燧ヶ岳、至仏山に向かうまで
2019年12月 スポーツクラブでのボルダリング挑戦
2019年シーズンは北陸遠征で白山と荒島岳を登り、充実した山行で幕を閉じた。
冬期間は登山を控えるため時間に余裕ができ、以前から興味を持っていたボルダリングに挑戦すべく、3ヶ月間のスポーツクラブ会員となった。

登山経験があればボルダリングで有利だろうと思っていたが、実際は全く逆だった。ボルダリングでは下半身の筋力はほとんど必要なく、腕力と体幹、そしてバランス感覚とパズル的思考力が要求される。
当然、最初は全く歯が立たず、緩傾斜の初心者向けコースでも大苦戦を強いられた。
週3回のペースでジムに通ったが、たった1時間登っただけで腕が完全に動かなくなるほど消耗する。10級の初心者課題からコツコツとクリアを重ね、4級のバルジ課題(張り出した部分への飛び移り)に2週間ほど苦戦したが、何とか完登できた段階で3ヶ月のタイムリミットを迎えた。
3級の壁は、ボルダリングウォール以上に高く立ちはだかっていた。自分には向いていないことを痛感したが、ボルダリングの奥深さと面白さを知ることができたので、体験してみて正解だった。
2019年12月30日 現存12天守制覇の最終目標・備中松山城

岡山県の山間にそびえる備中松山城。備中高梁駅から徒歩でアプローチした。
この訪問により、現存12天守をすべて制覇することができた。難易度の面では、やはり備中松山城が最も困難だった。
2020年4月11日 緊急事態宣言下での杉並区一周ウォーキング
2020年シーズンに日本百名山の全座制覇を達成できるかもしれないと意気込んでいた矢先、新型コロナウイルスが世界的に流行した。
4月には緊急事態宣言が発令され、外出自粛が要請されたため、もはや登山どころではない状況となった。会社もリモートワークとなり、1ヶ月近く自宅に籠もっていたため、体力維持を目的として住んでいる東京都杉並区の区境を徒歩で一周してみることにした。
これが面白ければ他の区の区境も歩いてシリーズ化しようと考えていたが、全然面白くなかったのが現実だった。
2020年8月29日 南高尾での体力回復トレーニング
今年の登山は春からの体力づくりが全くできていないため、断念しようかと思っていた。しかし、これまで登山できなかった反動を抑えきれず、来週の尾瀬行きを計画してしまった。
いきなりハードな遠征登山に挑むのも不安だったので、近場の南高尾でトレーニング登山を実施した。
2020年9月5日 燧ヶ岳・至仏山の2座へテント泊縦走するため尾瀬へ
前日の9月4日、バスタ新宿から出発する尾瀬 大清水行きのバスへと乗車。
大清水へは朝4時前に到着したのだが、まだ日が出る前であたりは真っ暗。軽く食事をしてから、久しぶりの縦走登山へと向かった。
実際に登ってみた
日程: 2020年9月5日(土) ~ 2020年9月6日(日) [1泊2日] 天候: くもり時々雨(登山中はくもり)
アクセス
【往路】
高速バス 尾瀬号 バスタ新宿 22:00→3:50 大清水
【復路】
路線バス 鳩待峠 9:35→10:10 尾瀬戸倉
路線バス 尾瀬戸倉 10:25→11:51 沼田駅
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
12:52 | 30.8km | 2,176m | 1,777m |
コースタイム
1日目
ルート: 大清水-三平峠-(長英新道)-俎嵓-燧ヶ岳-(見晴新道)-見晴キャンプ場[泊]
- 04:13
- 04:55
- 05:15
- 05:24
- 05:52
- 06:04
- 06:24
- 06:28燧分岐
- 06:36
- 08:18
- 08:51
- 09:17
- 10:24
- 11:57見晴新道分岐
- 12:06桧枝岐小屋
- 12:12
- 12:15桧枝岐小屋
燧小屋 マスクを着用して、燧小屋でテント場の受付を済ませた。
見晴周辺での夕方の散策
テントを設営した後、尾瀬ヶ原を歩いてみることにした。しかし、雲行きが怪しい。



完全に降ってきた……この後も降ったり止んだりの繰り返し。そして就寝。

2日目
ルート: 見晴キャンプ場-山ノ鼻-至仏山-小至仏山-鳩待峠
- 04:08
- 04:28竜宮十字路
- 04:38
- 04:49牛首分岐
- 04:55
- 05:18
- 07:03高天ヶ原
- 07:21
- 07:55
- 08:10オヤマ沢田代
- 08:23原見岩
- 08:56
鳩待峠から2つのバスを乗り継いで沼田駅へ

鳩待峠から尾瀬戸倉行きのバス、尾瀬戸倉から沼田駅行きのバスと2つのバスを乗り継いで沼田駅に到着した。そこから新前橋駅まで電車で移動し、予約していたレンタカー店で車を手に入れた。

まずは、イオンモール高崎のコメダで糖分を摂取して体力回復を図った。
駅メモのヤマノススメコラボイベントの対象スポットを巡る


伊香保温泉 石段の湯で入浴。いいお湯でした。


あー、ドレスに着替えてプリンセス体験したかったのに残念だなー。営業終了なら仕方ないか、残念だなー(棒


あの大量の蛾が飛び回っていた土合駅に、オシャレなカフェができていた。
2020年9月7日 暴風雨の中での平標山挑戦
ヤマノススメの原作で登場した平標山、仙ノ倉山に挑んだが、ものすごい風雨に心が折れて途中で断念した。
前橋でレンタカーを返却し、新前橋駅から電車で自宅に帰った。
下山後の感想
コース状況・危険箇所等
【大清水~長蔵小屋】 一ノ瀬休憩所辺りまでは林道歩きで、暗くても問題なかった。そこからキツめの登りとなり、三平峠辺りはなだらかな木道(朽ちている所あり)となる。
【長英新道】 上から流れてくる水の通り道かつ階段に水が溜まりやすいため、全体的にぬかるんでいる。
【見晴新道】 長英新道よりもぬかるんでいる上、笹などの葉っぱ、木の根が多く滑りやすい。ルートも変更があったようで、ヤマレコアプリからルート逸脱警告があった。
【尾瀬ヶ原木道】 真っ暗でも歩ける。
【山ノ鼻~至仏山】 蛇紋岩が滑りやすいと聞いていたが、登りに関しては問題にならなかった。よく整備された登山道。
【至仏山~鳩待峠】 稜線では岩稜が続き、滑るので注意が必要。そこそこの斜度の木道もあり、濡れていたので慎重に進んだ。
登山当日の率直な感想
シルバーウィークに雲ノ平周回の予定を立てたが、今シーズン初のテント泊で行くのは何かと心配だったので、予行演習のために未登だった燧ヶ岳と至仏山をテント泊装備で登ることにした。
大型台風が来ているし、天候がさえないことは重々承知で、むしろトレーニングになるとポジティブにとらえていたが、山行中に雨に降られることもなく燧ヶ岳からの展望もあって意外だった。
今シーズンは先週に南高尾を歩いたくらいで体力も心配だったが、そんなに体力も落ちていないと思った。少しシャリバテ気味になったり、食事時間の短縮など、次回の山行に活かしたい点もあった。
鳩待峠から沼田駅に向かった後は、ヤマノススメの聖地巡りや伊香保温泉で休養し、次の日は平標山へ登った。
かかった費用と装備
遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。
交通費用
- 高速バス: 新宿→大清水 4,200円
- 路線バス: 鳩待峠→尾瀬戸倉→沼田駅 3,100円
- レンタカー: 24時間 3,960円
- ガソリン: 1,251円
- 電車: 2,742円
交通費合計: 15,253円
宿泊費用
- テント場: 800円
宿泊費合計: 800円
装備費用
- トレッキングソックス: 1,980円
装備費合計: 1,980円
食費・その他
- 風呂: 410円
- 朝昼晩: 3日分 5,000円
- 行動食: 3日 900円
食費合計: 6,310円
総費用
合計: 24,343円
今になって思うこと
コロナ禍の登山はどうしたらいいのか、誰もが体験したことのない登山への対応に右往左往していた時期だった。登山中にマスクをするべきか、すれ違い時の挨拶はしないほうがいいのかなど、気になる点もあった。
しかし、実際に山へ行くと、登山している人たちは他人の気持ちを配慮できる人が多いので、何も問題なく快適な登山ができたのは本当に良かった。
まだコロナ禍が収束していない状況だが、登山ができるということに改めて感謝したい。
燧ヶ岳と至仏山の組み合わせは、尾瀬の魅力を存分に味わえる素晴らしいコースだった。特に燧ヶ岳からの尾瀬ヶ原の眺めは圧巻で、テント泊での縦走だからこそ体験できる贅沢な時間だった。