越後駒ヶ岳に向かうまで
2019年6月22日 枝折峠から越後駒ヶ岳へピストン
前日に国道352号の魚沼側から枝折峠に車で登り、そのまま車中泊。
早朝4時半前の日の出とともに、駐車場を出発し越後駒ヶ岳まで往復登山へ向かった。
実際に登ってみた
日程: 2019年6月22日(土) [日帰り] 天候: 曇りのち雨
アクセス
前日に352号の冬期通行止めが解除され、せっかくなので魚沼側から枝折峠まで352号でアクセス。対向車はダウンヒルの自転車(!?)だけだったが、何度もカーブを繰り返すつらい道のりだった。 魚沼側からでも352号を使わずシルバーラインで銀山平まで行き、銀山平側から上ったほうが楽で時間的にも早いと思われる。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
07:24 | 16.5km | 1,372m | 1,355m |
コースタイム
ルート: 枝折峠-小倉山-越後駒ヶ岳-小倉山-枝折峠
- 04:41
- 05:01
- 05:44
- 06:12
- 06:49
- 07:56
- 08:15
- 08:33
- 08:43[雪渓を滑落]
滑り落ちてきた斜面 駒の小屋から雪渓を下りていく直後に足を踏み外し、仰向けのまま標高差で100mほど滑り落ちる。20秒間の滑走の後、なんとか停止することができた。どうやら生きている。写真は滑り落ちてきた斜面。
下まで谷が続く 下まで谷は続いており、ここで止まることができなかったら谷に吸い込まれていたと思うと、震えるほど恐ろしい。
滑落時の地図 滑落距離 後から計算すると、速度は35km/h程度で滑走したようだ。普段自転車で慣れた速度だからか、割と冷静に停止方法を考えていた。足で止まると前転していく恐れがあったので、腕を広げて雪面との抵抗力で止まるしかなかった。
両手とザックのフレーム部分が雪面との抵抗になり停止することができたようだ。
滑落距離 距離は153m、斜面距離は193m、標高差110m、斜度は35度。
滑落時のタイムスタンプ
1860m 8:43:21
1850m 8:43:29
1840m 8:43:32
1830m 8:43:34
1820m 8:43:35
1810m 8:43:37
1800m 8:43:39
1790m 8:43:42
1780m 8:43:46
1770m 8:43:49 - 09:20
- 09:47百草の池
- 10:13
- 10:50道行山
- 11:31
- 11:50枝折峠登山口
下山後、滑落でできた怪我の治療
下山した後、怪我の様子を確認し、ファーストエイドキットで応急治療した。 以下の写真は、傷や血が苦手な人は注意。

左腕はレインウェアがめくれて擦過傷ができて血が滲んでいた。

右腕は激しく叩き打たれたのだろうか、内出血が手首から腕に。
奥只見湖でダムカレーを食す

下山後、平ヶ岳登山口までの途中にある銀山平から奥只見シルバーラインに入り、はるばる秘境の奥只見湖へ。
ここに来るのは20年ぶりくらい。映画「ホワイトアウト」で奥只見ダムが有名になった頃に友人と来た記憶がある。


奥只見ダムのダムカレーは2種類あるようだが、今回は奥只見レイクハウスの流れるダムカレーをチョイス。

ライスでできたダムに刺さっているウインナーを抜くと、ダムの水に見立てたカレーが下流へ流れるというギミック。







電源神社という面白い名前の神社があった。
明日登る平ヶ岳の鷹巣登山口へ

うんざりするような奥只見湖周辺の道路を通って鷹巣登山口にたどり着いた。
さすがに携帯の電波が通じない。 明日の平ヶ岳登山に備えて早々に車中泊した。


下山後の感想
[枝折峠~小倉山] 緩やかな登り。
[小倉山~駒の小屋] 今までと違って急登となっていく。前駒からは岩場の尾根道。
[駒の小屋~山頂] 雪面を登っていくが、アイゼンは不要な斜度。
前日に会津駒ヶ岳に登り、252号の六十里越で一旦魚沼側に出てから、当日に冬期通行止めが解除された352号を通って枝折峠の駐車場へ、そのまま車中泊。
翌日の日の出の時間に出発、しばらくは左手に朝焼けの景色を見ながらゆったりと登っていく。 途中で雨が強くなり、頂上に着いても景色は望めず、すぐに下りることに。 そして、駒の小屋から雪渓を下りていくときに滑落。おそらく、尾根の岩場ではなく谷側の危険な方向へ道を間違えていたのだと思う。 すぐに止まると思っていたが、20秒ほど滑走、両手とザックのフレーム部分が雪面との抵抗になり、なんとか停止。 怪我は、いつの間にかレインウェアがめくれていた左腕に10cmほどの擦過傷と手首から肘までの内出血程度で、下山には支障がないのは運が良かった(後で腰痛を発症)。
途中、道を間違えるミスをするも、なんとか無事に自力で枝折峠まで戻ることができた。 車で銀山平へ下りた後はシルバーラインで奥只見ダムに寄り、3日目に登る予定の平ヶ岳登山口へ。
かかった費用と装備
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 会津駒ヶ岳の記事でまとめています。
今になって思うこと
今回の滑落事故、日本百名山に挑戦する中で一番危険な場面となった。やはり、雪山は恐ろしい。
今まで、一般登山道の中では難しいとされている大キレット、下ノ廊下、剱岳などを歩いてきた。危険だと予め分かって身構えている場所で事故が起きるのではなく、何でもないところで油断して事故になることを身をもって体験した。
しかし、200m近く滑り落ちたのに、ほぼ無傷でいられたのは不幸中の幸い。神様に生かされていることに感謝し、今後も最新の注意を払って登山に挑みたい。