奥武蔵の名峰・ウノタワは、初心者でも楽しめる雪山登山の入門コース。あおいとひなたが名栗の民宿から、チェーンスパイクを装着して雪山デビューを果たした、冬の楽しさを教えてくれるエピソードの舞台です。
基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
山名 | ウノタワ(ウの田、鵜の田) |
標高 | 1,070m |
所在地 | 埼玉県秩父市・飯能市 |
難易度 | ★★☆☆☆(初級者向け・冬季は要装備) |
推奨シーズン | 通年(冬季は雪山装備必要) |
コースタイム | 登り2時間 / 下り1時間30分 |
登山スタイル | 日帰り・雪山入門 |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【六十九合目】《雪山》ウノタワ
- メンバー: あおい、ひなた
- アクセス: 名栗の民宿→横倉林道起点→ウノタワ登山口
- コース: ウノタワ登山口→ウノタワ(1,070m)
あらすじ
【六十九合目 “ウノタワ”へ行こう!】あおいは母に誘われ、ご近所さんと一緒にピザを焼くためひなたを連れて名栗の民宿へ。民宿のオーナーからチェーンスパイク(簡易アイゼン)を借りて、2人で雪山ハイキングへ出発。ウノタワで持参したピザを食べる。
ルート地図
ヤマノススメ単行本10巻に収録されています
聖地巡礼のポイント
- 名栗の民宿: 西山荘笑美亭(せいざんそうわらびてい)がモデル。木組みの伝統工法で建てられた一軒家
- 横倉林道: 車でアクセス可能な登山口だが、2025年時点で車は通行止め
- ウノタワ: 山の中にぽっかりと広がったスペース。紅葉時期は見事な景色
登山・アクセス情報
アクセス方法
ウノタワは奥武蔵の主稜線上にあり、複数のルートから登れます。
電車・バスでのアクセス 西武秩父線西吾野駅または飯能駅から国際興業バス「名郷」行きで終点下車。名郷から白岩登山口まで徒歩約30分。冬季はバスの本数が少ないため、時刻表要確認。
マイカーでのアクセス 飯能市街から県道53号線で名栗方面へ。名郷の先、白岩登山口付近に駐車スペース(約10台)。冬季は路面凍結注意、チェーン携行推奨。横倉林道は一般車通行止め。
おすすめコース
ウノタワへの登山ルートは、季節によって選択が変わります。横倉林道が通行止めなので、鳥首峠経由がメジャーです。
名郷からの標準コース 名郷(8:00)→白岩登山口(8:30)→鳥首峠(9:30)→前坂(9:50)→ウノタワ(10:30)休憩30分→往路下山→名郷(12:30)
大持山・小持山縦走コース(健脚向け) 名郷→ウノタワ→大持山(1,294m)→小持山(1,273m)→シラジクボ→武甲山→橋立 奥武蔵主稜線を縦走する本格ルート。全行程約7時間。
装備と準備
季節によって必要装備が大きく変わります。
冬季装備(12月~3月)
- チェーンスパイクまたは軽アイゼン(必須)
- トレッキングポール(バランス保持)
- 防寒着(ダウンジャケット等)
- 手袋(防水・保温性のあるもの)
- ニット帽(耳まで覆えるもの)
- サングラス(雪目防止)
- 保温ボトル(温かい飲み物)
通常装備(無雪期)
- 登山靴
- ザック(20-30L)
- 雨具
- 飲み物(1.5L以上)
- 昼食・行動食
- 地図・コンパス
雪山入門の魅力
雪山入門とチェーンスパイク
雪山に初めて挑戦する方にとって、チェーンスパイクは最適な装備です。靴に被せるだけで簡単に装着でき、軽量でコンパクトながら、凍結した林道や低山の雪道で十分なグリップ力を発揮します。また、本格的なアイゼンよりも安価なため、手軽に雪山歩きを楽しめます。ただし、岩場ではチェーンが破損する可能性があるため外し、急斜面ではより安全なアイゼンを使用しましょう。定期的に装着状態を確認することも大切です。
冬のウノタワの魅力
冬のウノタワは、雪景色が織りなす幻想的な美しさに包まれます。樹氷が作り出す神秘的な風景や、雪に覆われた静寂な森は、冬にしか味わえない特別な空間です。晴れた日には、青空と白い雪のコントラストがとても美しく、雪の上に残された動物の足跡をたどるのも楽しみの一つです。雪の上でのランチタイムや、温かい飲み物を味わうなど、冬ならではの特別な時間を過ごせます。
実際の巡礼記録
日程: 2017年4月15日[日帰り]
コースタイム: 名郷 08:10→08:41 白岩登山口 08:42→09:20 鳥首峠 09:30→10:04 ウノタワ 10:12→10:30 横倉山→10:40 大持山の肩→10:50 大持山 11:11→11:41 小持山→12:06 シラジクボ→12:39 シラジクボとの分岐 12:44→12:50 武甲山 13:25→13:28 シラジクボとの分岐→13:50 長者屋敷の頭→14:34 橋立林道終点→15:09 札所28番 橋立堂/橋立鍾乳洞 15:34→15:42 浦山口駅
巡礼レポート
前々日から風邪をひいてしまい、体調は万全ではありませんでしたが、天気が良さそうだったので、予定していた「ウノタワ」と「武甲山」を巡る欲張りルートを強行することにしました。
東飯能駅からバスで名栗バス停へ

東飯能駅前(西口)のバス停で待っていると、定刻通り湯の沢行きのヤマノススメラッピングバスが到着。乗客はほとんどが登山客で、満席でした。多くの登山客が降りるさわらびの湯バス停まで一時間近く立ちっぱなしになるので、飯能駅から乗るほうが良いかもしれません。

目的地の名栗バス停で降りると、そこには「なぐりづえ(名栗杖)」や、登山届ポスト、トイレが完備されていました。


名郷からは、しばらく舗装された道を歩きます。ちょうど満開だった飯能市浄水場の桜がとてもきれいでした。


舗装路が尽きると、JFEミネラル(株)の採掘場跡地へと続くハイキング道に入ります。昔使われていたモノレールや廃墟が残っており、興味をそそられました。



採掘場跡地を登っていくと、鳥首峠手前の急登に差し掛かります。それを乗り越え、鳥首峠に到着したときの達成感は格別でした。ここからは稜線を進み、目的地であるウノタワを目指します。

ウノタワに到着

不自然に樹木がない空間が広がるウノタワに到着。特別なピークではないのに、この場所に惹かれるのはなぜでしょう。歩いていると、地面のフワフワした苔の感触がとても気持ちよかったです。

この日はポカポカ陽気でしたが、雪がある時には全く違う景色が広がるはずです。いつか冬に、また来てみたいと思います。


この後は、大持山と小持山を経由して武甲山へと向かいました。
GPS ルート地図
周辺情報・関連記事
奥武蔵縦走路
武甲山 ウノタワから縦走可能。石灰岩採掘の独特な山容。
大持山・小持山 奥武蔵主稜線の主要ピーク。
伊豆ヶ岳 鎖場が連続する、変化に富んだコース。
雪山入門コース
北横岳 ロープウェイ利用で楽々アクセス。本格雪山入門。
入笠山 ゴンドラ利用。スノーシューハイキングも人気。
名栗エリア
名栗温泉さわらびの湯
名栗温泉さわらびの湯は、登山後の疲労回復に最適な日帰り温泉施設です。営業時間は10:00から18:00まで。
名栗湖(有間ダム)
名栗湖(有間ダム)は、美しい自然に囲まれた人造湖です。湖ではカヌーやカヤックを体験でき、湖畔ではサイクリングも楽しめます。特に11月頃は、湖面に映る紅葉が美しい名所として知られています。釣りも楽しめるので、さまざまなアクティビティを満喫できます。
よくある質問
Q: チェーンスパイクはどこで借りられますか?
A: 原作のように民宿で借りられる場合もありますが、事前確認が必要です。登山用品店でレンタルしているところもあります。購入する場合は3,000円程度から。初めての雪山なら、まずはレンタルで試してみるのがおすすめです。
Q: 雪山初心者でも登れますか?
A: ウノタワは雪山入門に適した山です。ただし、冬山の基本装備(防寒着、チェーンスパイク等)は必須。天候判断も重要で、悪天候時は無理せず撤退する勇気も必要です。初回は経験者と同行することをおすすめします。
Q: 名郷へのバスは本数が少ない?
A: 1時間に1本程度と本数は限られています。特に冬季は減便されることも。必ず事前に時刻表を確認し、余裕を持った計画を立てましょう。マイカーの方が便利ですが、冬季は路面凍結に注意。
Q: 縦走する場合の注意点は?
A: ウノタワから武甲山への縦走は、全行程7時間以上の健脚向けコース。エスケープルートが限られるため、体力に自信がない場合は無理せずウノタワで引き返しましょう。水と食料は多めに持参を。