九州の遠征後から五竜岳まで
九州の遠征から帰ってきて、2週間後に予定してるのは青森にある2つの日本百名山を登るためのプチ遠征。
そのために、高速バスの予約もレンタカーの準備も手配済み。
その次、7月に入ってから予定しているのが、北アルプスの唐松岳と五竜岳。
青春18きっぷを使った日帰りでの登山を計画したので、日程は夜行列車の”ムーンライト信州”指定席券が取れる日に限られてくる。
争奪戦の結果、7月20日分は取れなかったが、翌21日の指定席券が確保できたので7月22日に決定。
2018年6月23日 梅雨時に東京23区内天然最高峰の愛宕山
季節は梅雨。散歩がてら、東京23区内で天然にできた山の最高峰である愛宕山に登ってきた。
2018年6月29日 青森の八甲田山と岩木山へ登るために出発のはずが
6月29日、週末の金曜日に意気揚々とバスタ新宿から青森駅への高速バスに乗り込んで、翌日には八甲田山や岩木山に登っているはずだった……
しかし、自宅を出るのが遅れて、乗るべき電車にも乗れなかったため、バスの発車時刻に間に合わないのが確定。駅のホームで無念の途中リタイアをひとり宣言した。
なんだか、デジャブ。そう、四国遠征の時にも同じミスを仕出かしている。1回の失敗から学ばない自分に呆れてしまった。
もちろんキャンセル料金が発生するが、前回とは違い、バスの出発時間前にキャンセルできたので、全額の取消料を支払うことだけは免れた。
ギリギリまで足掻くのではなく潔く諦めるのも重要と、よくわからない真理を得た。
レンタカー屋にも翌日連絡。本来ならキャンセル料がかかるのだが、「なし」でいいよとのこと。津軽の人の温かみと津軽訛りが身にしみる。改めて青森への遠征計画をし直さないといけないが、次に行くときはこの店のお世話になることだけは確定。
2018年7月22日 ムーンライト信州で行く唐松岳、五竜岳
前日7月21日に自宅を出て、ムーンライト信州81号に揺られて6時間弱。夜が明けると白馬駅に着いていた。
白馬駅からはバス、ゴンドラ、リフトを乗り継いで、登山口である八方尾根へ向かう。
ムーンライト信州の終点 白馬駅。
駅から見てロータリー左側には北アルプス総合案内所があり、ムーンライト信州に合わせてなのか早朝にもかかわらず開いていた。予めゴンドラのチケットを購入しておこうと思ったが、片道のチケットは販売していないとのこと、残念。
白馬駅から乗った路線バスで5分ほどで白馬八方BTに到着。
バスターミナルからドアトゥドアでゴンドラ駅に行けると勘違いしていたが、実際は10分ほど歩く必要がある。
八方駅ではザックの重さを計測(15kg未満ならば追加料金なし)して片道チケットを購入
今日のゴンドラ運行開始は6時半。待機列でしばらく待つ。
流れはスムースで、運行開始から5分ほどで乗車できた。
八方ゴンドラリフト アダムの乗車時間は8分。
続いてアルペンクワッドリフトで兎平から黒菱平へ。
乗車時間は7分。
リフト直下には足が触れるような高さの草花が咲いていた。
黒菱平。目の前にそびえる白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が北アルプスに来たという気分を高めてくれる。
最後に乗車時間5分のグラートクワッドリフトで八方池山荘へ。
五竜岳の山行記録
- 日程:2018年7月22日(日) [日帰り]
- 天候:晴れ
アクセス
【往路】
[JR] 荻窪→三鷹→立川→白馬 / 荻窪から三鷹までの普通切符 160円、0時を過ぎてから乗車する三鷹から立川を経由し白馬まで青春18きっぷ 1枚あたり2,370円、ムーンライト信州 指定席券 520円
[路線バス] 白馬駅→白馬八方BT / 180円
[徒歩] 白馬八方BT→八方ゴンドラリフト八方駅
[ゴンドラ・リフト] 八方ゴンドラリフトアダム 八方駅→兎平駅、アルペンクワッドリフト 兎平→黒菱平、グラートクワッドリフト 黒菱平→八方池山荘 / アルペンライン片道 1,550円
【復路】
[ゴンドラ] テレキャビン アルプス平駅→とおみ駅 / 1,000円
[無料シャトルバス] エスカルプラザ→神城駅 / 無料
[JR] 神城→信濃大町→松本、松本→大月→荻窪 / 青春18きっぷ 往路と同日
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
07:52 | 18.6km | 1,795m | 2,091m |
コースタイム
八方池山荘 07:08 → 07:26 第2ケルン → 07:30 八方ケルン → 07:37 第三ケルン → 08:06 扇雪渓 08:08 → 08:19 丸山 08:20 → 08:49 唐松岳頂上山荘 08:52 → 09:05 唐松岳 09:13 → 09:21 唐松岳頂上山荘 → 09:25 牛首 09:26 → 10:00 大黒岳 → 10:36 白岳 → 10:40 五竜山荘 10:44 → 11:37 五竜岳 11:56 → 12:23 五竜山荘 → 12:27 遠見尾根分岐 12:28 → 13:05 西遠見山 → 13:31 大遠見山 → 13:54 中遠見山 → 14:07 小遠見山 → 14:43 地蔵の頭 → 15:00 白馬五竜アルプス平
- 07:08八方池山荘
トイレに寄ってから、登山開始!
整備されたハイキングコースで、草花の案内板もあるのでゆっくりと散策している人も多い。
が、自分はコースタイム的に日帰りできるかの瀬戸際だったので、急ぎ気味でテクテクと。 - 07:26第2ケルン
第2ケルン。八方尾根にはケルンがいくつもある。
- 07:30八方ケルン
ほとりの探索路へは下りずに、上から眺めるだけ。
なるほど、八方池は真上から眺めると、反射して景色を写すことをしてくれないようだ。
- 07:37第三ケルン
- 08:06扇雪渓
登りやすい夏道が横にあるのにもかかわらず、わざわざ雪渓を登ってる方たち
北アルプスに登ってるのにこんな暑いんだから、気持ちはわかる。 - 08:19丸山
- 08:49唐松岳頂上山荘
大きくて立派な唐松岳頂上山荘。
デポして行くような距離じゃないので、そのまま唐松岳へゴー。 - 09:05唐松岳
手前の五竜岳の奥に前穂高岳、奥穂高岳、槍ヶ岳がちっさく見える。
右側に立山。唐松岳から見る唐松岳頂上山荘。
- 09:21唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上山荘に戻ってきて、今度は五竜岳を目指す。
- 09:25牛首
今までのお気楽な登山道からはガラリと変わって、難所の牛首の鎖場。
でも、高度感はないし大したことない。渋滞するので譲り合って慎重に。 - 10:00大黒岳
ずっと唐松岳からの下り基調だったのが五竜岳へ向けての登りへ転換。
五竜岳の山容がはっきりと見える。 - 10:36白岳
- 10:40五竜山荘
五竜山荘に到着。
しばらくするとヘリコプターが飛んできて。
物資を降ろしていく。この間は地上のスタッフが登山者を静止していた。
そしてヘリコプターは麓の方へ。
何度も繰り返してたようで、五竜岳から戻ったときにもヘリコプターが飛んでいた。五竜岳の岩場にはマークがしっかりとあるので、それに従っていけば難なく登っていける。
少ないながら手を使う場面もあるので、グローブあるといいかもしれない(この時期は暑そうだが)。え、もう頂上って思って登るも、本当の頂上はもう少し奥にある。
- 11:37五竜岳
五竜岳頂上。
ちょうど、お腹が空いていたのでここでお昼ごはん。五竜山荘を見下ろす。
唐松岳方面の眺め。
鹿島槍ヶ岳。
槍ヶ岳とかは雲に隠れてもう見えない。360度ビューの五竜岳からのパノラマ。
鹿島槍ヶ岳へ向かう分岐から八峰キレット。
- 12:23五竜山荘
- 12:27遠見尾根分岐
五竜山荘に戻って、遠見尾根との分岐。
ここから遠見尾根を下っていく。序盤に鎖場がいくつかあったが使わなくても問題ない。
- 13:05西遠見山
イワカガミ。淡くて和菓子のよう。
- 13:31大遠見山
中遠見山への登り返しが割ときつくて足にくる。
- 13:54中遠見山
- 14:07小遠見山
外界が見えた。あと少し。
- 14:43地蔵の頭
地蔵の頭あたりから白馬五竜高山植物園までは観光客が次第に増えてきて賑わっていく。
白馬五竜高山植物園
白馬五竜高山植物園では、コマクサがいたるところに咲いている。
ウスユキソウではなく本物のエーデルワイス。これが本物か。
メコノプシス・グランディス(ヒマラヤの青いケシ)。
- 15:00白馬五竜アルプス平
テレキャビンは乗車時間8分で山麓のとおみ駅へ。
ゴンドラ乗車時に渡される冷たいオシボリがとても有り難い、いいサービスだ。エスカルプラザから神城駅までは無料のシャトルバスが出ているので、それを利用して神城駅に。
神城駅から松本駅に向かう。東京への4時間半の鈍行列車に備えて、松本駅前で食事。
この後は、松本駅から鈍行を乗り継いで東京へ。
23時前には荻窪駅に到着し、長かった1日を終えた。
当時の感想
コース状況・危険箇所等
八方池山荘から唐松岳頂上山荘経由の唐松岳の道はよく整備されており、歩きやすい道。
唐松岳頂上山荘から五竜山荘へ向かう尾根道で、すぐに牛首というトラバースの鎖場がある。高度感はないが渋滞が発生しやすい所のようなので譲り合って慎重に。
五竜山荘から五竜岳山頂への岩場ではマークに従っていけば、難しいところはない。
遠見尾根での下山は最初に鎖場などもあるが、淡々と下っていく単調な登山道でピーク以外では展望もよくない。
感想・記録
ヤマノススメに登場した唐松岳へ行く計画を前から立てていたが、せっかくなので五竜岳も合わせて日帰りで行けるかなと計画を立てる。
八方のゴンドラが6:30からなので、スタート地点の八方池山荘には7:00くらい。東京まで鈍行で帰ってこられる神城駅の最終が16:46、逆算するとゴール地点のアルプス平には16:15くらいには着いてないと完全にアウト。
標準コースタイムは12時間20分だから、0.7くらいのスピードか。マイルストーンを9:30に唐松岳頂上山荘、11:30に五竜山荘を設定し、もし間に合わなかったら五竜岳は諦めるプランで行くことにした。
ムーンライト信州に乗るのは2回目。前回は冬で車内がガラガラで空いていた印象があったが、今回は9割くらいの乗車率で松本を過ぎても7割くらいの盛況ぶり。
下車して白馬駅で涼しさを体感するも、それは早朝の話で、2000m以上の山に登っているのに直射日光がジリジリと照らしてかなり暑い。午後からは雲が上ってきて、遠くの景色が見られなくなる代わりに日光をマイルドにしてくれたので、日射病で倒れる心配はなかった。
それほど急登もなく難所も少ないコースでおすすめできるが、やはり日帰りだと、焦る気持ちで見どころを堪能できないので、1泊するのが無難でしょうね。八方池のほとりまで下りて、池に反射する白馬三山を見たかったな。
費用
交通費:高速バス(青森までの往復をキャンセル) 3360円+1716円、電車 青春18きっぷ1枚分 2370円+160円+ムーンライト信州 指定席券 520円、路線バス 180円、ゴンドラ・リフト 1550円+1000円 / 計 10856円
食費(概算):昼晩 1日分 1500円、行動食 1日 300円 / 計 1800円
合計:12656円
今に省みる
今となっては、「ムーンライト信州」を利用した最後の列車旅。ムーンライト信州はこの年が最後の運行だった。
夜行列車で登山に行くといえば、このムーンライト信州で北アルプスに行くのが鉄板だったので、それが無くなるのはなんとも寂しい。
「ムーンライトながら」も2020年に運行終了となっているし、夜行列車が無くなるのも時代の流れかな。
定期運行されている最後の夜行列車である「サンライズ瀬戸・出雲」もいつ無くなってもおかしくない。なので、2020年に鳥取の伯耆大山へ登った時には、もちろんサンライズ出雲で行きました。