富山県と長野県の境に位置する立山(たてやま)は、雄山(3,003m)、大汝山(3,015m)、富士ノ折立(2,999m)の三峰からなる立山連峰の中核であり、日本百名山の一座です。標高2,450mの室堂まで立山黒部アルペンルートで一気にアクセスできることから、国内有数の山岳観光地としても知られています。
原作24巻から25巻にかけては、あおい、ひなた、ここな、ほのか、楓の5人が北アルプス遠征としてこの地を訪れ、多彩な乗り物を乗り継ぐアルペンルートの旅、雄山登頂、そして楓が単独で挑む剱岳への別れまでが描かれた、シリーズ屈指のスケールのエピソードの舞台となりました。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 山名 | 立山(たてやま)/雄山(3,003m)・大汝山(3,015m)・富士ノ折立(2,999m) |
| 所在地 | 富山県中新川郡立山町 |
| 難易度 | ★★★☆☆(雄山ピストンは初中級者向け、三山周回は中級者向け) |
| 推奨シーズン | 7月〜10月(アルペンルートは4月中旬〜11月末) |
| コースタイム | 雄山ピストン約3時間35分/富士ノ折立までの三峰ピストン約4時間42分/立山三山周回約8時間 |
| 登山スタイル | 日帰り(雄山ピストン)/1泊2日(三山周回・剱岳連続) |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【二百二十八〜二百三十八合目】立山
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、ほのか、(楓)
- アクセス: 長野駅→長野駅東口バス停→<アルピコ交通 長野-大町・扇沢>→扇沢バス停→<関電トンネル電気バス>→黒部ダム駅→黒部ダム→黒部湖駅→<黒部ケーブルカー>→黒部平駅→<立山ロープウェイ>→大観峰駅→<立山トンネルトロリーバス>→室堂駅
- コース: 室堂→一の越→立山〈雄山〉→立山頂上峰本社(3,003m)→《下山》→室堂
あらすじ
【二百二十八合目 わたしにとって】 二百十五〜二百十八合目で計画した北アルプス登山に向かうため、はるばると長野駅に着いた5人。アルピコ交通の始発バスに乗り扇沢へ。
【二百二十九合目 元を取るぞ】 扇沢からは立山黒部アルペンルートの様々な乗り物を乗り継ぎ、登山のスタート地点である室堂を目指す。まずは黒部ダムまでの電気バスに乗車。
【二百三十合目 両手に収まらない】 黒部ダムのスケールと高さに圧倒されるあおい。次に乗るケーブルカーまでの時間が迫る中、シャッターを切るほのか。
【二百三十一合目 リスクとやりたい】 黒部ケーブルカーで黒部湖駅から黒部平駅へ。次のロープウェイを乗る前に展望台へ行くのを悩むあおいをほのかが後押し。
【二百三十二合目 私のスタイル】 ロープウェイで大観峰駅に到着、ここからはトロリーバス。ようやく室堂に着き、別行動の楓とお別れする前に全員で記念撮影。
【二百三十三合目 小さい自信】 室堂から立山頂上の雄山(おやま)までは往復4時間。4時間半後が帰りのバスとなり時間に余裕がない中、あおい・ひなた・ここな・ほのかの4人は山頂を目指して登っていく。
【二百三十四合目 近寄らないが吉】 一方、楓は剣岳手前にある剱沢小屋に泊まるため、地獄谷近くの道を歩いていた。奇しくも地獄谷の話題から立山の歴史に触れるあおいとひなた。
【二百三十五合目 柄じゃない】 ここなから写真部の活動状況を聞かれるほのか。高校生らしさを求められる賞を狙うよりも、楽しいと思う写真を撮りたいと改めて気付かされるほのかだった。
【二百三十六合目 一歩の先に】 立山の稜線にある一の越に。一段と勾配がキツくなり苦しみながらも、遂に立山頂上の雄山へとたどり着いた。
【二百三十七合目 本音は顔に】 雄山神社の奥宮である立山頂上峰本社に参拝する4人。一望できる景色の中で、槍ヶ岳に登りたい気持ちを漏らすひなたに寄り添うあおい。
【二百三十八合目 雨だからこそ】 下りはガスの中。一瞬ではあるが雷鳥に出会えて笑顔のここな。また北アルプスに来ようと誓った。
あらすじの続き(楓の剱岳編)は剱岳の聖地巡礼記事をご覧ください。
ヤマノススメ単行本24巻と単行本25巻に収録されています
ルート地図
聖地巡礼のポイント
- 黒部ダム: あおいがスケールに圧倒された場所。観光放水(6月〜10月)の時期は迫力が増す
- 室堂: 標高2,450mの登山拠点。楓と別れて4人が雄山を目指したポイント
- 一の越: 勾配が急変するコース屈曲点。シーズン中は登山渋滞が発生する箇所
- 雄山神社峰本社: 4人が参拝した山頂の神社。ひなたが槍ヶ岳への思いを漏らした場所
アクセス・登山情報
アクセス方法
長野側(原作ルート)
- 長野駅→<アルピコ交通 長野-扇沢線>→扇沢バス停 約105分
- 扇沢→<関電トンネル電気バス>→黒部ダム 約16分
- 黒部ダム〜黒部湖(徒歩)→<黒部ケーブルカー>→黒部平 約5分
- 黒部平→<立山ロープウェイ>→大観峰 約7分
- 大観峰→<立山トンネルトロリーバス>→室堂 約10分
富山側(直行ルート)
- 電鉄富山駅→<富山地方鉄道>→立山駅 約60分
- 立山駅→<立山ケーブルカー>→美女平 約7分
- 美女平→<立山高原バス>→室堂 約50分
アルペンルート公式サイト( alpen-route.com )でWEBきっぷを事前購入するのがおすすめ。乗車5日前から購入でき、前日正午までキャンセル料なし、乗車日から5日間有効。シーズン中は早朝便が満席になりやすいので早めの予約を。
おすすめコース
【原作ルート】雄山ピストン(約3時間35分、距離5.2km)
室堂→一の越→雄山(3,003m)→一の越→室堂。時間に余裕がなくても日帰りで楽しめます。
【三峰ピストン】雄山・大汝山・富士ノ折立(約4時間42分、距離7km)
雄山から稜線を進み、立山連峰最高峰の大汝山、さらに富士ノ折立までを往復するコース。せっかく立山に登るなら、三峰を踏破しておきたいところ。
【立山三山周回】浄土山・雄山・別山(約8時間、健脚向け)
室堂→浄土山→一の越→雄山→大汝山→富士ノ折立→真砂岳→別山→剱御前小舎→室堂。過去・現在・未来を表す立山三山を踏破する周回コース。日帰りは厳しいので剱沢または雷鳥沢キャンプ場泊を前提に。
【立山三山+剱岳】1泊2日
1日目: 室堂→立山三山→剱沢キャンプ場泊
2日目: 剱沢キャンプ場→剱岳→室堂
装備と準備
標高3,000mクラスのため、真夏でも山頂は10度前後まで下がります。トレッキングシューズ、防寒着、レインウェア上下、ヘッドランプ、行動水2L以上、行動食、日焼け止め・帽子・サングラスは必携。三山周回やテント泊の場合は防寒着(ダウンパンツ等)・テント装備一式・雨具を加えてください。室堂(2,450m)到着直後は高山病予防のため30分ほど休憩してから歩き始めるのが安心です。
一の越の渋滞と最終バスに注意
シーズン中の一の越〜雄山は登山者が集中して渋滞することがあります。特に原作のように帰りのバス時刻が決まっている日帰りプランでは、想定より余裕を持ったスケジュールが必要。室堂の最終バス時刻を必ず確認し、下山のペース配分を計算してから登り始めましょう。
立山の魅力
信仰が息づく過去・現在・未来の三山巡り
立山は古くから信仰の対象とされ、浄土山を過去、雄山を現在、別山を未来とする三山巡りの伝承が残っています。この歴史背景を感じながら歩く周回コースは、単なる登山以上の深い充足感を与えてくれます。
多彩な乗り物でつなぐ雲上の観光ルート
標高2,450mの室堂まで、電気バス・ケーブルカー・ロープウェイ・トロリーバス・高原バスといった個性豊かな乗り物を乗り継いでアクセスできるのは立山ならではの魅力です。乗り物自体が旅の目的となるほど景観が素晴らしく、原作でも5話にわたって描かれるほどの見応えがあります。
一般登山道から望める内蔵助氷河
富士ノ折立の直下には、日本で数少ない現存氷河の一つである内蔵助(くらのすけ)氷河が存在します。グレートトラバース3でも一般登山道で行ける氷河として紹介された、稜線歩きの中で確認できる貴重なスポットです。
遮るもののない北アルプスの大パノラマ
雄山山頂からは槍ヶ岳・穂高連峰・黒部五郎岳・薬師岳など北アルプス南部の峰々が一望でき、大汝山からは大日岳・奥大日岳・地獄谷・ミクリガ池を見下ろせます。別山から仰ぎ見る剱岳の勇姿も圧巻で、後立山連峰(白馬岳〜五龍岳)や鹿島槍ヶ岳まで見渡せる、展望の良さが魅力です。
巡礼レポート
日程: 2021年9月19日(日) 〜 2021年9月20日(月) [1泊2日]
コースタイム(1日目・立山三山): 室堂 10:06 → 11:07 浄土山 11:08 → 11:16 浄土山南峰 → 11:34 一の越山荘 11:35 → 12:17 雄山 → 12:54 立山 13:04 → 13:05 大汝休憩所 → 13:15 富士ノ折立 13:16 → 13:40 真砂岳 13:46 → 14:28 別山南峰 14:38 → 15:15 剱沢キャンプ場
ルート地図
富山から長野へ、立山黒部アルペンルートを乗り通す計画
立山と劔岳は日本百名山の99座目と100座目で登りたいと思い、ずっと取っておいた。そして今回、ようやく憧れの山に登るまでに至りました。
長野県側から室堂へとアクセスしたあおい達とは違い、立山黒部アルペンルートで富山県から入って長野県へ抜ける乗り鉄も満喫できるような計画を立てました。
【往路】
- [富山地方鉄道]電鉄富山駅→立山駅
- [立山ケーブルカー]立山駅→美女平
- [立山高原バス]美女平→室堂
【復路】
- [立山トンネルトロリーバス]室堂→大観峰
- [立山ロープウェイ]大観峰→黒部平
- [黒部ケーブルカー]黒部平→黒部湖
- [関電トンネル電気バス]黒部ダム→扇沢
乗車5日前に立山黒部アルペンルート( https://www.alpen-route.com )のWEBきっぷを購入。その時点で8時40分より前の室堂行きケーブルカーは全て予約が満席でした。前日の正午まではキャンセル料もかからないので、早めに予約しておいたほうがよさそうです。電鉄富山から扇沢へのきっぷを購入していたので、電鉄富山駅にある端末で発券。乗車日から5日間有効。

富山地方鉄道で電鉄富山駅から立山駅へ

電鉄富山駅で予め購入していた予約WEBきっぷを発券。

富山地方鉄道で電鉄富山駅から立山駅へ。去年のシルバーウィークに折立へとアクセスしたので、1年ぶりの地鉄です。


立山ケーブルカーで立山駅から美女平へ

立山駅で美女平行きの立山ケーブルカーに乗車。荷台が連結してあり、ザックはそちらに預けます。



美女平に到着。
立山高原バスで美女平から室堂へ

立山高原バスで室堂へ。標高977mの美女平から、50分かけて標高2,450mの室堂まで上ります。座席にはUSB充電端子があったので、iPhoneを最後の充電。ありがたい。


称名滝はガスっていてよく見えなかったのですが、室堂手前のソーメン滝は車窓からよく見えました。

室堂に到着して、渡された登山届を記入し提出。「剱岳は渋滞するから、帰りの最終便に間に合うよう早めの行動を」とアドバイスを頂きました。
室堂から1日目の山行開始

ホテル立山を通り、外に出ると堂々たる立山の稜線。


1日目は立山三山を巡りながら剱沢キャンプ場を目指すので、まずは浄土山に登ります。

その後、稜線の左から右へ雄山、大汝山、真砂岳、別山と歩く予定。

一ノ越まで続く立派な石畳の道。

浄土山の登山道に入ると険しい道になります。


立山三山の1座目、浄土山

立山三山の中でも浄土山は過去を表す山。

左奥の鋭いのが槍ヶ岳・穂高。真ん中あたりが水晶岳、右に鋭いのが笠ヶ岳。そして右に進むと黒部五郎岳、山容もよくわかる薬師岳。

浄土山南峰から次に目指す雄山を望みます。

一ノ越を経由して雄山から別山までの立山連峰の稜線。そして奥には剱岳も一望できる最高のロケーション。

一の越で原作ルートと合流

一ノ越まで下りてきました。100m下って、300m登ります。

草紅葉のグラデーションが美しい。

ここから雄山までは登山者がとても多く、渋滞していました。
立山雄山に登頂

立山雄山の一等三角点に登頂。南側は北アルプス南部の峰々。

立山三山の中でも雄山は現在を表す山。




右側あたりに見えるはずの富士山は雲が多く不明瞭。左側、遠く見える稜線は浅間山だろうか。


立山連峰で最高峰の大汝山

立山連峰最高峰の大汝山に登頂。ここで日本百名山99座目となり、剱岳を残すのみとなりました。

大日岳、奥大日岳。手前に地獄谷、ミクリガ池。一応、富山湾も見えてるのかな?



右から鹿島槍ヶ岳、五龍岳と背後に妙高戸隠連山の峰々。


稜線ルートを少し外れた富士ノ折立

富士ノ折立へは登らずそのまま稜線歩き。

内蔵助カールの氷河は、グレートトラバース3で一般登山道で行ける唯一の氷河として紹介されていました。


真砂岳手前で振り返る富士ノ折立までの稜線。
別山までの中間にある真砂岳(まさごだけ)

真砂岳頂上から望む、鹿島槍ヶ岳と五龍岳。

地獄谷の火山ガスもよく見えます。

白馬岳から五龍岳まで後立山連峰もよく見えます。


本日最後の登り、別山までの道。

立山三山のラスト3座目となる別山南峰

立山三山の中でも別山は未来を表す山。浄土山、雄山、別山の立山三山をコンプリート。

最初に登った浄土山から遥か遠くに見えていた剱岳が、間近に見えるようになりました。明日に登る予定ですが、100座目に相応しい貫禄のある険しい山です。


なんとなく赤みがかって見える。




これから下りる道。剣山荘、剱沢小屋が見えます。
キャンプ地は剱沢キャンプ場

剱沢キャンプ場に到着。

キャンプ場の受付。今年から値上がりして1人1,000円に。予約は不要です。

斜面ではありますが、テントを張ります。夜は予想してたより冷え、使わないだろうと思っていたダウンパンツまで着込んで就寝しました。
2日目は劔岳編に続きます。
よくある質問
Q: 登山初心者でも雄山に登ることはできますか?
A: 室堂から雄山への往復ルートは整備されており、初中級者の方でも十分登頂可能です。ただし標高3,000mを超えるため、高山病のリスクがあります。室堂到着直後の無理な行動は避け、30分ほど体を慣らしてから出発し、水分をしっかり摂取しながらゆっくり登るよう心がけてください。
Q: アルペンルートのきっぷは当日でも買えますか?
A: 当日販売分もありますが、シーズン中は非常に混雑し、希望の時間に乗れないことが多々あります。WEBきっぷの事前予約(乗車5日前から、前日正午までキャンセル料不要、乗車日から5日間有効)を強くおすすめします。
Q: 立山三山の周回は日帰りで楽しめますか?
A: コースタイムが約8時間と長いため、日帰りはかなりハードな行程になります。室堂の最終バス時刻に間に合わないリスクがあるため、余裕を持った1泊2日の計画、または雄山ピストン(約3時間35分)や三峰ピストン(約4時間42分)に留めるのが安全です。
Q: 剱岳と組み合わせるスケジュールは?
A: 1日目に立山三山を縦走して剱沢キャンプ場泊、2日目に剱岳アタック後に室堂へ下山するのが一般的です。詳しくは剱岳編をご覧ください。
Q: 雷鳥にはどこで会えますか?
A: 室堂から一の越、雷鳥沢周辺が生息地として知られています。ガスがかかっている時や早朝など、天候が崩れ気味な時間帯に出会える確率が高まります。原作でも下山時にここなが雷鳥と出会うシーンが描かれています。見つけた際は驚かせないよう、静かに見守りましょう。

