台湾環島サイクリング Day 2:大渓→台中|164kmの激走、限界を超えた先に見えた夕暮れの逢甲夜市

逢甲夜市正面 自転車
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忙しい人向けまとめ

  • 大渓から台中まで164km走破:計画の141kmを大幅に超え、今回の旅で最長距離を記録。13時間37分の激闘
  • 西海岸の絶景サイクリングロード:風情海岸の風車群、高美湿地など台湾海峡を望む絶景ルートを満喫
  • 大肚山の洗礼で体力の限界:台中手前の200m超えの登りで心が折れかける

Day 2 実走レポート

環島2日目。昨夜の鍵紛失騒動で削られた睡眠時間を引きずりながら、今回の旅で最も長い1日が始まろうとしていた。

この日のルート

早朝の大渓を出発(06:00)

5時半、アラームが鳴る前に目が覚めた。

今日は150kmを超える距離を走って台中まで行く。計画段階から「この日が最もキツい」と覚悟していた。だからこそ、少しでも早く出発して、日が暮れる前にゴールしたい。

2階のドミトリールームでパニアバッグのパッキングを最適化する。昨日の走行で「あれがない」「これが取り出しにくい」と感じた部分を修正。散らばっていた持ち物を再構成してバッグに詰め直した。

1階に下り、昨日血眼になって探したあのルームキーを返却。ボトルに飲料水を詰めて、ガレージの自転車に荷物を載せていく。

大渓のHostel Alley Innの玄関前
大渓のHostel Alley Innの玄関前

玄関から外に出た瞬間、昨日は暗くてわからなかった路地の狭さに驚いた。人ひとりがやっと通れるほどの隙間。

ウォーミングアップがてら、誰もいない大渓の老街をぐるっと回ってみる。観光客で賑わう昼間とは別世界。静寂の中に、どこからか朝食の準備をする生活音が聞こえてくる。

ふと対向車が正面から来て、ハッとした。そういえば右側通行だった。まだ体が日本モードから完全に切り替わっていないようだ。

台湾で初めてのコンビニ体験(06:20)

朝食を調達するためにセブンイレブンへ。

今回の台湾旅行で初めてのコンビニだけど、よく知っているセブンイレブンのロゴを見ると気軽に入れる。異国の地でも、馴染みのあるものを見つけると安心するものだ。

セブンイレブンで購入した朝食のパンとコーヒー
セブンイレブンで購入した朝食のパンとコーヒー

パン2つを同時に買うと割引があるっぽい。そういう「お得感」に弱い性格は、国境を越えても変わらないらしい。

コーヒーは正直、美味しくはない。でも安くて甘いからいい。自転車乗りとして朝の食事はカロリー重視だ。これから長い距離を走るのだから、手っ取り早く熱源となる糖分を摂取したい。

レジでは「ヨーヨーカー(悠遊カード)」と支払い方法を唱えると、店員がICカードリーダーを指さす。カードを載せてピッ。なるほど、これが台湾のコンビニ支払いの流れか。一連の動作を理解した。

峠を越えて新竹へ:朝のパワーで難なくクリア(06:30〜09:00)

コンビニで買ったパンとコーヒーを胃に流し込み、本格的にスタート。

早朝の道は車も少なく、空気もひんやりとして気持ちいい。太陽高度が低く直射日光がないこの時間帯が、一番走りやすい。

環島のモデルコースでは「1日目:台北〜新竹」「2日目:新竹〜台中」とされることが多いが、昨日は午後スタートだったため、手前の大渓で宿をとった。そのため今日は、1日目の後半戦と2日目分を併せて走る計算になる。

新竹までの道のりには、標高差150mほどの峠が立ちはだかる。昨日の疲労困憊の状態で暗い中ここを越えていたらと思うとゾッとする。大渓で宿をとる判断は、我ながら正解だった。

朝の有り余るパワーで難なく峠を登り切った。頂上からは新竹までずっとダウンヒル。ペダルを漕がなくても重力が運んでくれる。

下るにつれて周りに建物が増えてきた。車やバイクの数も増える。街が近づいている。

今日はまだ平日の朝。新竹に近づくと、通勤ラッシュの渋滞に遭遇した。

地元のスクーターの後ろについて、車の隙間をすり抜けていく。日本だと気が引ける行為だが、台湾ではこれが正しい。バイクの専用停止位置が交差点の先頭にあるので、すり抜けて前に出るのが当然なのだ。

新竹駅の歴史ある駅舎
新竹駅の歴史ある駅舎

新竹市内ではさらにバイクが増えた。地面に「慢車」と書かれたバイク専用道路があるが、自転車は僕一人だけ。必死でペダルを回しているのに、スクーターたちに次々と抜かされていく。

できるだけ邪魔にならないように、右端ギリギリを走る。すり抜けるバイクの風圧を背中に感じながら。

新竹といえばハイテク産業で有名だ。台湾のシリコンバレーとも呼ばれ、世界的な半導体メーカーTSMCの本拠地でもある。地価が高いと聞いていたので、高層ビルが林立しているのかと想像していた。

しかし実際の風景は、意外にも工場が点在する産業都市。ブルーカラーの集団が工場に向かう通勤風景を眺めながら、日本でいうと神奈川の京浜工業地帯に近いのかもしれないと思った。

風情海岸のサイクリングロード:絶景の風車群(09:00〜12:00)

新竹の都市部を抜けると、景色が一変した。

台湾海峡を望む西海岸に出た瞬間、目の前に広がったのは風力発電の風車群。青い海の上で白いプロペラが、ゆっくりと回転している。

ここは「風情海岸」と呼ばれるサイクリングロード。風光明媚な海岸線を眺めながら走れる、台湾西部の人気ルート。

風情海岸の海岸沿いサイクリングロード
風情海岸の海岸沿いサイクリングロード
風情海岸の風力発電風車群
風情海岸の風力発電風車群

自転車を漕ぎながら、時折見える水際と、視界を上げれば見える風車。どこを切り取っても絵になる。カメラを向けたくなる瞬間が多すぎて、なかなか前に進めない。

海沿いということもあり、風は強い。そりゃあ、風車がたくさんあるわけだ。ただ、横風だったのは不幸中の幸い。これが向かい風だったら、体力を大幅に削られていただろう。

龍鳳漁港の龍鳳漁港彩虹橋
龍鳳漁港の龍鳳漁港彩虹橋

龍鳳漁港に向かって龍鳳漁港彩虹橋を渡る。波が堤防に打ち付け、しぶきが風に乗って飛んでくる。もっと風が強ければ、波をかぶりそうなくらいだ。

サイクリングロードは海岸沿いの公園の中を通っていく。森の中をグネグネと蛇行する道が続く。細かいアップダウンもあって、正直なところサイクリングロードを外れて自動車道を走った方が効率はいい。

でも、せっかくなのでこのまま公園の最後まで走り続けた。

途中、前輪から異音がすることに気づいた。耳を澄ますと、カチカチと小さな音。

調べてみると、サイクルコンピュータのセンサー部分がスポークに干渉していた。そもそもサイクルコンピュータ本体は付いていない(レンタルには含まれていない)ので、このセンサーは無用の長物だ。干渉しないようにセンサーの位置をずらして解決。

道を間違えて入った61号の急な上り坂
道を間違えて入った61号の急な上り坂

サイクリングロードを抜けて大きな橋を渡ろうとしたとき、事件が起きた。

通行禁止の看板に気づかず、工事中の橋を渡ってしまったのだ。途中で高架がスッパリ途切れていて、危うく下に落ちるところだった。「日本人旅行者、環島中に橋から落下」の新聞見出しが浮かんで、心臓がバクバクする。

出発してから5時間が経過。心身ともに疲労が溜まってきたのだろう。判断力が鈍っている証拠だ。

白沙屯拱天宮で休憩:アイスで体を冷やす(11:30)

白沙屯拱天宮近くの跨線橋
白沙屯拱天宮近くの跨線橋

途中にある「白沙屯拱天宮」という寺院で休憩を取ることにした。

朝から太陽に照らされ続けて、体が熱を持っている。11月の台湾をなめていた。日差しは容赦ない。軽い熱中症かもしれない。

白沙屯拱天宮
白沙屯拱天宮
白沙屯拱天宮の正面外観
白沙屯拱天宮の正面外観

廟の中にはたくさんの人がいた。老若男女問わず、参拝客や観光客が入り混じっている。平日の昼間なのに、こんなに賑わっているとは。

そして廟のすぐ隣にセブンイレブンがあった。名産品や参拝グッズも売っていて台湾の合理性を感じる配置だ。参拝のついでに買い物、買い物のついでに参拝。どちらの客も取り込める。

純喫茶の無糖緑茶と青マンゴーアイス情人果脆冰棒
純喫茶の無糖緑茶と青マンゴーアイス情人果脆冰棒

「純喫茶」という無糖緑茶がおいしいと事前に調べていたので購入。パッケージが加糖緑茶バージョンと似ているので間違えないように注意が必要。

それと青マンゴーの棒アイス「情人果脆冰棒」。冷たいアイスで体を内側から冷やす。これが驚くほど効いた。頭がクリアになっていくのがわかる。

熱中症対策は、外から冷やすより中から冷やす方が効果的なのかもしれない。

果てしなく続く海岸線(12:00〜15:00)

アイスで復活し、再び走り始める。

引き続き海沿いのサイクリングロードを走る。だが、さっきまでとは雰囲気が違う。すれ違う人が、誰もいない。

誰もいない海岸沿いの一本道
誰もいない海岸沿いの一本道

遠くに見える風車が、ゆっくりと近づいてくる。果てしなく続く一本道。風切音と、タイヤが地面を転がる音だけが聞こえる。

この孤独感が、妙に心地よかった。

水辺に集まる野鳥たち
水辺に集まる野鳥たち

海岸線を離れ、街中のルートへ。お昼ご飯をどこで食べるか迷っていた。

地元の食堂に入る気力はない。言葉が通じるか不安だし、メニューも読めない。不確定要素が多すぎる。

結局、大安休息站という高架下のサービスエリアにあるセブンイレブンで昼食を取ることにした。安牌だ。

セブンイレブンの豚カツオムレツカレーライス弁当
セブンイレブンの豚カツオムレツカレーライス弁当

選んだのは「香炸豬排歐姆蛋咖哩飯」。日本語に訳すと「豚カツ・オムレツ・カレーライス」。やたらと情報量が多い。富士そばのカツカレー丼みたいだな。

食べてみると、八角のスパイスが効いた台湾的なカレーだった。日本のカレーとは違う後味。独特の香りに最初は戸惑ったが、食べ進めるうちに慣れてきた。

セブンイレブンの弁当は、見た目以上にボリュームがある。しかも安い。コーヒーと合わせて120NTD(約600円)程度。コスパ最強だ。

台湾セブンイレブンで売っている弁当のラインナップを全て制覇したいとすら思った。

高美湿地で実績解除(15:30)

次の目的地は「高美湿地」。台中近郊にある人気の観光スポットだ。

干潮時には湿地帯を歩くことができ、夕日の絶景スポットとしても知られている。せっかく近くを通るなら、立ち寄らない手はない。

高美湿地の入口付近の風景
高美湿地の入口付近の風景
高美湿地と背景に並ぶ風力発電風車
高美湿地と背景に並ぶ風力発電風車

道を間違えたり、生活感あふれる路地に迷い込んだりしながら、なんとか高美湿地に到着。平日にもかかわらず、観光客で賑わっていた。

太陽はまだ高い位置にある。夕日が沈むまで待ちたいところだが、そんな余裕はない。台中のホテルまでまだ距離がある。日が暮れる前にゴールしなければ。

高美湿地の広大な湿地帯
高美湿地の広大な湿地帯
高美湿地で跳ねるムツゴロウ
高美湿地で跳ねるムツゴロウ

海まで突き出した木道を歩く。湿地を見下ろすと、時折ムツゴロウがピョンと跳ねていた。

このままゆっくりしていたい。でも、先を急がなければ。

「高美湿地に来た」という実績だけを解除して、再び自転車にまたがった。

大肚山の洗礼:心が折れかけた瞬間(16:00〜17:00)

ここからが地獄だった。

台中市街地に入るには、「大肚山」と呼ばれる南北に連なる山を越えなければならない。事前に地図で見ていたが、実際に目の前にすると、その威圧感に圧倒された。

まず、山を越える国道10号に入るためのランプが尋常じゃない斜度だった。

汗が噴き出す。ペダルを踏んでも踏んでも、なかなか進まない。じわりじわりと高度を稼いで、ようやく高架に乗った。

だが、そこからも登りは続く。

海岸から一気に200m以上を登る。車道は無駄のない直線。容赦のない勾配が、延々と続く。休めるカーブも、景色を楽しむ余裕もない。ただ、ひたすら登る。

さすがに体力が持たなかった。何度も足を止めて休憩を挟む。

走り続けて台中国際空港の敷地が見えた。あの空港は山のすそ野の台地に作られている。空港が見えれば、辛い登りは終わりのはず。

そう思った瞬間、緊張の糸が切れた。

一気に疲労がのしかかってきた。足が動かない。一歩も進めない。

近くにあった中学校の正門近くで、壁に寄りかかった。夜になりつつある空を見上げて、目を閉じる。

「もう限界かもしれない……」

復活、そして台中市街地へ(17:00〜19:00)

どれくらいそうしていただろうか。

数十分、目を閉じて休んでいると、ずっと下がらなかった心拍が落ち着いてきた。汗も引いてきた。

「あと少しだ」

自分に言い聞かせて、再び自転車にまたがった。最後のひと頑張り。

しばらく走ると、ゆったりと下る道に変わった。登りが終わったのだ。

漕がなくても勝手に進む。バイクと競い合うようにダウンヒルを楽しむ。さっきまでの地獄が嘘のようだ。

次第に並走するバイクが増えてきた。退社時間帯のバイクラッシュだ。

背後にガスボンベを載せたバイク、足元のステップに犬を乗せたバイク。なんでもありだ。バイク天国・台湾を象徴する光景。

信号で止まるたびにストップ&ゴー。バイクたちと並んで走り、また追い抜かれ、また並ぶ。不思議な連帯感が生まれる。

すっかり夜になった。フロントライトとテールライトを点灯。

逢甲夜市を横目に(17:45)

ホテルまでの途中に「逢甲夜市」がある。台中で最も有名な夜市。

台中の逢甲夜市の賑わい
台中の逢甲夜市の賑わい
逢甲夜市の屋台が並ぶ通り
逢甲夜市の屋台が並ぶ通り
夕暮れの逢甲夜市
夕暮れの逢甲夜市

通りかかると、すでに大勢の人で賑わっていた。屋台から立ち上る湯気、食欲をそそる匂い、活気のある声。

寄りたい。すごく寄りたい。

でも、自転車に乗ったままでは夜市を巡ることができない。何より、とにかくホテルに着いてゆっくりしたい。体が限界だ。

後ろ髪を引かれながら、夜市の通りをスルーした。

やはり夜市は、歩いてゆっくり巡りたい。

台中の宿に到着:格安ドミトリーの衝撃(19:00〜)

今日の宿は台中の都心部にある「Box Design Hotel」。

Box Design Hotelの正面玄関
Box Design Hotelの正面玄関

Trip.comでセールをやっていて、ドミトリールームが1,455円だった。日本円でのカード払い。めちゃくちゃ安い。あまりの安さに、何か裏があるのではと疑ったほどだ。

ちゃんとしたフロントがあって、自転車もホテル内に置かせてもらえた。部屋に入ると、昨日の大渓のホステルとは違い、4人部屋は満室。エアコンが凍えるくらい効いていたけど、設備は普通に良かった。

Box Design Hotelのフロント
Box Design Hotelのフロント
Box Design Hotel 共同スペース
Box Design Hotel 共同スペース

1,455円でこのクオリティなら、文句のつけようがない。

セブンイレブンの鶏肉弁当と台湾ビールと純喫茶
セブンイレブンの鶏肉弁当と台湾ビールと純喫茶
鶏肉弁当の中身
鶏肉弁当の中身

近くのセブンイレブンで夕食を調達。今日は朝昼晩すべてセブンイレブンとなった。

タンパク質重視で「增雞蛋白餐」という弁当、純喫茶のオレンジ風味、そして台湾ビール。合計180NTD(約900円)。

セブンイレブンの弁当は、本当にハズレがない。そして、今回の旅で初のアルコール。台湾ビールはライトすぎてノンアルビールみたいだった。

Box Design Hotelのドミトリー内部
Box Design Hotelのドミトリー内部

164km。13時間37分。

今回の旅で最長の1日が終わった。

ベッドに倒れ込むように横になると、一瞬で意識が落ちた。

明日は嘉義(ジャーイー)を目指す。 当初は午前中にGIANTが手掛ける「自転車文化探索館」に寄る予定だったが、訪問するには大肚山への登り返しが必要になる。体力の消耗と残り時間を考慮し、今回は断念することにした。

今は観光を楽しむ余裕はない。環島を完遂することに専念し、嘉義への道を急ぐ。

コラム:台湾の地名から学ぶ繁体字

自転車に乗っている間、頭の中は意外と暇だ。

景色を眺めながらぼんやり走っていると、道路標識の緑色の看板が目に入る。地名が繁体字中国語と英語(ピンイン)で併記されている。

「苗栗(Miaoli)」「台中(Taichung)」「彰化(Changhua)」……

最初は読み方すらわからなかった地名が、何度も目にするうちに頭に入ってくる。

地名から繁体字を覚える方法

ピンインを見ながら、繁体字の読み方をシャドーイングする。これを繰り返していると、繁体字1文字と読み方が1対1で対応づけられるようになってきた。

例えば「台中(タイジョン)」の「中」は「Zhong(ジョン)」。 この法則がわかれば、台北のメインストリート「中山路(ジョンシャンルー)」や、地元のスーパー「全聯(ジョンリェン)」、さらには「中国(ジョングォ)」という単語まで、すべて同じ「ジョン」という音の糸で結ばれる。

地名は繰り返し目にするので、自然と記憶に定着する。しかも実用的だ。駅名や行き先がわかるようになれば、旅がぐっと楽になる。

繁体字を勉強するなら、地名から入るのは良い方法かもしれない。

繁体字と簡体字の違い

ところで、台湾で使われている「繁体字」は、中国本土で使われている「簡体字」とは異なる。

簡体字は繁体字を簡略化したもので、画数が少なく書きやすい。一方、繁体字は古来の漢字の形を保っている。

日本の漢字は、どちらかというと繁体字に近い。だから日本人には繁体字の方が読みやすいかもしれない。

例えば「駅」という字。

  • 繁体字(台湾):驛
  • 簡体字(中国):站
  • 日本:駅

台湾の「驛」は、日本の「駅」の旧字体に相当する。なんとなく読める。

こういう発見があるのも、自転車旅行ならではの楽しみだ。ゆっくり走っているからこそ、看板の文字をじっくり眺める余裕がある。

台湾の都市を日本の都市に例えると

台湾の都市の特徴と位置を覚えるには、日本の都市と対応づけると頭に入りやすい。

台湾日本のイメージ特徴
台北東京政治・経済・トレンドの中心地。人口約270万人
新北埼玉・神奈川台北のベッドタウン。人口は台湾最大の約400万人
基隆横浜・横須賀台湾北部の港町。雨が多いことで有名
桃園成田・木更津台湾の空の玄関口。桃園国際空港がある
新竹つくば・京浜工業地帯台湾のシリコンバレー。TSMC本社がある
台中名古屋台北と高雄の中間にある第3の都市
嘉義静岡阿里山観光の玄関口。鶏肉飯が名物
台南京都・奈良台湾最古の都市。歴史的建造物が多い
高雄大阪台湾第2の都市。港湾都市として発展
台東宮崎・鹿児島東海岸の自然豊かなエリア
花蓮金沢・富山太魯閣渓谷の玄関口。先住民文化が残る

もちろん異論はあるだろう。でも、こういう対応づけをしておくと、初めて聞く地名でも「だいたいこの辺か」とイメージできる。

台湾の地理:南北に細長い島

台湾は南北に約400km、東西に約150kmの細長い島だ。日本でいうと九州とほぼ同じ大きさ。

西側は平野が広がり、主要都市が集中している。台北から高雄まで新幹線(高鐵)で約1時間半。東側は中央山脈が海岸近くまで迫り、断崖絶壁が続く。道路も限られるため、人口は西側に比べて少ない。

環島で一周すると、この地理がよくわかる。西側は平坦で走りやすいが交通量が多い。東側は景色が美しいがアップダウンが激しい。どちらも一長一短だ。

自転車乗りのための距離感:台湾 vs 日本

「台中まで164km」と言われても、ピンとこない人も多いだろう。自転車乗りなら馴染みのある日本の区間に当てはめると、距離感がつかみやすい。

区間(台湾)距離日本の相当区間距離備考
台北 → 台中約160km東京 → 静岡約170km西側の最初の大きな山場を越えた先
台中 → 嘉義約90km静岡 → 浜松約75km平野部を淡々と走る区間
嘉義 → 台南約60km浜松 → 豊橋約55km古都への道
台南 → 高雄約50km豊橋 → 名古屋約70km第2の都市へラストスパート
台北 → 高雄約350km東京 → 名古屋約350km台湾西側縦断 = 東名高速全線

つまり、今日の大渓→台中(164km)は、東京から静岡まで走るのとほぼ同じ。ブルベやロングライドをやっている人なら「まあ、1日で走れなくはない距離」とイメージできるはずだ。

ちなみに環島一周は約1,000km。東京から下関までの距離に相当する。キャノンボール(東京〜大阪を24時間以内に走る挑戦)を2回やって、さらにもう少し走る計算だ。

こう考えると、台湾は「ちょうどいいサイズ」の島だと思う。1〜2週間あれば無理なく一周できる。日本一周だと数ヶ月かかるが、台湾なら現実的な期間で「一周した」という達成感を味わえる。

Day 2 まとめ

走行データ

この日の走行距離は164.0km(計画では141km)。計画を23kmも超え、今回の旅で最長距離となった。

移動時間は8時間34分、経過時間は13時間37分。朝6時に出発して、ホテルに着いたのは19時過ぎ。

獲得標高は872.4m、平均速度は19.1km/h。

詳細なデータはStravaで確認できる。

費用まとめ(Day 2)

この日の出費は合計で約420NTD(約2,100円)+ 宿泊費1,455円。

内訳は以下の通り:

  • 朝食(セブンイレブンのパン2つ+コーヒー):約60NTD(約300円)
  • 休憩(純喫茶+青マンゴーアイス):約60NTD(約300円)
  • 昼食(カレーライス弁当+コーヒー):約120NTD(約600円)
  • 夕食(鶏肉弁当+ビール+飲み物):約180NTD(約900円)
  • 宿泊(Box Design Hotel ドミトリー):1,455円(Trip.com日本円払い)

合計:約3,555円

1NTD(ニュー台湾ドル)は約5円で計算している。

2日目の感想と教訓

良かった点

  • 164kmという過去最長距離を完走できた
  • 風情海岸のサイクリングロードが絶景だった
  • セブンイレブンの弁当が想像以上に美味しい
  • 格安ドミトリーでも十分快適

反省点

  • 11月の台湾をなめていた。日中の日差しは厳しく、熱中症になりかけた
  • 大肚山の登りを甘く見ていた。事前にもっと調べておくべきだった
  • 逢甲夜市をゆっくり見られなかった。時間配分を考えるべきだった

体調面

出発5時間後あたりから、熱中症の症状が出始めた。頭がぼんやりして、判断力が落ちているのがわかった。

白沙屯拱天宮での休憩とアイスで一度は回復。しかし大肚山の登りで再び限界に達した。

11月の台湾でも日中の日差しは厳しい。こまめな休憩と水分補給、そして体を冷やすアイスが有効だと実感した。

次回予告

Day 3は台中から嘉義へ、約90kmの道のり。

観光は諦めた。今はただ、環島を完遂することだけに集中する。

嘉義といえば「鶏肉飯」が有名だ。細切りの鶏肉をご飯にのせた、シンプルだが奥深い郷土料理。疲れ切った体に、本場の味は染みるだろうか。

次回、「Day 3:台中→嘉義」に続く。

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