日本百名山全山踏破 86座目 吾妻山 | 天元台から西吾妻山への急速アクセス

西吾妻山のピーク 日本百名山
スポンサーリンク

吾妻山に向かうまで

東北遠征2日目は、午前中に朝日岳のピストン登山を敢行し、その後同日中に西吾妻山まで移動する強行日程で計画していた。朝日岳の古寺鉱泉から天元台高原までは山形県を横断する形になるため、移動時間を含めた綿密なスケジュール管理が必要な1日である。

西吾妻山は、気軽にアクセスできる百名山の一つ。ロープウェイと夏山リフトを乗り継げば、登山口の北望台まで短時間で到達可能だ。ただし、その分営業時間に制約されるのが難点。特にリフトの最終便は15:40と早く、下山のタイミングをミスれば車道歩きを余儀なくされる。

朝日岳からの移動で想定以上に時間を要してしまい、天元台到着が当初の予定より遅れることになった。それでも何とか日没前には西吾妻山のピークを踏み、翌日の安達太良山に向けて体制を整えたい。

2020年10月4日 天元台北望台から45分で西吾妻山に登る

天元台高原ロープウェイ 湯本駅
天元台高原ロープウェイ 湯本駅

朝の朝日岳から車を飛ばし、天元台高原ロープウェイ湯本駅に到着。当初2時間程度と見込んでいた移動時間が3時間もかかってしまい、計画に若干の遅れが生じていた。

受付でロープウェイの往復券を購入しようとしたところ、係員の方から意外な一言。「西吾妻山に登るなら、絶対に帰りのロープウェイに間に合わないから片道しか売れない」と断言される。リフトの最終便が15:40、ロープウェイは17:00が最終のため、頑張れば下山できると思うのだが、地元の方の判断に従って片道券を購入することにした。

ロープウェイはモンベルカードの提示で割引を受けられる。往路(ロープウェイ+リフト)が2,040円、復路(ロープウェイのみ)が850円という料金設定だった。

天元台高原ロープウェイのゴンドラと乗り場
天元台高原ロープウェイ

14時発のロープウェイに乗車し、一気に標高を稼ぐ。

ロープウェイからの眺め
天元台高原ロープウェイ

ゴンドラから見渡す限り、紅葉の色づきはまだまだ初期段階といった印象。10月上旬という時期を考えれば、今年の紅葉は例年より遅れているようだ。

ロープウェイ車内からの山間部風景
天元台高原ロープウェイ
天元台高原ロープウェイ 天元台高原駅
天元台高原ロープウェイ 天元台高原駅

わずか6分で天元台高原駅に到達。ここからさらに夏山リフトを3基乗り継いで北望台を目指す。

天元台高原スキー場夏山リフト1基目
天元台高原スキー場 夏山リフト

夏山リフトは1基ずつ乗り継ぎながら、じわじわと標高を上げていく。

夏山リフト1基目から2基目への乗り換え地点
天元台高原スキー場 夏山リフト

1基目から2基目への乗り換え。リフトはそれぞれ独立しており、途中での乗り換えが必要になる。

リフトから見る秋の始まりの山肌と色づいた樹木
天元台高原スキー場 夏山リフト

高度を上げるにつれ、色付いた木々がチラホラと目に入るようになってきた。標高による紅葉の進行度合いの違いが如実に現れている。

夏山リフト2基目から3基目への乗り換え地点
天元台高原スキー場 夏山リフト

2基目から3基目への乗り換え地点。ここまで来ると、周囲の景色も山深さを増してくる。

天元台高原スキー場の最上部を走る3基目リフト
天元台高原スキー場 夏山リフト
天元台高原スキー場 夏山リフト
天元台高原スキー場 夏山リフト

3基目は他の2基に比べて距離が長く、乗車時間も最も長い。ロープウェイが6分、リフト3基合計で40分という内訳で、合計約46分の文明の利器による登行となった。

登山口である北望台到着は15時前。帰りのロープウェイ営業終了時刻である17時まで2時間強の余裕があるものの、リフトが15:40で終了するため、実質的な制限時間はより厳しい。

実際に登ってみた

日程: 2020年10月4日(日) [日帰り] 天候: くもり

アクセス

天元台ロープウェイ湯元駅の天元台駐車場に駐車。朝日岳からの移動は約3時間を要した。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
01:598.2km354m849m

コースタイム

ルート: 北望台-梵天岩-西吾妻山-梵天岩-北望台-天元台ロープウェイ天元台高原駅

山行タイムライン
  • 14:47
    北望台
  • 14:56
    かもしか展望台
    北望台登山口から始まる西吾妻山への登山道

    リフト終点の北望台から、時間制約に追われながらも一気に駆け上がる。階段状の登山道では、既に下山してくる団体登山者とのすれ違いが頻繁にあった。皆さん余裕のある時間設定で行動されているようで、こちらの慌ただしさとは対照的だ。

    中大巓と西吾妻山を結ぶ鞍部の整備された木道
    木道

    中大巓と西吾妻山を結ぶ鞍部は、ほぼ全線にわたって木道が整備されている。この時間帯になると、登山者や観光客の姿はほとんど見当たらず、静寂に包まれた稜線歩きを独り占めできる贅沢な時間。ただし、時間的余裕がないため眺望を楽しむ間もなく、速歩きで先を急ぐ。

  • 15:06
    大凹の水場
    大凹の水場周辺
    大凹の水場から西吾妻山方向への登山道
  • 15:19
    梵天岩
    梵天岩付近の岩場
    梵天岩付近
  • 15:32
    西吾妻山
    森に囲まれた西吾妻山山頂
    西吾妻山のピーク

    西吾妻山のピークに到達。事前情報通り、森に囲まれて眺望は全くなく、ピークらしさを感じさせない極めてフラットな山頂だった。記念撮影もそこそこに、すぐさま下山開始。さて帰ろう。

    西吾妻山からの眺め
    西吾妻山からの眺め
    西吾妻山下山時の登山道
  • 15:42
    梵天岩

  • 15:54
    大凹の水場

  • 16:06
    かもしか展望台

  • 16:14
    北望台
    営業終了後の北望台リフト終点駅
    北望台

    下山は来た道をそのまま戻る。梵天岩、大凹の水場、かもしか展望台と順次通過し、北望台へ戻ってきた。

    予想通り、リフトは既に営業を終了(15:40)していて、係員の姿もない。これは当初から想定していた事態で、もともと下りのリフトを使うつもりはなかった。スキー場内の登山道を利用して天元台高原駅まで下ることにする。

    スキー場ゲレンデを直下降する登山道

    スキー場のゲレンデを直下降する形になるが、安定した土壌と芝生がクッションの役割を果たし、意外なほど歩きやすい。

    天元台高原駅が見えてきたスキー場下山路

    徐々に天元台高原駅の建物が視界に入ってきた。ロープウェイの最終便17:00には何とか間に合いそうだ。

  • 16:44
    天元台ロープウェイ 天元台高原駅
    天元台高原ロープウェイ 天元台高原駅
    天元台高原ロープウェイ 天元台高原駅

    最終便の17:00に間に合った。
    ギリギリの到着だったため、係員の方々は既に終業モードに入っていた様子。突然の客の出現に、少し迷惑そうな表情を浮かべられたのは申し訳ない。

天元台のロープウェイを下りて駐車場へ

下山時の天元台高原ロープウェイ臨時便
天元台高原ロープウェイ

最終便の時刻を待たずして臨時便として運行していただき、一安心。もしロープウェイに間に合わなくても車道を歩いて下りる選択肢はあったが、それは絶対に避けたかった。

ロープウェイ下降中の夕暮れ時
天元台高原ロープウェイ
天元台高原ロープウェイ 湯本駅
天元台高原ロープウェイ 湯本駅

湯本駅に無事下山し、西吾妻山の山行を完遂。時間制約のある中での駆け足登山だったが、何とか予定通りにこなすことができた。

天元台駅前で遭難者捜索中の山形県警パトカー
山形県警のパトカー

駅では山形県警のパトカーが待機しており、どうやら遭難者の捜索活動が行われている模様だった。

安達太良山近くの道の駅つちゆで車中泊

天元台からは一旦米沢市街地へ戻り、そこから山形県を抜けて福島県福島市方面へ向かう。翌日登る予定の安達太良山に近い道の駅つちゆで車中泊し、遠征最終日に備えることにした。

下山後の感想

コース状況・危険箇所等

特に危険な箇所はなく、整備された木道と明瞭な登山道で構成されている初心者向けのコース。ただし、営業時間に制約があるため、時間管理が重要。

感想・記録

東北遠征2日目は、午前中の朝日岳ピストン登山に続き、午後は天元台まで移動して吾妻山に登るという、かなりタイトなスケジュールでの行程だった。

ロープウェイ山頂駅周辺では紅葉はまだまだ初期段階で、稜線でようやく色づき始めている程度。今年は全体的に紅葉の進行が遅れているようだ。

西吾妻山のピークは、事前に眺望がないことは承知していたが、想像以上にフラットで「ピークらしさ」を全く感じさせない山頂だった。吾妻連峰本来の魅力を味わうには、時間をかけた縦走コースを選択すべきだと痛感。

明日は遠征最終日、安達太良山に向かう予定だ。

かかった費用と装備

費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 蔵王山の記事でまとめています。

今になって思うこと

吾妻山は大学時代に登っていてもおかしくない立地だったが、なぜか当時は訪れることがなかった。せっかくの吾妻連峰なので縦走を楽しみたかったが、時間の制約でやっつけ仕事のような登山になってしまったのは心残りだ。いつかリベンジで、じっくりと吾妻連峰を歩き回ってみたい。

一方で、吾妻山を挟んで福島県側にある吾妻小富士には過去2回ほどお鉢めぐりを経験している。そのうち1回は会津若松市から福島市への自転車ツーリング途中での立ち寄った途中だった。磐梯吾妻スカイラインを走行中に現れる異世界のような景観は、多くの人におすすめしたい絶景スポットの一つだ。

百名山として西吾妻山を捉えるなら、やはり縦走コースでの山行が本来の姿。今回のような駆け足登山では、この山域の真の魅力を体感できていないのが正直なところ。時間制約のある遠征では仕方ない面もあるが、もう少し余裕を持った計画立てができればよかった。


タイトルとURLをコピーしました