東海道五十三次を歩く旅 第1弾!日本橋から横浜までの36.7km徒歩旅行記
百名山完登後の新たな挑戦として始まった東海道歩き
2021年に日本百名山を全て登り切った後、正直なところ燃え尽き症候群みたいな状態になってしまった。あれだけ情熱を注いでいた山登りへのモチベーションが急に下がって、週末も家でゴロゴロすることが増えた。でも、心のどこかでは「次は何をしようかな」という気持ちがくすぶっていたんだよね。
そんな2022年11月のある日、横浜みなとみらいの「ぴあアリーナMM」でライブを観る予定ができた。普通なら電車で行くところだけど、ふと「せっかくだから日本橋から歩いて行ってみようか」という考えが頭をよぎった。この何気ない思いつきが、新しい冒険の始まりになるとは思ってもみなかった。
日本橋:五街道の起点から始まる歴史ウォーク

朝9時33分、いよいよスタート
11月17日木曜日、晴天に恵まれた朝9時33分、日本橋に到着。平日の朝だけど、さすがは日本の道路網の中心地、ビジネスマンや観光客でそこそこ賑わっていた。

日本橋といえば、東海道・中山道・日光道中・奥州道中・甲州道中の五街道の起点。橋の中央には「日本国道路元標」が埋め込まれているんだけど、車の往来が激しくて近づけない。でも、橋のたもとには複製が設置されていて、そこで記念撮影。主要都市までの距離も書かれていて、「京都まで503km」なんて見ると、江戸時代の人たちの旅の大変さが想像できる。
数年前、自転車で日本橋から名古屋手前の実家近くまで走ったことがある。そのときも日本橋を出発点にしたけど、今回は自分の足で歩くという新しいチャレンジ。徒歩旅ならではの新たな楽しみがあるだろう。
日本橋界隈の見どころ

日本橋高島屋の重厚な建物、ヤン・ヨーステン記念碑、京橋の親柱跡など、歩き始めてすぐに歴史的なスポットが次々と現れる。特に印象的だったのは、銀座発祥の地の碑。今では高級ブランド街として有名な銀座も、もともとは銀貨を鋳造する「銀座」があった場所なんだよね。
東京都心から品川宿へ:都市の変遷を感じる道のり
銀座・新橋エリアの風景

銀座三越のライオン像の前では、開店前から人が並んでいた。セイコーハウス銀座(旧和光本館)の時計塔がちょうど10時の時を告げる音が聞こえてきて、なんだか旅の始まりを祝福してくれているみたい。

面白かったのは、銀座の真ん中で焼き芋カーを見かけたこと。高級ブランド街と焼き芋という組み合わせが、なんとも東京らしいミスマッチで思わず写真を撮ってしまった。
品川宿:東海道最初の宿場町

11時59分、品川宿に到着。
北品川本通り商店会は、旧東海道の面影が残る貴重なエリア。品川宿本陣跡は聖蹟公園として整備されていて、ベンチで少し休憩。品川区立城南幼稚園の凝った意匠の校門も見どころの一つだった。
品川から川崎へ:東京の下町風情を楽しむ
鈴ヶ森刑場跡での歴史の重み

12時39分、鈴ヶ森刑場跡に到着。ここは江戸時代の処刑場で、磔台と火炙台が保存されている。正直、ちょっと重い気持ちになる場所だけど、東海道を歩く上では避けて通れない歴史の一部。当時の旅人たちも、ここを通るときは複雑な気持ちだったんだろうな。
ミハラ通り商店街の活気

鈴ヶ森を過ぎると、約1キロ続くミハラ通り商店街。細長い商店街だけど、地元の人たちで賑わっていて、東京の下町らしい雰囲気が心地よい。梅屋敷駅、京急蒲田駅と、京急線の駅を次々と通過していく。
六郷橋:東京から神奈川へ

14時21分、ついに多摩川に架かる六郷橋に到着。橋の中央で東京都と神奈川県の県境を越える瞬間は、なんだか感慨深い。「さらば東京!」と心の中でつぶやきながら、神奈川県側へと歩を進めた。
川崎宿から神奈川宿:歴史の舞台を歩く
川崎宿での発見

14時45分、川崎宿に到着。小土呂橋が川崎宿の起点になっていて、斜向いには小土呂橋親柱が残されている。参考にした『ちゃんと歩ける東海道五十三次』という本によると、ここが正式な起点らしい。
生麦事件の現場を訪ねて

15時58分、歴史の教科書でも有名な生麦事件の現場へ。住宅街にある事件発生地には以前は看板があったらしいけど、新築マンションの建設に伴って撤去されたみたい。まあ、住宅地だから仕方ないよね。でも、少し離れた場所には生麦事件碑が残されていて、そこで当時の出来事に思いを馳せることができた。
神奈川宿:高台からの眺望

16時36分、神奈川宿に到着。神奈川の台という高台にあって、日本橋から歩いてきて初めて本格的な坂を登った感覚。老舗料亭田中家の前には神奈川宿の説明板があって、当時の宿場町の様子が描かれていた。
浅間下交差点でゴール…のはずが

17時17分、当初の目的地である浅間下交差点に到着。ここで東海道歩きは一旦終了…のはずだったけど、まだライブまで時間があったので、みなとみらいまで歩くことに。
平沼橋から見る横浜駅の夜景、みなとみらいの高層ビル群と、都市の夜景を楽しみながら最後の行程を進む。そして17時53分、目的地のぴあアリーナMMに到着!開演ギリギリでちょっと焦ったけど、無事にライブも楽しめた。
東海道五十三次を歩くコツとアドバイス
ペース配分の重要性
自転車旅ももちろん楽しいけど、徒歩旅には徒歩旅の良さがある。一歩一歩進むことで、道端に咲く花、古い建物、街角の小さな神社など、普段なら気づかないようなものが目に入る。それに、気になるものを見つけたらすぐに立ち止まれるのがいい。
一方で今回の反省点は、歩きながら寄り道しすぎて時間が押してしまったこと。東海道歩きをする場合は、時速4〜4.5kmを基準にして、休憩時間も含めて余裕を持った計画を立てることが大切。特に見どころが多い区間では、つい立ち止まってしまうので要注意。
歩きやすい装備を
- 歩きなれた靴(新品は避ける)
- リュックサック(両手が自由になる)
- 飲み物(こまめな水分補給)
- 軽食(エネルギー補給用)
- スマホの充電器(写真撮影で電池消耗)
おすすめの参考書
『ちゃんと歩ける東海道五十三次』は、ルートが詳しく書かれていて本当に役立った。地図アプリ(自分の場合はヤマレコ)と併用すれば、迷うことなく旧東海道を辿れる。
まとめ:新たな挑戦の始まり
日本橋から横浜まで、36.7km、8時間19分の徒歩旅。百名山を登り終えた後の自分にとって、この旅は新しいスタートラインだった。一歩一歩地面を踏みしめながら進む感覚、道端の小さな発見、歴史の痕跡との出会い。山登りとはまた違った魅力が、街道歩きにはある。
次回は横浜から先を歩く予定。最終的には京都の三条大橋まで、全53宿を踏破したい。新しい目標ができて、また週末が楽しみになってきた。燃え尽き症候群から立ち直るきっかけをくれた、この東海道歩きに感謝!
おまけ:セブンイレブン縛りという遊び心
今回の旅では、ちょっとした遊び心で「道中のセブンイレブンには必ず立ち寄って何かを買う」というマイルールを設定した。最初は冗談半分だったけど、これが意外と楽しい!
結果的に24店舗のセブンイレブンに立ち寄ることに。カフェラテ、おにぎり、お菓子、飲み物…買いすぎて荷物が重くなったけど、それも含めて良い思い出。都心から郊外に向かうにつれて、セブンイレブンの密度が下がっていくのも面白い発見だった。
日本橋~横浜の歩行記録
- 日程:2022年11月17日(木)
- 天候:晴れ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
08:19 | 36.7km | 23m | 23m |
地図・標高グラフ
コースタイム
【日本橋】から【品川宿】まで
【日本橋】09:33 → 09:33 日本橋 09:34 → 09:57 銀座駅 → 10:24 大門駅 → 10:38 御穂鹿嶋神社 10:43 → 11:08 御田八幡神社 11:09 → 11:37 八ツ山橋 11:44 → 11:59 【品川宿】
- 09:33日本橋
日本橋 東海道だけでなく、中山道、日光・奥州道中の起点としての日本橋。ここから京都の三条大橋まで続く道が、東海道五十三次の始まりとなる。
日本橋 複製日本国道路元標 本物は日本橋の中央に埋められており、車の往来があるため近づくことが難しい。歴史の象徴であるこの標には、訪れる人々の旅への期待が込められている。
日本国道路元標の解説と主要都市への距離 日本橋魚市場発祥の地 日本橋 日本国道路元標 日本橋の中央にある日本国道路元標。
日本橋由来記の碑 隣に日本橋観光案内所もある。
日本橋高島屋 日本橋高島屋 ヤン・ヨーステン記念碑 京橋交差点 京橋の碑 隣には警察博物館があり、警察の歴史や活動について学べる場所のようだ。次回訪問する機会があれば立ち寄りたい。
京橋の親柱 京橋の地名の由来となっているものだから親柱が残されているんだろうな。
銀座発祥の地の碑 - 09:57
- 10:24
- 10:38御穂鹿嶋神社
江戸開城 西郷南州・勝海舟会見之地 江戸開城 西郷南州・勝海舟会見之地をいつの間にか通り過ぎていて、戻ってどこにあるんだろと探した。残念ながら、今は工事中のため見ることはできず。
札の辻の案内板 元はここに高札場があったそうだ。
蟻鱒鳶ル(アリマストンビル) 前から見に行きたかった建築物が近くにあったので、ちょっと寄り道。
蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)というコンクリートでセルフビルドされたタワーがあるはずだが、囲いがされて見えなくなっていた。取り壊されるのか!?
施工主のTwitterによると、再開発計画エリアとなってしまったのでそのうち曳家するとのこと。マジか!
蟻鱒鳶ル(アリマストンビル) 蟻鱒鳶ル(アリマストンビル) - 11:08
- 11:37
- 11:59【品川宿】
【品川宿】から【川崎宿】まで
11:59 【品川宿】 → 11:59 東海道1宿品川宿 12:01 → 12:29 浜川砲台跡 → 12:39 鈴ヶ森刑場 12:42 → 12:49 磐井神社 → 13:22 大森警察署前 → 13:34 梅屋敷駅 → 13:43 京急蒲田駅 → 14:18 止め天神 → 14:21 六郷橋 14:22 → 14:45 【川崎宿】
- 11:59【品川宿】
- 11:59
- 12:29浜川砲台跡
- 12:39
- 12:49
- 13:22大森警察署前
- 13:34
- 13:43
- 14:18
- 14:21
- 14:45【川崎宿】
【川崎宿】から【神奈川宿】まで
14:45 【川崎宿】 → 14:59 八丁畷駅 15:00 → 15:19 鶴見川橋 → 15:30 東急鶴見駅 → 15:39 国道駅 → 15:58 生麦事件碑 15:59 → 16:36 【神奈川宿】
- 14:45
- 14:59
- 15:19
- 15:30
- 15:39
- 15:58
- 16:36【神奈川宿】
【神奈川宿】から浅間下交差点まで
16:36 【神奈川宿】 → 16:53 神奈川駅 → 17:17 浅間下交差点 → 17:53 ぴあアリーナMM
- 16:36
- 16:53
- 17:17
- 17:53