可証となる返信ハガキが届いた。

コロナ禍になる前に予約したときがあるが、その時は「落選」の返信ハガキがだったので今回が初めての利用となる。

ケトジェニック登山の食料

ケトーシスから抜けないよう糖質ゼロを維持するため、事前に持っていく食糧を考える。

市販しているものは糖質ゼロで脂質がたっぷり摂れるものがあまりない。
そのため、脂質たっぷりのおから蒸しパンとプロテインクッキーを自作して持っていった。

糖質オフの食料
糖質オフの食料
  • 夜飯:おから蒸しパン、ゆで卵×2、チーズ×2、バターコーヒー
    【574kcal P35.0 F44.4 C11.9 糖質5.3】
  • 朝飯:おから蒸しパン、プロテインクッキー、チーズ×2、バターコーヒー
    【723kcal P39.3 F56.0 C23.2 糖質9.5】
  • 行動食:プロテインクッキー、ミックスナッツ、スポーツようかん
  • 飲み物:お茶 500ml、BCAAドリンク 500ml、水 1L

スポーツようかん(糖質の塊)はハンガーノック対策として持っていった。結局、行動食は食べなかったが。
キャンプ場には水場もあるが、水を含めて全て持ってきたものだけのみで飲食を賄うことにした。
バターコーヒーは、ペットボトルの無糖コーヒーにMCTオイルを入れてシェイクしたもの。

ケトジェニック向けおから蒸しパン

おから蒸しパン
おから蒸しパン
食材重さcalPFC糖質コスト
おからパウダー301006.94.115.72.645
ホエイプロテイン3012222.51.64.44.445
60675.84.70024
オリーブオイル302700300039
90000000
ベーキングパウダー23000.60.63.8
24256235.240.420.77.6156.8
おから蒸しパンのレシピ

上の表が2食分のおから蒸しパンのレシピ。今回は、これに高カカオチョコレートを少し加えた。
これらを全て混ぜて、レンジで3分温めるだけで完成。
PFC優秀だし、しっとり感あって本当に美味しい。

おからパウダーをオートミールに変えて、油を抜けばローファット向けの蒸しパンになる。

ケトジェニック向けプロテインクッキー

プロテインクッキー
プロテインクッキー
食材gcalPFC糖質コスト
ホエイプロテイン3012222.51.64.44.445
おからパウダー301006.94.115.72.645
オリーブオイル302700300039
30000000
0.5000000
アーモンド20732.46.22.51.334
シナモン1
141.556531.841.922.68.3163
プロテインクッキーのレシピ

上の表が2食分のプロテインクッキーのレシピ。今回はナッツ以外にミックスベリーも練り込んだ。
これらを全て混ぜて、オーブン170度で15分焼いて完成。

口溶けに若干粉感があるので今後レシピに改善の余地あり。次は、サイリウムか寒天入れてみるかな。

実際に登山をしてみて……

ケトーシスだと夜に寝られない

食糧と水に加えてテント、シュラフ、エアマットを持っていく必要があったが、普段使ってる24Lのザックに収まった。重さは約9kg。

1日目は昼過ぎに高尾駅へ電車で向かい、駅からキャンプ場までの道路を歩いたのみ。
キャンプ場でテントを設営した後は、夕食を食べて寝るだけ。

しかし、全然寝付けなかった。
ケトーシスだと糖質が無いため、ホルモンの関係上どうしても睡眠が浅くなってしまう。
それに加えて、テント泊といういつもと違う慣れない状況下だったので、十分な睡眠を取ることが出来なかった。

その日の疲れを回復できないとなると、泊まりがけの登山は厳しいと感じる。

ケトーシスでもハンガーノックの心配はない

翌日、キャンプ場からピークである城山までに、標高差350mほどのきつい勾配を息を切らしながら登った。
肝臓にも筋肉にもグリコーゲンが無いカラッカラの状態だが、特に問題なく登り切ることができた。
むしろ、エネルギーが脂肪一択なので、歩くペースが乱れることなく一定なので登りやすいかもしれない。

エネルギー切れでのハンガーノックを心配してたが杞憂に終わった。
ただ、炎天下の急登などでケトン代謝のエネルギー供給が追いつかなくなると、動けなくなるかもしれない。念のために行動食として糖分が摂れる食事を持っていったほうがよさそうだ。

ケトーシスだとおしっこが近くなる?かも

また、自分の体質かもしれないが、普段よりも尿が近くなった。
普段なら8時間以上歩く時でも山行途中にトイレに行くことは滅多にないのだが、今回は2時間半ながら途中で尿意に襲われた。

グリコーゲンが枯渇している上、体内に糖分が少ないため、水分量の調節がシビアになっているのかもしれない。こちらも、長時間歩くことが必要な登山ではデメリットになりそうだ。

ケトーシス状態で登山をするとどうなるのか

結論として、ケトーシス状態かつ糖質オフで1泊以上の登山をするのはやめておいた方がいい。
どうしてもケトジェニックダイエット中に1泊以上の登山をするのなら、前日から十分なカーボローディング(セロトニンからメラトニンの生成を活発化させるため)をして、食糧も糖分があるものを選んだほうがいいと思う(当然ケトーシスは抜けてしまうが)。

今回の食糧計画を見ても明らかなように、食べるものが極端に制限され食事が味気なくなる。糖質がない食糧では、登山する楽しみが失われるっていうのが一番大きいかもしれない。
ストイックな人なら、マヨネーズとプロテインとサプリだけ(トレイルバターにも満足できない人向け)でライトウェイトトレッキングできそうだが、自分には向いてないということがわかった。

以下が今回の山行記録。

高尾山秋季単独有酸素無糖質ケトーシス状態テント泊縦走の山行記録

  • 日程:2023年10月22日(日) ~ 2023年10月23日(月)
  • 天候:快晴
⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
03:2613.7km752m788m
    

地図・標高グラフ

 

コースタイム

高尾駅北口 15:48 → 16:02 高尾駒木野庭園 → 16:07 駒木野バス停 → 16:12 駒木野の一里塚 → 16:13 荒井バス停 → 16:15 高尾天満宮 → 16:16 高尾梅の郷まち広場 → 16:21 摺差バス停 → 16:26 裏高尾バス停 → 16:30 日影バス停 → 16:37 日影沢キャンプ場

日影沢キャンプ場 07:06 → 07:29 446m圏峰 → 07:51 日影乗鞍 07:52 → 08:08 城山 08:11 → 08:17 五十丁峠 → 08:25 一丁平展望台 → 08:29 荻原作業道口(上部) → 08:32 大垂水峠(学習の歩道)分岐 → 08:41 もみじ台 → 08:49 高尾山 08:51 → 09:02 稲荷山コース高尾林道分岐 09:03 → 09:08 大山橋 → 09:12 硯岩 → 09:21 琵琶滝 → 09:25 二軒茶屋登山口 → 09:31 高尾山・清滝駅 → 09:36 高尾山口駅

山行タイムライン 1日目
  • 15:48
    高尾駅北口
    高尾駅
    高尾駅
    高尾駅
    高尾駅

    高尾駅までは電車。
    甲州街道と旧甲州街道でまずは日影沢キャンプ場へ歩く。

  • 16:02
    高尾駒木野庭園
    甲州街道駒木野宿碑
    甲州街道駒木野宿碑
  • 16:07
    駒木野バス停

  • 16:12
    駒木野の一里塚

  • 16:13
    荒井バス停

  • 16:15
    高尾天満宮

  • 16:16
    高尾梅の郷まち広場

  • 16:21
    摺差バス停

  • 16:26
    裏高尾バス停
    浅川国際マス釣場
    浅川国際マス釣場

    浅川国際マス釣場が見えてくると日影沢キャンプ場まではあと少し。

  • 16:30
    日影バス停
    旧甲州街道からの林道入口
    旧甲州街道からの林道入口

    旧甲州街道から林道へ。

  • 16:37
    日影沢キャンプ場
    日影沢キャンプ場
    日影沢キャンプ場

    コロナ前に予約したことがあるがその時は抽選に漏れてしまい、行けなかった。
    今回は予約を取ることができた(翌日が月曜だから空いていた)。

    日影沢キャンプ場 下段
    日影沢キャンプ場 下段
    日影沢キャンプ場 上段
    日影沢キャンプ場 上段

    テント場は2段になっていて、上段にテント設営。
    自分の他には1パーティのみ(夜にもう1パーティ増えた)。
    直前に見たキャンプ上の予約状況だと全て埋まってたけど……他の予約はデイキャンプだったのかな?

    日影沢キャンプ場にテント設営
    日影沢キャンプ場にテント設営

    寝付きが悪くてあまり睡眠取れなかった。おそらく、糖が無いためセロトニン(からのメラトニン)が合成されづらいからかな。

山行タイムライン 2日目
  • 07:06
    日影沢キャンプ場
    日影沢キャンプ場
    日影沢キャンプ場
    小仏城山北東尾根の分岐
    小仏城山北東尾根の分岐

    キャンプ場に来た道を少し戻って、小仏城山北東尾根の分岐。
    何も目印が無いので、スルー不可避。踏み跡はしっかりある。

    小仏城山北東尾根の分岐 渡渉
    小仏城山北東尾根の分岐 渡渉

    ここを渡渉する。
    石の上を渡っていけば、靴が水に濡れることはない。

    小仏城山北東尾根の取り付き
    小仏城山北東尾根の取り付き

    尾根への取り付きは荒い斜面を急角度で登る。
    だけど、荒れているのはここくらいで、後は歩きやすい道が続く。

    小仏城山北東尾根
    小仏城山北東尾根

    標高621mにあるピークまで高さ350m、きつい勾配の尾根をひたすら登っていく。
    心拍がかなり上がっていたが、ケトーシスでも問題なく登れるパワーがでるようだ。

  • 07:29
    446m圏峰

  • 07:51
    日影乗鞍
    小仏城山北東尾根から林道へ
    小仏城山北東尾根から林道へ

    621mのピークを過ぎたコルで「この先、植生保護のため通行止め」という看板があり、このまま尾根伝いに行くルートは塞がれた。
    なくなく林道に降りる。

    通行止め
    通行止め
  • 08:08
    城山
    城山の天狗
    城山の天狗
    城山からの景色
    城山からの景色

    城山で少し休憩。
    登山についてはケトーシスでも全然問題なかった。

  • 08:17
    五十丁峠

  • 08:25
    一丁平展望台

  • 08:29
    荻原作業道口(上部)

  • 08:32
    大垂水峠(学習の歩道)分岐

  • 08:41
    もみじ台
    もみじ台
    もみじ台
  • 08:49
    高尾山
    高尾山頂からの富士山
    高尾山頂からの富士山
    高尾山頂
    高尾山頂
    高尾山頂
    高尾山頂
    6号路 ここなちゃんポイント
    6号路 ここなちゃんポイント

    高尾山からの下りは6号路で。
    ヤマノススメここなちゃん邂逅ポイント。

  • 09:02
    稲荷山コース高尾林道分岐

  • 09:08
    大山橋

  • 09:12
    硯岩

  • 09:21
    琵琶滝

  • 09:25
    二軒茶屋登山口

  • 09:31
    高尾山・清滝駅
    COCOHELI TAKAO
    COCOHELI TAKAO

    高尾山口駅までの通りに「COCOHELI TAKAO」というココヘリのポップアップスペースが出来てた。
    12月23日までの期間限定のようだ。
    https://www.cocoheli.com/news/cocohelitakao

  • 09:36
    高尾山口駅
    高尾山口駅
    高尾山口駅

    高尾山口駅で下山完了。

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