塩見岳に向かうまで
前日の御嶽山から、南アルプス南部の塩見岳へと山行を移す。御嶽山登山を終えた後、鳥倉林道を進み、ゲート前の駐車場を目指した。
大鹿村にはコンビニが存在しないため(道の駅は営業している)、事前に国道153号沿いのセブンイレブンで必要な食料を調達しておいた。また、この山域は携帯電波が届かないことが容易に予想できたため、事前にコンパスで登山届を提出して万全を期した。
2021年8月9日 台風が迫る中での塩見岳ピストン登山
確認していた天気予報では、台風が接近しており、午前中から暴風雨になる可能性が高い予報だった。当初の計画では午前4時出発を予定していたが、気象状況を考慮して大幅に前倒しし、午前0時過ぎの出発に変更することを決断。まだ陽が沈んで間もないうちから、強制的に睡眠に入った。
実際に登ってみた
日程: 2021年8月9日(月) 日帰り 天候: くもりのち雨
アクセス
鳥倉林道ゲート前の駐車場に駐車。登山口までは自転車を活用した。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
10:34 | 24.7km | 2,082m | 2,063m |
コースタイム
ルート: 鳥倉林道ゲート-三伏峠小屋-本谷山-塩見岳-塩見岳東峰-塩見岳-本谷山-三伏峠小屋-鳥倉林道ゲート
- 00:14鳥倉林道ゲート(駐車場)
前回の乗鞍ヒルクライムで使用した自転車を活用し、ゲートから鳥倉登山口までの林道区間を効率的に移動する。
- 00:35
- 01:20豊口山のコル
- 01:53ほとけの清水
- 02:23塩川・鳥倉ルート合流点
- 02:46
- 03:06三伏山
- 03:47
- 05:06塩見小屋
- 06:08
- 06:11
- 06:14
- 06:58
- 08:09
- 08:47
- 08:58
- 09:17
- 09:37
- 10:01
- 10:31
- 10:48鳥倉林道ゲート(駐車場)
道の駅歌舞伎の里大鹿で鹿肉を食べる

前日も立ち寄った道の駅で、無事に下山できたことを祝して鹿肉ステーキをいただく。ジビエ料理として大鹿村の特産品であり、登山後の疲労回復にはよさそう。
その後、車で塩尻駅までレンタカーを返却し、東京の自宅に帰宅した。
下山後の感想
遠征最終日となる4日目。夕方までには塩尻駅でレンタカーを返却しなければならないため、逆算して午前4時発を予定していた。しかし、本州西から上陸した台風が接近し、午前のうちから暴風雨となる予報が出ていたため、4時間繰り上げて午前0時発に変更する決断を下した。
真っ暗闇での登山というと富士山などで経験はあるが、ここには一緒に登る登山者もおらず、雨も降っていたため、かなり心細い状況だった。ヘッドライトで足元だけを照らし、ほぼ地面しか見ていない中で淡々と登る。踏み跡がしっかりしており、暗闇でも道を迷うことがなかったのは本当に助かった。
塩見岳へのアプローチ、風雨の中での岩場歩きは緊張の連続だった。時間が遅くなり、体が持っていかれるほどの風量になったりしたら、とても登れなかったと思う。
今回の山行で発見したことは、ピストンでも往路が暗いうちに登ると、復路はとても新鮮な気分で下れて退屈しないということ。普段見慣れた景色も、明るくなってから見ると全く別の表情を見せてくれる。
乗鞍、笠ヶ岳、御嶽山、塩見岳と4日間に渡る遠征は無事成功。自転車を持参しての登山は、またどこかでやりたいと思う。
かかった費用と装備
費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 乗鞍岳の記事でまとめています。
今になって思うこと
南アルプスを攻略するためには自転車が本当に役立つ装備だ。
今回の塩見岳と次回の光岳・聖岳へのアプローチに自転車を使用したが、長大な林道歩きをパスすることで、時間と体力を大幅にセーブできる。他にも、バスを使わない場合の椹島(赤石岳・荒川岳)へのアクセスは自転車がないと相当厳しいはずだ(ただし、あの林道を自転車で走るのもそれなりに辛いだろうが)。
自転車は登山口に放置することになるため、くれぐれも盗難されないよう対策を講じる必要がある。ワイヤーロックは必須だし、目立たない場所に置くなどの工夫も重要だ。
台風接近という厳しい気象条件での登山だったが、結果的に南アルプス南部の秘境的な魅力を存分に味わうことができた。暗闇登山という特殊な体験も含めて、印象深い一座となった。