日本百名山全山踏破 53座目 羊蹄山 | 比羅夫コース厳しい天候と暴風の独立峰登山

羊蹄山山頂 日本百名山
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羊蹄山に向かうまで

北海道遠征最終日の百名山、”蝦夷富士”への挑戦

昨日は阿寒岳から鉄道とレンタカーという長距離移動を経て、羊蹄山の比羅夫コース(倶知安コース)登山口のある半月湖野営場にたどり着いた。本州からの遠征旅行もいよいよ最終日を迎える。

半月湖野営場のテントサイトは駐車場とシームレスで繋がっている構造で実に便利そうだった。こうした野営場が無料で提供されているのは本当に羨ましい限りだ。

実際に登ってみた

日程: 2018年9月4日(火)[日帰り] 天候: 曇り

アクセス

半月湖野営場前の駐車場より。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
05:0615.1km2,030m2,028m

コースタイム

ルート: 半月湖野営場-(比羅夫コース)-羊蹄山-(比羅夫コース)-半月湖野営場

山行タイムライン
  • 05:19
    半月湖野営場
    半月湖野営場
    半月湖野営場

    駐車場から徒歩0分でテント設営可能な好立地。トイレと水場も完備されているが、下山時にはトイレの扉が風で開くのを防ぐため針金で固定されていた(取り外せば利用可能)。

    比羅夫コース登山口
    比羅夫コース登山口

    上の写真の奥へ行くと登山口。

    羊蹄山(えぞ富士)倶知安登山コース案内図
    羊蹄山(えぞ富士)倶知安登山コース案内図

    比羅夫(ひらふ)コースは倶知安(くっちゃん)コースとも呼称される。

    未明の雨で泥濘んだ比羅夫コース登山道
    泥気味の登山道

    未明の雨で道は泥気味のところもあった。

     羊蹄山比羅夫コース序盤の花
     羊蹄山比羅夫コース序盤の花
  • 05:39
    風穴
     羊蹄山比羅夫コース序盤の花
     羊蹄山比羅夫コース序盤の花
     羊蹄山比羅夫コース序盤の花
  • 05:54
    比羅夫コース2合目
    羊蹄山比羅夫コース2合目
    二合目
  • 06:05
    比羅夫コース3合目
  • 06:14
    比羅夫コース4合目
    4合目付近のジグザグ登山道

    4合目あたりから傾斜が本格化し、ジグザグと何度も折り返しながら高度を稼ぐ登山道となる。

  • 06:29
    比羅夫コース5合目
    羊蹄山比羅夫コース5合目
    五合目
  • 06:44
    比羅夫コース6合目
     6合目付近で空が開けてきた登山道

    空が開けてきたものの、ガスで真っ白な状況。この時点で嫌な予感が脳裏をかすめる。

  • 07:03
    比羅夫コース7合目
  • 07:22
    比羅夫コース8合目
    羊蹄山比羅夫コース8合目
    八合目

    羅臼岳での教訓を踏まえ、既にレインウェア上下を装着済み。次第に風が強烈になり、飛散する雨粒が容赦なく襲いかかってくる。

  • 07:33
    比羅夫コース9合目
    羊蹄山比羅夫コース9合目
    九合目

    樹林帯を抜けて、あとは火口縁(お鉢)に出るだけの地点。

    羊蹄山比羅夫コース9合目の花
    羊蹄山比羅夫コース9合目の花
    周りはガスで真っ白
    周りはガスで真っ白

    すでに前方の視界が完全に失われるほどの濃密なガスと吹き下ろす強風により、景色どころか山頂まで到達できるかすら危ぶまれる状況になってきた。

  • 07:46
    旧小屋跡分岐
  • 07:50
    火口中央道分岐
    濃いガスに覆われた火口縁付近
    お鉢巡り

    お鉢に上がると、今までとは次元の異なる暴風で、体を30度ほど傾けなければ姿勢を保てない。ここから時計回りにお鉢を半周して頂上を目指す。

  • 08:04
    京極コース下山口
    羊蹄山火口縁のお鉢巡り登山道

    途中に岩場も現れるが難易度は低い。岩陰で風が多少遮られるため、むしろありがたいほど。

  • 08:09
    真狩岳
    羊蹄山真狩岳の三角点
    三角点

    山頂の少し手前にある三角点。

    ガスに霞む羊蹄山最高点への道
    山頂

    あれが山頂だろうか。

  • 08:21
    羊蹄山
    羊蹄山山頂
    羊蹄山山頂

    当初予定していたお鉢一周は、もはやそんな悠長なことをしている余裕など皆無で、そのままピストンで下山することに決断した。

  • 08:27
    真狩岳

  • 08:30
    京極コース下山口

  • 08:39
    火口中央道分岐

  • 08:43
    旧小屋跡分岐

  • 08:48
    比羅夫コース9合目
  • 08:54
    比羅夫コース8合目
  • 09:02
    比羅夫コース7合目
  • 09:15
    比羅夫コース6合目
    雲海の下に下界が見えてきた
    下界が見えてきた

    雲海の下まで降りると外界がはっきりと視認できた。下山中にすれ違った登山者には「早めにレインウェア着用を推奨しますよ」と助言するおじさんと化した。

  • 09:27
    比羅夫コース5合目
  • 09:39
    比羅夫コース4合目
    4合目付近の樹林帯
  • 09:48
    比羅夫コース3合目
    3合目付近の穏やかな樹林帯
  • 09:57
    比羅夫コース2合目
  • 10:01
    風穴
  • 10:24
    半月湖野営場
下山後に北側道路から見上げた羊蹄山
羊蹄山

下山完了後に羊蹄山の北側道路から撮影。羊蹄山の山頂を覆う雲は流れが急速で、まさしく先ほど体感したとおりの激流だった。

羊蹄山から札幌への帰路は小樽経由でドライブ

昨日は札幌から羊蹄山へ、最短距離となる定山渓経由ルートで移動した。帰路は、せっかくの機会なので小樽を経由して札幌に向かうルートを選択した。

道の駅あかいがわ名物のお米のジェラート
お米のジェラート

途中にあった道の駅あかいがわに立ち寄る。名物のお米ジェラートで体力回復。お米の粒がほんのり残る食感が印象的で美味。

毛無山展望所からの小樽市街
毛無山展望所からの小樽市街

小樽市街に下りる毛無峠の途中、毛無山展望所から小樽市街地を一望。

毛無山展望所からの小樽市街
毛無山展望所からの小樽市街

水曜どうでしょうの聖地「平岸高台公園」への巡礼

平岸高台公園
平岸高台公園

本格的な観光をする時間的余裕もないため、気軽に立ち寄れる念願の場所として「平岸高台公園」を訪問した。

平岸高台公園は「水曜どうでしょう」の聖地として全国的に有名。HTB本社がこの秋に完全移転するため、HTBの社屋と一緒に撮影できるのは最後になるという情報もあった。

  • 平岸高台公園
  • 平岸高台公園
  • 平岸高台公園
  • HTB社屋
  • 平岸高台公園
  • 平岸高台公園
  • 平岸高台公園とHTB社屋

新千歳空港で北海道観光成分を一気に摂取

松尾ジンギスカン新千歳空港店
松尾ジンギスカン

今回の北海道遠征は終始、移動と登山に追われ、ろくな観光も北海道グルメも味わっていない。しかし問題ない。新千歳空港内だけで十分に北海道を満喫できるのである。

ということで、ジンギスカンとアイスクリームを堪能し、残り少ない北海道滞在時間を存分に楽しんだ。

松尾ジンギスカン
松尾ジンギスカン
きのとや 極上牛乳ソフト
きのとや 極上牛乳ソフト
新千歳空港
新千歳空港

このとき、極めて強力な台風21号が日本列島に接近。関西地方上陸後、日本海へ抜けて北海道へ向かう進路だった。そのため空港では関西便の欠航が相次ぎ、北海道ローカルニュースの生中継なども行われていた。

自分の搭乗するバニラエア便は問題なく成田に着陸した。しかし、その日の東京の鉄道網は混乱しており、自宅に到着できたのは24時を過ぎてからだった。

下山後の感想

コース状況・危険箇所等

未明の降雨により泥濘あり、3合目くらいまでは傾斜も緩やかでハイキングコースのような道だが、ヤブ蚊なども多いため気になる方は虫除けスプレーがあると良い。そこから9合目を過ぎた火口縁に出る地点まではジグザグと多少ガレた道をひたすら登り続け、代わり映えしないため単調に思える。

火口縁に出ると、火口側から吹き下ろす暴風で体が持っていかれる状況になる。羊蹄山頂上への周回中も風との格闘で、お鉢巡りする心の余裕など残されていなかった。

感想・記録

北海道遠征最終日。前日に北見から札幌まで鉄路で移動し、そこからレンタカーで半月湖野営場へ。夜から未明にかけて雨が断続的に降っていたため翌日の天候が心配だったが、朝にはすっかり晴れていた。

独立峰の宿命で登りっぱなしというのは覚悟していたが、9合目までの代わり映えしない樹林帯の中のジグザグ登山道は正直辟易した。天候さえ良ければ、途中で景色が楽しめただろうな。

火口縁まで登ると暴風との格闘戦となったが、お鉢を周回する道自体は十分な幅があるため、それほど恐怖感はない。しかし、お鉢巡りする余裕はなく、そのままピストンで下山した。

下界に降りた後は小樽方面経由で札幌に戻り、多少の観光をした後に新千歳空港から東京へ帰った。台風と入れ違いになったが、東京はまだ風が強かった。

北海道では台風の被害、そして地震と災害が続いており、とても心配だが、また訪れることで少しでも貢献できればと思う。

かかった費用と装備

費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 斜里岳の記事でまとめています。

今になって思うこと

北海道から帰ってきた翌日の9月5日、北海道は台風で被害を受けて千歳線が運行停止となっていた。そして翌9月6日、最大震度7の北海道胆振東部地震が発生し、北海道全域に甚大な被害をもたらした。新千歳空港もターミナルビルで天井が落下するなどの被害で、店舗の再開が1ヶ月ほどできなくなるという深刻な事態になってしまった。

今回の遠征では天候の悪い登山が続いて、あまりツイていないなと感じていた。だが、無事に何事もなく帰還できたことに感謝すべきだと、この連続する天災に気付かされた。

天候に恵まれなかった登山ではあったが、北海道の雄大な自然の中で独立峰である羊蹄山の持つ厳しさと美しさを体感できた。”蝦夷富士”の異名通り、堂々とした山容は下山後の眺望でも十分に感じ取れた。


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