台湾環島サイクリング Day 4:嘉義→台南|北回帰線を越え、八田與一の偉業に触れる

烏山頭ダムほとりの八田與一像 自転車
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忙しい人向けまとめ

  • 嘉義から台南まで87.7km走破:北回帰線を越えて熱帯の世界に突入、今日も32度の灼熱との戦い
  • 烏山頭ダムへ寄り道:日本人技師・八田與一が建設したダムと記念館を訪問、台湾で最も尊敬される日本人の偉業に触れる
  • 台南グルメと猫推しの宿:手書き看板の映画館「全美戯院」、安平の猫だらけの宿「Stars Walk」、サバヒー粥で台南の味を知る

Day 4 実走レポート

環島4日目。昨日までの3日間で331kmを走破した。今日から行程に余裕が出てくるはず——そう期待して、目を覚ました。

この日のルート

嘉義の朝、両親への現地レポート(07:00)

KM Hostelで快適な夜を過ごした。ドミトリーなのにベッド周りが広く、ぐっすり眠れる。

フロントなしの宿も2日目になると慣れたもので、チェックアウトも鍵を置いて出るだけ。シンプル。

KM Hostelの共有ルーム
KM Hostelの共有ルーム
KM Hostelの玄関
KM Hostelの玄関

フロントに置いていた自転車に荷物を取り付け、水筒とペットボトルに水を補給して出発。

空を見上げると青空だが、少しくすんでいる。嘉義を始めとする内陸部の都市は、どうも空気が良くない印象を受ける。

出発前に嘉義駅に寄った。

嘉義駅の外観
嘉義駅の外観

目的は観光ではなく、両親への現地情報の伝達。

数ヶ月前に台湾一周計画を父親に伝えたら、なぜか両親も台湾旅行をすることになった。2週間後に台北で落ち合う予定で、それまでに両親は阿里山に行く計画を立てている。阿里山への中継地となるのがこの嘉義駅なので、現地の雰囲気を写真付きで報告したかった。

まぁ、結局伝えたのは「雞肉飯が美味かった」と写真で送っただけなのだが。

朝の嘉義市街地を抜け、1号線に合流する。今日の朝ごはんはコンビニおにぎりとコーヒー。

コンビニのおにぎりとコーヒー
コンビニのおにぎりとコーヒー

台湾のコンビニおにぎりは日本と同じ三角形のパッケージで、キムチ&ツナや韓国風甘辛チキンなど、日本にはないラインアップ。味は悪くないが、正直なところ日本のおにぎりの方が口に合う。値段も日本より少し高い。

北回帰線:ここから先は熱帯(07:55)

単調な1号線を漕いでいると、珍しく自転車でツーリングしている夫婦としばらく並走した。

サイクリング夫婦と1号線を並走
サイクリング夫婦と1号線を並走

それにしても、台湾でツーリングしている人は完璧なサイクリングウェアを着こなしていて、自転車やアクセサリーもちゃんとしている。僕のように適当なTシャツと短パンで自転車に乗っている人は見かけない。ちょっと恥ずかしくなる。

その夫婦と走っていると、道路に架かる赤いアーチが見えてきた。

北回帰線。

北回帰線は北緯23度26分に位置する緯線で、夏至の日に太陽が真上を通る地球上で最も北の地点である。この線から南が熱帯気候に分類される。地理の教科書で覚えた線が、目の前にある。

嘉義北回帰線記念碑
嘉義北回帰線記念碑

反対車線に「嘉義北回帰線標誌公園」があったので立ち寄った。

北回太陽館の宇宙船のような外観
北回太陽館の宇宙船のような外観

公園の中央には宇宙船のような外観の「北回太陽館」がそびえ立っていた。天文科学教育施設らしいが、朝早いので開館前。外から眺めるだけにした。SF映画のセットのような佇まいが、北回帰線という天文学的な場所にふさわしい。

いよいよ北回帰線を南に越える。

ここから先は熱帯。気候上の区分に過ぎないので、線を引いたように気候が変わるわけではないのだが、一段と暑くなったように感じてしまう。今日も気温との戦いになりそうだ。

果てしなく続く1号線(08:30〜)

北回帰線から先も、変わり映えのしない1号線が南へ延びている。

果てしなく真っ直ぐな1号線
果てしなく真っ直ぐな1号線

果てしなく真っ直ぐな道路がこれほどまでに辛いとは。新しい景色が目に入らないと疲れだけが蓄積していく。今まで長距離を走り切れたのは、未知の風景が次々と現れ、アドレナリンが出ていて覚醒していたおかげなのだろう。

1号線に沿って臺鐵の線路が敷かれていて、時折電車が走るのを羨ましげに眺める。いいなぁ、電車は速くて。いつか臺鐵で台湾一周もしてみたいものだ。

コンビニの棒アイス
コンビニの棒アイス

今日も暑くなった体を冷やすためにアイスを摂取。コンビニで棒アイスを買い、イートインで涼みながら食べる。この旅はコンビニのアイスで命を繋いでいるようなものだ。

烏山頭ダムへ寄り道:八田與一の偉業に触れる(10:30)

今日の行程は昨日や一昨日と違い、距離が短く時間に余裕がある。このまま台南まで1号線を走り続けるのは気力が保てないので、途中にある烏山頭ダムに寄ることにした。

環島ルートの1号線を外れて東へ進路を変える。

烏山頭ダムに近づくと、畑や果樹園が増えてきた。用水沿いには自転車道が整備されていて、こんな長閑な場所まで自転車道があるのかと感心する。

烏山頭ダムへ向かう用水沿いの自転車道
烏山頭ダムへ向かう用水沿いの自転車道

烏山頭ダムは、日本人土木技師・八田與一が設計・建設を指揮し、1930年に完成した灌漑用ダムである。完成当時はアジア最大規模のダムで、このダムと嘉南大圳(かなんたいしゅう)と呼ばれる灌漑水路ネットワークにより、不毛だった嘉南平野を台湾最大の穀倉地帯に変えた。

八田與一は台湾の教科書にも載っており、台湾で最も尊敬されている日本人の一人である。

烏山頭親水公園の入口
烏山頭親水公園の入口

その烏山頭ダムがある烏山頭水庫風景区は広大な有料公園になっていて、高速道路の料金所のようなチケットブースでチケットを購入する。100NTD(約500円)。普通は車で来園するようで、自転車で来た僕は少し場違いな感じがした。

チケットを受け取る際に八田與一の記念館がある場所を聞くと、「突き当たりを右」とジェスチャーで教えてくれた。

八田技師記念室の外観
八田技師記念室の外観

ダムへ向かう途中に八田與一記念室があった。意外とこじんまりとした建物だが、中に入ると八田與一の生い立ちから功績、ダムの建設方法まで、知りたい情報が分かりやすくまとまっていた。

八田與一記念室のパンフレット
八田與一記念室のパンフレット

日本語でのビデオ上映もあるとのことで、勧められるままに視聴する。炎天下でひたすら自転車を漕いでここまで来た身としては、クーラーが効いた室内が快適すぎてずっとここにいたい。高校生の団体客や、日本からのツアー客もいた。久しぶりに日本語を耳にして、少しホッとする。

八田技師記念室の外観
八田技師記念室の外観

記念館からすぐ歩いた先にダムの旧放水口がある。

烏山頭ダム旧放水口
烏山頭ダム旧放水口

ここは八田與一の妻・外代樹が、終戦後に身を投げた場所でもある。1942年にフィリピンへの輸送船で夫を亡くした外代樹は、戦後の混乱の中、このダムの放水口に身を投じた。

一度涼しいところで休んだ体は動きたくないと訴えているが、せっかくなので烏山頭ダムの堰堤まで行ってみることにした。

烏山頭水庫風景区は本当に広い。自転車でも巡るのは一苦労で、だからみんな車で来ているのだろう。

烏山頭ダムの堰堤
烏山頭ダムの堰堤
烏山頭ダム湖畔の風景
烏山頭ダム湖畔の風景

ダムの堰堤に登り、ダム湖を眺めた。烏山頭ダムは「セミ・ハイドロリック・フィル工法」という、土を水力で締め固める方法で建設されたアースダムである。普段からダム巡りをそこそこしているのだが、コンクリートダムのような迫力はなく、巨大なため池のような印象。でも、それがかえってこのダムの凄さを物語っている。100年近く前に、この広大な人工の湖を作ったのだから。

炎天下の中のダム充はこれくらいでいいだろう。

堰堤まで登ったのでダラダラと汗が出る。昨日は十分に寝たはずなのに、パワーがまったく出ない。堰堤から下りて、ビジターセンター手前のベンチで横になった。

天気予報アプリで気温32度を表示
天気予報アプリで気温32度を表示

天気予報アプリを見ると、今日は32度。昨日の31度を上回っている。連日の30度超えで体にダメージが蓄積しているのだろう。

八田與一像に手を合わせる(12:30)

日陰で横になるだけで体力が回復するのは、やはり熱中症の初期症状なのだと思う。

台湾式の甘い緑茶
台湾式の甘い緑茶

自販機で台湾式の緑茶を購入。台湾の緑茶は甘い。日本の無糖緑茶に慣れた体には新鮮な驚きだが、今は糖分が欲しいのでありがたい。

回復したので、今度は八田與一の銅像があるエリアへ移動した。園内が広すぎて、自転車移動でも一苦労である。

烏山頭ダムほとりの八田與一像
烏山頭ダムほとりの八田與一像

烏山頭ダムのほとりに座っている八田與一の銅像。正装ではなく、作業服を着てあぐらをかき、考え事をしている姿で造られている。豪華な立像ではなく、現場で指揮を執る一人の技術者としての姿。現地に赴いて指導する八田與一のその姿はかっこいい。リーダーたるもの、こうありたい。

八田與一と妻・外代樹の墓
八田與一と妻・外代樹の墓

銅像の近くには八田與一と妻・外代樹の墓もある。日本人観光客の方もいて、熱心に手を合わせていた。日本人の誇りだと感じる。

烏山頭水庫風景区を後にし、環島ルートへ戻る。

台南への道:ダート道トラップと養魚池の風景(14:00)

烏山頭ダムから環島一号線に向かう途中、道沿いにトラックの屋台が出ていた。「菱角」という見慣れない食材を売っている。牛の角のように尖った特徴的な形の「菱の実」で、味は栗に似ているらしい。買ってチャレンジすればよかったと後悔した。旅先では迷ったら何でも試すべきだな。

コンビニのスポドリ「舒跑」と親子丼
コンビニのスポドリ「舒跑」と親子丼

コンビニで遅めの昼食。台湾ブランドのスポドリ「舒跑」と親子丼を流し込む。昨日と同じで、休みながらも着実に進んでいく。

道中、食肉処理センターが目に留まった。聞けば、台南は屠畜場が近いため、鮮度抜群の牛肉が手に入るのだという。その新鮮な肉を使った「牛肉湯」が台南の名物。食べたい。

順調に台南に近づくが、突然訪れる災難。ルート上の道が道路工事で閉鎖されていた。迂回すればよかったものを、なんとかなるだろうとGoogleマップの最短ルートに従ったのが不幸の始まり。

高速道路脇のダート道
高速道路脇のダート道

高速道路脇の非舗装の道路という、とんでもない場所に連れてこられた。自転車のパンクが心配になるほど石がゴロゴロしているし、この先に道が続いているかも怪しい。恐る恐る進む。

頭の中はパニックになり、取り残されたような孤独を感じること数十分。

なんとか悪路を抜けると、途端に台南らしい景色が広がった。

台南の養魚池と水車
台南の養魚池と水車

台南の沿岸部には養魚池が点在している。水車がゆっくりと回る養魚池の風景はのどかで、ダート道の緊張感から解放されて癒やされた。

台南市街地へ向かう水路沿いの自転車道
台南市街地へ向かう水路沿いの自転車道

その後、台南市街地まで続く水路脇の自転車道に合流。これでもう迷うことはない。水路が下流になるにつれて周囲がどんどん都市部になっていき、工場地帯を抜け、住宅地に入り、街の変遷が面白かった。

全美戯院:手書き看板が残る映画館(15:50)

完全に台南市街地に入った。

目指すは「全美戯院」。台南市中西区にある1950年開業の映画館で、現在も職人が手描きする映画看板を掲示し続けていることで知られている。現代において、この手描き看板は貴重な文化遺産である。

台南の全美戯院と手書き映画看板
台南の全美戯院と手書き映画看板
台南の全美戯院と手書き映画看板
台南の全美戯院と手書き映画看板

映画館の駐車場でも手書きの看板が目に飛び込んできた。迫力がある。日本では失われてしまった風景が、ここにはまだ残っている。

この看板を描いているのは、看板師の顔振発(イェン・ヂェンファ)さん。 彼の半生を追ったドキュメンタリー映画『顔さんの仕事』(今関あきよし監督)はアマプラで見ることができる。

『青春18×2 君へと続く道』のロケ地案内
『青春18×2 君へと続く道』のロケ地案内

全美戯院は映画『青春18×2 君へと続く道』(2024年公開)のロケ地にもなっているようで、ポスターが掲示されていた。まだ見ていなかったが、見てから来ればよかったと少し後悔。帰国後の楽しみにしよう。

全美戯院を堪能した後、台南の代表的な観光スポットである赤崁樓の前を通った。

赤崁樓近く
赤崁樓近く
赤崁樓前の贔屓(石碑を背負う亀の彫刻)
赤崁樓前の贔屓(石碑を背負う亀の彫刻)

赤崁樓は1653年にオランダ東インド会社が建設した「プロヴィンティア城」を前身とする史跡で、台湾の歴史を象徴する場所の一つ。外から覗き見ると、亀のような姿の「贔屓(びし)」と呼ばれる伝説上の生物が石碑を背負って並んでいた。清朝時代に作られたものらしい。

今回は外から眺めるだけにして、安平へ向かう。

Stars Walk:猫推しの安平の宿(16:20)

安平は台南市街地から西に5kmほど離れた海に近い場所にある。オランダ統治時代の1624年に建設された安平古堡(旧ゼーランディア城)を中心に発展した、台湾最古の街である。

安平までの安平路は川沿いの広い道で、途中に牛肉湯の有名店もあったが、今日は営業していない様子。残念。

なんとか安平に着き、まずは宿にチェックイン。今日の宿は「星星慢步走(Stars Walk)」というドミトリータイプの宿である。

猫推しの宿Stars Walk外観
猫推しの宿Stars Walk外観

予約時点で、猫推しのかわいいイラストや猫と触れ合えるという情報にテンションが上がっていたのだが、実際に店舗の前に来てみると「カワイイ」に圧倒された。ポップすぎる。本当にここに泊まるのか?

予約後にLINEでやり取りする無人運営タイプの宿で、入口のオートロック番号を教えてもらったのだが、その番号を何度入力してもドアが開いてくれない。

LINEで問い合わせたら、どうやら相手側の設定ミスだったらしい。謝る猫のスタンプとともにお詫びの文章が届いた。かわいい。許せた。

Stars WalkとのLINEやり取り
Stars WalkとのLINEやり取り

荷物を置いて、安平古堡に向かった。

安平古堡はオランダ東インド会社が1624年に建設した要塞「ゼーランディア城」を前身とする台湾最古の城砦。オランダ、鄭成功、清朝、日本と、支配者が変遷してきた台湾の歴史を象徴する場所——なのだが、もう入場時間が終わるとのことで、外から眺めるだけにした。

安平古堡
安平古堡
安平古堡近くの街並み
安平古堡近くの街並み

仕方なく、観光に使う予定だった時間をつぶすため、近くのかき氷屋に入った。

安平のかき氷
安平のかき氷
スイカかき氷
スイカかき氷

スイカのかき氷、100NTD(約500円)。山盛りのスイカと、ふわふわの氷。熱中症の後遺症が残る体に染み渡る。

電飾が灯るStars Walk
電飾が灯るStars Walk

宿に戻ると、暗くなった路地に宿のポップな電飾がより映える。いいなぁ、この全力感。

そして、ドアの手前で待っている看板猫。もちろん一緒に戯れた。猫好きにはたまらない。

  • Stars Walkの看板猫
  • Stars Walkの看板猫
  • Stars Walkの看板猫
  • Stars Walkの看板猫
  • Stars Walkのフロント
  • Stars Walkのフロント
  • Stars Walkのフロント
  • Stars Walkのフロント

フロントにはネコグッズも置いてあるが、シールやキーホルダーなどのオリジナルのキャラクターグッズも無人販売している。

(実は旅が終わった後、LINEに「オリジナルグッズ通信販売」のお知らせメッセージがときどき来てる。買うことはないが、どんなオリジナルグッズを展開したんだろうと気なって、未だにブロックできないでいる。)

Stars Walkのバックパッカールーム
Stars Walkのバックパッカールーム

バックパッカールームはこんな感じ。いたって標準。宿泊者情報を送信してなかったので、LINEで送信。

そして、シャワーを浴びる。トイレと一体型のシャワールームは狭くて、建物の古さが少し気になった。ここだけは数少ないマイナスポイントかな。

サバヒー粥と台風接近の報せ(19:00)

台南安平の夕景
台南安平の夕景

夜ご飯は歩いて「謝掌櫃虱目魚海鮮粥」へ。台南名物のサバヒー粥を食べに来た。

謝掌櫃虱目魚海鮮粥の外観
謝掌櫃虱目魚海鮮粥の外観

サバヒー(虱目魚)はミルクフィッシュとも呼ばれる白身魚で、台湾南部、特に台南での養殖が盛ん。朝食から食べる文化があるほど、台南のソウルフードとして愛されている。どんな味なのか期待して注文したのは、3種盛りの海鮮粥。140NTD(約700円)。

サバヒー粥3種盛り
サバヒー粥3種盛り

一口食べて、意外な味に驚いた。想像していた「魚の味」とは違い、鶏むね肉に近い淡白な食感。もっと旨味が強いのかと思っていたが、意外とあっさりしている。期待を超えたとは言い切れないものの、未知の味を体験できたことには満足。

台湾のルートビア「黒松沙士」
台湾のルートビア「黒松沙士」

宿に戻って、コンビニで買った「黒松沙士(ヘイソンサースー)」を飲む。サルサパリラという薬草の根から抽出されたエキスをベースにした飲み物で、シナモンやハーブのような独特の香りと深い味わい。台湾のルートビアとでもいうべきか。好き嫌いが分かれそうだが、個人的にはクセになる味だった。

ベッドに横になりながら明日の計画を確認していたら、天気予報に目が留まった。

台風が来る。

この時期に台風なんて信じられない。台湾の台風シーズンは通常7月〜10月で、11月の台風は珍しい。しかし、珍しいとはいえゼロではなく、数年に1回程度は11月に台風が接近することがあるらしい。

このままいくと、台風が直撃する11日〜12日に走行予定のルートとぶつかってしまう。どうしよう。

楽しかった台南の夜が、一気に不安な色に変わった。

コラム:台湾の気候

今日、北回帰線を越えた。嘉義県を通る北緯23度26分の線から南は、気候区分上「熱帯」になる。11月なのに連日30度を超えているのは、そういうことだ。

台湾の気候について、サイクリストの視点からまとめておきたい。

亜熱帯と熱帯:北回帰線が境界

台湾は南北に約400km。北部(台北・新北)は亜熱帯気候、南部(台南・高雄)は熱帯気候に分類される。

地域気候区分冬の最低気温夏の最高気温
台北(北部)亜熱帯12〜15°C33〜36°C
台中(中部)亜熱帯14〜17°C32〜35°C
台南(南部)熱帯16〜19°C33〜36°C
高雄(南部)熱帯17〜20°C33〜36°C
花蓮(東部)亜熱帯15〜18°C31〜34°C

北部と南部で冬の気温に大きな差があるのが特徴。夏はどこも暑い。

月別の気候:いつ行くべきか

時期気温天候サイクリング適性
1〜2月12〜20°C北部は雨が多い△(北部は寒い・雨)
3〜4月18〜28°C春の好天が多い◎(ベストシーズン)
5〜6月25〜33°C梅雨(5月中旬〜6月中旬)△(梅雨で雨が多い)
7〜9月28〜36°C台風シーズン×(暑すぎる+台風)
10〜11月22〜32°C秋晴れが多い○(南部はまだ暑い)
12月15〜25°C比較的安定◎(ベストシーズン)

ベストシーズンは3〜4月と12月。涼しく天候が安定しており、快適に走れる。

僕が走った11月上旬は「秋晴れで涼しいだろう」と期待していたが、南部では連日30度超え。12月に来るべきだった、と何度も思った。

台風シーズンと11月の台風

台湾の台風シーズンは7月〜10月。この時期は大型の台風が直撃することがあり、サイクリングはもちろん、交通機関も停止する「台風休み(颱風假)」が発令されることも。

11月の台風は統計的に珍しいが、ゼロではない。過去の記録では数年に1回程度、11月に台湾に影響を与える台風があるようだ。

今回の旅で遭遇しかけた台風も、まさにこの「珍しいケース」だった。環島の計画を立てる際は、台風情報のチェックを怠らないこと(自戒)。

湿度:想像以上に高い

台湾は年間を通じて湿度が高い。特に南部では80%を超える日も珍しくない。

体感温度は気温以上に高くなり、サイクリング中は大量の汗をかく。水分と塩分の補給は日本以上にこまめにする必要がある。

今回の旅では1日に2〜3リットルの水分を消費していた。コンビニが至る所にある台湾では補給に困らないが、山間部では注意が必要。

サイクリストへの気候アドバイス

  • 日焼け対策は必須:南部の日差しは強烈。長袖のサイクリングウェアか、日焼け止めを塗り直す
  • こまめな水分補給:30分に1回は水を飲む。コンビニでスポドリを買い足す
  • 暑さ対策グッズ:冷却タオルやネッククーラーがあると楽になる
  • 午後の雷雨に注意:夏場は午後にスコールが来ることがある。雨具は常備
  • 台風情報をチェック:7〜10月は毎日天気予報を確認。ルート変更の柔軟性を持つ
  • 12月がおすすめ:南部でも25度前後で快適、台風の心配もない

Day 4 まとめ

走行データ

この日の走行距離は87.7km(計画では98km)。烏山頭ダムへの寄り道を含む距離で、計画より短くなった。

移動時間は5時間32分、経過時間は9時間28分。烏山頭ダムでの観光に約2時間を費やしたため、経過時間が長くなっている。

獲得標高は228.3m、平均速度は15.8km/h。ダムへの寄り道で丘陵地を走ったため標高が増え、観光ストップも多くスピードは控えめ。

詳細なデータはStravaで確認できる。

費用まとめ(Day 4)

この日の出費は合計で1,185NTD(約5,925円)。

内訳は以下の通り:

  • コンビニ(朝食・飲料・補給食など複数回):304NTD(約1,520円)
  • 自販機(台湾式緑茶):20NTD(約100円)
  • 烏山頭水庫風景区 入園料:100NTD(約500円)
  • かき氷(安平古堡近く):100NTD(約500円)
  • 夕食(謝掌櫃虱目魚海鮮粥):140NTD(約700円)
  • 宿泊(Stars Walk ドミトリー):521NTD(約2,605円)

合計:約5,925円

1NTD(ニュー台湾ドル)は約5円で計算している。

4日目の感想と教訓

良かった点

  • 烏山頭ダムと八田與一記念室の見学。台湾の歴史を深く知ることができた
  • 全美戯院の手書き看板は一見の価値あり
  • Stars Walkの猫に癒やされた
  • 北回帰線を自転車で越えるという体験

反省点

  • Googleマップの最短ルートを盲信してダート道に突入。迂回ルートを選ぶべきだった
  • 安平古堡は入場時間に間に合わず。もう少し早く到着すべきだった
  • 『青春18×2 君へと続く道』を事前に見ておくべきだった

体調面

連日の30度超えで体にダメージが蓄積している。烏山頭ダムでもベンチで横になるなど、熱中症の初期症状が続いている。横になると回復するのが救いだが、水分と休憩をもっとこまめに取るべき。

次回予告

Day 5は台南観光の続きと、台南から高雄へ。

しかし、それどころではないかもしれない。台風が近づいている。

11日〜12日に走行予定のルートに台風が直撃する可能性が出てきた。ルートを変更するか、どこかで停滞するか。環島サイクリストにとって最大の敵は、坂でも暑さでもなく、台風かもしれない。

次回、「Day 5:台南→高雄」に続く。

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