安達太良山に向かうまで
2020年10月5日 あだたら高原スキー場から安達太良山に登る
東北遠征3日間の最終日を迎えた。朝日岳、吾妻山と順調に歩くことができ、充実した山行を重ねてきた。最後を飾るのは福島県を代表する名峰、安達太良山。高村光太郎の詩で有名な「ほんとの空」が広がる山として、長らく憧れを抱いていた山だった。
道の駅つちゆで車中泊を終え、あだたら高原スキー場に向かう道すがら、東北の山々への感謝の気持ちが込み上げてくる。これで東北地方の日本百名山は完結となる。しかし、期待とは裏腹に空模様は芳しくない。雨こそ降っていないものの、厚い雲が空を覆い、光太郎が讃えた「ほんとの空」とは程遠い状況だった。
実際に登ってみた
日程: 2020年10月5日(月) 日帰り 天候: 曇り
アクセス
あだたら高原スキー場に駐車。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
03:14 | 10.2km | 762m | 762m |
コースタイム
ルート: 奥岳登山口-五葉松平-薬師岳-安達太良山-くろがね小屋-奥岳登山口
- 05:41
- 06:24
- 06:31
- 06:52
- 07:20
- 07:38
- 07:55
- 08:00
- 08:11勢至平分岐
- 08:22
- 08:55
安達太良山麓にある岳温泉に入浴

下山後は岳温泉街へ。まず目に飛び込んできたのは「独立国家ニコニコ共和国」の看板。この建物は国会議事堂。

岳の湯で冷え切った体を温める。先客のおじさんたちが「今日はぬるいなぁ、先週は47度あったのになぁ」と恐ろしいことを話していた。ぬるくて良かった、本当に。
現在の福島県浪江町のダッシュ村を見学
今回の遠征で最後の山かつ東北地方の日本百名山で最後の山である安達太良山に登り終えたので、あとは仙台に戻るのみ。
まだ帰りのバスには時間に余裕があったため、太平洋沿いに仙台まで北上するドライブを計画。途中、浪江町のDASH村に立ち寄ることにした。震災後に常磐線(初期は代行バス)で幾度も通ってはいるが、復興具合を近くから確認したかった。

浪江町市街地の手前にあるDASH村の入口。この先は帰宅困難地域のため封鎖されている。震災から9年が経過しても続く現実を目の当たりにし、複雑な気持ちになった。
日本一低い山(3.0m)日和山に登る

のんびりとドライブしながら仙台市内へ。まだ時間があるようなので、今回の遠征で本当に最後の山として日和山に登ることにした。日和山は標高3.0mの日本一低い山として有名。
「クマ出没注意」「落石注意」といった警告看板が並ぶ中、数々の困難を乗り越えて日和山の山頂到達を果たした。


周辺にはメッセージが数多く書かれており、地域住民に愛され続けている山だということが伝わってくる。
SS30 展望フロアから仙台の夜景

新宿行きの夜行バスが23時35分発のため、時間調整でSS30ビルの展望フロアに上がった。仙台市街の夜景が美しく広がり、充実した東北遠征の締めくくりにふさわしい光景だった。
さらば仙台。
下山後の感想
東北遠征3日目の最終日。1日目、2日目とも予定通りの山行ができたので、余裕をもたせていた3日目はノンビリと登ろうとしていた。が、昼前くらいから雨予報。なので、雨が降る前に登らなきゃと、ノンビリどころではなくなった。
朝早くから登ってみたものの残念ながら天候に恵まれず、「ほんとの空」を見ることはできなかった。しかし、強風に煽られながらも無事に登頂を果たせた達成感は大きい。
かかった費用と装備
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 蔵王山の記事でまとめています。
今になって思うこと
百名山完走後に振り返ると、安達太良山は天候に恵まれなかった心残りの山の一つ。高村光太郎が愛した「ほんとの空」を見ることができず、晴天時の再訪を強く願っている。
東北の百名山は地理的にバランスよく配置されており、遠征計画を立てやすいのが魅力。岩手、山形、福島それぞれに特色ある山が揃い、どの山も個性的で印象深い。特に安達太良山は詩の舞台としても有名で、文学好きにはたまらない山だろう。