日本百名山全山踏破 12座目 雲取山 | 初の山小屋泊で三峯神社から鴨沢縦走

雲取山山頂の様子 日本百名山
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雲取山に向かうまで

東京都最高峰への憧れ

前回の両神山から1ヶ月。いよいよ、雲取山に挑戦する時がきた。雲取山は日本百名山というよりも、東京都で一番高い山として、いつかは登らないといけないと前々から思っていた山だ。

何より今回は初めてのソロ山小屋泊。これまでの日帰り登山とは全く違う体験になりそうで、ワクワクしながらも少し緊張してた。

5月14日 雲取山への足慣らし〜丹沢山と鍋割山

丹沢山山頂
丹沢山山頂

5月14日、雲取山に登るトレーニングとして丹沢へ。大倉から大倉尾根(通称バカ尾根)をひたすら登って足腰を鍛える山行を実施した。塔ノ岳から丹沢山へのピストンで、蛭ヶ岳まで行っても良かったかもしれないが、それは後の楽しみに残しておくことにした。

塔ノ岳に戻った後は、鍋割山を経由して下山。大倉まで戻る林道の途中で出会ったおじさんと、これまで登った山について歩きながら雑談したのが印象的だった。そこで語ってもらった北アルプスへの憧れが一層強くなった。いつか行ってみたいな。

山小屋泊デビューの計画

雲取山は鴨沢からのピストンなら日帰りも可能かもしれない。でも今回はヤマノススメの聖地巡礼も兼ねて三峯神社からの縦走がしたかったのと、山小屋泊を体験してみたいという思いもあって、雲取山直下にある雲取山山荘に泊まることにした。

雲取山荘の予約は両神山に登る前から電話で入れていた。予約後もホームページで予約状況を何度も確認してたんだけど、GW直後には予約終了の告知が出ていたので、早めに予約して正解だった。

初ソロ山小屋泊とは言え、食事も水も手に入る小屋泊なので、装備は普段とほぼ変わらないパッキングで済んだ。

ヤマノススメでは、雲取山縦走と妙法ヶ岳に登る回で登場

実際に登ってみた

日程: 2017年05月20日(土) ~ 2017年05月21日(日) [1泊2日] 天候: 晴れ

アクセス

西武秩父駅から三峯神社行きの8:30発のバスに予定通り乗れたが、増発されて2台のバスが発車しても積み残しが出るほどの登山客の多さでびっくりした。

三峯神社までは75分と長時間なので、バス車内では座席に座りたいところ。8:15着の特急ちちぶ3号からバスに向かう人が多いと思うので、西武秩父駅では改札に近い2〜3号車の指定席を取って改札にダッシュするのが良いかもしれない。西武の特急券はサイトから購入してチケットレスで乗車できるので便利だ。

西武秩父駅発の三峯神社行きバス
西武秩父駅発の三峯神社行きバス

下山後の帰りは、奥多摩の鴨沢から奥多摩駅へのバスを利用した。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
08:0324.2km1,993m2,530m

コースタイム

1日目

西武秩父駅から三峯神社の駐車場まで10分ほどの遅れで到着。駐車場から三峯神社への道には赤色やピンク色のツツジが咲き盛っていた。

三峯神社のツツジ
三峯神社のツツジ
三峯神社のツツジ
三峯神社のツツジ
三峯神社の鳥居
三峯神社の鳥居

登山する前に、三峯神社に寄ってお参り。鳥居の前にいる三峯神社の守護神は、両神山の両神神社と同じくニホンオオカミ。

参道を歩くと家族連れからご老人まで結構な人出で賑わってる。パワースポット巡りだろうか、若い女性も多い。自分と同じようにザックを背負って、登山の安全を祈願する方もちらほらと。

三峯神社 神門
三峯神社 神門
三峯神社 神門
三峯神社 神門
三峯神社の守護神はニホンオオカミ
守護神はニホンオオカミ
三峯神社本殿
本殿
三峯神社のご神木
ご神木

ルート: 三峯神社-妙法ヶ岳-霧藻ヶ峰-雲取山荘[泊]

山行タイムライン
  • 10:25
    三峯神社バス停
    雲取山登山口
    雲取山登山口

    三峯神社に来た道を戻って、木々に囲まれた雲取山登山口から登山スタート。

    白い鳥居
    白い鳥居

    登山道から少し進んだ白い鳥居から本格的な登山が始まる。こちらに登山届ポストがあり、クマやハチに注意を呼びかける看板も設置されている。

    三峯神社から鴨沢への縦走なので、左から4番目の「雲取から奥多摩、山梨方面へ登山」カウンターを押した。いつも思うけど、いつからのカウントなんだろう?

    登山者数カウンター
    登山者数カウンター
    登山届ポスト
    登山届ポスト
    スズメバチ注意
    スズメバチ注意

    丁寧な蜂の巣注意看板。ここではハチを見かけてないが、霧藻ヶ峰近辺の登山道ではハチをよく見かけた。でも、スズメバチではなくクマバチだったので、問題ないと思う。

  • 10:36
    木の鳥居
    木の鳥居
    木の鳥居

    しばらく登ると、雲取山へ向かう道と妙法ヶ岳(三峯神社奥宮)の分岐にある木の鳥居。妙法ヶ岳へは鳥居をくぐって先へ進む。ここからの道は斜面をトラバースしていくので、雪道の時には慎重に歩いたほうがよさそうだ。

    妙法ヶ岳への登山道
    妙法ヶ岳への登山道
    妙法ヶ岳のピストン入口
    妙法ヶ岳のピストン入口

    また鳥居があり、妙法ヶ岳へピストンする道との分岐。手前には休憩できるスペースもあった。

    妙法ヶ岳手前の鳥居
    妙法ヶ岳手前の鳥居
    崩壊しつつある木橋
    崩壊しつつある木橋

    コース終盤に待ち受ける崩れかけている木橋。板の間隔が開いている所があるので踏み外さないように注意して進む。そして、この先には急な階段と鎖場があり、登りきると三峯神社奥宮に到着。

    崩壊しつつある木橋
    崩壊しつつある木橋
  • 10:59
    妙法ヶ岳
  • 11:04
    三峯神社奥宮
    三峯神社奥宮
    三峯神社奥宮

    三峯神社奥宮は立地のせいなのか、こじんまりとしてる。下の本宮は立派なのにね。

    三峯神社奥宮
    三峯神社奥宮
    三峯神社の守護神はニホンオオカミ
    三峯神社の守護神はニホンオオカミ
  • 11:17
    妙法ヶ岳
    妙法ヶ岳からの眺め
    妙法ヶ岳からの眺め

    三峯神社奥宮からの眺望。

    妙法ヶ岳からの眺め
    妙法ヶ岳からの眺め
    妙法ヶ岳からの眺め
    妙法ヶ岳からの眺め
    鎖場
    鎖場

    下山時の鎖場と急階段。斜度が急なだけなので、鎖を使わなくても大丈夫そう。

    急階段
    急階段
    木橋
    木橋
    妙法ヶ岳から雲取山登山道へ戻る道
    妙法ヶ岳から雲取山登山道へ戻る道

    妙法ヶ岳へのピストンから戻り、雲取山への登山道ルートへ向かう道。妙法ヶ岳に行く人は妙法ヶ岳だけ、雲取山に行く人は雲取山のルートという人が大半なので、こちらの道は誰もおらず、踏み跡も少ないようでした。

    炭焼平
    炭焼平

    雲取山登山道に合流し、炭焼平という所。炭窯跡でこちらは白炭を作っていた炭窯。木炭の中でも黒炭と白炭の違いがあるなんて知らなかった。

    炭窯跡
    炭窯跡
    炭窯跡
    地蔵峠の地蔵
    地蔵峠の地蔵

    地蔵峠は、その名の通りお地蔵様が祀られている。

  • 12:02
    霧藻ヶ峰
    霧藻ヶ峰のレリーフ
    霧藻ヶ峰のレリーフ

    何度かアップダウンを繰り返すと、霧藻ヶ峰のレリーフが見えた。

    霧藻ヶ峰
    霧藻ヶ峰
    霧藻ヶ峰休憩所
    霧藻ヶ峰休憩所

    霧藻ヶ峰休憩所では休憩している人が多かった。自分も昼食をとる。

  • 12:29
    お清平
  • 12:51
    前白岩山の肩
    前白岩山への登山道
    前白岩山への登山道
  • 13:08
    前白岩山
    前白岩山
    前白岩山
    コケ
    コケ

    前白岩山を過ぎたあたりからコケ類、シダ類が目立つ。白岩山が石灰岩質の山なので、植生が変わったようだ。

    苔むした倒木、苔の中から咲いた花など思わず立ち止まって写真に撮りたくなるモチーフが多い。このあたりは、いろんな植生が見られていいですね。

    倒木のコケ
    倒木のコケ
    コケから花
    コケから花
    コケ
    コケ
    白岩小屋手前の眺望
    白岩小屋手前の眺望

    白岩小屋手前の西側に開けた展望場所からのパノラマ。

    白岩小屋手前の西側に開けた展望場所からのパノラマ
    白岩小屋手前の西側に開けた展望場所からのパノラマ
  • 13:24
    白岩小屋
    シカと遭遇
    シカと遭遇

    白岩山への登りでシカと遭遇。まったく警戒心ないようで、カメラ構えても止まっていてくれた。

    こっちにもシカ
    こっちにもシカ
  • 13:47
    白岩山
    白岩山
    白岩山
    芋ノ木ドッケ
    芋ノ木ドッケ

    芋ノ木ドッケ(国土地理院地図では芋木ノドッケとなっている)。地味に東京都で2番目に高い山(1946m)だったりする。

    でも、ピークには行かずに巻道を進んだ。

    芋ノ木ドッケ巻道
    芋ノ木ドッケ巻道
    巻道からの風景
    巻道からの風景
    鹿が横を素通りする
    鹿が横を素通りする

    テントが見えてきて、雲取山荘もそろそろかな。

    コケとカタバミ
    コケとカタバミ
    テント場を通って雲取山荘へ
    テント場を通って雲取山荘へ
  • 14:30
    大ダワ
  • 14:53
    雲取山荘
    雲取山荘
    雲取山荘

    雲取山荘について、早速チェックイン。

今年が雲取山(2017m)の標高年(2017年)ということで記念ピンバッジを頂いた。雲取山荘の廊下には雲取山の山頂に標高年記念碑を建てた時のレポートなどもあって、標高年フィーバーが伺える。

新緑が映えて暑くなる前の季節。先週末とは違った天気の良さと人が集まる条件が重なって賑やかな人出。

朝食券と夕食券
朝食券と夕食券
雲取山標高年記念ピンバッジ
雲取山標高年記念ピンバッジ
雲取山荘の廊下
雲取山荘の廊下
雲取山荘の水場
雲取山荘の水場

雲取山荘内の廊下と外にある水場。就寝時には廊下にもザックやらコタツやらが置かれる。

雲取山荘の夕食
雲取山荘の夕食

夕食は人数が多いため3回転。ハンバーグ、ポテトサラダ、冷奴、山菜の和え物と味噌汁。ご飯はおかわり自由。

皇太子殿下の雲取山登山
皇太子殿下の雲取山登山
小屋内の部屋
小屋内の部屋

割り振られた部屋は大部屋で、就寝時には敷布団を半分に折りたたんだスペースが一人分。富士山の山小屋も経験あるので、スペース的には問題ないと思ったが、消灯し寝てみると人の熱気で部屋がいつまでも暑いってのが敗因。まったく寝られなかった…

就寝時の様子
就寝時の様子

2日目

雲取山荘の朝食
雲取山荘の朝食

朝食は4時半から開始で並んだ順。3時半ごろから食堂の開店を待ちわびる行列ができており、正気じゃないなって思った。特に出発を急いでるわけでもなかったので、部屋でゴロゴロして5時頃に食堂に。塩鮭、生卵、味のり、漬物と味噌汁。ご飯はおかわり・ふりかけ自由。

雲取山荘
雲取山荘

準備して、2日目の登山スタート。

ルート: 雲取山荘-雲取山-七ツ石山-鴨沢バス停

山行タイムライン
  • 05:28
    雲取山荘
    雲取山山頂への登り道
    雲取山山頂への登り道

    雲取山層からは20分くらい登って山頂へ。

    雲取山山頂直前の登り
    雲取山山頂直前の登り
  • 05:45
    雲取山
    雲取山山頂
    雲取山山頂

    雲取山登頂完了!よって三峰山(雲取山、白岩山、妙法ヶ岳)がコンプになって、それにより秩父三山(三峰山、両神山、武甲山)もコンプリート。

    雲取山山頂 三角点
    雲取山山頂 三角点
    雲取山山頂 標高年記念碑
    雲取山山頂 標高年記念碑

    これが標高年の記念碑。次に標高年となる日本百名山は美ヶ原で17年後の2034年だそうだ。

    雲取山からの眺め
    雲取山からの眺め

    頂上からは富士山が薄っすら見える。

    雲取山からのパノラマ
    雲取山からのパノラマ
  • 05:55
    雲取山避難小屋
    雲取山避難小屋
    雲取山避難小屋

    少し下った所にある雲取山避難小屋の方へ。こちら側に山梨県の碑があった。

    雲取山山頂の様子
    雲取山山頂の様子
    雲取山 山梨県の碑
    雲取山 山梨県の碑
    雲取山から下山
    雲取山から下山

    鴨沢方向へと下山。振り返って見た雲取山。

    振り返って見た雲取山
    振り返って見た雲取山
  • 06:08
    小雲取山
  • 06:22
    ヨモギノ頭
    花
    奥多摩小屋のテント場
    奥多摩小屋のテント場

    稜線沿いにあるテント場を通る。ヘリポートのすぐ近くにテントが張ってあるけど、ヘリコプターが着陸したら大惨事になりそうだと心配になった。

    奥多摩小屋のテント場
    奥多摩小屋のテント場
    ヘリポート
    ヘリポート
  • 06:42
    ブナ坂
    七ッ石山への急登
    七ッ石山への急登

    巻道との分岐から七ッ石山へ登っていく。今回の山行で急登というものがなかったけど、ここが唯一かな(短いけど)。

  • 06:54
    七ツ石山
    七ッ石山山頂
    七ッ石山山頂
    七ッ石山からの眺め
    七ッ石山からの眺め
  • 07:04
    斧手石
  • 07:09
    七ッ石小屋上分岐
    七ッ石小屋上分岐
    七ッ石小屋上分岐

    七ッ石山から鴨沢へ向かう場合にはいくつもの分岐があって、進んでいた方向とは逆方向に切り返すような分岐もあるので、地図を見て把握しておいたほうがいい。

    花
  • 07:14
    七ツ石小屋
    七ッ石小屋
    七ッ石小屋
  • 07:19
    七ッ石小屋下分岐
    花
  • 07:45
    堂所
    堂所付近
    堂所付近

    七ッ石山からはずっと下りだったが、徐々に緩やかになっていき、堂所を過ぎると森林の中の道をハイキング気分の水平道。

    苔むした木
    苔むした木
    廃屋
    廃屋

    廃屋など人工物も次第に増えていき、そろそろ登山道も終わりの雰囲気。

  • 08:35
    小袖緑道あがり
    一旦車道に
    一旦車道に

    一旦車道に出て車道を歩き、駐車場の脇に「鴨沢への近道」があるので、そちらを進む
    駐車場には公衆トイレもある。

  • 08:39
    丹波山村村営駐車場
    鴨沢への近道
    鴨沢への近道
  • 08:54
    鴨沢バス停
    鴨沢バス停
    鴨沢バス停

    鴨沢バス停へ到着。
    青梅街道に下りる手前の道路で行き過ぎて、鴨沢より先のバス停に行ってしまったのは内緒だ。

    諸畑橋バス停
    諸畑橋バス停

下山後の感想

ヤマノススメで登場した三峯神社から鴨沢への縦走ルートに、妙法ヶ岳も加えたコースを歩けて大満足だった。雲取山だけなら日帰り縦走もできそうだったが、妙法ヶ岳を加えるとギリギリ間に合わなそうだったので、山小屋泊にして正解だった。

実際のコースタイムを考えると、鴨沢バス停からの最終バスに本当にギリギリで間に合ったようだが、何かハプニングが起きてたら奥多摩で途方に暮れてた可能性もある。山小屋泊の判断は良かったと思う。

先週丹沢山で出会った方が「雲取山はつまらなそうだから登ってない」って話してたけど、実際は「ハードな登り下りや鎖場がなく安全に登れて、植生が様々で魅力的な山」だった。多分、山に求めるものが違うだけなんだろうな。

初めての山小屋泊も貴重な体験になった。また雪の季節にでも登って、違う一面を見てみたい。

かかった費用と装備

今回新たに購入した装備は、帽子などの小物類。

装備費用

  • その他装備: 810円

交通費

  • 電車: 1,343円 + 918円
  • 路線バス: 927円 + 690円

交通費合計: 3,878円

宿泊・食費

  • 雲取山荘(1泊2食付): 7,300円
  • 朝・昼2食: 1,000円
  • 行動食2日分: 600円

宿泊・食費合計: 8,900円

総費用

合計: 13,588円

山小屋の1泊2食付きで7,300円は妥当な値段だと思う。食事も水も心配しなくて良いし、初心者にはありがたいシステムだ。

今になって思うこと

百名山を全山踏破した今振り返ると、この雲取山での山小屋泊経験は本当に貴重だった。登山の幅を大きく広げてくれた転換点の山行だと思う。

山小屋泊のメリットとデメリット

山小屋泊を経験したことで、登りたい山の選択肢が大きく広がった。日帰りの山だけだと限られてしまうが、山小屋泊も可能になるとルートも行動時間も一気に拡大する。その後の北アルプスなどの遠征登山にも繋がった。

ただし、周りに人がいて寝付けなかったり、行動の自由度が制約されるデメリットもある。実際、この時も人の熱気で部屋が暑くて全然寝られなかった。なので、その後はテント泊中心になっていく。

2017年という特別な年

2017年は雲取山の標高年(2017m)で、記念碑も建てられた特別な年だった。そんなタイミングで登れたのは今思うとラッキーだった。次に標高年となる百名山は美ヶ原で、2034年まで17年も先の話だ。

初心者へのアドバイス

雲取山は百名山の中でも比較的安全で登りやすい山だと思う。ハードな登り下りや鎖場もなく、植生も豊かで飽きない。山小屋泊デビューにも適している。ただし、コースタイムはそれなりに長いので、体力づくりは必要だ。


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