東海道五十三次を歩く
百名山をすべて登り終えて
2021年、長年の夢だった「日本百名山」を全て登り切った。夢の達成感はすごかったけど、その一方で何かが燃え尽きたような気持ちにもなった。しばらく登山へのモチベーションが下がって、山からも少し距離を置いていた。でも、心のどこかでは次の目標を探していたのかもしれない。
そんなある日、横浜みなとみらいのライブ会場「ぴあアリーナMM」に行く予定ができた。そこでふと、「どうせなら日本橋から横浜まで歩いて行ってみよう」と思い立った。この思いつきが、今回の旅の始まりだ。
日本橋からスタート
旅の出発点は、五街道の起点であり、日本の道路網の象徴でもある日本橋。ここには「日本国道路元標」の複製が設置されている。この場所に立つと、江戸時代に多くの旅人が行き交った様子を想像せずにはいられない。
数年前、自転車で日本橋から名古屋手前の実家近くまで走ったことがある。そのときも日本橋を出発点にしたけど、今回は自分の足で歩くという新しいチャレンジ。やっぱり徒歩旅ならではの楽しみがある。
徒歩旅の魅力
自転車旅ももちろん楽しいけど、徒歩旅には徒歩旅の良さがある。一歩一歩進むことで、道端に咲く花、古い建物、街角の小さな神社など、普段なら気づかないようなものが目に入る。それに、気になるものを見つけたらすぐに立ち止まれるのがいい。
ただ今回は、その「自由さ」が仇になった。寄り道しすぎて、想定していたペースを大幅にオーバー。本来行きたかったスポットをいくつか逃してしまったのは少し残念。次にまた歩くときは、時速4.5キロのペースを意識して計画的に進もうと思う。
道中のセブンイレブン巡り
今回の旅では、ちょっとした遊び心で「道中のセブンイレブンには必ず立ち寄り、何かを買う」というルールを作った。最初は軽いジョークみたいなものだったけど、結果的にこれが意外と楽しい。
途中で立ち寄ったセブンイレブンは全部で24店舗。飲み物や軽食を買いながら、ちょっとした休憩ポイントとしても活用できた。こういう小さな寄り道が、徒歩旅の楽しさをさらに引き立ててくれる。
次の挑戦に向けて
こうして、日本橋から横浜までの道のりを歩き切った。この旅は、百名山を登り終えた後の自分にとって、新しいスタートだった気がする。足元から地面を踏みしめ、一歩一歩進むことで見えてくる景色や感じる達成感は、何にも代えがたいものだ。
次はどんな旅にしようか、どんな目標を見つけようか。また新しい冒険を探しながら、一歩ずつ進んでいこうと思う。
日本橋~横浜の歩行記録
- 日程:2022年11月17日(木)
- 天候:晴れ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
08:19 | 36.7km | 23m | 23m |
地図・標高グラフ
コースタイム
【日本橋】から【品川宿】まで
【日本橋】09:33 → 09:33 日本橋 09:34 → 09:57 銀座駅 → 10:24 大門駅 → 10:38 御穂鹿嶋神社 10:43 → 11:08 御田八幡神社 11:09 → 11:37 八ツ山橋 11:44 → 11:59 【品川宿】
- 【日本橋】
- 09:33日本橋
東海道だけでなく、中山道、日光・奥州道中の起点としての日本橋。ここから京都の三条大橋まで続く道が、東海道五十三次の始まりとなる。
本物は日本橋の中央に埋められており、車の往来があるため近づくことが難しい。歴史の象徴であるこの標には、訪れる人々の旅への期待が込められている。
日本橋の中央にある日本国道路元標。
隣に日本橋観光案内所もある。
隣には警察博物館があり、警察の歴史や活動について学べる場所のようだ。次回訪問する機会があれば立ち寄りたい。
京橋の地名の由来となっているものだから親柱が残されているんだろうな。
- 09:57銀座駅
このライオン像は銀座のシンボルの一つ。開店前には多くの人々が列をなしている光景が、銀座の賑わいを象徴している。
銀座のシンボル、セイコーハウス銀座(和光本館から名称変更)の時計塔
ちょうど10時の時を告げる音色が鳴り響いていた。ヤクルト本社ビル。ただし、ヤクルト本社はここではないらしい。
東海道新幹線や東海道本線の高架をくぐる。
- 10:24大門駅
奥に増上寺の赤門と東京タワー。
- 10:38御穂鹿嶋神社
江戸開城 西郷南州・勝海舟会見之地をいつの間にか通り過ぎていて、戻ってどこにあるんだろと探した。残念ながら、今は工事中のため見ることはできず。
元はここに高札場があったそうだ。
前から見に行きたかった建築物が近くにあったので、ちょっと寄り道。
蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)というコンクリートでセルフビルドされたタワーがあるはずだが、囲いがされて見えなくなっていた。取り壊されるのか!?
施工主のTwitterによると、再開発計画エリアとなってしまったのでそのうち曳家するとのこと。マジか!
- 11:08御田八幡神社
第一京浜(国道15号線)に戻って、高輪大木戸跡。
このあたりから高輪ゲートウェイ一帯、再開発の工事中。 - 11:37八ツ山橋
JRと京急がクロスする八ツ山橋。
旧東海道に入る場合は、第一京浜の歩道橋を渡ってから八ツ山橋を渡る。そうしないと自分みたいに5分以上時間をロスする。旧東海道の面影が残る商店街。
少し脇道に入って、品川区立品川浦公園のクジラ。公園の奥に利田神社の鯨塚。
- 11:59【品川宿】
【品川宿】から【川崎宿】まで
11:59 【品川宿】 → 11:59 東海道1宿品川宿 12:01 → 12:29 浜川砲台跡 → 12:39 鈴ヶ森刑場 12:42 → 12:49 磐井神社 → 13:22 大森警察署前 → 13:34 梅屋敷駅 → 13:43 京急蒲田駅 → 14:18 止め天神 → 14:21 六郷橋 14:22 → 14:45 【川崎宿】
- 11:59【品川宿】
- 11:59東海道1宿品川宿
品川宿本陣跡は聖蹟公園として整備されている。
品川区立城南幼稚園の校門。校舎も併せて凝った意匠だ。
- 12:29浜川砲台跡
- 12:39鈴ヶ森刑場
処刑に使われた磔台と火炙台が保存されている。その歴史を思いながら歩くと、当時の重みを感じ取れる場所となっている。
- 12:49磐井神社
美原通りを約1キロ続く細長い商店街。
- 13:22大森警察署前
- 13:34梅屋敷駅
- 13:43京急蒲田駅
呑川に架かる夫婦橋。
- 14:18止め天神
多摩川を渡り、いよいよ神奈川県に入ります。橋からの眺めが旅路の節目を感じさせる場所。さらば東京。
- 14:21六郷橋
多摩川を渡り、ようやく神奈川県に入った。
- 14:45【川崎宿】
【川崎宿】から【神奈川宿】まで
14:45 【川崎宿】 → 14:59 八丁畷駅 15:00 → 15:19 鶴見川橋 → 15:30 東急鶴見駅 → 15:39 国道駅 → 15:58 生麦事件碑 15:59 → 16:36 【神奈川宿】
- 14:45【川崎宿】
川崎宿の起点(参考にした本『ちゃんと歩ける東海道五十三次』において)
斜向いに小土呂橋親柱がある。八丁畷駅手前に芭蕉句碑がある。
- 14:59八丁畷駅
- 15:19鶴見川橋
鶴見川に架かる鶴見川橋を渡る。
- 15:30東急鶴見駅
- 15:39国道駅
今回は寄らなかったけど、とてもノスタルジックな駅。
鶴見線乗る際には是非立ち寄って欲しい。知らなかったけど、この地で行われている蛇も蚊も(じゃもかも)という祭りがあるそうで。
この左の新築物件が建っている所に生麦事件発生地の看板があったはずだが(ストリートビューなどでも確認できる)、新築にするにあたって掲示をやめたようだ。
まぁ、住宅地だし仕方ない。 - 15:58生麦事件碑
生麦事件発生地から追われて、致命傷を与えられた場所。
- 16:36【神奈川宿】
【神奈川宿】から浅間下交差点まで
16:36 【神奈川宿】 → 16:53 神奈川駅 → 17:17 浅間下交差点 → 17:53 ぴあアリーナMM
- 16:36【神奈川宿】
神奈川宿の起点。
早くも日が沈みつつある。神奈川宿の高札場跡にも行きたかったが、先を急ぐことにした。幸ヶ谷歩道橋から横浜の高層ビルを望む。
- 16:53神奈川駅
ネットでよくしょぼいと言われている神奈川駅。
老舗料亭田中家前にある神奈川宿の説明掲示。
神奈川の台という高台にあり、日本橋からここまで歩いてきて初めて坂を登った感覚。坂を下りる。
今日のゴールのみなとみらい方面からはどんどん遠ざかっていく。 - 17:17浅間下交差点
今回の東海道五十三次歩きはここまで。
次回(あるなら)はここから続けようかと思う。旧東海道からは離れて、みなとみらい方面へ。
- 17:53ぴあアリーナMM
目的地のぴあアリーナMMに着いた。
余裕を持ってスケジューリングしたけど、開演ギリギリだったな。