日本百名山全山踏破 54座目 八甲田山 | 紅葉時期の酸ヶ湯ルートと毛無岱湿原

上毛無岱と下毛無岱を繋ぐ階段 日本百名山
スポンサーリンク

八甲田山に向かうまで

羊蹄山で53座目を制覇した後、次なる目標は青森の八甲田山だった。実は2018年6月29日からの青森遠征を計画していたのだが、高速バスに乗り遅れるという痛恨のミスで計画を断念(五竜岳の記事で詳しく経緯を書いている)。そのリベンジとして、青森への遠征を紅葉が期待できる9月に再設定した。今度こそは絶対に行くんだ。

前日22:30、バスタ新宿発の高速バスで青森県弘前市に向かった。片道9時間超のバス旅は決して楽ではないが、目的のためなら我慢できる。

2018年9月29日 弘前駅から八甲田山へ

弘前駅構内のりんごのオブジェ
弘前駅のりんご

朝7時45分、弘前駅に到着。前回来たのは2年前のふらいんぐうぃっちの聖地巡礼。弘前駅の駅舎を眺めながら準備を整えた。構内にはアニメに登場したりんごのオブジェも健在で、青森に来たという実感が湧く。

アニメふらいんぐうぃっちにも登場した弘前駅
弘前駅

毎度お馴染みのニコニコレンタカー弘前駅前店でレンタカーを確保。今回はフィットがなかったため4WDのスイフトになった。これでは後部座席がフラットにならず車中泊は厳しいが、仕方ない。

弘前市内から東にある八甲田山の登山口、酸ヶ湯温泉を目指す。途中、JA津軽みらい あっぷるはうす「かあさんの店」でアップルパイとリンゴを購入。いいエネルギー源になってくれそうだ。

実際に登ってみた

日程: 2018年9月29日(土) [日帰り] 天候: 曇り

アクセス

酸ヶ湯の公共駐車場は広いものの、到着が遅かったため既にほぼ満車だった。駐車場自体は広く、100台以上は停められそうな規模。酸ヶ湯温泉側にも第2、第3駐車場があるようなので、こちらが満車でも心配ない。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
02:449.4km707m700m

コースタイム

ルート: 酸ヶ湯温泉-仙人岱-八甲田大岳-毛無岱-酸ヶ湯温泉

山行タイムライン
  • 09:25
    酸ヶ湯公共駐車場
    酸ヶ湯公共駐車場
    酸ヶ湯公共駐車場

    登山口は酸ヶ湯温泉よりも十和田湖方面寄りで、駐車場からのアクセスも良好だ。

    八甲田山酸ヶ湯登山口
    八甲田山神社登山口
    八甲田山神社登山口
    八甲田山神社
    八甲田山神社
    日本山脈縦走起点
    日本山脈縦走起点

    興味深いことに、ここ青森県の八甲田山が「日本山脈縦走」の起点となっている。ここから山口県の秋吉台まで5000キロという壮大なプロジェクトのスタート地点。スケールの大きさに圧倒される。

    八甲田山登山道序盤の水溜りと泥濘状況

    登山口から入ってすぐに水溜りと泥濘みがあった。靴が汚れることは覚悟していたが、想像以上の状態だった。

    八甲田山の火山性ガスによる植生が白化
    植生が白化

    この辺りだけ火山性ガスの影響で植生が白化している。

  • 09:55
    残雪期道迷い注意地点
    八甲田山残雪期道迷い注意地点
  • 10:04
    南八甲田展望所
    八甲田の紅葉
    八甲田の紅葉

    今年は紅葉が早いのか、もう結構な色付きを見せている。

    八甲田山地獄湯ノ沢付近の沢沿い
    沢沿い

    沢沿いを登っていく。周囲の変化に富んでいて面白い。

  • 10:08
    地獄湯ノ沢
    八甲田山地獄湯ノ沢付近
  • 10:20
    仙人岱(八甲田清水)
    八甲田山仙人岱の湿原と木道
    仙人岱
    八甲田山仙人岱
  • 10:24
    桜沼
  • 10:33
    八甲田大岳森林限界
    八甲田大岳への登り
    八甲田大岳への登り

    森林限界を越えると、いよいよ八甲田大岳への本格的な登りが始まる。ここまでと比べると急に険しくなった印象だ。

  • 10:41
    鏡沼
    八甲田大岳付近
  • 10:47
    八甲田大岳
    八甲田大岳山頂(1,585m)
    八甲田大岳山頂

    高曇りながら、最近の山行からすると景色が見えるだけありがたい。八甲田大岳の標高は1,585mで、青森県内では岩木山に次ぐ高峰だ。

    八甲田大岳山頂の三角点
    三角点
    八甲田大岳からの眺め
    八甲田大岳からの眺め
    八甲田大岳山頂
    八甲田大岳山頂
    八甲田大岳山頂からの展望
  • 11:01
    大岳鞍部避難小屋
    大岳鞍部避難小屋
    大岳鞍部避難小屋

    小屋の前の広場には多くの登山者で賑わっていた。さすが人気の山だけあって、土曜日ということもあり多くの人が訪れている。

    八甲田山大岳鞍部避難小屋付近
    八甲田山大岳鞍部避難小屋付近からの展望
  • 11:17
    毛無岱分岐
    八甲田山毛無岱

    毛無岱エリアに入ると、植生がより豊かになってくる。時期的にも秋の花々が楽しめそうだ。

    八甲田山毛無岱で咲くアキノキリンソウ
    アキノキリンソウ
    八甲田山毛無岱の秋
    八甲田山毛無岱のチングルマ
    チングルマ
    八甲田山毛無岱の湿原植物
    八甲田山毛無岱の池塘と湿原景観
    上毛無岱の紅葉
    上毛無岱の紅葉

    すっかり秋の彩りに包まれた毛無岱。紅葉の見頃としては少し早いかもしれないが、十分に美しい景色だった。

  • 11:24
    上毛無岱休憩所
    八甲田山上毛無岱休憩所の周辺
  • 11:30
    毛無岱の階段
    上毛無岱と下毛無岱を繋ぐ階段
    上毛無岱と下毛無岱を繋ぐ階段

    この上毛無岱と下毛無岱を繋ぐ階段からの景色が八甲田山のハイライトといっても過言ではない。眼下に広がる湿原の美しさは格別だった。

    八甲田山毛無岱の池塘
    池塘
  • 11:36
    下毛無岱休憩所
  • 11:52
    城ヶ倉分岐
    酸ヶ湯方面

    下の方に酸ヶ湯温泉が見えてきた。ゴールも近い。

  • 12:02
    酸ヶ湯温泉
    酸ヶ湯温泉
    酸ヶ湯温泉

    歴史ある酸ヶ湯温泉の建物を横目に、駐車場へと向かう。酸ヶ湯温泉には昔に入浴したことがある。

  • 12:09
    酸ヶ湯公共駐車場

八甲田雪中行軍遭難事件の現場にある記念碑

八甲田雪中行軍遭難事件歩兵第五聯隊第二大隊遭難記念碑
歩兵第五聯隊第二大隊遭難記念碑

下山後、八甲田雪中行軍遭難事件の現場を訪れた。映画「八甲田山」で広く知られているこの悲劇的な事件の舞台だ。森の中にあるが、近くの銅像茶屋(現在は閉業)に駐車できた。

銅像茶屋は2019年の春に閉業されたようです。


大雪の八甲田山を脆弱な装備かつ雪に不慣れな隊員が行軍したことによって起こった悲惨な遭難事故。その現場に建てられているのが、直立したまま仮死状態で発見された「後藤房之助伍長の像」だ。

雪山の恐ろしさや準備の大切さがよく分かるため、雪山に挑む前には是非見て欲しい史跡である。

  • 歩兵第五聯隊第二大隊遭難記念碑
  • 現在は閉業した銅像茶屋
  • 雪中行軍記念館 鹿鳴庵

明日は天気が崩れる予報のため、当初明日に予定していた岩木山を今日これから登ることにした。そのため、足早に来た道を戻って弘前方面へ向かう。

下山後の感想

登山道の状況について言えば、登山口から直ぐに木段に溜まった水溜りと泥濘みが連続して続くので、泥で汚れることは覚悟が必要だ。毛無岱の木道は滑り止めの加工がされているが、それでも滑りやすい箇所が多々あった。油断していると割と危険だと感じた。

一方で、全体的には整備が良くされていて、歩きやすさで言えばパーフェクトに近い。大きい段差には補助用の段差や岩が置いてあったりと、細かい配慮がされているのがありがたかった。

GW後に計画していたものの、バスに乗り遅れるというアホなミスを犯し、行けなかった青森遠征のリベンジ。スタートは酸ヶ湯温泉から。何年か前に温泉に入ったことはあったが、ここから八甲田山に登れるなんて知らなかった。

初っ端から泥濘みの洗礼を受けたものの、登山道自体は歩きやすくて、ハイキングのように気軽に歩けるコースだと思った。植生、登山道、眺めもバリエーションに富んでいて面白い。毛無岱では、色付き始めたばかりの紅葉だと思うが、視界が開けているので十分に満喫できた。中でも小刻みな階段を降りていく途中に見える景色が良かった。またいつか来たいリスト入りだ。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

交通費用

  • 高速バス新宿⇔弘前駅: 往復 12,020円
  • 電車: 675円
  • レンタカー: 35時間 6,325円
  • 有料道路: 津軽岩木スカイライン 1,600円
  • ガソリン代: 2,869円

交通費合計: 23,489円

食費・その他

  • 入場券: 400円
  • 入浴料: 450円
  • 朝昼晩食費: 2日分 4,000円
  • 行動食: 1日分 300円

食費・その他合計: 5,150円

総費用

合計: 28,639円

今になって思うこと

ゴールデンウィークに行くつもりだった青森遠征。しかし、そのお陰で紅葉の八甲田山を見ることができて、結果的には大満足だった。

東北地方の山は、関東の山が梅雨時期で登れない6月前後か、夏山シーズンの忙しさが一段落した10月前後に登ることが多かった。その2つの中では、紅葉が楽しめる後者に行くのが正解かもしれない。八甲田山は湿原の美しさと火山の迫力を同時に楽しめる素晴らしい山だった。

毛無岱の湿原は、尾瀬に匹敵する美しさがある。特に階段から見下ろす池塘と湿原植物の風景は印象的で、八甲田山を代表する景色の一つだろう。また、八甲田雪中行軍遭難事件の史跡も含めて、単なる登山以上の深い体験ができる山だと思う。


タイトルとURLをコピーしました