日本百名山全山踏破 58座目 越後駒ヶ岳 | 雪渓滑落事故から学んだ山の厳しさ

越後駒ヶ岳頂上 日本百名山
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越後駒ヶ岳に向かうまで

2019年6月22日 枝折峠から越後駒ヶ岳へピストン

前日に国道352号の魚沼側から枝折峠に車で登り、そのまま車中泊。

早朝4時半前の日の出とともに、駐車場を出発し越後駒ヶ岳まで往復登山へ向かった。

実際に登ってみた

日程: 2019年6月22日(土) [日帰り] 天候: 曇りのち雨

アクセス

前日に352号の冬期通行止めが解除され、せっかくなので魚沼側から枝折峠まで352号でアクセス。対向車はダウンヒルの自転車(!?)だけだったが、何度もカーブを繰り返すつらい道のりだった。 魚沼側からでも352号を使わずシルバーラインで銀山平まで行き、銀山平側から上ったほうが楽で時間的にも早いと思われる。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
07:2416.5km1,372m1,355m

コースタイム

ルート: 枝折峠-小倉山-越後駒ヶ岳-小倉山-枝折峠

山行タイムライン
  • 04:41
    枝折峠登山口
    枝折峠の登山口
    枝折峠の登山口
    枝折峠駐車場
    枝折峠駐車場

    352号の枝折峠は冬期通行止め解除後、初めての夜明け。駐車場には10台程度。

    枝折峠の花
    枝折峠の滝雲
    枝折峠の滝雲

    枝折峠は滝雲の発生で有名らしく、登山道を少し登ったところにカメラマンが待機していた。

    越後駒ヶ岳登山開始時の朝焼け
    朝焼け

    ゆっくりと滝雲は見られなかったが、朝焼けの空は美しかった。

    枝折峠登山道イワカガミ
    イワカガミ
    越後駒ヶ岳登山の朝焼け
    枝折峠の尾根からのパノラマ
    枝折峠の尾根からのパノラマ
    越後駒ヶ岳登山の朝焼け
    登山道沿いに咲くヤマツツジ
    ヤマツツジ
    越後駒ヶ岳登山道の花
    枝折峠から見下ろす奥只見湖
    奥只見湖

    奥只見湖の湖面も見えてきた。

    越後駒ヶ岳登山道の花
    越後駒ヶ岳登山道の花
    越後駒ヶ岳登山道の花
    明神峠手前で登山道を覆う残雪
    残雪

    明神峠手前で登山道を覆う残雪。

  • 05:01
    明神峠
    越後駒ヶ岳登山道の花
    枝折大明神
    枝折大明神

    明神峠の枝折大明神。

    明神峠の標識
    明神峠の標識

    少し登ったところに明神峠の標識。

    明神峠の景色

    登山口からずっと見ている方向は同じだが、高度が変わると刻々と景色が変わっていき、興味深い。

    道行山に向かう登山道の花
    道行山に向かう登山道の花
    道行山に向かう登山道の花
    道行山に向かう登山道
    道行山に向かう登山道の花
    道行山に向かう登山道

    道行山のピークに向けて、少し荒々しくなっていく登山道。

    道行山に向かう景色
    登山道で見つけたタムシバ
    タムシバ
  • 05:44
    道行山
    道行山付近で見つけたイワウチワ
    イワウチワ
    道行山で見つけたカタクリ
    カタクリ
    道行山の花
    道行山のキスミレ
    キスミレ
  • 06:12
    小倉山
    小倉山到達時の登山道
    小倉山の花
    小倉山

    ポツポツとしていた雨が途端に強くなってきたので、ここでレインウェアを着用。

  • 06:49
    百草の池
    百草の池
    百草の池
    百草の池の花
    登山道が覆われた残雪
    登山道が覆われた残雪

    登山道が覆われた残雪、軽アイゼンを付けて登っていく。トレースを見失って一旦右側に行ってしまうが、道はなく、すぐに左側の道へ復帰。

    岩場の尾根歩き
    岩場の尾根歩き

    駒の小屋までは岩場の尾根歩き。

  • 07:56
    駒の小屋
    駒の小屋
    駒の小屋
    駒の小屋から山頂へ向かう雪道
    越後駒ヶ岳山頂直下の雪稜
    越後駒ヶ岳山頂へ
  • 08:15
    越後駒ヶ岳
    越後駒ヶ岳頂上
    越後駒ヶ岳頂上
    越後駒ヶ岳頂上
    越後駒ヶ岳頂上
    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色

    雨が降っており景色は冴えない。

    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色
    越後駒ヶ岳からの景色
    駒の小屋へと向かう雪渓
    駒の小屋へと向かう雪渓

    下りは、登りとは異なる道を選択。駒の小屋へと向かう雪渓をグリセードで降りてみた。

  • 08:33
    駒の小屋
    駒の小屋
    駒の小屋
  • 08:43
    [雪渓を滑落]
    滑り落ちてきた斜面を下から見上げた光景
    滑り落ちてきた斜面

    駒の小屋から雪渓を下りていく直後に足を踏み外し、仰向けのまま標高差で100mほど滑り落ちる。20秒間の滑走の後、なんとか停止することができた。どうやら生きている。写真は滑り落ちてきた斜面。

    滑落停止地点から見下ろす恐ろしい谷底
    下まで谷が続く

    下まで谷は続いており、ここで止まることができなかったら谷に吸い込まれていたと思うと、震えるほど恐ろしい。

    滑落事故時のGPS軌跡を示した地図
    滑落時の地図
    滑落距離の詳細測定データ
    滑落距離

    後から計算すると、速度は35km/h程度で滑走したようだ。普段自転車で慣れた速度だからか、割と冷静に停止方法を考えていた。足で止まると前転していく恐れがあったので、腕を広げて雪面との抵抗力で止まるしかなかった。

    両手とザックのフレーム部分が雪面との抵抗になり停止することができたようだ。

    滑落事故の詳細な距離と角度データ
    滑落距離

    距離は153m、斜面距離は193m、標高差110m、斜度は35度。

    滑落時のタイムスタンプ
    1860m 8:43:21
    1850m 8:43:29
    1840m 8:43:32
    1830m 8:43:34
    1820m 8:43:35
    1810m 8:43:37
    1800m 8:43:39
    1790m 8:43:42
    1780m 8:43:46
    1770m 8:43:49

  • 09:20
    [コースに復帰]
    滑落地点からコースへ復帰
    滑落地点からコースへ復帰

    コースに復帰するために雪面を1歩ずつキックステップでトラバース、笹の地面が出ているところにぶつかった後、少しずつコースのある尾根へ登る。ここでミスすると次はないと思い、焦らず慎重に。

    登山道復帰後の下山路
  • 09:47
    百草の池

  • 10:13
    小倉山
    小倉山の標識
    小倉山の標識

    往路では見なかった小倉山の標識があり、道を間違えて駒の湯へ下りるコースへ踏み入れていたことに気づく。手前の残雪が分岐をわかりにくくしていたようだ。

    小倉山から道行山へ

  • 10:50
    道行山
  • 11:31
    明神峠
    もうすぐ下山
    もうすぐ下山

    奥只見湖が見え、ここまで来れば枝折峠まであと一息。

  • 11:50
    枝折峠登山口

下山後、滑落でできた怪我の治療

下山した後、怪我の様子を確認し、ファーストエイドキットで応急治療した。 以下の写真は、傷や血が苦手な人は注意。

滑落事故で負った左腕の擦過傷
左腕の擦過傷

左腕はレインウェアがめくれて擦過傷ができて血が滲んでいた。

滑落事故で負った右腕の内出血
右腕の内出血

右腕は激しく叩き打たれたのだろうか、内出血が手首から腕に。

奥只見湖でダムカレーを食す

下山後に訪れた奥只見湖
奥只見湖

下山後、平ヶ岳登山口までの途中にある銀山平から奥只見シルバーラインに入り、はるばる秘境の奥只見湖へ。

ここに来るのは20年ぶりくらい。映画「ホワイトアウト」で奥只見ダムが有名になった頃に友人と来た記憶がある。

奥只見ダム
奥只見ダム
奥只見レイクハウスの流れるダムカレー
流れるダムカレー

奥只見ダムのダムカレーは2種類あるようだが、今回は奥只見レイクハウスの流れるダムカレーをチョイス。

流れるダムカレーのギミック
流れるダムカレー

ライスでできたダムに刺さっているウインナーを抜くと、ダムの水に見立てたカレーが下流へ流れるというギミック。

流れるダムカレーのスプーン
流れるダムカレーのスプーン
流れるダムカレー ダムカード
流れるダムカレー ダムカード
流れるダムカレー ダムカード
流れるダムカレー ダムカード
ルマンドアイス
ルマンドアイス
奥只見ダム
奥只見ダム
奥只見ダム
奥只見ダム
電源神社
電源神社

電源神社という面白い名前の神社があった。

  • 奥只見電力館
  • 奥只見電力館
  • 奥只見電力館

明日登る平ヶ岳の鷹巣登山口へ

平ヶ岳登山口
平ヶ岳登山口

うんざりするような奥只見湖周辺の道路を通って鷹巣登山口にたどり着いた。

さすがに携帯の電波が通じない。 明日の平ヶ岳登山に備えて早々に車中泊した。

平ヶ岳登山口
平ヶ岳登山口
平ヶ岳登山口
平ヶ岳登山口

下山後の感想

[枝折峠~小倉山] 緩やかな登り。
[小倉山~駒の小屋] 今までと違って急登となっていく。前駒からは岩場の尾根道。
[駒の小屋~山頂] 雪面を登っていくが、アイゼンは不要な斜度。

前日に会津駒ヶ岳に登り、252号の六十里越で一旦魚沼側に出てから、当日に冬期通行止めが解除された352号を通って枝折峠の駐車場へ、そのまま車中泊。

翌日の日の出の時間に出発、しばらくは左手に朝焼けの景色を見ながらゆったりと登っていく。 途中で雨が強くなり、頂上に着いても景色は望めず、すぐに下りることに。 そして、駒の小屋から雪渓を下りていくときに滑落。おそらく、尾根の岩場ではなく谷側の危険な方向へ道を間違えていたのだと思う。 すぐに止まると思っていたが、20秒ほど滑走、両手とザックのフレーム部分が雪面との抵抗になり、なんとか停止。 怪我は、いつの間にかレインウェアがめくれていた左腕に10cmほどの擦過傷と手首から肘までの内出血程度で、下山には支障がないのは運が良かった(後で腰痛を発症)。

途中、道を間違えるミスをするも、なんとか無事に自力で枝折峠まで戻ることができた。 車で銀山平へ下りた後はシルバーラインで奥只見ダムに寄り、3日目に登る予定の平ヶ岳登山口へ。

かかった費用と装備

費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 会津駒ヶ岳の記事でまとめています。

今になって思うこと

今回の滑落事故、日本百名山に挑戦する中で一番危険な場面となった。やはり、雪山は恐ろしい。

今まで、一般登山道の中では難しいとされている大キレット、下ノ廊下、剱岳などを歩いてきた。危険だと予め分かって身構えている場所で事故が起きるのではなく、何でもないところで油断して事故になることを身をもって体験した。

しかし、200m近く滑り落ちたのに、ほぼ無傷でいられたのは不幸中の幸い。神様に生かされていることに感謝し、今後も最新の注意を払って登山に挑みたい。


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