日本百名山全山踏破 23座目 金峰山、24座目 瑞牆山 | 山の日ヤマノススメ聖地巡礼・キノコ撮影と奥秩父縦走

五丈岩 日本百名山
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金峰山・瑞牆山に向かうまで

北海道から帰ってきて、中3日での登山。利尻山の余韻もまだ残る中だったけど、せっかくの山の日だから何かしら登りたくてウズウズしてた。

2017年、2回目の山の日は三連休の初日

去年2016年に制定されて、新しい祝日となった8月11日の山の日。去年は木曜日だったが、今年は三連休(又はお盆休み)の初日に位置する金曜日となって、お出かけするにはもってこいの祝日だった。

天気は悪そうだったけど、せっかくなので山の日登山に挑戦してみることにした。

ヤマノススメ聖地巡礼を兼ねた奥秩父デビュー

登るのは、ヤマノススメ7巻に登場した金峰山と瑞牆山。原作では1泊2日だけど、大弛峠から縦走するなら1日で行ける距離だ。

奥秩父エリアは初めてだったけど、聖地巡礼なら楽しくなりそうだし、金峰山の五丈岩も一度見てみたかった。大弛峠までのバスを運行している栄和交通に電話を入れて予約、駅までは青春18きっぷを使うことにした。

高所スタートの魅力と不安

大弛峠は標高2,365mと、車でアクセスできる場所としては日本で2番目の高さ。楽ちんスタートできるのは魅力だけど、ちゃんと登山した感が得られるか少し心配だった。

結果的には、金峰山・瑞牆山ともにしっかりした山歩きができて大満足。高所スタートでも十分楽しめることを実感した。

実際に登ってみた

日程: 2017年08月11日(金) [日帰り] 天候: 曇り

アクセス

行き: 塩山駅 07:30 → 09:00 大弛峠(バス+乗合タクシー) 塩山駅は北口と南口の両方バスのりばがあるが、大弛峠行きは北口。途中、柳平で乗合タクシーに乗り換える。運賃は1,800円(バス1,000円+タクシー800円)で前払い(前日までに要予約)

帰り: 瑞牆山荘 15:20 → 16:35 韮崎駅(バス) 途中停留所のハイジの村でイベントが開催されており、混雑が予想されるということで前払いで支払い(普段は後払いかと思う)

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
06:2714.5km1,149m1,981m

コースタイム

ルート: 大弛峠-朝日岳-金峰山-富士見平小屋-桃太郎岩-瑞牆山-桃太郎岩-富士見平小屋-瑞牆山荘

山行タイムライン
  • 08:50
    大弛峠
    大弛峠での高標高スタート地点
    大弛峠の駐車場

    大弛峠の駐車場。塩山駅からバス、途中の柳平で乗り合いタクシーに乗り換えてワインディングロードを標高2,365mまで登ってきた。自動車で走れる場所として2番目の高さだそうだ。

    山の日限定の10円カレー特別企画

    山の日ということで峠近くの大弛小屋では10円でカレーを提供するらしい。さすが山の日、こういうイベントがあるのは嬉しいね。

    国師ケ岳方面への分岐登山口
    国師ケ岳方面の登山口

    峠を挟んで国師ケ岳方面と金峰山方面の2つの登山道がある。

    金峰山登山口
    金峰山登山口

    金峰山の登山口を進む。20人くらいの団体が登山口を塞ぐ形で注意点などのミーティングをやってて、どこが入口かわかりにくかった。場所を配慮してほしいな。

  • 09:09
    朝日峠
    霧立ち込める奥秩父の樹林帯
    霧の立ち込める樹林帯

    来る前からわかってたことだが天気が悪くて霧が立ち込めている、雨が降っていないだけマシかな。

  • 09:22
    大ナギ
    金峰山登山道のコケと苔観察
    金峰山登山道のコケ
    森林限界手前のシラカンバ帯

    朝日岳の手前、早くも森林限界の雰囲気が出てきた。

  • 09:33
    朝日岳
    朝日岳山頂での控えめな標識
    朝日岳

    朝日岳。標識に気付かなければスルーしてしまうような場所だった。

    朝日岳からの下山道でのガス展望
    金峰山登山道の豊富なキノコ群
    キノコ

    キノコ発見。展望も悪いし、花のシーズンでもないので、カメラでひたすらキノコばかり撮ってた。これが後々、今回の山行の特徴になるとは思わなかった。

    金峰山のザレた登山道状況
    ザレた道
    金峰山頂上への岩場アプローチ
    金峰山頂上へ向かう道

    金峰山頂上へ向かう道。徐々に岩場となっていく。

    土砂流出防止のケルン看板
    土砂が流れるのでケルンは○○ないで

    “土砂が流れるのでケルンは○○ないで”、読めなかった。ケルンを作るなか壊すなのどっちだろ。

  • 10:17
    金峰山
    金峰山頂上での23座目百名山達成
    金峰山の頂上

    岩を乗り越えながら金峰山の頂上へ。向こうに見える五丈岩には、上に立っている人のシルエットがカッコイイ。

    金峰山頂上標識での記念撮影
    金峰山の頂上標識
  • 10:19
    五丈石
    五丈岩の威容
    五丈岩

    五丈岩。手前が広場となっているので、岩場で狭い金峰山頂上よりこちらで休んだほうがいいだろう。

    五丈岩の巨大岩塔
    五丈岩
    五丈岩と鳥居
    五丈岩の異なる角度からの撮影
    五丈岩
    横から見た五丈岩の全景
    横から見た五丈岩

    五丈岩の右横を巻いて先に進む。

    金峰山下山の岩場
    金峰山の岩場

    ときどき岩場があるので慎重に歩く。

    奥秩父縦走路を進む
  • 10:41
    金峰山小屋分岐
  • 10:51
    千代の吹上
    高山植物の赤い実と果実
    赤い実
    奥秩父縦走路の植生
  • 10:57
    砂払の頭
    砂払の頭周辺のキノコ探索
    キノコ
    奥秩父の多様なキノコ種類
    キノコ
    金峰山縦走路のキノコ観察
    キノコ
    大日岩分岐での八丁平方面案内
    大日岩分岐

    大日岩手前の八丁平への分岐。

  • 11:31
    大日岩
    大日岩の鎖場と岩場
    大日岩のクサリ

    大日岩の鎖場。金峰山の岩は滑りにくかったので鎖に頼らなくても大丈夫だった。

    大日岩周辺の植生
  • 11:47
    大日小屋
    大日小屋の山小屋建築と立地
    大日小屋

    登山道の下にある大日小屋。

    大日小屋周辺のキノコ
    キノコ
  • 11:55
    鷹見岩分岐
    鷹見岩分岐のキノコ写真撮影
    キノコ
    奥秩父の多彩なキノコ
    キノコ
    金峰山から瑞牆山への縦走路キノコ
    キノコ
    縦走路の美しいキノコ
    キノコ
    富士見平小屋へのキノコ観察
    キノコ
    縦走路の希少なキノコ
    キノコ
    奥秩父の森林生態系キノコ
    キノコ
    縦走路でのキノコ観察記録
    キノコ
    マルバダケブキの群生
    マルバダケブキの群生

    マルバダケブキの群生。ここ以外に富士見平小屋の水場にも群生していた。

    富士見平小屋周辺のキノコ観察
    キノコ
    縦走路終盤のキノコ撮影
    キノコ
  • 12:21
    富士見平小屋
    富士見平小屋での縦走休憩地点
    富士見平小屋

    富士見平小屋。ちょうどお昼の時間なので、瑞牆山へ登る前の休憩にちょうどいい。

    富士見平小屋の豊富な山小屋メニュー
    富士見平小屋のメニュー

    小屋とは思えない本格的なメニューで美味しそう。

    富士見平小屋の施設と休憩環境
    富士見平小屋
    富士見平小屋のベンチとテント場
    富士見平小屋のベンチとテン場

    瑞牆山、金峰山の分岐がある登山ルートの要にある場所なので、休憩用のベンチも沢山用意されている。奥にテントサイト、水場は瑞牆山荘側に少し下った所にある。

  • 12:49
    瑞牆山・八丁平分岐
    瑞牆山分岐周辺のキノコ観察
    キノコ
    瑞牆山手前の渡渉ポイント
    瑞牆山手前の渡渉ポイント

    瑞牆山へは一旦沢へと下り、こちらで渡渉する。流れも緩やかなので、石の上を歩けば水に濡れることなく渡れる。

  • 12:54
    桃太郎岩
    桃太郎岩の特徴的な割れ目構造
    桃太郎岩

    中央が見事に割れている桃太郎岩。

    桃太郎岩の巨大岩
    桃太郎岩
    桃太郎岩周辺のキノコ群生
    キノコ
    瑞牆山アプローチのキノコ観察
    キノコ
  • 13:25
    大ヤスリ岩
    大ヤスリ岩の垂直岩壁
    大ヤスリ岩

    大ヤスリ岩。この日はクライミングしている人はいなかった。

    瑞牆山の岩登り
    瑞牆山の岩登り

    岩場は思ってたよりもテクニカル。腕力を使わないといけない場所もある。下りはぴょんぴょん飛んでいけたので楽しかった。

  • 13:40
    瑞牆山
    瑞牆山頂上での24座目百名山達成
    瑞牆山頂上

    瑞牆山の頂上に到着。団子のような山頂標識がないけど、標識が置き変わっちゃったのかな?

    瑞牆山から見る大ヤスリ岩展望
    大ヤスリ岩

    大ヤスリ岩まではなんとか見えるが、それより先はガスガスでまったく見えず。

    瑞牆山山頂での高度感とスリル
    瑞牆山山頂

    岩の先端までいくと高度感があってスリリング。

    瑞牆山からのガス展望と山岳風景
    瑞牆山からの眺め
    瑞牆山山頂の岩峰群
    瑞牆山からの眺め
    瑞牆山からの眺め
    山頂のキノコ発見
    山頂のキノコ
  • 14:10
    大ヤスリ岩

  • 14:33
    桃太郎岩
  • 14:40
    瑞牆山・八丁平分岐
  • 14:53
    富士見平小屋
  • 15:16
    瑞牆山荘
    瑞牆山荘での縦走完了と下山
    瑞牆山荘

    リズムよく進める下りでペース早めに瑞牆山荘まで着いた。予定では16:30発の最終バスに乗るつもりだったが、1本前に乗ることができてラッキーだった。

下山後の感想

前日までの雨の影響かもしれないが、所々に泥濘と水たまりがあったのでスパッツはあったほうがよい感じだった。

金峰山の山頂付近の岩場、桃太郎岩から瑞牆山の岩場は手を使って登るような場面もあったので、危険ではないが割と難易度高い印象。子ども連れをよく見かけたので、瑞牆山は小さい子には厳し目かなと思った。

山の日なのでヤマノススメの聖地巡礼を兼ねて、金峰山・瑞牆山の日帰り縦走を計画。天気予報では天気が悪そうだったが、予約済みのバス(大弛峠へは前日までに要予約)をキャンセルするのも面倒なので行くことに決めた。

最悪、雨が降ることも想定していたが、下山までに降られることもなく、涼しく快適な山行ができてかえってよかったかもしれない。沢山のキノコとも出会えたし、これはこれで面白い山行になった。

かかった費用と装備

山の日の聖地巡礼登山ってことで、交通費と食費だけのシンプルな構成。装備は特に新調せず、既存装備で対応した。

交通費用

  • 青春18きっぷ: 2,370円(1回分・都内→塩山駅)
  • 大弛峠行きバス+乗合タクシー: 1,800円(塩山駅→大弛峠)
  • 瑞牆山荘→韮崎駅バス: 2,060円(瑞牆山荘→韮崎駅)

交通費合計: 6,230円

食費・その他

  • 昼食: 500円
  • 行動食: 300円

食費合計: 800円

総費用

合計: 7,030円

青春18きっぷ利用で交通費を抑えられたのは良かった。大弛峠へのアクセスは予約制だけど、高標高のスタート地点まで連れてってくれるので、コスパは悪くない。1座あたり3,515円と、百名山としてはリーズナブルな方だと思う。

今になって思うこと

奥秩父主脈縦走という、雲取山から瑞牆山まで約70キロの距離を、山々を繋いで歩いていく縦走路がある。今回の大弛峠から瑞牆山荘は、そのほんの一部だった。

登り下り激しい登山じゃなくて、稜線を淡々と歩くのが性に合ってるんだと、この時に実感した。その後の北アルプス表銀座縦走や南アルプス縦走への布石となった経験だったと思う。

キノコ撮影も意外に楽しかった。天気が悪くて展望がきかない時でも、足元に目を向ければ面白い被写体があるものだ。これ以降、悪天時の楽しみ方の幅が広がった。

ヤマノススメ聖地巡礼としても満足度が高かった。原作の1泊2日を日帰りに短縮したけど、十分楽しめる内容だった。アニメや漫画の聖地巡礼は、登山のモチベーションアップにもなるし、ルート選択の参考にもなって一石二鳥だね。

金峰山の五丈岩は想像以上に迫力があったし、瑞牆山の岩場も技術的で面白かった。奥秩父エリアの魅力を十分に味わえた山行だった。

登り下り激しい登山じゃなくて、稜線を淡々と歩くのが性にあってるんだろうな。


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