GoToトラベル改め全国旅行支援の恩恵を受けて、格安に旅行できるのが今年の3月末まで(当時は。もう少し延長されるっぽい)。
せっかくだし、伊豆諸島の中でまだ行ったことのない神津島で天上山に登ってみようと、東海汽船のパッケージツアーに申し込んだ。
神津島への1泊2日フェリー旅
神津島へは、竹芝桟橋にある竹芝客船ターミナルから大型客船と高速ジェット船が就航している。
行きは夜出発で朝に到着する大型客船、そして天上山に登って神津島で1泊し、帰りは日中を高速ジェット船に乗ろうかと思っていたのだが、どうやら今のシーズンに高速ジェット船は運航してないそうだ。
したがって、行きで12時間、帰りで8時間30分。1泊2日の旅なのに、合計20時間以上もフェリーに揺られるという、ハードな旅行になりそうだ。
竹芝客船ターミナルに来るのは6年ぶり。2017年に伊豆大島へ行ったとき以来だ。
この広場から客船ターミナルまでのアプローチが、船旅へのワクワク感を高めてくれる。
2023年3月19日の22時 さるびあ丸で東京湾を出港
さるびあ丸に乗船。
前回、伊豆大島へ行ったときに乗ったのは二代目さるびあ丸だったが、今回は2020年に新造された三代目さるびあ丸。まだピカピカ新しい。
停泊している鮮やかな黄色の橘丸には、三宅島と八丈島に行ったときに乗ったことがある。
この橘丸、2月に御蔵島の岸壁に衝突する事故を起こし、少し前までドック入りしてたそうだ。
いくらピカピカの船内といえども、2等和室は床が硬い。登山用のエアーマット持ってくるべきだったか。
シーズンオフの2等和室は閑散としてて、10人定員の同室は2人のみだった。
自動販売機は、島で売っている値段とそれほど変わらないので、良心的。
早朝。大島、利島、新島、式根島の各港に寄っていく
翌朝6時10分。朝焼けを浴びながら、伊豆大島の岡田港へ入港。
7時45分。続いて利島へ。
円錐形が美しい利島の宮塚山は標高508m。
新島には8時42分に着いた。
9時8分。新島から出てすぐに着いた式根島の野伏港。
神津島へと上陸
いよいよ終点の神津島が見えてきた。
定刻10時より少し遅れて10時4分に神津島へと上陸。
12時間もの長い船旅だったが、晴れた美しい青空が疲れを忘れされてくれた。
前浜港の入口にあるまっちゃーれセンター。その玄関前から村営バス(200円)で、登山口まで送迎してもらう。
バスというかワゴン車。乗客は自分を含めて3人。定刻10時20分に出発した。
村営バスで黒島登山口入口に到着。
前浜港から歩いてもいいかなって思っていたけど、登山口までは結構な急坂が続いていたので、バスを選択したのは正解だった。
天上山の山行記録
- 日程:2023年3月20日(月)
- 天候:晴れ
- アクセス:
神津島村営バス:神津島港→黒島登山口入口(200円)
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
02:48 | 7.4km | 470m | 630m |
地図・標高グラフ
コースタイム
黒島登山口 10:31 → 10:56 黒島山頂10合目 → 11:00 千代池 → 11:08 砂漠分岐 11:09 → 11:15 裏砂漠 → 11:21 裏砂漠展望地 11:29 → 11:37 不動池分岐 → 11:41 新東京百景展望地 → 11:47 不動池 → 11:54 天空の丘 → 12:05 天上山 12:17 → 12:20 治山工事跡 → 12:24 白島下山口 → 12:32 白島トイレ(六合目) 12:33 → 12:39 那智堂 → 12:51 白島登山口 12:52 → 12:56 白島登山口入口バス停 → 13:14 よっちゃーれセンター
- 10:31黒島登山口
黒島登山口手前にあるトイレ。
黒島登山口。杖も置いてある。
登山道にはシダ植物が多く、あまり見たことのない変わった植生。
日光を遮る高木がないので、3月だけど太陽の光がちょっと暑い。海から汽笛が聞こえたので海の方に振り向くと、神津島から離れていくさるびあ丸が見えた。
ひたすらに登りが続くが、そろそろ山頂だろうか。
- 10:56黒島山頂
分岐は千代池(せんだいいけ)に寄り道する方向へ。
しばらく進むと千代池が見えた。
- 11:00千代池
千代池は雨水が火口跡に溜まってできているそうだ。
苔むしているが、道は歩きやすい。
木々がなくなり、荒涼とした景色が目の前に広がる。
いくつものピークがあって、久住山を思い浮かべた。 - 11:08砂漠分岐
裏砂漠の中へ。
伊豆大島にある砂漠とは違って、白っぽい細かい砂礫。富士山の大砂走りっぽいかな。 - 11:15裏砂漠
粒は細かいけど、足が埋まっていく感じではない。
- 11:21裏砂漠展望地
裏砂漠展望地。
断崖越しに三宅島や御蔵島が望めた。 - 11:37不動池分岐
- 11:41新東京百景展望地
新東京百景展望地。
手前から式根島、新島、利島、伊豆大島を見渡すことができた。新東京百景展望地から反対側の表砂漠方面。
- 11:47不動池
不動池。
- 11:54天空の丘
天空の丘。
“この場所は、天と地、二つの世界とその境界の神秘的な空間を感じさせる場所であり、まさに天空の丘と呼ぶにふさわしいところです。”
ポエティックな案内板だ。天上山最高地点までに向かう道の途中、岩がゴロゴロしている。
- 12:05天上山
天上山山頂、572m。
山頂には三角点もあり、神津島の南部を一望できる。
山頂から白島登山口方面へ下りる。
少し高度感を感じるガレ場のトラバース。 - 12:20治山工事跡
治山工事跡からは、崩壊して荒々しい斜面の様子が見えた。
不入ガ沢(はいらないがさわ)。
- 12:24白島下山口
頂上から6合目までの白島登山道は人工的に整備されていた。
- 12:32白島トイレ(六合目)
白島6合目。
ここまで車で来ることができるようなので、ここから登ればすぐ山頂。 - 12:39那智堂
アツバスミレ。
6合目登山口から下の登山道は石が苔むしていて、スリップしやすそうだった。
- 12:51白島登山口
白島登山口。
ここから車道歩きとなる。 - 12:56白島登山口入口バス停
前浜に到着し、下山完了。
- 13:14よっちゃーれセンター
下山後は神津島の観光へ
神津島港のまっちゃーれセンターとよっちゃーれセンター
神津島は「ラブライブ!スーパースター!!」に登場したようで、まっちゃーれセンターには聖地巡礼者のために展示がされていた。
まっちゃーれセンターの隣りにある、よっちゃーれセンター食堂で漬け丼定食をいただいた(1000円)。
神津島北部にある赤崎遊歩道
バスを使って、神津島の中でも一番の観光スポットとされている赤崎遊歩道へ。
しかし、海に飛び込む季節でもないため少しだけ散策して撤退。
帰りのバスがある2時間後までここで過ごすのももったいないので、歩いて前浜に戻ることにする。
途中にはトロッコ跡など気になったスポットがあるので、1時間5kmほどの散歩が苦にならないならば、歩くのもオススメ。
前浜に戻って、「天気の子」の聖地巡礼
大体1時間ほど歩いて、神津島で居住エリアが集中する前浜(神津島港)に到着した。
2020年に公開された映画「天気の子」。
主人公の帆高が神津島出身のため、神津島には映画で登場するスポットが多数ある。
その中でも歩いていける所にある、はるか展望台と東京都立神津高等学校に聖地巡礼した。
あっという間に神津島の居住エリアをぐるりと巡ってしまった。
ほんの数時間前に登っていた天上山がよく見える。
神津島で一泊して、朝の10時30分に出港
昨日のうちに天上山に登ったし、ひと通りの観光と聖地巡礼も済ませてしまっていたので、あとは帰るだけ。
一泊だけだと何もできないなって考えていたけど、マリンレジャーがないシーズンオフの3月は一泊で十分に思える。
さるびあ丸が接岸し、コンテナの積み下ろし作業がはじまった。
船のクレーンを使ってコンテナが地上に下ろされ、それをフォークリフトが所定の位置まで移動させる。よどみなく行われる流れ作業は、見ていて飽きない。
乗船してから数分で、さるびあ丸は神津島から離れていく。
竹芝桟橋に帰ってきた。
到着後、地域クーポンである region PAY をセブンイレブンで利用した(神津島の経済に貢献できずに申し訳ないが、港の入り口にあるお土産屋くらいしか使える店がなかった)。
ほとんどフェリーに乗っているだけの旅ではあったが、こういう時間がゆったりと流れる旅をするのも、たまにはいいものだ。