日本百名山全山踏破 93座目 乗鞍岳 | 自転車ヒルクライムと登山を組み合わせた贅沢な山行

剣ヶ峰頂上 日本百名山
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乗鞍岳に向かうまで

3泊4日の日本アルプス遠征で北・中央・南アルプス4座を登る

前回の大雪山遠征が終わり、いよいよ日本百名山も残り8座となった。全て日本アルプスに集中している。その中でも今回は、南アルプス最深部の光岳・聖岳、最後に登りたい立山・剱岳を除いた4座 乗鞍岳・笠ヶ岳・御嶽山・塩見岳を車で移動しながら効率的に制覇する計画を立てた。

特に乗鞍岳と笠ヶ岳は個人的に悔しい思いがある。以前登山計画を立てていたのに、JR中央線が台風で寸断されて泣く泣く中止せざるを得なかった。その時の心残りを今回こそは晴らしたい。

最後の登山装備投資、モンベルのストライダーパンツ

4年前から愛用してきたトレッキングパンツがついに限界を迎えた。裾の破れを補修布で延命してきたが、さすがにもう持たない。同じモンベルのストライダーパンツを購入することにした。

このトレッキングパンツには本当に感謝している。ザック・レインウェア・登山靴の三種の神器に加えて、トレッキングパンツ・登山用靴下・ソフトシェルジャケット・ヘッドランプを含めた七種の神器と考えるべきだと思う。これらがあるとないとでは、山での快適度が段違いになる。

2021年8月6日 乗鞍ヒルクライム&登山

乗鞍岳は自然保護のため、乗鞍エコーラインと乗鞍スカイラインへの自家用車乗り入れが禁止されている。一般的には山麓からバスかタクシーで畳平まで移動するのが常識。

しかし、自転車なら山頂直下の畳平まで走破できる。有名な乗鞍ヒルクライムレースのコースでもある。そこで今回は一石二鳥の作戦を考えた。畳平まで自転車でヒルクライムを楽しんでから登山に切り替え、剣ヶ峰の頂上を目指すというプランだ。

GFS予報では台風発生の兆しがあったが、上陸の可能性は低そうだった。4日間の天気に期待を込めて、ついに自宅を出発した。

朝から電車を乗り継いで塩尻駅へ。ザックと自転車を詰めた輪行バッグの二刀流で移動。塩尻駅でレンタカーを借りて、一般車両で行ける最奥の三本滝駐車場へ向かった。

三本滝から畳平へ、乗鞍エコーラインを自転車で登る

三本滝レストハウス
三本滝レストハウス

11時40分、三本滝レストハウス。駐車場で輪行バッグからクロスバイクを組み立てる。登山靴にザックという組み合わせのヒルクライムなんて、周りの人には奇異に映ったかもしれない。

乗鞍エコーライン
乗鞍エコーライン

思ったほど斜度はきつくない。交通量もほとんどなく、道路幅を目一杯使ってマイペースに登れる。以前丹沢大山でヤビツ峠ヒルクライムを経験したが、あちらの方がよほどハードだった。

乗鞍エコーライン途中からの雄大な景色
乗鞍エコーライン

見晴らしが素晴らしい。高度がぐんぐん上がっていく感覚が爽快で、これぞヒルクライムの醍醐味。

位ヶ原山荘
位ヶ原山荘

12時30分、位ヶ原山荘に到着。

乗鞍エコーライン中盤のサイクリスト
乗鞍エコーライン

登っているサイクリストは全員ロードバイク。登山もするという変わり種は自分だけのようだ。多くの人がテールランプを点滅させていたが、これは安全面でのマナーなのだろう。

肩ノ小屋口
肩ノ小屋口

13時、肩ノ小屋口。剣ヶ峰へはここから登山に切り替えるのが効率的だが、せっかくなので畳平まで走破したい。

肩ノ小屋口の残雪
肩ノ小屋口の残雪

8月だというのに残雪が残っていて、夏スキーを楽しむ人々がいる。

長野県と岐阜県との県境
岐阜県との県境

乗鞍エコーラインの終点、長野・岐阜県境に到達。おそらくここが自転車で行ける道路の日本最高地点だろう。

畳平の鶴ヶ池
鶴ヶ池

鶴ヶ池を眺めながら、いよいよ畳平バスターミナルへ向かう。

畳平バスターミナル
畳平バスターミナル

13時20分、畳平バスターミナル到着。登山靴でザックを背負ってのヒルクライム、所要時間がどれくらいになるか心配だったが、1時間40分と意外にスムーズだった。とても快適な体験。

実際に登ってみた

日程: 2021年8月6日(金) 日帰り 天候: 晴れ

アクセス

【自転車ヒルクライム】 三本滝レストハウス駐車場から畳平バスターミナルまで。 11:40 三本滝→12:30 位ヶ原山荘→13:00 肩の小屋口→13:20 畳平バスターミナル

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
02:245.1km390m396m

コースタイム

ルート: 畳平BT-肩ノ小屋-乗鞍岳-肩ノ小屋-畳平BT

山行タイムライン
  • 13:35
    畳平バスターミナル
    畳平バスターミナル
    畳平バスターミナル

    三本滝でも十分涼しかったが、畳平は更に別世界。真夏の下界とは完全に違う爽やかな空気。ただ、自転車で酷使した脚に違和感があるので、ゆっくり目のペースで登ることにした。

    大黒岳
    大黒岳
    畳平の遊歩道
    畳平の遊歩道

    登山に切り替えて剣ヶ峰を目指す。遊歩道を散策する観光客も多く、老若男女問わず高山の自然を楽しんでいる光景が印象的。

    ヨツバシオガマ
    ヨツバシオガマ
    ミヤマアキノキリンソウの黄色い花々
    ミヤマアキノキリンソウ
    イワツメクサの小さく美しい白花
    イワツメクサ
    イワギキョウの紫色の高山植物
    イワギキョウ
  • 13:49
    不消ヶ池
  • 13:55
    摩利支天分岐
  • 14:02
    肩ノ小屋
    肩ノ小屋
    肩ノ小屋
    乗鞍観測所
    乗鞍観測所
    乗鞍高原の稜線
    剣ヶ峰へ続くガレ場
    ガレ場

    ここからガレ場の急登が始まる。「サンダルでも登れる」と聞いたことがあるが、この岩場を歩くのは相当無謀だと思う。やはり登山靴は必須。

    肩ノ小屋からの北アルプスの山々
    北アルプスの山々

    振り返ると、北アルプスの山々が一望できる。天候に恵まれた今日、この景色を見られるのは本当に贅沢。

  • 14:30
    朝日岳(乗鞍)
    権現池
    権現池
    蚕玉岳手前の稜線
    蚕玉岳手前
  • 14:38
    蚕玉岳
  • 14:42
    乗鞍岳頂上小屋
    乗鞍岳頂上小屋
    乗鞍岳頂上小屋
  • 14:49
    乗鞍岳
    朝日権現社
    朝日権現社
    乗鞍本宮頂上本殿
    乗鞍本宮頂上本殿
    剣ヶ峰頂上 三角点
    剣ヶ峰頂上 三角点
    剣ヶ峰頂上
    剣ヶ峰頂上

    乗鞍岳で93座目、無事登頂完了。山頂には神社もあり、神聖な雰囲気が漂っている。

    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳からのパノラマ
    乗鞍岳からのパノラマ
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め
    乗鞍岳山頂からの眺め

    山頂からの展望は正に圧巻。快晴に恵まれ、槍・穂高をはじめとする北アルプスの山々、南アルプス、中央アルプスまで見渡せる大パノラマ。

  • 15:08
    乗鞍岳頂上小屋
  • 15:12
    蚕玉岳
  • 15:31
    剣ヶ峰口
  • 15:39
    摩利支天分岐
  • 15:44
    不消ヶ池
    コウメバチソウの上品な白い花
    コウメバチソウ
    ミヤマダイコンソウの鮮やかな黄色い花
    ミヤマダイコンソウ
  • 15:53
    雷鳥の碑
    ミヤマキンポウゲの鮮やかな黄金色の花
    ミヤマキンポウゲ
  • 15:59
    畳平バスターミナル
    畳平バスターミナル
    畳平バスターミナル

畳平からダウンヒルで乗鞍エコーラインを下る

畳平バスターミナルに下りた。畳平からは自転車でダウンヒルに切り替え。

乗鞍エコーラインを自転車で下る
乗鞍エコーライン

スピードが猛烈に上がるので、ブレーキパッドが溶けるんじゃないかと心配になるほどブレーキを握りっぱなし。でも、この爽快感は何物にも代え難い。

三本滝駐車場に無事到着。次の目標、笠ヶ岳に向けて新穂高温泉へ移動した。

下山後の感想

日本百名山で後回しにしていた4座を時計回りで攻める遠征の初日。乗鞍岳での自転車ヒルクライム+登山という贅沢なコンビネーションを見事に成功させることができた。

登山靴でザックを背負いながらの自転車アプローチ、最初はどれくらい時間がかかるか心配だった。しかし1時間40分という予想以上に短い時間で畳平に到着できて、体力的にも全く問題なし。むしろ自転車で上がってきた達成感がプラスに作用した。

三本滝でも十分涼しかったが、畳平の爽やかさは格別。真夏とは思えない快適な環境で登山を楽しめた。自転車で酷使した脚に多少の違和感はあったものの、ゆっくりペースで問題なく登頂。

天候に恵まれたおかげで、登山中に振り返る槍・穂高のパノラマが本当に素晴らしかった。これだけでも今回の遠征をした価値がある。改めて登ってみたいと思わせてくれる魅力的な山だった。

明日は長い山行になる笠ヶ岳。今日のうちに新穂高温泉へ移動して準備を整えた。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

装備費用

  • ストライダーパンツ: 9,638円

装備費合計: 9,638円

交通費用

  • 青春18きっぷ×2: 4,820円(往復の電車移動)
  • レンタカー4日間: 13,750円
  • ガソリン代: 5,530円
  • 有料道路代: 770円

交通費合計: 24,870円

食費・その他

  • 朝昼晩4日分: 8,000円
  • 行動食4日分: 1,200円
  • 風呂代: 750円

食費・その他合計: 9,950円

総費用

合計: 44,458円

今になって思うこと

乗鞍エコーラインでのヒルクライムは、サイクリストにとって憧れのコースであり、一般車両が入れない道を絶景を眺めながら登るのは何物にも代え難い達成感がある。

登山と自転車の両方を趣味にしているなら、一度で二度おいしい体験ができるので強く推奨したい。ただし、登山靴での長時間ペダリングは慣れが必要。クリート付きのビンディングシューズは使えないので、足の疲労対策は事前に考えておいた方がよい。

標高2,700m超の畳平まで自転車で登れるのは、日本では乗鞍だけの特権。


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