雲取山に向かうまで
東京都最高峰への憧れ
前回の両神山から1ヶ月。いよいよ、雲取山に挑戦する時がきた。雲取山は日本百名山というよりも、東京都で一番高い山として、いつかは登らないといけないと前々から思っていた山だ。
何より今回は初めてのソロ山小屋泊。これまでの日帰り登山とは全く違う体験になりそうで、ワクワクしながらも少し緊張してた。
5月14日 雲取山への足慣らし〜丹沢山と鍋割山

5月14日、雲取山に登るトレーニングとして丹沢へ。大倉から大倉尾根(通称バカ尾根)をひたすら登って足腰を鍛える山行を実施した。塔ノ岳から丹沢山へのピストンで、蛭ヶ岳まで行っても良かったかもしれないが、それは後の楽しみに残しておくことにした。
塔ノ岳に戻った後は、鍋割山を経由して下山。大倉まで戻る林道の途中で出会ったおじさんと、これまで登った山について歩きながら雑談したのが印象的だった。そこで語ってもらった北アルプスへの憧れが一層強くなった。いつか行ってみたいな。
山小屋泊デビューの計画
雲取山は鴨沢からのピストンなら日帰りも可能かもしれない。でも今回はヤマノススメの聖地巡礼も兼ねて三峯神社からの縦走がしたかったのと、山小屋泊を体験してみたいという思いもあって、雲取山直下にある雲取山山荘に泊まることにした。
雲取山荘の予約は両神山に登る前から電話で入れていた。予約後もホームページで予約状況を何度も確認してたんだけど、GW直後には予約終了の告知が出ていたので、早めに予約して正解だった。
初ソロ山小屋泊とは言え、食事も水も手に入る小屋泊なので、装備は普段とほぼ変わらないパッキングで済んだ。
ヤマノススメでは、雲取山縦走と妙法ヶ岳に登る回で登場
実際に登ってみた
日程: 2017年05月20日(土) ~ 2017年05月21日(日) [1泊2日] 天候: 晴れ
アクセス
西武秩父駅から三峯神社行きの8:30発のバスに予定通り乗れたが、増発されて2台のバスが発車しても積み残しが出るほどの登山客の多さでびっくりした。
三峯神社までは75分と長時間なので、バス車内では座席に座りたいところ。8:15着の特急ちちぶ3号からバスに向かう人が多いと思うので、西武秩父駅では改札に近い2〜3号車の指定席を取って改札にダッシュするのが良いかもしれない。西武の特急券はサイトから購入してチケットレスで乗車できるので便利だ。

下山後の帰りは、奥多摩の鴨沢から奥多摩駅へのバスを利用した。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
08:03 | 24.2km | 1,993m | 2,530m |
コースタイム
1日目
西武秩父駅から三峯神社の駐車場まで10分ほどの遅れで到着。駐車場から三峯神社への道には赤色やピンク色のツツジが咲き盛っていた。



登山する前に、三峯神社に寄ってお参り。鳥居の前にいる三峯神社の守護神は、両神山の両神神社と同じくニホンオオカミ。
参道を歩くと家族連れからご老人まで結構な人出で賑わってる。パワースポット巡りだろうか、若い女性も多い。自分と同じようにザックを背負って、登山の安全を祈願する方もちらほらと。





ルート: 三峯神社-妙法ヶ岳-霧藻ヶ峰-雲取山荘[泊]
- 10:25
- 10:36
- 10:59妙法ヶ岳
- 11:04
- 11:17妙法ヶ岳
- 12:02
- 12:29お清平
- 12:51
- 13:08
- 13:24
- 13:47
- 14:30大ダワ
- 14:53
今年が雲取山(2017m)の標高年(2017年)ということで記念ピンバッジを頂いた。雲取山荘の廊下には雲取山の山頂に標高年記念碑を建てた時のレポートなどもあって、標高年フィーバーが伺える。
新緑が映えて暑くなる前の季節。先週末とは違った天気の良さと人が集まる条件が重なって賑やかな人出。




雲取山荘内の廊下と外にある水場。就寝時には廊下にもザックやらコタツやらが置かれる。

夕食は人数が多いため3回転。ハンバーグ、ポテトサラダ、冷奴、山菜の和え物と味噌汁。ご飯はおかわり自由。


割り振られた部屋は大部屋で、就寝時には敷布団を半分に折りたたんだスペースが一人分。富士山の山小屋も経験あるので、スペース的には問題ないと思ったが、消灯し寝てみると人の熱気で部屋がいつまでも暑いってのが敗因。まったく寝られなかった…

2日目

朝食は4時半から開始で並んだ順。3時半ごろから食堂の開店を待ちわびる行列ができており、正気じゃないなって思った。特に出発を急いでるわけでもなかったので、部屋でゴロゴロして5時頃に食堂に。塩鮭、生卵、味のり、漬物と味噌汁。ご飯はおかわり・ふりかけ自由。

準備して、2日目の登山スタート。
ルート: 雲取山荘-雲取山-七ツ石山-鴨沢バス停
- 05:28
- 05:45
- 05:55
- 06:08小雲取山
- 06:22
- 06:42
- 06:54
- 07:04斧手石
- 07:09
- 07:14
- 07:19
- 07:45
- 08:35
- 08:39
- 08:54
下山後の感想
ヤマノススメで登場した三峯神社から鴨沢への縦走ルートに、妙法ヶ岳も加えたコースを歩けて大満足だった。雲取山だけなら日帰り縦走もできそうだったが、妙法ヶ岳を加えるとギリギリ間に合わなそうだったので、山小屋泊にして正解だった。
実際のコースタイムを考えると、鴨沢バス停からの最終バスに本当にギリギリで間に合ったようだが、何かハプニングが起きてたら奥多摩で途方に暮れてた可能性もある。山小屋泊の判断は良かったと思う。
先週丹沢山で出会った方が「雲取山はつまらなそうだから登ってない」って話してたけど、実際は「ハードな登り下りや鎖場がなく安全に登れて、植生が様々で魅力的な山」だった。多分、山に求めるものが違うだけなんだろうな。
初めての山小屋泊も貴重な体験になった。また雪の季節にでも登って、違う一面を見てみたい。
かかった費用と装備
今回新たに購入した装備は、帽子などの小物類。
装備費用
- その他装備: 810円
交通費
- 電車: 1,343円 + 918円
- 路線バス: 927円 + 690円
交通費合計: 3,878円
宿泊・食費
- 雲取山荘(1泊2食付): 7,300円
- 朝・昼2食: 1,000円
- 行動食2日分: 600円
宿泊・食費合計: 8,900円
総費用
合計: 13,588円
山小屋の1泊2食付きで7,300円は妥当な値段だと思う。食事も水も心配しなくて良いし、初心者にはありがたいシステムだ。
今になって思うこと
百名山を全山踏破した今振り返ると、この雲取山での山小屋泊経験は本当に貴重だった。登山の幅を大きく広げてくれた転換点の山行だと思う。
山小屋泊のメリットとデメリット
山小屋泊を経験したことで、登りたい山の選択肢が大きく広がった。日帰りの山だけだと限られてしまうが、山小屋泊も可能になるとルートも行動時間も一気に拡大する。その後の北アルプスなどの遠征登山にも繋がった。
ただし、周りに人がいて寝付けなかったり、行動の自由度が制約されるデメリットもある。実際、この時も人の熱気で部屋が暑くて全然寝られなかった。なので、その後はテント泊中心になっていく。
2017年という特別な年
2017年は雲取山の標高年(2017m)で、記念碑も建てられた特別な年だった。そんなタイミングで登れたのは今思うとラッキーだった。次に標高年となる百名山は美ヶ原で、2034年まで17年も先の話だ。
初心者へのアドバイス
雲取山は百名山の中でも比較的安全で登りやすい山だと思う。ハードな登り下りや鎖場もなく、植生も豊かで飽きない。山小屋泊デビューにも適している。ただし、コースタイムはそれなりに長いので、体力づくりは必要だ。