東海道五十三次を歩く 16日目 関~三雲

鈴鹿峠 巡礼
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旧東海道の鈴鹿峠越えは歩く人だけの特別な道 〜東海道最大級の難所に挑む〜

東海道五十三次の中でも屈指の難所とされる鈴鹿峠。過去に国道1号線を自転車で越えたことがあるけど、今回、旧東海道の道を徒歩で進んでみると、まったく違うルートだったんです。

正直、「峠なんてどこも同じでしょ」って思っていた自分が恥ずかしい。旧東海道の鈴鹿峠は、現代の感覚では考えられないような、まさに「峠道」でした。

急坂と階段の連続、でもそれがいい

鈴鹿峠
鈴鹿峠

旧東海道の鈴鹿峠は、つづれ織りの坂道と急な階段が連続し、一気に標高を稼ぐルートになっています。片山神社を過ぎたあたりから、もう容赦ない登り。階段の段差も高くて、太ももがパンパンになります。

一方、国道1号線側はなだらかな登りが続くため、自転車や車には優しい設計。でも個人的には、旧東海道のほうがメリハリがあって楽しいと感じました。単調な道より、ちょっとしたアドベンチャー感があるほうが歩きがいがあるんですよね。

特に印象的だったのが、国道1号線の高架下をくぐる階段。現代の幹線道路の下を、江戸時代の道がひっそりと通っている。この対比が、なんとも言えない感慨を呼び起こします。上では車がビュンビュン走っているのに、下では静かに歴史の道を歩いている。時代の層が重なっているような、不思議な感覚でした。

峠の頂上で感じた達成感

鈴鹿峠
鈴鹿峠

約30分の急登の末、ついに鈴鹿峠の頂上へ。「伊勢国と近江国の境目」という看板を見た瞬間、思わず「やったー!」と声が出ました。ここで三重県から滋賀県へ。東海道を歩いていると、こうやって国境を越えていく実感があって楽しい。

峠の頂上は意外と平坦で、少し歩くと万人講常夜燈のある休憩所があります。トイレもあるので、ここで一息つくのがおすすめ。私はここでダウンジャケットを脱ぎました。登りで体が温まりすぎて、汗だくになっていたんです。

靴選びの大失敗が招いた悲劇

スニーカーで挑んだ代償

しかし、今回の大きな失敗は靴選び。普段使いのスニーカーで歩いたため、足裏が猛烈に痛めつけられました。

登りはまだよかったんです。問題は下り。特に鈴鹿峠から下りのアスファルトは、足への蓄積ダメージが半端ない。一歩一歩、足裏に衝撃が伝わってきて、まるで石の上を裸足で歩いているような感覚。

あとで三雲駅に着く頃には、もう足が棒どころか、足裏が燃えているような痛み。歩き終えた直後から違和感があって、「これはマズい」と思いました。

痛みとの長い戦い

しかもこの影響で、二日後の東海道歩きにもダメージが残り、この記事を書いている一週間後の今でも痛みが引きません。ひょっとしたら「足底筋膜炎の一歩手前」だったかもしれません。

やはり、高低差がある区間は登山靴や厚底のウォーキングシューズが必須だと痛感。特に下りのアスファルトは、想像以上に足への負担が大きいんです。

峠を越えた後の長い道のり

淡々と歩く時間の心地よさ

東海道猪鼻村碑
東海道猪鼻村碑

鈴鹿峠を下ったあとは、なだらかな下り坂がひたすら続きました。土山宿を過ぎてからは、もう景色も単調で、正直言って退屈。でも、こういう道は頭を空っぽにして、ただ淡々と歩くのが心地いいんです。

久しぶりに心を無にして歩く時間を楽しみました。スマホも見ず、音楽も聴かず、ただ足を前に出すだけ。現代人にとって、こんな時間って実は貴重なのかもしれません。

水口宿での小さな発見

近江鉄道本線
近江鉄道本線

水口宿では近江鉄道の踏切を渡りました。ローカル線の踏切って、なんか好きなんですよね。「カンカンカン」という音を聞きながら、のんびりと電車が通り過ぎるのを待つ。こういう小さな時間が、徒歩旅の醍醐味。

でも、横田の渡し跡では野洲川を渡る橋がなくて、大きく迂回することに。江戸時代は渡し船があったんでしょうけど、現代では橋がないと大変。こういうところでも、時代の変化を感じます。

東海道歩きを楽しむためのアドバイス

装備は妥協しない

今回の経験から学んだ最大の教訓は、靴だけは絶対に妥協してはいけないということ。特に鈴鹿峠のような山越えルートでは:

  • 登山靴かトレッキングシューズ:クッション性の高いものを選ぶ
  • 厚手の靴下:できれば登山用の二重構造のもの
  • インソール:衝撃吸収タイプがおすすめ
  • テーピング:足裏の痛みが出やすい人は予防的に

距離と時間の見積もり

今回のルートは約35kmで、7時間半かかりました。これ、かなりキツい部類です。普通の人なら、2日に分けて歩くのが無難。特に鈴鹿峠越えは体力を使うので、余裕を持った計画を。

私のおすすめは:

  • 1日目:関駅→土山宿(約20km)
  • 2日目:土山宿→三雲駅(約15km)

こうすれば、鈴鹿峠もゆっくり楽しめるし、宿場町も堪能できます。

見どころを見逃さないコツ

歩いていると、つい先を急いでしまいがち。でも、東海道には小さな見どころがたくさんあります。

  • 一里塚跡:江戸時代の距離標識。意外と多く残っています
  • 本陣跡:今は石碑だけでも、当時の宿場の規模がわかります
  • 松並木:大野の松並木のように、往時の面影を残す場所
  • 常夜燈:峠の頂上にある万人講常夜燈は必見

まとめ:苦しくても歩く価値がある道

横田橋
横田橋

三雲駅に着いた頃には疲れ果てていました。足は痛いし、もうヘトヘト。でも、不思議と充実感があるんです。

鈴鹿峠は確かに厳しい道でした。でも、その分、歩き終えたときの達成感も大きい。国道を車で通り過ぎるだけでは絶対に味わえない、特別な体験。

次回はさらに進み、東海道のゴール・京都に向けて歩みを進める予定です。足の痛みが治ったら、今度はちゃんとした靴で挑戦します!

関~三雲の歩行記録

  • 日程:2024年12月30日(月)
  • 天候:晴れ
⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
07:3134.8km351m305m

地図・標高グラフ

コースタイム

関から【坂下宿】まで

関駅 8:15 → 8:22 関宿(前回の続き) → 8:36 西の追分無料駐車場 8:37 → 9:14 筆捨山登山口 9:15 → 9:22 坂下簡易郵便局 9:23 → 9:28 鈴鹿馬子唄会館 9:29 → 9:40 【坂下宿】

歩行タイムライン
  • 8:15
    関駅
    関駅
    関駅
    関駅
    関駅

    今日は鈴鹿峠を越える一日。東海道五十三次の旧街道を関駅から歩き始める。

  • 8:22
    関宿(前回の続き)
    関宿の街並み
    関宿の街並み

    関宿の通りに戻ってきた。
    今も生きている宿場町の風情を感じながら、しばし街並みを楽しむ。

    関宿の街並み
    関宿の街並み
    川北本陣跡
    川北本陣跡
    伊藤本陣跡
    伊藤本陣跡
  • 8:36
    西の追分無料駐車場
    会津屋と地蔵院
    会津屋と地蔵院
    関宿の街並み
    関宿の街並み
    西の追分
    西の追分
    国道1号線
    国道1号線

    このあたりの旧東海道は、だいたい国道1号線に沿って進むが、場所によっては歩道がなくなるので注意が必要。

    ころび石
    ころび石

    駐車場の中に残る「ころび石」。

    坂下宿へ向かうため、ここで国道1号線を離れる。

  • 9:14
    筆捨山登山口
  • 9:22
    坂下簡易郵便局
  • 9:28
    鈴鹿馬子唄会館
    東海道五十三次の標柱
    東海道五十三次の標柱

    坂道沿いには東海道五十三次の標柱が並ぶ。

    旧坂下尋常高等小学校
    旧坂下尋常高等小学校

    かつての「旧坂下尋常高等小学校」。現在は鈴鹿峠自然の家として利用されている。

  • 9:40
    【坂下宿】

【坂下宿】から【土山宿】まで

【坂下宿】 9:40 → 9:40 伊勢坂下バス停 9:41 → 9:49 清滝観音の滝 → 9:57 第二鈴鹿橋 9:58 → 10:03 片山神社 10:04 → 10:10 鏡岩 → 10:15 鈴鹿峠 → 10:24 路傍休憩所 10:25 → 10:53 土山宿 馬子唄公園 10:55 → 11:38 あいの土山 道の駅 → 11:58 【土山宿】

歩行タイムライン
  • 9:40
    【坂下宿】
    松屋本陣跡
    松屋本陣跡
  • 9:40
    伊勢坂下バス停
    坂下宿
    坂下宿
  • 9:49
    清滝観音の滝
  • 9:57
    第二鈴鹿橋
    鈴鹿峠への道
    鈴鹿峠への道
  • 10:03
    片山神社
    片山神社
    片山神社
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠

    鈴鹿峠の急坂に突入。つづら折りの登りが続く。

    鈴鹿峠
    鈴鹿峠

    国道1号線の高架下をくぐる階段。

    鈴鹿峠
    鈴鹿峠
  • 10:10
    鏡岩
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠

    登り終わると平坦な鈴鹿峠に到達。

  • 10:15
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠
    鈴鹿峠

    伊勢国と近江国の境目「鈴鹿峠」に到達!ようやく滋賀県に突入だ。

    鈴鹿峠
    鈴鹿峠
  • 10:24
    路傍休憩所
    万人講常夜燈
    万人講常夜燈

    万人講常夜燈のそばには休憩所とトイレがあり、小休止にはちょうどいい。登りでしっかり体が温まったので、ここでダウンを脱ぐ。

    国道1号線と合流。
    道路標識も三重県を抜けて、ついに滋賀県入りを知らせる。

  • 10:53
    土山宿 馬子唄公園

    国道1号線と旧東海道が交錯しながら続く。
    往時の道跡をたどるため、何度か1号線を横断することになる。

    東海道猪鼻村碑
    東海道猪鼻村碑
    蟹坂古戦場跡
    蟹坂古戦場跡
    海道橋と復元高札場
    海道橋と復元高札場
  • 11:38
    あいの土山 道の駅
    道の駅あいの土山
    道の駅あいの土山

    田村神社の参道沿いにある横断歩道で国道1号線を渡る。
    道の駅「あいの土山」はリニューアル工事中のようだ。

    土山宿の街並み
    土山宿の街並み
    土山宿の街並み
    土山宿の街並み
    扇屋伝承文化館
    扇屋伝承文化館
    土山の一里塚跡
    土山の一里塚跡
    二階屋本陣跡
    二階屋本陣跡
  • 11:58
    【土山宿】

【土山宿】から【水口宿】まで

【土山宿】 11:58 → 12:07 御代参街道追分 → 12:19 白川橋 → 14:28 【水口宿】

歩行タイムライン
  • 11:58
    【土山宿】
    土山本陣跡
    土山本陣跡
  • 12:07
    御代参街道追分

    この先には松尾川の渡し跡があるが、ここで通行止め。やむなく国道1号線で迂回する。

  • 12:19
    白川橋
    市場の一里塚跡
    市場の一里塚跡
    大野の旧東海道松並木
    大野の旧東海道松並木
    今在家の一里塚跡
    今在家の一里塚跡
    水口宿の入口
    水口宿の入口
  • 14:28
    【水口宿】

【水口宿】から三雲駅まで

【水口宿】 14:28 → 14:28 水口宿本陣跡 → 14:42 三筋口 → 15:49 横田橋 15:50 → 15:52 三雲駅

歩行タイムライン
  • 14:28
    【水口宿】
    水口宿脇本陣跡
    水口宿脇本陣跡
  • 14:28
    水口宿本陣跡
    近江鉄道本線
    近江鉄道本線

    近江鉄道本線の踏切を渡る。

  • 14:42
    三筋口
    水口石
    水口石
    泉の一里塚跡
    泉の一里塚跡
    横田の渡し跡
    横田の渡し跡

    本来なら対岸が旧東海道だが、野洲川を渡る橋がないため、しばらくこちらを歩くことに。

  • 15:49
    横田橋
    横田橋
    横田橋
  • 15:52
    三雲駅
    三雲駅
    三雲駅

    三雲駅に到着!ひたすら長い道のりだった。足は完全に限界…。

    三雲駅
    三雲駅

動画

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