日本百名山全山踏破 56座目 那須岳 | 雪山登山で味わう茶臼岳の火山美

日本百名山
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那須岳に向かうまで

青森への遠征から戻った後、秋からは関東近郊の山を中心に登山を続けていた。冬が近づくにつれ、雪山での登山も視野に入れ始めていた。

関東近郊での山行を重ねる

2018年10月30日 恵比寿駅を起点にハイキング

JR東日本の「駅からハイキング」に参加。”スタイリッシュで大人の街・恵比寿のホッとする空間をめぐる”コースで、都心を10キロほどハイキングした。いつもの出社時間よりも早めに恵比寿駅について、2時間ほどの良い運動になった。

2018年11月23日 日影林道から登る紅葉の高尾山

混雑必至の紅葉時期の高尾山へ。それでも高尾駅から日影まで歩けば人も少ない登山を楽しめる。案の定、山頂にはものすごい人で溢れていたが、日影林道からのアプローチと稲荷山コースでの下山により、紅葉の高尾山を満喫できた。

2019年1月6日 御殿山~伊予ヶ岳~富山と富山三山を繋いで歩く

本当は雪の積もった冬山の入笠山に行きたかったが、今年はあまり雪がないようだったので、急遽千葉の低山へ。御殿山、伊予ヶ岳、富山の”富山三山”を縦走した。水仙のシーズンらしく、いたるところで咲いていて美しかった。ヤマノススメの原作にも伊予ヶ岳から富山までの縦走が登場する。

2019年3月2日 奥多摩駅からの川苔山と飯能のメッツァビレッジ

奥多摩の川苔山へ。百尋ノ滝のコースではなく、奥多摩駅から登って鳩ノ巣駅へ下りるコースを選択。その帰りに飯能へ寄って、もうすぐオープンするメッツァヴィレッジの周りを歩いてみた。

2019年3月17日 雪の那須茶臼岳へ

那須連山の茶臼岳は日帰りで行ける山なので、時間が空いているときに行こうと思っていた。そうしたら、まだ雪が深く残るこのタイミングで山に登ることになった。

那須塩原駅までは、春の青春18きっぷを利用する。鈍行列車の乗り継ぎでも、東北本線はスピードが速いので3時間くらいで行けてしまう。

那須岳に近くてバスも出ている黒磯駅まで行くのではなく、那須塩原駅に下車したのは、ニコニコレンタカーが那須塩原駅前にしかないから。そこでいつものようにフィットを借りた。標準装備としてスタッドレスタイヤも装着済みで、雪山アクセスには心強い。

40分ほどで、大丸駐車場に到着。積雪期でなければ、もっと上にある峠の茶屋まで車で行けるようだが、今回は冬季のため大丸駐車場が終点だ。

実際に登ってみた

日程: 2019年3月17日(日) [日帰り] 天候: 曇り

アクセス

冬季のため大丸駐車場まで車で登れる。途中までの路側帯には残雪があるが、路面は乾いている。スタッドレスタイヤ装着で問題なくアクセス可能だった。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
02:357.6km637m638m

コースタイム

ルート: 大丸駐車場-峰の茶屋跡避難小屋-那須岳-峰の茶屋跡避難小屋-大丸駐車場

山行タイムライン
  • 10:18
    大丸駐車場
    県営大丸駐車場の雪景色
    県営大丸駐車場
    大丸駐車場登山口横のトイレ
    登山口横のトイレ

    登山者カード入れもこちらにある。冬季でもトイレが使用できるのはありがたい。

    登山口横のトイレ
    登山口横のトイレ
    那須岳登山道序盤
    那須岳登山道

    登山口から凍った階段を登り、車道を横切りながら踏み固められたショートカットを進んでいく。

  • 10:31
    那須ロープウェイ山麓駅
    那須ロープウェイ山麓駅
    那須ロープウェイ山麓駅

    途中の那須ロープウェイ山麓駅。今はまだ冬季運休中だが、例年は3月下旬に再開するようだ。

  • 10:41
    峠の茶屋駐車場
    雪に覆われた峠の茶屋駐車場
    峠の茶屋

    雪一面に覆われた峠の茶屋駐車場。新雪を歩いてもそれほど埋もれない感じ。スパッツはなくてもよかったかもしれない。

  • 10:47
    登山指導所・登山ポスト
    那須岳登山口の雪に埋もれた鳥居
    雪に埋もれた鳥居
    雪に埋もれた鳥居
    雪に埋もれた鳥居

    鳥居の先には橋があるので、そちらを渡る。ここから本格的な斜面を登っていく。

    那須岳神社の雪

    雪に足を取られて進みにくいが、普段雪山に登らない自分にとっては久しぶりの感覚なので楽しい。

    那須岳登山道の雪面

    あいにく天気は曇っているが風はほとんどなく歩きやすい。

    那須岳登山道の雪景色
  • 11:00
    中の茶屋跡
    那須岳中の茶屋跡付近の雪原

    ゆったりと登るトラバースが峰の茶屋の建物まで続いている。

  • 11:16
    峰の茶屋跡避難小屋
    那須岳峰の茶屋避難小屋
    峰の茶屋避難小屋

    峰の茶屋避難小屋で一旦休憩。冬になると、風の通り道であるここは暴風となると聞いていたが、まったくの無風だった。

    峰の茶屋跡避難小屋から茶臼岳への登り

    茶臼岳への登りを再開。

  • 11:26
    硫黄鉱山跡
    那須岳硫黄鉱山跡付近のシュカブラ
    シュカブラ

    アイス気味だがシュカブラが美しい。風の芸術作品のような雪面模様だ。

    火山岩混じりで荒涼とした雪面になってきた。

    那須岳硫黄鉱山跡の火山性荒涼地形
  • 11:44
    お釜口
  • 11:47
    山頂口
    那須岳茶臼岳への最終登り
    那須岳茶臼岳お釜口付近
    那須岳茶臼岳山頂直下の急斜面
    那須岳茶臼岳山頂手前の鳥居
    鳥居

    山頂手前の鳥居。いよいよ頂上だ。

  • 11:53
    那須岳
    那須岳茶臼岳山頂(1,915m)
    茶臼岳山頂

    茶臼岳山頂。曇ってはいるが、360度の良い眺めが広がっている。

    那須岳茶臼岳山頂の火口縁
    那須岳茶臼岳山頂からの展望
    山頂からのパノラマ
    山頂からのパノラマ
    那須岳茶臼岳山頂からのパノラマ
    山頂からのパノラマ
    那須岳茶臼岳山頂の那須岳神社
    那須岳神社
    那須岳茶臼岳山頂

    時計回りにお鉢めぐり。お鉢の真ん中ではなく、お鉢から外になる西側から噴煙が出ているのが興味深い。

    那須岳茶臼岳山頂
    那須岳茶臼岳お鉢巡り
    那須岳茶臼岳の樹氷現象エビの尻尾
    エビの尻尾

    樹氷のようにロープ柵に氷が張り付いていた。エビの尻尾と呼ばれる現象だ。

    那須岳茶臼岳のエビの尻尾
    エビの尻尾
    那須岳茶臼岳
    那須岳茶臼岳
    那須岳茶臼岳お鉢巡り
  • 12:13
    お釜口
    那須岳茶臼岳下山

    お鉢を下りる斜面で一瞬だけグリセード。あとは、来た道を戻って下山した。

  • 12:24
    硫黄鉱山跡
  • 12:35
    中の茶屋跡

  • 12:41
    登山指導所・登山ポスト

  • 12:49
    那須ロープウェイ山麓駅
  • 12:57
    大丸駐車場

殺生石観光と48度の湯がある鹿の湯で入浴

那須温泉殺生石の火山ガス噴出地
殺生石

下山後には、観光地となっている那須温泉鹿の湯近辺を散策。

那須温泉千体地蔵の石仏群
千体地蔵
千体地蔵
千体地蔵
九尾の狐伝説で有名な那須温泉殺生石
殺生石

九尾の狐伝説の殺生石。火山ガスの影響で植物が生えない不思議な場所だ。

那須温泉 鹿の湯
那須温泉 鹿の湯

那須温泉 鹿の湯へ。48度の湯船には辿り着けずに、46度の湯船でギブアップ。いいお湯だった。

下山後の感想

コース状況・危険箇所等

大丸駐車場~峠の茶屋: ワインディングロードで上まで続いている冬季通行止めの道路をショートカットして登る道。登山口からの階段は凍結しているし、道路から登る場面でキックステップを踏むので、アイゼンは最初から付けておいたほうがよい。

峠の茶屋~峰の茶屋跡避難小屋: 雪道のゆったりとした登りが続く。トレースは踏み固められているので歩きやすい。

茶臼岳: お鉢に向かって登る最後の斜面が割と急で、滑ったら危険なので慎重に。

日曜は快晴という予報だったが、残念ながら曇り模様だった。しかし、久々の雪山なので、雪面をザクザク歩くだけで心が躍った。道中の強風だけは心配だったが、まったくの無風だったので拍子抜け、快適な雪山登山となった。

下山後には鹿の湯へ。41度から48度の湯船があるのだけど、46度の湯船で危うく遭難しそうになった。

かかった費用と装備

交通費用

  • 電車: 青春18きっぷ 2,370円
  • レンタカー: 10時間 2,525円
  • ガソリン代: 411円

交通費合計: 5,306円

食費・その他

  • 温泉入浴料: 500円
  • 昼食: 1日分 500円
  • 行動食: 1日分 300円

食費・その他合計: 1,300円

総費用

合計: 6,606円

今になって思うこと

茶臼岳は雪山でも比較的安全に登れる山だった。他の日本百名山でも雪渓の上を歩いたりはしているものの、ガチの冬山は茶臼岳と赤城山くらい。

冬山に対しての登山装備となると、追加でいろいろなものが必要になるし高価にもなる。なので、冬の登山はお休みということに決めている。ソロで冬山に挑むと、ラッセルが大変だし危険度も跳ね上がるので、今後もやらないかな。

那須岳の魅力は、なんといっても活火山ならではの迫力ある景観だ。お鉢めぐりでは火山活動を間近で観察でき、エビの尻尾やシュカブラといった雪山特有の現象も楽しめた。下山後の那須温泉での観光も含めて、充実した山行となった。

茶臼岳は首都圏からのアクセスも良く、雪山入門としては最適な山の一つだろう。峰の茶屋跡避難小屋があることで安心感もあり、天候が安定していれば初心者でも雪山の魅力を存分に味わえる名山だと思う。


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