大雪山に向かうまで
2021年7月25日 北海道遠征最終章、大雪山への登頂
士幌線の廃線跡を辿りながら旭岳への移動
糠平湖近くで一夜を明かし、北海道遠征も今日で最後。大雪山の南端から北端まで反時計回りに移動し、西側の登山口から旭岳にアタックする計画を立てていた。
距離は相当なものだが、士幌線の廃線跡を巡りながらのドライブなので、むしろ楽しみながら移動できる。北海道の歴史に触れつつ、最後の百名山へと向かう旅路だ。

糠平湖南端にある上士幌町鉄道資料館。かつて帯広から北上してきた士幌線の糠平駅が、この場所に存在していた。今はひっそりとその歴史を伝える資料館として、当時の面影を留めている。
糠平駅跡からは現在もトロッコ路線として活用されている線路跡が続いていた。廃線跡を散歩しながら、この歴史ある鉄道の痕跡をハイパーラプス動画として記録した。
幌加駅 – 森に還る駅舎の美しさ
タウシュベツ川橋梁跡も見たかったのだが、今年は例年より早く水位が上がり、ほとんど見えない状況とのこと。対岸から遠目に眺める程度に留め、次の目的地へ向かう。

タウシュベツ川橋梁跡近くにある幌加駅。静寂な森に包まれたこの駅舎は、徐々に自然に還りつつある姿が印象深い。朽ちていく建造物にも独特の美しさがあるものだな。
旭岳ロープウェイ利用でバリエーション豊かな山行へ

往復でロープウェイを使うか、最初から徒歩で登るか悩んだが、北海道の山行がピストンばかりで単調だったため、上りのみ片道ロープウェイを利用することにした。下山は歩いて下りることで、コースにバリエーションを持たせる作戦だ。

コロナ禍で密になりやすいロープウェイも、しっかりと対策が施されている。安心して利用できる環境が整備されているのはありがたい。


約10分間の空中散歩。眼下がよく見えるロープウェイなので、紅葉シーズンには相当美しい景色が楽しめるだろうな。
実際に登ってみた
日程: 2021年7月25日(日) 日帰り 天候: 曇り
アクセス
大雪山旭岳ロープウェイ 山麓駅→姿見駅 片道 2,000円
公共駐車場が満車だったため、ロープウェイ有料駐車場 500円
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
03:36 | 9.6km | 705m | 1,181m |
コースタイム
ルート: 姿見駅-大雪山-姿見駅-天女ヶ原-旭岳駅
- 09:11
- 09:24
- 10:22
- 10:30
- 10:47
- 11:23
- 11:29
- 11:48
- 12:45
旭川市内のあさひかわラーメン村で昼食

旭川ラーメンの有名店が一堂に会した「あさひかわラーメン村」。せっかく旭川に来たのだから、ベタではあるが旭川ラーメンを堪能したい。

いってつ庵のとろチャーシュー麺醤油味を注文。下山後の身体には、ラーメンのような塩分豊富な食べ物が無性に美味しく感じられる。
涼を求めて男山酒造り資料館
山から下りた外界は北海道らしからぬ暑さだったため、涼しさを求めて酒蔵見学へ足を向けた。
外では日本酒の仕込みにも使用されている名水が蛇口から無料で汲めるようになっており、地元の人々がひっきりなしに汲みに来ていた。
2021年7月26日 観光して帰るだけの北海道遠征最終日
2回目の予備日として設定していたが、全ての山行が予定通り完了できたため、この日は丸一日観光に充てて東京に帰る予定だ。
旭山動物園

旭山動物園の駐車場には一番乗りで到着。車内で開園を待っていたが、次第に待機列が伸び始めたので早めに並んだ。
一般的な動物園では、どのルートで効率よく回るかを考えたり、同じエリアを何度も巡って疲れたりすることが多い。しかし旭山動物園は見学順路がしっかりと設計されており、動線にも余裕があるため、動物たちの観察に集中できる環境が整っている。これは素晴らしい設計だと思った。
旭川市科学館サイパルでプラネタリウム


特にこれといった予定がなくなってしまったため、午後は科学館でゆったりと過ごすことにした。プラネタリウムまで鑑賞して、北海道の最後の時間を満喫。
旭川空港から羽田へ

旭川空港内のセブン-イレブンでガス缶が販売されているのを発見。登山客の需要をよく理解した品揃えで感心した。

最後の北海道グルメとして、鉄板焼 旭人 旭川空港店を選択。保安検査まで時間がないのに、時間のかかる鉄板焼きを注文してしまい、慌てて食べることになった。

ありがとう、そしてさよなら北海道。
下山後の感想
コース状況・危険箇所等
特に危険な箇所はなし。火山礫のザレ道で足場が不安定な区間があるが、慎重に歩けば問題ない。
感想・記録
北海道で残っていた日本百名山4座を登る遠征5日目、最後の一座となった旭岳への登頂を果たした。
火山礫のザレた道が山頂まで延々と続くものの、曇天で直射日光がないため快適に歩けた。荒涼とした十勝岳と花畑豊かなトムラウシ山の特徴を合わせたような山容で、北海道遠征の締めくくりに相応しい山行となった。日本一早いと言われる紅葉シーズンにまた訪れてみたいな。
無事に4座すべてを完登できた。最難関と想定していた幌尻岳のために予備日を2日分確保していたおかげで、観光も十分に楽しめる充実した遠征となった。
かかった費用と装備
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 十勝岳の記事でまとめています。
今になって思うこと
最後の北海道遠征。幌尻岳という日本百名山最大の難関が待ち構えていたため、出発前はかなりの緊張感があった。しかし、幌尻岳への登頂を果たした後は気が抜けてしまい、JAFのお世話になるという失態を演じてしまった。
ただ、それらも今となっては良い思い出の一部だ。ゆとりあるスケジュールのおかげで観光も十二分に楽しめ、最後の北海道遠征を心から満喫することができた。旭岳も期待通りの素晴らしい山で、北海道百名山の締めくくりに相応しい体験だった。