群馬県桐生市の吾妻山(あづまやま・481m)は、低山ながら男坂の岩場や山頂からの大展望で地元に愛される里山です。原作27巻では、ほのかが単独で訪れたエピソードの舞台になりました。ラフな格好の地元の方々が実は最適な登山装備だったり、低山なのに三点確保が必要な急斜面があったりと、里山の奥深さを発見する一話です。
下山後は「西の西陣、東の桐生」と称された織物の街の歴史的街並みも楽しめ、桐生市は押見修造『惡の華』の舞台でもあります。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 山名 | 吾妻山(あづまやま) |
| 標高 | 481m |
| 所在地 | 群馬県桐生市 |
| 難易度 | ★★☆☆☆(初級者向け・男坂は岩場あり) |
| 推奨シーズン | 通年(冬季は積雪注意) |
| コースタイム | 吾妻公園発の往復で約1時間30分/歩行距離約3.5km |
| 登山スタイル | 日帰りハイキング |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【二百五十三〜二百五十五合目】桐生市 吾妻山
- メンバー: ほのか(単独)
- アクセス: JR両毛線・桐生駅→おりひめバス→岡公園西バス停
- コース: 岡公園西バス停→旧尾関家住宅→吾妻公園→吾妻山(481m)→《下山》
あらすじ
【二百五十三合目 誰だっけ?】 ほのかはイオンモール高崎で同じクラスの星野つむぎと出会うも「ごめん誰だっけ」と覚えていない。その後、兄にそのことを話すと、つむぎに勧められた吾妻山に行ってみたらとアシストされる。
【二百五十四合目 己の道以外の道】 吾妻公園から吾妻山の登山。ほのかは写真を撮影しながら管理が行き届いている里山に登る。ラフな格好で地元の人ばかりが登っている中で自分だけが写真撮影している姿に、他の人とは違う自分を意識する。
【二百五十五合目 逆に】 ラフな格好だと思っていた地元の人が吾妻山に最適な登山姿であったり、低山と思っていたのに三点確保する急斜面があったり。頂上の見事な景観に、人気の山になる理由がわかったほのかだった。
ヤマノススメ単行本27巻に収録されています
ルート地図
聖地巡礼のポイント
- 旧尾関家住宅: ほのかが写真を撮っていた歴史的建築
- 吾妻公園の蓮池: ほのかが渡っていた橋がある蓮池
- 男坂の岩場: 原作で描かれた三点確保が必要な急斜面(第一男坂・第二男坂)
- 吾妻山山頂: 桐生市街地を一望できる大展望。ほのかが感動したポイント
アクセス・登山情報
アクセス方法
電車
JR両毛線・桐生駅、または東武桐生線・新桐生駅が最寄り。桐生駅から吾妻公園まで徒歩約20分。
バス
桐生駅から「おりひめバス」(予約制乗合タクシー)で岡公園西バス停まで。1日5便で事前予約が必要です。
レンタサイクル
桐生駅、新桐生駅(売店「Think桐生」)、西桐生駅等で電動アシスト自転車を観光客向けに無料で貸し出しています。街歩きも兼ねるなら便利です(参考: http://kiryu-walker.net/rentalbike/ )。
車
吾妻公園に約50台の無料駐車場あり、トイレも完備されています。
おすすめコース
【原作ルート】吾妻公園から吾妻山ピストン(往復約1時間30分)
吾妻公園駐車場→哲学の小径→蓮池→第一男坂(または女坂)→第二男坂(または女坂)→吾妻山山頂→同ルート下山。距離約3.5km、累積標高差約350m。男坂は岩場の急登、女坂はゆるやかな登りで、好みに応じて選べます。
装備と準備
トレッキングシューズ、飲み物、行動食、レインウェアが基本装備です。男坂を選ぶ場合は手袋(三点確保用)もあると安心。冬季は積雪対策や防寒装備を用意してください。
男坂と女坂の選択
第一男坂・第二男坂ともに女坂との分岐があり、好きな方を選べます。特に第二男坂には「急登攀」の警告表示があり、幅広の岩場で三点確保が必要です。下りの分岐部分には看板が少ないので、下山ルートを事前に決めておくとスムーズです。
吾妻山の魅力
低山でも本格的な岩場
標高481mの低山と侮っていると、男坂の岩場で驚かされます。第二男坂は「急登攀」と警告されるほどの急斜面で、鎖も設置されています。岩場の幅が広く登り方の選択肢が多いため、岩登りの楽しさを短時間で味わえるコースです。
桐生市街地を一望する山頂展望
山頂は広々とした広場で、南側が完全に開けて崖になっています。桐生市街地が一望でき、座って眺められるベンチも多数。原作でほのかが「人気の山になる理由がわかった」と感じた、低山とは思えない大展望です。
地元に愛される里山
登山道は整備が行き届いていて、地元の方々が日常的に歩く山という印象です。階段は整備されていますが登る人が多いせいか抉れた箇所も目立ち、里山としての生活感があります。
哲学の小径
吾妻公園から登山道に続く「哲学の小径」は、名言が書かれた立て札が点在する林間の散歩道。ほのかが渡っていた蓮池の橋もこの付近にあります。そのまま歩いていると登山コースから外れる場合があるので、分岐に注意してください。
巡礼レポート
日程: 2025年12月21日[日帰り]
コースタイム: 吾妻公園 10:01 → 10:06 水道山公園分岐 10:10 → 10:18 トンビ岩 10:19 → 10:38 吾妻山 10:57 → 11:11 トンビ岩 → 11:18 水道山公園分岐 11:19 → 11:24 吾妻公園
ルート地図
新桐生駅から吾妻公園へ


新桐生駅までは東武線の旅。群馬の桐生線まで乗り継いだのは久々。新桐生駅売店「Think桐生」で電動アシスト自転車を無料で借りて、吾妻公園の駐車場まで移動します。

「Think桐生」で借りる場合、売店の営業を一時止めないといけないので、少々申し訳ない気持ちになりました。


原作でほのかが降り立った桐生駅の駅前に立ち寄ります。

西桐生駅は、昭和初期の雰囲気漂う駅舎(国の登録有形文化財・関東の駅百選)。

ほのかが要予約のおりひめバスを利用したかは不明ですが、原作にあったバス停が写っているカット。


ほのかが撮影していた「旧尾関家住宅」。傍目に見ればボロボロの家屋で、自分だったら見逃しちゃうけど、ほのかには琴線に触れるものがあったんだろうな。

吾妻公園の駐車場に自転車を置いて、ここから徒歩に切り替え登山開始。
哲学の小径と蓮池

哲学の小径 案内図。登山口の手前に蓮池があります。

ヤマノススメ原作で、ほのかが渡っていた蓮池に架かる橋。


哲学の小径ということで、名言が書かれた立て札が所々に立っています。哲学……?

哲学の小径をそのまま歩いていたら登山コースから外れてしまい、尾根に直登するルートでコースに復帰。


男坂の岩場登り

男坂と女坂の分岐。第一ってことは第二もあるってことか。

迷わず野性味あふれる男坂へ。多少急斜面なだけだろうと侮っていましたが、岩場では手を使う場面があり鎖もありました。

また選択肢が現れた。

階段などはよく整備されていますが、それ以上に登る人が多いのか抉れた箇所が目立ちます。



第二男坂・女坂の選択。今回は”急登攀”とまで書いてあります。

警告通り急斜面の岩場。岩場の幅が広く、登り方の選択肢がたくさんあるのでこういう登りは好き。


急登を終えて尾根に出る。あとは山頂までフラットな道。

吾妻山山頂

吾妻山の山頂広場。かなり広め。

南側が完全に開けており崖となっているので、桐生市街地を一望できます。


山頂から望む桐生市街地。

座りながら絶景を望めるベンチが沢山あるし、登りがいのある山です。

吾妻山から先へと縦走コースが続いているようです。

下山

来た道を下山。


下りは女坂にしようかと思っていたけど、下りはじめの分岐部分に看板がないので、結局男坂を下っていました。

登山口に戻ってきました。
桐生の街歩き
下山後、桐生市の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)を散策しました。「西の西陣、東の桐生」と称された織物の街で、歴史的な街並みが残っています。








重伝建地区の一角にあるまちなか交流館で、館長さんからお話を伺いました。
修復方針は、「すべてを古めかしく復元する」のではなく、新しい部材を使った箇所をあえて分かりやすく残しているとのこと。何がオリジナルで、何が修復されたものかが分かることで、建物の歴史がより伝わるという考え方です。
「素材や気密性は当時のままなので、冬は隙間風がすごくて、過ごすには厳しいんですよ」という苦労話も聞けました。
桐生祇園屋台の復活
建物の維持管理は、所有者の高齢化や過疎化もあって厳しいそうです。ただ、館長さんが桐生祇園屋台の復活について語る姿は印象的でした。建物を守りながら、祭りという文化も再び盛り上げようとしているとのこと。実際に動く祇園屋台を見てみたくなりました。






その後は、酒・醤油の醸造蔵として知られる有鄰館(旧矢野蔵群)へ。重厚なレンガ造りや漆喰の蔵が並んでいます。現在はイベントスペースとしても活用されています。
惡の華 聖地巡礼
桐生市は漫画『惡の華』(押見修造・著)の舞台でもあるので、ついでに聖地巡礼もしてきました。2026年春にドラマ化が決定しており、最近も街のあちこちでロケが行われていたそうです。
記憶に残るあのシーンを探して
作品に登場した場所を巡りました。










雷電神社、桐生西宮神社、本町五丁目交差点、本町通り、錦町十字路交差点、昭和橋、渡良瀬川の河川敷をぐるっと巡ってきました。

本町通りで思わず足を止めたが、この歩行者専用信号がカワイイ。
よくある質問
Q: 初心者でも登れますか?
A: 標高差約350m、往復1時間半程度のコースなので初心者でも問題なく登れます。ただし男坂は三点確保が必要な岩場があるため、不安な方は女坂を選ぶと安心です。
Q: 男坂と女坂どちらがおすすめ?
A: 岩場登りを楽しみたい方は男坂、ゆっくり安全に登りたい方は女坂がおすすめです。男坂は原作でほのかが登ったルートに近い体験ができ、第一・第二の両方で選択できるので「行きは男坂、帰りは女坂」という組み合わせも可能です。
Q: 桐生駅と新桐生駅どちらが便利ですか?
A: JR両毛線なら桐生駅、東武桐生線なら新桐生駅が最寄りです。どちらの駅でも電動アシスト自転車が無料で借りられるので、自転車で吾妻公園まで移動したり、下山後の街歩きにも便利です。
Q: 下山後に楽しめるスポットは?
A: 桐生市の重要伝統的建造物群保存地区の散策がおすすめ。有鄰館や西桐生駅などの歴史的建築を巡れます。『惡の華』の聖地巡礼と合わせて回ると効率的です。


