日本百名山全山踏破 11座目 両神山 | 春のアカヤシオと初心者向け鎖場体験

両神山山頂 日本百名山
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両神山に向かうまで

日本百名山への本格的な取り組み開始

前回登った赤城山で、意図せず日本百名山の最高峰である黒檜山に登ることができた。ヤマノススメの聖地巡礼として地蔵岳だけ登ればいいと考えていたが、この体験がきっかけで日本百名山を意識するようになった。

前回登った日本百名山の赤城山。ヤマノススメの聖地巡礼として地蔵岳だけ登ればいいと考えていたが、赤城山の最高峰でもある黒檜山に登ることができてしまったことから、日本百名山を意識するようになった。

日本百名山のガイドブック購入

登山にハマってきていたが、どの山を登るのがいいのかわからない自分にとって、スタンプラリーのように登るべき山が一覧として提示されている日本百名山の存在はありがたい。

早速、本屋へ行き「日本百名山 トレッキングコースガイド」というガイドブックを上下巻購入した。全山の推奨コースが山と高原地図と同じ形式でわかりやすく、アクセス方法や山荘の情報も網羅していて便利。

日本百名山 トレッキングコースガイド
日本百名山 トレッキングコースガイド

巻頭ページには日本百名山マップがあって、登頂するごとに日付でマークをするのが楽しみになった。

現在は、新版として「山と高原地図ガイド 日本百名山」という名前となっている。

4月の登山活動〜両神山への準備

4月15日 ウノタワと武甲山

武甲山山頂
武甲山山頂

ヤマノススメの聖地巡礼として、ウノタワと武甲山を繋いだ18キロという長めの山行を実施。

4月22日 丹沢大山

大山山頂
大山山頂

同じくヤマノススメの聖地巡礼。秦野駅からヤビツ峠まで自転車でヒルクライムして、ヤビツ峠から大山に登るという変則的なアプローチ。

両神山選定理由と装備準備

東京から近く、日帰りで行けそうな百名山として選んだのが両神山。春にはアカヤシオが咲き誇るという情報もあり、今の季節にはぴったりな山だ。

新しい装備として、厚手の靴下とライトシェルジャケットを購入した。

今まで靴下は普通のものを使っていたが、山専用の靴下は厚手なのに蒸れないので快適に歩ける。絶対に登山靴とセットで買ったほうがよいと思う。

ライトシェルジャケットは、春と秋にはメインで夏はアウターとして1年中使えるオールラウンダー。撥水性があるので、朝露などレインウェアを着るまでもない場面でも活躍した。

実際に登ってみた

日程: 2017年04月30日(日) [日帰り] 天候: 晴れ

アクセス

荻窪からは中央線で国分寺へ、そこから西武に乗り継いで東村山、所沢。所沢から特急ちちぶで西武秩父駅へ(1,343円)

西武秩父駅
西武秩父駅

西武秩父駅から小鹿野町営バス西武秩父線に乗り、薬師の湯で日向大谷・三峰口線に乗り換え。

往路は、薬師の湯の乗り換えで薬師の湯行きのバスで500円を支払い「乗り継ぎ証」をもらい、日向大谷口行きのバスで「乗り継ぎ証」を入れる。復路は、薬師の湯行きのバスで200円を支払い「乗り継ぎ証」をもらい、西武秩父駅行きのバスで300円と「乗り継ぎ証」を入れる。

バスは小型バスで15人ほどの座席しかなく、始発である西武秩父駅出発の時点で立ち客が出るほど登山客を載せて出発。

小鹿野町営バス
小鹿野町営バス

狭い道をバスが登っていき日向大谷口バス停に到着。登山口は目の前にあるが、トイレは舗装路を少し下ったところにある。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
05:2112.6km1,786m1,778m

コースタイム

ルート: 日向大谷口-会所-清滝小屋-両神山-(七滝沢コース)-会所-日向大谷口

山行タイムライン
  • 09:49
    日向大谷口
    両神山登山口 日向大谷口
    両神山登山口 日向大谷口

    両神山の登山口、日向大谷口(ひなたおおやぐち)に到着。バス停から少し登った所に登山届ポストと登山者カウンターがある。

    両神山 登山届ポスト
    両神山 登山届ポスト

    駐車場では、埼玉県職員の方が登山届の提出を呼びかけており、登山届提出の有無を訊かれたので「ネットで出しました」と答えた。ネットで登山届を提出できる、コンパスは便利だね。

    両神山登山道のトラバース
    両神山登山道のトラバース

    登山道はすぐにトラバースとなる。登山客が多い割に道が狭いと感じた。

    両神神社の鳥居
    両神神社の鳥居

    両神神社の鳥居をくぐる。

  • 10:09
    会所
    会所の沢
    会所の沢

    沢を渡る。水量は少ないので問題ない。この辺りで山の雰囲気が出てきて気持ちいい。

    八海山
    八海山
  • 11:02
    弘法之井戸
    弘法乃井戸
    弘法乃井戸

    弘法乃井戸で冷たい水を頂きリフレッシュ。山の湧き水は美味いね。

  • 11:10
    清滝小屋
    清滝小屋
    清滝小屋

    清滝小屋に到着。小屋の前には休憩できる東屋もある。ここに登ってくるまで広いスペースのある場所が少ないので、ここで休憩を取っている人が多かった。

    七滝沢コースとの合流地点
    七滝沢コースとの合流地点

    清滝小屋から鈴ヶ坂をジグザグと登っていくと七滝沢コースとの合流地点に到着。

    鎖場
    鎖場

    鎖場が登場。これまでの山では経験したことのない本格的な鎖場だ。登りは頼らなくても大丈夫そうだけど、初体験だから慎重に。

    鎖場
    鎖場

    思ったより角度がある。面白いけど、注意が必要だ。

  • 12:00
    両神神社
    両神神社の奥宮
    両神神社の奥宮
    両神神社の狼
    両神神社の狼

    両神神社に到着。面白いことに、守護獣は狛犬ではなく狼だ。近くに寄って見るとなかなかカワイイ顔してる。

    両神神社
    両神神社

    こちらが両神神社で…

    御嶽神社
    御嶽神社

    こちらは御嶽神社。

    両神神社からしばらくは歩きやすい尾根道が続く。さあ、いよいよ山頂へ向けて最後の登りだ。

    山頂を目前に捉えてから少し下ったあと、今までと変わって険しい登りへと変化していく。最後の難所って感じ。

    山頂手前の木道
    山頂手前の木道

    山頂手前に架けられた木道。この辺りから山頂感が出てきて気分が上がる。

  • 12:14
    両神山
    両神山山頂
    両神山山頂
    両神山山頂
    両神山山頂

    ついに両神山山頂(1,723m)に到着。今年に入って日本百名山2座目の達成だ。

    両神山山頂
    両神山山頂

    山頂は狭くて、平らな場所はあmりない。でも達成感は抜群。

    両神山山頂
    両神山山頂からのパノラマ
    両神山山頂からのパノラマ

    山頂からのパノラマ。写真には写せてないが薄っすらながらも存在感のある富士山を眺めることができた。天気が良くて最高だ。

    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂からの眺め
    両神山山頂
    両神山山頂
    両神山山頂
  • 13:00
    両神神社

    山頂での休憩を終えて下山開始。復路は少し冒険してみようと、バリエーションルートの七滝沢コースを選択。

  • 13:31
    養老の滝
    七滝沢コース
    七滝沢コース

    七滝沢コースに入る。横を滝が流れるのを見つつ進んでいけて楽しい。ただし、要するに一歩間違うと滝壺に転落するという意味でもある。

    一枚岩の鎖場
    一枚岩の鎖場

    一枚岩の鎖場が登場(上部から撮影)。ここは流石に鎖に身を委ねるしかない。下りでの鎖場は登りより慎重になるね。

    急な坂道を下っていくと沢と並行する道になる。枯れ葉に踏み跡が隠れて道がわかりにくい箇所もあるが、ピンクテープに助けられて迷うことはなかった。

  • 13:59
    赤滝

    枯れ葉と小石混じりで踏ん張りが効かず滑りやすい。体力よりも集中力が必要な感じ。

    きれいな沢を幾度か渡る。涼やかで雰囲気がいいコースだ。

    また沢沿いの道へ。途中には崩壊してる箇所もあり、結構スリリング。

    結局、この近辺で1人とすれ違った以外に七滝沢コースで他の登山者を見かけることはなかった。表コースとは全く違う静かな山歩きが楽しめる。

  • 14:46
    会所

    会所で表登山道と合流。15:10発のバスに間に合いそうだったので、ここから早歩きでバス停まで急いだ。

  • 15:04
    日向大谷口

    無事にバス停に到着。時間ぴったりで良かった。

下山後の感想

登山口から山頂までの標高差は1,000mあるが、アップダウンの繰り返しが少ないので、思ったより楽に登ることができた。鎖場も久々だったが、そんなに難しくはなかった。

七滝沢コースは表登山道と違い、沢沿いの風景もよく鎖場など変化があって面白いコースだ。でも、ひとつでも間違ったことをすると遭難に直結するという恐ろしさが垣間見えるコースでもあった。日本百名山初心者がいきなり選ぶルートじゃないかも。

山腹はもちろん、山頂でも携帯電話のアンテナは立つが通信できない状態だった。

それにしても、今年の百名山2座目にして鎖場とは。これからもっと険しい山に挑戦していくことを考えると、良い練習になった。

かかった費用と装備

登山中のハイドレーションを体験したくて、AmazonでTPU素材で作られた2リットルのハイドレーションバッグを購入。中国製なので品質には期待していなかったが、まさか5年後まで使うことができるとは。

そして、ハイドレーションバッグは想像以上に便利だった。歩きながら水分補給できるのは、長時間の山行では本当に助かる。安いものでも十分使えることが分かったのは収穫。

装備費用

  • トレッキングソックス: 1,944円
  • ライトシェルジャケット: 7,452円
  • ハイドレーションバッグ: 608円
  • その他: 864円

装備費合計: 10,868円

書籍・資料

  • 百名山ガイドブック: 3,672円

交通費

  • 電車: 1,343円 + 843円
  • 路線バス: 往復 1,000円

交通費合計: 3,186円

食費

  • 朝・昼2食: 1,000円
  • 行動食: 300円

食費合計: 1,300円

総費用

合計: 19,026円

今になって思うこと

百名山を全山踏破した今振り返ると、この両神山は山行記録をしっかりと残すようになった重要な転換点だった。

記録を残すことの価値

赤城山に登ってから、自宅に帰ってからヤマレコに記録するという習慣がついたのは本当によかった。その時に振り返りができて、次回へのステップアップに繋がる。記録に残すというのは記憶から財産を生成する行為だと今は思う。

登山計画の重要性

この頃から行動計画を立てて、ヤマレコアプリのルート通りに山行するようになった。予め通過予定時刻がわかっているので、ペース通りか客観的に知ることができる。例え不測の事態が起きたとしても落ち着いて判断できるようになった。

安全への意識向上

コンパスに登山届を提出するようになったのもこの頃からだ。ハイキングのような、登山届を出さなくてもいいと判断した場合はヤマレコの下山連絡システム(下山登録をしていない場合は、数時間後に親類へメールしてくれるサービス)を使っている。

七滝沢コースの危険性

登った当時は知らなかったが、両神山の七滝沢コースは遭難事故が数多く起きており、中でも遭難してから14日後に救助された方の話はNHKのドキュメンタリーで取り上げられたりして有名だ。他山の石として、リスクを少しでも減らすような山行を続けていきたい。

初心者が調子に乗ってバリエーションルートを選んだのは今思うと危険だった。でも、この経験があったからこそ、山の怖さとリスク管理の重要性を学ぶことができた。


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