磐田~新居間30km 平坦ルートの意外な魅力と歴史発見
年末年始の休みを利用して、東海道五十三次の磐田~新居間を歩いてきました。今回は距離30kmと比較的短めの行程で、アップダウンもほぼない平坦なコース。ただ正直に言うと、旧東海道の痕跡や見どころが少なく、ひたすら歩く辛さを感じるルートでもありました。
でも実際に歩いてみると、一見単調に見える道のりにも歴史の面影や港町の魅力がしっかり残っていて、黙々と歩くことに集中できる人には意外とおすすめのコースだなと感じています。
磐田~新居間の基本情報と歩行データ
磐田~新居間は、本当にフラットなコースです。累積標高差がほとんどないので、体力的な負担は少なく、東海道ウォーキング初心者の方にも取り組みやすい区間だと思います。
ただし、30km超という距離は決して短くありません。普段あまり歩かない方は、事前に10km以上の歩行練習をしておくことをおすすめします。
磐田駅から浜松宿まで アクトタワーを目指して一直線
旧東海道との合流地点で感じる地元愛

磐田駅を8時にスタートし、すぐに旧東海道と合流する交差点へ。ここで目を引くのが、北東にあるジュビロくん像と北西のジュビィちゃん像です。磐田市のジュビロ磐田に対する愛情がひしひしと伝わってきて、思わず微笑んでしまいました。
地方都市を歩いていると、こうした地元チームやシンボルへの愛着を感じる場面によく出会います。これも街道歩きの楽しみの一つですね。
歴史の痕跡を辿りながら

道中では「くろん坊様」という名前の祠に出会いました。現代の感覚だと少し驚く名前ですが、伝承によるとインド人の旅僧がこの地で遭難し、祀られているのだとか。江戸時代の国際的な交流を物語る貴重な史跡です。
また、夢舞台東海道長森立場道標では「長森かうやく」という薬の存在を知りました。あかぎれや切り傷に効果があったという民間薬で、当時の人々の暮らしぶりが垣間見えて興味深かったです。
天竜川渡河の注意点

天竜川を渡る際は要注意です。県道の天竜川橋には歩道がなく、歩行者にとって非常に危険です。私は安全を優先して、並走する国道1号線の新天竜川橋を利用しました。
東海道ウォーキングを計画されている方は、事前にルートの安全性を確認することをおすすめします。歴史を辿ることも大切ですが、何より安全第一です。
浜松のシンボル・アクトタワーとの出会い

磐田から浜松に向かう道中で印象的だったのが、遠くに見える浜松アクトタワーです。最初は小さな点のように見えていたのが、歩を進めるうちにどんどん大きくなっていく様子は、なんだか旅の進捗を実感できて嬉しいものでした。

浜松の人たちは、このアクトタワーのおかげで道に迷うことがないんだろうなと思います。街のランドマークがあるって素晴らしいことですね。
浜松宿から舞阪宿まで 港町の風情を感じる区間
浜松市内の意外な発見

浜松宿エリアで目を引いたのが、笹田学園デザインテクノロジー専門学校田町校舎のビルです。そのデザイン性の高さは、渋谷にある「ガンダムビル」こと青山製図専門学校に匹敵するほどでした。地方都市にもこんなスタイリッシュな建物があるんだなと、ちょっと感動してしまいました。
舞阪宿で感じる港町の魅力

舞阪宿に到着すると、雰囲気が一変します。約500mにわたって整備された松並木ストリートは本当に美しく、江戸時代の街道の雰囲気を存分に味わうことができました。

特に印象的だったのが、のりやしらすの商店が並ぶ港町らしい風景です。品川宿などの内陸の宿場町とは明らかに異なる、海の町ならではの雰囲気がありました。どこか懐かしい気持ちになる、温かみのある街並みです。
舞阪宿から新居宿まで 浜名湖畔の歴史を歩く
松並木に刻まれた東海道五十三次の記憶
舞阪宿の松並木通りには、東海道五十三次の全宿場町の石碑が配置されています。一つ一つ見て回ると、地元の方々が歴史を大切にしていることがひしひしと伝わってきました。しっかりと整備された石碑群は、観光客にとっても見応えがあり、絶好の写真スポットでもあります。
東海道ウォーキングを楽しむ方には、ぜひ時間をかけて石碑を見て回ることをおすすめします。自分が歩いてきた道のりと、これから歩く道のりを改めて実感できる貴重な場所です。
今切の渡しの歴史を肌で感じる
ゴール地点は浜名湖の南端です。細い砂堤を歩きながら新居町駅へ向かう道のりで、この場所が「今切の渡し」として知られる歴史的なポイントであることを知りました。
江戸時代の旅人たちは、ここで湖を渡る渡し船を利用していたわけです。現在は陸続きになっているとはいえ、細い砂堤を歩いていると、当時の渡し船での旅路がいかに大変だったかが想像できます。
現代でも新幹線が頻繁に行き交う姿を見ていると、交通の要衝としての重要性は今も昔も変わらないんだなと感じました。
新幹線との並走で感じる時代の流れ

弁天橋を渡るあたりから、東海道新幹線と並走することになります。新幹線の頻繁な往来には本当に驚かされました。まるで山手線並みの頻度で、現代の東海道がいかに重要な交通路かを実感します。
江戸時代の徒歩旅行と現代の新幹線。同じ道筋を辿りながら、時代の変遷を肌で感じられるのも東海道ウォーキングの魅力の一つですね。
東海道ウォーキング初心者へのアドバイス
体力面での準備
30kmという距離は、普段歩き慣れていない方には決して楽ではありません。事前に段階的な距離の練習歩行をしておくことをおすすめします。10km、15km、20kmと徐々に距離を伸ばして、30km歩行に備えましょう。
装備と服装
平坦なコースとはいえ、長距離歩行では足への負担が蓄積されます。クッション性の良いウォーキングシューズと、厚手の靴下は必須です。また、天候の変化に備えて雨具も忘れずに。
ルート確認と安全対策
事前にルートの確認をしっかりと行い、特に車道との合流地点や歩道のない橋などは代替ルートを調べておきましょう。今回の天竜川橋のように、安全を優先したルート変更が必要な場合もあります。
次回への展望と継続のコツ
今回は年末年始の休みを利用した歩き旅でしたが、次の区間(新居~御油間)は暖かくなった春に持ち越すことにしました。
東海道五十三次を完歩するには時間がかかりますが、無理をせず季節や体調に合わせて続けることが大切だと感じています。一度に全てを歩ききろうとせず、楽しみながら長期的に取り組むのが継続のコツですね。
磐田~新居の歩行記録
- 日程:2024年1月3日(水)
- 天候:くもり
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
05:57 | 30.2km | 13m | 17m |
地図・標高グラフ
コースタイム
磐田駅から【浜松宿】まで
磐田駅 08:00 → 08:01 旧東海道との分岐(前回の続き) → 09:00 新天竜川橋 → 09:08 大甕神社 → 10:33 【浜松宿】
- 08:00
- 08:01旧東海道との分岐(前回の続き)
旧東海道の交差点 北東にはジュビロくん像、北西にはジュビィちゃん像がある交差点で旧東海道と合流。磐田市のジュビロ磐田愛が伝わってくる場所。
くろん坊様 ポリティカルコレクトネスが叫ばれる昨今、名前のストレートさにドキッとする「くろん坊様」。
伝承によると、インド人の旅僧がこの地で遭難し、祀られているのだとか。松の木 道中では所々に松の木が残っていて、昔の街道の面影を感じられます。
夢舞台東海道長森立場道標 夢舞台東海道長森立場道標では「長森かうやく」という薬が評判だったことを知りました。「あかぎれ」や「切り傷」に効果がある薬だったそうだ。
天竜川 県道の天竜川橋には歩道がなく危険なので、並走する国道1号線の新天竜川橋を渡ることをおすすめします。安全第一で。
- 09:00
- 09:08大甕神社
中ノ町道路元標 中ノ町道路元標を通過し、この辺りから中野町に入ります。
軽便鉄道軌道跡 軽便鉄道の軌道跡を発見。ここから浜松まで蒸気機関車が走っていたとは、ロマンがありますね。
金原明善翁生家 姫街道(本坂通り)安間追分 磐田駅の北で分岐したはずの姫街道だが、ここら辺では東海道と同じ道を通るようだ。
松並木 遠くに見える浜松アクトタワー 遠くに浜松アクトタワーが小さく見えた。
アクトタワーが次第に大きく しばらく続く南西への一直線の道を歩くうちに、だんだんとアクトタワーが大きく近づいてきます。
アクトタワーに最接近 遂にアクトタワーに最接近。
浜松に住んでる人は、遠くからもよく見えるアクトタワーのおかげで道に迷うことがないだろうな。アクトタワー - 10:33【浜松宿】
【浜松宿】から【舞阪宿】まで
【浜松宿】 10:33 → 10:45 東海道29宿浜松宿 → 11:15 二つ御堂 → 13:16 【舞阪宿】
- 10:33
- 10:45
- 11:15
- 13:16【舞阪宿】
【舞阪宿】から【新居宿】まで
【舞阪宿】 13:16 → 13:25 浪小僧像 13:26 → 13:40 東海道30宿舞阪宿 13:41 → 13:50 弁天島駅 → 14:26 【新居宿】 → 14:26 新居町駅
- 13:16
- 13:25
- 13:40
- 13:50
- 14:26
- 14:26