丹沢の主峰を結ぶ縦走路で、あおいたちが初めて山小屋泊を経験した記念すべき山行。「バカ尾根」の愛称で知られる大倉尾根の急登を乗り越えた先には、富士山と相模湾を一望する絶景が広がります。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 山名 | 塔ノ岳(1,491m)・丹沢山(1,567m) |
| 標高差 | 約1,200m(大倉から) |
| 所在地 | 神奈川県秦野市・清川村・山北町 |
| 難易度 | ★★★★☆(中級者向け・体力必要) |
| 推奨シーズン | 春~秋(冬は積雪あり) |
| コースタイム | 1日目:登り4時間 / 2日目:下り3時間30分 |
| 登山スタイル | 山小屋泊縦走 |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【百二~百六合目】《山小屋泊》塔ノ岳~丹沢山
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、ほのか
- アクセス: 小田急線 渋沢駅→バス→大倉バス停
- コース: 大倉バス停→〈大倉尾根〉→堀山の家→塔ノ岳(1,491m)→丹沢山(1,567m)→みやま山荘(泊)→往路下山
あらすじ
【百二合目 バカ尾根ってなに!?】丹沢山での山小屋泊を計画したあおいとひなた。塔ノ岳までの大倉尾根は、標高差1,200mを一気に登る急登が「バカみたいにきつい」ことから「バカ尾根」の愛称で親しまれている。あおいは水分補給をスムーズに行えるハイドレーションシステム(ザックに入れたまま、ホースで水が飲める水筒)が欲しくなり、駅前のお店へ。
【百三合目 バカ尾根とは聞いていたものの…】延々と続く階段と急登に苦戦しながらも、ついに塔ノ岳山頂へ到着。山頂にいた野良猫(塔くん or ミー君。今はいません)をここなが手懐け、ほのかが写真に収める微笑ましい光景。
【百四合目 小屋ってヒマ…!?】丹沢山のみやま山荘に到着。夕食までの時間、山小屋の本棚から登山雑誌を取り出し、次に登りたい山を検討。同宿の登山者から八ヶ岳を薦められ、新たな目標が生まれる。
【百五合目 いろんな景色】翌朝4時、ほのかは朝焼けの写真撮影へ。かつて赤岳で出会った高齢登山者の言葉を思い出す。起きてきたここなも合流し、日の出前の空を一緒に眺める時間。
【百六合目 これって遭難…?】下山途中、寝不足のあおいが分岐でヤビツ峠方面へ間違えそうになる危険な場面。ひなたが機転を利かせてあおいの荷物を持ちサポートする。
ヤマノススメ単行本14巻に収録されています
ルート地図
聖地巡礼のポイント
- 堀山の家: バカ尾根中間地点の休憩スポット(2026年1月の山火事により消失)
- 塔ノ岳山頂: 360度の大パノラマと尊仏山荘
- みやま山荘: あおいたちが泊まった丹沢山の山小屋
登山・アクセス情報
アクセス方法
丹沢は都心から約2時間でアクセスできる本格的な山岳エリアです。
電車・バスでのアクセス 小田急線渋沢駅北口から神奈川中央交通バス「大倉」行きで約15分。週末は登山者で満員になることが多く、始発便(6:10発)から行列ができます。臨時便も運行されますが、時間に余裕を持って計画しましょう。
マイカーでのアクセス 東名高速秦野中井ICから約30分。大倉に有料駐車場(約150台)がありますが、週末は早朝に満車になることが多いです。
おすすめコース
丹沢山への山小屋泊縦走は、体力作りと高山への準備に最適です。
1日目(山小屋泊) 大倉(7:00)→見晴茶屋(7:40)→堀山の家(8:30)→花立山荘(9:30)→塔ノ岳(10:00)休憩30分→丹沢山(11:30)→みやま山荘チェックイン(要事前予約)→山頂散策→夕食(17:30)→就寝(20:00)
2日目(下山) 起床(4:30)→ご来光鑑賞→朝食(6:00)→出発(7:00)→塔ノ岳(8:00)→花立山荘(8:30)→堀山の家(9:30)→大倉(11:00)
日帰りプラン 体力に自信がある方は日帰りも可能ですが、累積標高差は約1,500m近くになりかなりハードです。 大倉(6:00)→塔ノ岳(9:00)→丹沢山(10:30)折り返し→塔ノ岳(12:00)→大倉(15:00)
装備と準備
山小屋泊には通常の日帰り装備に加えて、宿泊用品が必要です。
山小屋泊装備
- ヘッドランプ(早朝行動必須)
- 着替え(下着・Tシャツ)
- 防寒着(山小屋は夜冷える)
- 洗面用具(歯ブラシ・タオル)
- 耳栓(いびき対策)
- サンダル(山小屋内用)
- 現金(山小屋は現金のみ)
バカ尾根対策
- トレッキングポール(膝の負担軽減)
- 水分2L以上(ハイドレーション推奨)
- 塩分補給(塩飴・スポーツドリンク)
- 日焼け止め(尾根は日差しが強い)
実際の巡礼記録
日程: 2017年5月14日[日帰り]
コースタイム: 大倉バス停 07:08→07:11 大倉山の家→07:26 観音茶屋→07:38 雑事場ノ平→07:42 見晴茶屋→08:06 駒止茶屋→08:13 堀山08:14→08:20 堀山の家 08:24→08:38 天神尾根分岐→08:55 花立山荘→09:03 花立 09:04→09:07 金冷シ→09:22 塔ノ岳 09:33→09:34 尊仏山荘→09:52 日高→10:05 竜ヶ馬場→10:17 みやま山荘→10:19 丹沢山→10:40 みやま山荘→10:41 丹沢山 10:43→10:56 竜ヶ馬場→11:08 日高 11:09→11:28 尊仏山荘→11:29 塔ノ岳 11:37→11:51 金冷シ→12:07 小丸尾根分岐(二俣分岐・平二山)→12:13小丸→12:17 鍋割山稜→12:29 鍋割山荘 12:30→12:34 鍋割山 12:47→13:18 後沢乗越 13:19→13:34 ミズヒ沢渡渉点→13:37 本沢渡渉点→13:49 二俣 13:50→14:02 黒竜の滝 14:06→14:49 大倉バス停
ルート地図
巡礼レポート
原作の最新話に登場した「丹沢山」と、七十七合目で描かれた「鍋割山」。この2つを繋ぐ欲張りなコースを計画しました。
これから夏に向けて暑くなり、ヤマビルも活発になる季節。その前に行っておこうと思い、丹沢の地を訪れました。
渋沢駅からはバスで大倉バス停へ

週末の始発便(06:48渋沢駅北口発)ということもあり、神奈中バスは乗車時点で既に満員。
小田急線からの乗り換えがギリギリで座ることはできませんでしたが、終点の大倉までは約15分。すぐに着くので立っていてもそれほど苦ではありません。


雨上がりということもあり、心配なのはヤマビルの存在です。効果があるという噂の(?)エアーサロンパスを登山靴に入念に吹きかけ、準備完了。
ちなみに、ヤマビル除けスプレーは大倉バス停前の売店「どんぐりハウス」でも販売されていました。
大倉登山口から大倉尾根を登って塔ノ岳を目指す

しばらく車道を歩き、大倉尾根の登山口へ向かいます。

脇には、登山者にはお馴染みの「丹沢クリステル」さんが静かに佇んでいました。


見晴茶屋という名前を見て、ふと振り向くと秦野市街が広がっていた。意外と登ってたんだな。

「バカ尾根」と称される大倉尾根の登りです。ひたすら登りが続きますが、体の限界を超えない絶妙な斜度が維持されているので、自分のペースさえ掴めれば意外と登りやすい。高度を稼ぐには極めて効率的なルートだと感じました。ふと、近隣にある自転車ヒルクライムの聖地・ヤビツ峠と似た感覚を覚えます。

基本は急登ですが、時折現れるフラットで気持ちの良い尾根道が、つかの間の「ご褒美」のように感じられます。

尾根が細くなった崩落箇所もありますが、木道や補強がしっかりしており、普通に歩く分には危険はありません。
ただ、木道の階段の間隔がバラバラな箇所があり、油断すると足を取られそうになるので注意が必要です。

塔ノ岳山頂はガスの中

「晴れてきた!」と秦野市街の展望に期待を膨らませましたが、塔ノ岳の山頂に到着すると辺りは真っ白なガスの中。こればかりは仕方がありません。




塔ノ岳から先へ進むと、それまでの喧騒が嘘のように登山者が少なくなります。山の雰囲気も呼応するように静まり返り、心地よい稜線歩きが始まります。
整備された木道や、西側が開けた開放的な道が続き、非常に快適です。


丹沢山へ到着

ついに丹沢山山頂に到着!山頂広場の奥にあるテーブルで昼食にしました。

ここには、原作の4人が宿泊した「みやま山荘」があります。
展望が開けた塔ノ岳とは対照的に、丹沢山は木々に囲まれた静かで落ち着いた場所。ここまで足を伸ばす人は少なく、時折トレランの方が通り過ぎていく程度です。

今回はこの先の蛭ヶ岳へは向かわず、塔ノ岳へ引き返すことに。蛭ヶ岳は、また次の機会の楽しみにとっておこうと思います。
このあと、塔ノ岳、鍋割山を経由して下山した に続く。
周辺情報・関連記事
丹沢山系の縦走路
鍋割山 塔ノ岳から縦走可能。名物の鍋焼きうどんが有名。
大山 丹沢の前衛峰。ケーブルカー利用で初心者も安心。
檜洞丸 西丹沢の貴婦人と呼ばれる秀峰。蛭ヶ岳から西へ続く縦走路上にある。
山小屋泊を楽しめる山
雲取山 東京都最高峰。雲取山荘での宿泊が人気。
瑞牆山~金峰山 テント泊でも山小屋泊でも楽しめる奥秩父の名峰。
ステップアップ登山
塔ノ岳~丹沢山を登れたら次は:
- 蛭ヶ岳縦走: 丹沢最高峰を含む本格縦走
- 表尾根縦走: ヤビツ峠から塔ノ岳への岩稜帯
- 主脈縦走: 1泊2日で丹沢山塊を横断
よくある質問
Q: バカ尾根は本当にきついですか?
A: はい、標高差1,200mを約7kmで登るため、平均勾配が急です。ただし、茶屋が点在し、休憩しながら登れます。ゆっくりペースで、水分補給をこまめにすれば、初心者でも登頂可能です。
Q: 山小屋の予約は必要ですか?
A: みやま山荘は予約制です。特に週末や連休は混雑するため、早めの予約が必要です。素泊まり6,000円~、1泊2食付き9,000円~。
Q: 日帰りと山小屋泊、どちらがおすすめ?
A: 初めての方は山小屋泊がおすすめです。ゆっくりペースで登れ、ご来光も見られます。山小屋での交流も登山の醍醐味の一つです。
Q: 塔ノ岳の猫は今もいますか?
A: かつて尊仏山荘には看板猫の『ミー君』がいて登山者に愛されていましたが、残念ながら現在は山頂に猫はいません。



