日本百名山全山踏破 41座目 開聞岳 | 九州遠征スタート!薩摩富士の360度絶景と観光充実の登山旅

開聞岳山頂からの眺め 日本百名山
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開聞岳に向かうまで

九州の日本百名山5座を登る遠征計画

群馬と新潟の4座に登った遠征を終え、2週間後に九州の百名山を登る遠征旅行を開始した。

九州の百名山は、屋久島の宮之浦岳に大学時代に登った経験があるため、残りの5座(開聞岳、九重連山、阿蘇山、祖母山、霧島山)を今回の遠征で全て制覇する計画を立てた。

九州遠征の戦略と開聞岳の位置づけ

九州の百名山は比較的南部にまとまっているため、鹿児島空港を起点とする時計回りルートが最効率。LCCジェットスターの成田-鹿児島便を1月のセールで往復8,740円という破格で確保していた(平日設定がコツ)。

4日間で5座という超ハードスケジュールで、阿蘇山と祖母山は1日2座のツメツメ遠征。開聞岳は九州遠征の先陣を切る記念すべき第1座目として、薩摩半島最南端の「薩摩富士」への挑戦となった。

開聞岳の特徴と魅力

開聞岳(924m)は鹿児島県薩摩半島の最南端に位置する美しい円錐形の火山で、「薩摩富士」の愛称で親しまれている。標高は1,000m未満の低山ながら、日本百名山に選ばれたのは、その独立峰としての美しい山容と360度の展望、九州最南端という地理的重要性による。

大学時代に屋久島から鹿児島市内に戻るフェリーから初めて見た開聞岳の均整のとれた円錐形は、まさに「あんな山があるんだ」と感嘆させられる美しさだった。それから何十年も経って実際に登ることになるとは、人生の不思議さを感じる。

九州遠征の前日入りと鹿児島グルメ体験

鹿児島空港での雨模様到着と九州遠征の不安な幕開け
鹿児島空港

2018年6月14日、成田空港からLCCジェットスターで鹿児島空港へ。雨模様の空港到着で若干不安になったが、以前も鹿児島空港で「条件付きフライト」を経験しており、この空港との相性の悪さを再認識。

空港近くのニコニコレンタカーで4日間のレンタカーを確保。車種はいつものフィットを指名し、九州5座の長距離遠征に備える。鹿児島市内では、九州遠征の前哨戦として天文館むじゃきで「プリン白熊」を堪能。鹿児島名物しろくまの元祖店での味わいは、九州遠征の幸先良いスタートを感じさせてくれた。

天文館むじゃき鹿児島名物しろくまの元祖
天文館むじゃき
むじゃきのプリン白熊
むじゃきのプリン白熊

実際に登ってみた

日程: 2018年6月15日(金)[日帰り] 天候: くもりのち晴れ

アクセス

往路: 鹿児島市内(天文館むじゃき) → 池田湖 → かいもん山麓ふれあい公園 

復路: かいもん山麓ふれあい公園 → 瀬平自然公園 → 知覧特攻平和会館 → 津貫蒸留所 → 阿蘇大観峰

池田湖を過ぎて現れる開聞岳の美しい円錐形薩摩富士
開聞岳

池田湖を過ぎると、目の前に現れる開聞岳の美しい円錐形。山頂は雲に覆われていて展望を望めなさそうで少し残念だったが、雨が降っていないだけマシだと思って登山を決行。

開聞岳山麓での雲に覆われた山頂
開聞岳山麓

かいもん山麓ふれあい公園の駐車場に駐車。公衆トイレもあり。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
03:148.7km951m943m

コースタイム

ルート: かいもん山麓ふれあい公園-開聞岳-かいもん山麓ふれあい公園

山行タイムライン
  • 05:59
    かいもん山麓ふれあい公園
    かいもん山麓ふれあい公園の駐車場
    かいもん山麓ふれあい公園の駐車場

    かいもん山麓ふれあい公園の駐車場から登山開始。朝早い時間帯で駐車場はまばらだったが、帰りには結構埋まっていた。

    駐車場から登山口アプローチでのアジサイ
    紫陽花

    駐車場から登山口までのアプローチではアジサイが迎えてくれ、6月中旬の季節感を演出。

    かいもん山麓ふれあい公園
    かいもん山麓ふれあい公園

    公園内にはバンガローやパターゴルフ場なども整備され、登山以外のレクリエーション施設も充実。

    ヤマモモの木の実
    ヤマモモの木

    ヤマモモの木の実が道路に落ちて甘酸っぱい香りを漂わせていた。

  • 06:11
    二合目
    開聞岳登山口
    開聞岳登山口

    開聞岳登山口(二合目)から本格的な登山開始。

    火山岩と礫のような登山道
    火山岩と礫のような登山道

    火山岩と礫のような登山道は、未明まで雨が降っていたにも関わらず水はけが良く、泥濘はほとんどなし。火山性の地質による優れた排水性を実感。

  • 06:40
    五合目
    7合目
    7合目
    開聞岳から硫黄島と竹島
    硫黄島と竹島

    7合目に到達すると、目の前が開けて硫黄島(硫黄岳)と竹島(マゴメ山)が海上に浮かんで見える。その中間に口永良部島(古岳)が薄っすらと見え、屋久島も竹島の左側にあるのだろう。

    開聞岳仙人洞
    仙人洞
    開聞岳登山道でのロープ

    ロープがあるが傾斜はない。降りる人のためかな。

    開聞岳山頂手前での薩摩半島の眺め
    山頂手前の眺め

    北海道の函館山からの眺めににてるが、薩摩半島は砂州ってわけではない。

    開聞岳登山道の梯子
    開聞岳固有種カイモンサツキ(マルバサツキ)
    カイモンサツキ

    カイモンサツキ(マルバサツキ)は開聞岳の固有種で、この時期の登山の大きな楽しみ。ピンクの美しい花が咲いており、開聞岳ならではの植生を観察できた。

    開聞岳山頂手前の御岳神社
    御岳神社

    頂上手前にある御岳神社。

  • 07:30
    開聞岳
    開聞岳924m山頂からの眺め
    開聞岳山頂からの眺め

    開聞岳山頂(924m)に到着。山頂からは360度の素晴らしい展望が開け、九州遠征の幸先良いスタートを実感。手前に池田湖、錦江湾の美しい青、噴煙を上げる桜島、その奥に霧島連山の雄大な山容が一望できる圧巻の景色。

    硫黄島の硫黄岳と黒島の櫓岳
    硫黄島の硫黄岳と黒島の櫓岳
    開聞岳山頂からの薩摩半島
    薩摩半島
    開聞岳山頂での日本百名山41座目登頂
    開聞岳山頂三角点
    三角点
    開聞岳山頂の様子
    開聞岳山頂の様子
    開聞岳山頂からの池田湖の美しい眺望
    池田湖
    開聞岳山頂からの長崎鼻突端
    長崎鼻

    海上には硫黄島の硫黄岳と黒島の櫓岳が浮かび、薩摩半島の複雑な海岸線も美しい。長崎鼻の突端も確認でき、九州最南端の地理的な位置を体感。山頂は岩場だが意外と広く、三角点もしっかりと確認できた。

    開聞岳からのパノラマ
    開聞岳からのパノラマ
    開聞岳からのパノラマ
    開聞岳からのパノラマ
  • 08:11
    九合目
  • 08:40
    五合目

  • 09:02
    二合目
    開聞岳下山時のアジサイ
    紫陽花
  • 09:13
    かいもん山麓ふれあい公園

下山と九州遠征観光の充実

瀬平自然公園からの開聞岳撮影

下山後の開聞岳外観
開聞岳
瀬平自然公園からの開聞岳
せびら自然公園からの開聞岳

下山後は翌日の九重連山まで7時間の長距離ドライブだが、時間に余裕があるため九州観光を満喫。国道226号を北上し、海岸側の瀬平自然公園から開聞岳を撮影。ここから見る開聞岳の山容は絶景で、登った山を外から眺める贅沢な体験。

開聞岳の横に見える硫黄島
開聞岳の横に見える硫黄島

開聞岳の横に見える硫黄島も美しく、薩摩半島の海と山の調和した風景を楽しめた。登山だけでなく、多角的に開聞岳の美しさを味わえるのも九州遠征の醍醐味。

知覧特攻平和会館での歴史学習

知覧特攻平和会館
知覧特攻平和会館

以前から訪問したかった知覧特攻平和会館に入館。鉄道アクセスが悪く行けずにいたが、レンタカーでの九州遠征により念願が実現。館内には特攻隊員の写真パネルが並び、名前の文字列とは異なる重みと感慨深さを実感。

  • 知覧特攻平和会館
  • 知覧特攻平和会館
  • 知覧特攻平和会館
  • 知覧特攻平和会館

SF小説「三体」にも登場する知覧特攻平和会館は、「三体」ファンにとっての聖地巡礼でもある。戦争の歴史を学ぶ貴重な体験として、開聞岳登山と合わせて充実した鹿児島観光となった。

マルス津貫蒸留所での日本最南端ウイスキー体験

本坊酒造 津貫蒸留所
本坊酒造 津貫蒸留所

本坊酒造の津貫蒸留所は日本最南端のウイスキー蒸留所で、以前枕崎駅から伊集院駅へ行くバス旅の途中で見かけていた念願の訪問地。比較的小規模な蒸留所だが、併設されているウイスキーBARのアンティークな雰囲気が素晴らしい。

  • 本坊酒造 津貫蒸留所
  • 本坊酒造 津貫蒸留所
  • 本坊酒造 津貫蒸留所

車での訪問のためテイスティングはしなかったが、日本最南端でのウイスキー蒸留の歴史と技術を学ぶ貴重な体験。開聞岳登山と合わせて、鹿児島の自然と文化を多角的に楽しめた。

阿蘇大観峰での夕日鑑賞と遠征継続

阿蘇大観峰
阿蘇大観峰

今日の目的地の九重連山へ行く途中の阿蘇大観峰では、阿蘇五岳の雄大な景色を堪能。根子岳のギザギザした特徴的な山容も印象的で、翌日登る九重連山への期待が高まる。大観峰からのパノラマは素晴らしく、九州の火山地形の壮大さを実感。

  • 大観峰
  • 大観峰
  • 大観峰
  • 大観峰
  • 大観峰
  • 大観峰
大観峰からのパノラマ
大観峰からのパノラマ
大観峰からのパノラマ
大観峰からのパノラマ
大観峰の日の入り
大観峰の日の入り
大観峰の日の入り
大観峰の日の入り

日の入りの時間まで見届けて、翌日の九重連山登山口である長者原ビジターセンターに向かった。開聞岳から始まった九州遠征の充実した1日目を締めくくる美しい夕日だった。

下山後の感想

危険箇所と注意点

開聞岳の登山道は全般的に危険箇所は少なく、火山性の地質による優れた排水性で、雨後でも泥濘や滑りやすい状況はほとんどなし。ロープが設置されている箇所もあるが、傾斜はそれほどでもなく、頼らなくても登山可能。

ただし火山岩と礫の登山道は足元が不安定になりやすく、特に下山時は慎重な歩行が必要。山頂付近の岩場も意外と広いが、展望に夢中になりすぎて足元への注意を忘れないことが重要。

登山の印象と魅力

九州遠征1座目の開聞岳は、前日の雨模様で展望を諦めていたが、山頂では見事な360度の大展望を楽しめた。遠征の幸先良いスタートとして最高の結果。1,000m未満の低山ながら、独立峰ならではの素晴らしい展望が開聞岳の最大の魅力。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

交通費用

  • 飛行機(成田-鹿児島空港往復): 8,740円
  • 電車: 682円
  • 高速バス(成田空港): 1,900円
  • レンタカー96時間: 14,250円
  • 駐車場: 700円
  • ガソリン代: 3,407円

交通費合計: 33,656円

観光・雑費費用

  • 知覧特攻平和会館入場券: 500円
  • 温泉: 810円

観光・雑費合計: 1,310円

宿泊・食費・その他

  • 朝昼晩4日分: 8,000円
  • 行動食4日分: 1,200円

その他費用合計: 9,200円

総費用

合計: 44,166円

今になって思うこと

1,000m未満の低山でありながら日本百名山に選ばれることへの議論もあるが、実際に登ってみると深田久弥の選定眼の確かさを実感。

独立峰としての美しい山容、360度の展望、九州最南端という地理的重要性、薩摩半島の歴史と文化との関連性など、標高では測れない価値がある。大学時代にフェリーから見た「あんな山があるんだ」という感嘆から、実際に登頂するまでの人生の軌跡も感慨深い。

九州遠征の先陣を切る山として、開聞岳は期待以上の体験を提供してくれた。登山だけでなく、知覧特攻平和会館、津貫蒸留所、阿蘇大観峰といった九州の歴史と文化を学ぶ機会も得られ、単なる山登り以上の価値ある遠征の始まりとなった。

開聞岳の魅力は登山だけでなく、薩摩半島全体の自然と文化を楽しめること。日本百名山の中でも特に「総合的な体験」を提供してくれる山として、多くの登山者におすすめしたい。深田久弥に感謝している理由が、登ってみて初めて理解できた名山だった。


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