あおいとひなたの約束の山であり、ヤマノススメで最も重要な聖地である富士山。初回挑戦での挫折から、リベンジでの登頂成功まで、あおいの成長物語の集大成となった日本最高峰への挑戦記録です。
基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
山名 | 富士山(剣ヶ峰) |
標高 | 3,776m(日本最高峰) |
所在地 | 静岡県・山梨県 |
難易度 | ★★★★★(上級者向け・高山病対策必須) |
推奨シーズン | 7月上旬~9月上旬 |
コースタイム | 1泊2日(標準) |
登山スタイル | 山小屋泊・ご来光登山 |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【十九~二十二合目】《ご来光登山、山小屋泊》富士山 初挑戦
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、楓
- アクセス: 《高速バス》新宿西口バスターミナル→富士スバルライン五合目
- コース: 富士スバルライン五合目→(吉田ルート)→富士山安全指導センター(六合目)→太子舘(八合目)→久須志神社→朝日ヶ岳→〈お鉢周り〉→富士山(剣ヶ峰)(3,776m)
あらすじ
【十九合目 初めての夜間登山】高速バスで吉田ルートの登山口へ。暗闇の中で登山をはじめた4人は、まずは六合目まで登って休憩する。
【二十合目 山小屋がいっぱい!】暗闇にも目が慣れてきて、満点の星空に感動するあおい。しかし、八合目まで登る間にみんなよりペースが遅れ、頭痛と体のしんどさを感じだした。楓はあおいが高山病だと判断。楓は富士山に登頂したことがあり、このまま八合目であおいの付き添いをするので、ひなたとここなには頂上へ登ってきてと伝えた。無理して登りたいと言うあおいに、「山は逃げない、何回だってチャレンジできるから焦らないの」と大声で諭す楓だった。
【二十一合目 それぞれが見た朝日】2人になってしまったひなたとここな。山頂でのご来光にタイミングを合わせるため八合目で休憩。ここなはうどん、ひなたはカップ麺を注文。太陽が上る前に富士山の頂上へ着いた2人は、居合わせた人が同じ方向を向いている一体感の中でご来光を迎えた。一方で、あおいも八合目で日の出を見届けるが、悔しい気持ちでいっぱいだった。
【二十二合目 なんのためにのぼるの?】ひなたとここなはお鉢周り、剣ヶ峰の最高地点でバンザイをする。あおいは楓に励まされながらも下山中だが、なんで辛いのに山に登るのだろうとネガティブな気持ちが止まらない。下山した後も暗い気持ちのままのあおいだった。
ルート地図
ヤマノススメ単行本3巻に収録されています
【百十八~百二十六合目】富士山~宝永山 富士山リベンジ
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、楓、ほのか
- アクセス: 《高速バス》 新宿→御殿場駅→須走口五合目
- コース: 須走口登山口(五合目)→(須走ルート)→東富士山荘→古御嶽神社→長田山荘(六合目)→大陽館(新七合目)→見晴館(本七合目)→胸突江戸屋(本八合目)《山小屋泊》→御来光館(八号五勺)→吉田口山頂(3,710m)→富士山(剣ヶ峰)→富士山本宮 浅間大社奥宮→わらじ館(七合四勺)→日の出館(七合目)→宝永山(2,693m)→大石茶屋→御殿場登山口
あらすじ
【百十八合目 天気は人の都合と関係ない】前回の富士登山にほのかを加えた5人でバスで須走口へ。五合目では高山病対策の高地順応をするために1時間ほど滞在する。
【百十九合目 自分のために登ろうぜ】五合目の東富士山荘で腹ごしらえ(きのこそば、きのこカレー、きのこラーメン)。須走ルートを登りはじめ、古御嶽神社で登頂の無事を祈る。
【百二十合目 六根清浄 お山は晴天】六合目の長田山荘に到着。博識なここなさんは「金剛杖を持って六根清浄を唱えながら登るのが昔ながらの登山」と知識を披露。本七合目の見晴館で休憩し、うどんを食べる。
【百二十一合目 問題が起きたら早く動くべき】本八合目の胸突江戸屋で宿泊。夜ご飯はハンバーグ付きのカレーライス。あおいは軽く高山病の兆しである頭痛を感じるも、食欲はあるため問題はなさそう。ご来光にむけて就寝。
【百二十二合目 御来光】風強く霧が出ている中でご来光にむけて出発。どこまでも伸びる渋滞の列に心配になりながらも、どうにか山頂に着いた。ご来光待ちで凍えるあおいに小屋で買ってきていたホットココア缶を渡すここな。ようやく、5人全員でご来光を見ることができた。
【百二十三合目 ありがとう 富士山】ご来光を済ませ、今度は日本最高峰である剣ヶ峰を目指す5人。今までの悔しい気持ちや登ってきた山々を思い出し、富士山に感謝するあおいだった。
【百二十四合目 全てが見下ろせる唯一の場所】富士山の火口を見下ろし、後は下るだけ。浅間大社奥宮で、ここなは御札、ひなたは富士山の石が埋め込まれたお守りを購入。下山ルートは御殿場ルート。七合四勺のわらじ館では、埋蔵金どら焼きを買い食い。七合目を過ぎて、宝永山へと寄り道をする。
【百二十五合目 砂走り】宝永山の山頂に到着。御殿場口の登山口まで日差しが強い中、延々と砂走りを下っていく。
【百二十六合目 登山ってそういうものかも】登山口まであと少しだが、途中の大石茶屋でかき氷を注文。改めて富士山を見上げ、自分たちの登ってきた凄さを感じるのであった。
ルート地図
ヤマノススメ単行本16巻と単行本17巻に収録されています
アニメでの登場シーン
【第2期/新八~十一合目】【第4期/#02】《夜間、山小屋泊》富士山
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、楓
- アクセス: 飯能駅-池袋駅-新宿駅-《高速バス》新宿西口バスターミナル-富士スバルライン五合目
- コース: 富士スバルライン五合目→(吉田ルート)→富士山安全指導センター(六合目)→花小屋(七合目)→日の出館(七合目)→東洋館(七合目)→太子舘(八合目)《あおいと楓》→富士山ホテル(本八合目)《ひなたとここな》→久須志神社→〈お鉢周り〉→富士山頂郵便局→富士山(剣ヶ峰)
- 備考: 登山前の五合目でひなたは爆発カレー、楓は山菜そば、ひなたとここなは雲海ラーメンを食べる。あおい八合目で高山病のため付き添いのかえで以外の2人で頂上を目指す。久須志神社で御来光、そのままお鉢周りで剣ヶ峰へ
【第4期/#11、12】富士山~宝永山
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、楓、ほのか
- アクセス: 飯能駅-新宿駅-《高速バス》新宿-御殿場駅-須走口五合目
- コース: 須走口登山口(五合目)→(須走ルート)→瀬戸館(本六合目)→大陽館(七合目)→見晴館(本七合目)《(あおい、ひなた)山小屋泊》→江戸屋(八合目)→胸突江戸屋(本八合目)《(ここな、楓、ほのか)山小屋泊》→吉田口山頂(3,710m)→(パーティー合流。ご来光)→扇屋→(お鉢めぐり)→頂上富士館→富士山(剣ヶ峰)→富士山本宮 浅間大社奥宮、富士山頂郵便局→(宝永山御殿場ルート)→宝永山(2,693m)→御殿場登山口
- 備考: 須走口五合目の山荘菊屋で高地順応。七合目の大陽館で豚汁を食べる。あおいの頭痛のため、本七合目で2パーティーに分かれてあおいとひなたは見晴館に宿泊、残りの3人は先の本八合目にある胸突江戸屋で宿泊。
聖地巡礼のポイント
- 富士スバルライン五合目: 初回挑戦の起点となった吉田ルート登山口
- 八合目太子舘: あおいが高山病でリタイアした場所
- 須走口五合目: リベンジ登山の起点
- 剣ヶ峰(3,776m): 日本最高地点での「バンザーイ!」シーン。数多の登山を経験してきた、あおいの最後のピース。
- 宝永山(2,693m): 下山時に立ち寄った第一火口の絶景ポイント
登山・アクセス情報
アクセス方法
富士山への主要なアクセスルートは4つありますが、ヤマノススメで登場したのは吉田ルートと須走ルートです。
吉田ルート(初回挑戦) 新宿から高速バスで富士スバルライン五合目へ直行(約2時間30分)。最も人気があるルートで、山小屋も多く、初心者でも比較的登りやすいルートです。ただし混雑が激しく、週末は渋滞することも。
須走ルート(リベンジ登山) 新宿から高速バスで御殿場駅へ行き、そこから須走口五合目へ(計約3時間)。吉田ルートより空いており、樹林帯を通る区間があるのが特徴。八合目で吉田ルートと合流します。
マイカー規制 登山シーズン中は環境保護のためマイカー規制が実施されます。シャトルバスかタクシーの利用が必要です。
おすすめコース
あおいたちの成功パターンから学ぶ、富士登山の理想的なスケジュールです。
1日目(登山) 五合目で1時間以上の高地順応→ゆっくりペースで六合目へ(1時間)→七合目で昼食休憩(30分)→八合目の山小屋着(3-4時間)→夕食後、仮眠
2日目(ご来光・下山) 深夜2-3時に山小屋出発→ご来光に合わせて山頂着(3-4時間)→ご来光鑑賞→お鉢巡り・剣ヶ峰(1時間30分)→下山開始→五合目着(3-4時間)
高山病対策 あおいの初回失敗から学ぶ重要なポイント:
- 五合目での十分な高地順応(最低1時間)
- ゆっくりとしたペースの維持
- こまめな水分補給(脱水は高山病のリスクを高める)
- 深呼吸を意識(酸素不足の予防)
- 無理をしない勇気(楓の判断は正しい)
装備と準備
富士山は真夏でも山頂付近は0度近くまで下がることがあります。
必須装備
- 防寒着(ダウンジャケット等は必須。夏だからと、甘く見ないほうがいい)
- 雨具(上下セパレート。傘は役に立ちません)
- ヘッドランプ(夜間登山必須。予備電池の準備も)
- 登山靴(くるぶしまであるもの)
- 手袋(防寒・岩場保護)
- 帽子(日焼け・防寒対策)
- サングラス・日焼け止め(紫外線対策)
山小屋予約 週末は特に混雑するため、早めの予約が必須。
実際の巡礼記録
富士山には2度登山経験があります。ただし、いずれも富士宮ルートだったので、ヤマノススメで登場した吉田ルートにも挑戦したいと思っています。

巡礼レポート
富士宮ルートでの体験
富士宮ルートは日本最高地点の剣ヶ峰に最も近いルートで、距離は短いものの傾斜が急なのが特徴です。最初の登山では高山病に悩まされながらも、なんとか剣ヶ峰まで到達。あおいの苦しみが本当によく分かる体験でした。
2度目の登山では前回の経験を活かし、ペース配分にも気をつけた結果、余裕を持って登頂成功。楓が言った「山は逃げない、何回だってチャレンジできる」という言葉の重みを実感しました。
ご来光の感動

山頂でのご来光は、まさにあおいたちが体験したような感動的な瞬間でした。暗闇から徐々に明るくなり、地平線から太陽が昇る瞬間、周りの登山者全員が同じ方向を向いて息を呑む一体感。この体験は一生忘れられません。
剣ヶ峰での達成感

日本最高地点である剣ヶ峰(3,776m)に立った時の達成感は格別です。360度の大パノラマ、眼下に広がる雲海、遠くに見える南アルプスや八ヶ岳。あおいが「ありがとう富士山」と感謝した気持ちがよく分かります。

周辺情報・関連記事
富士山への準備となる山
富士山に挑戦する前に、これらの山で高度順応と体力作りをすることをおすすめします。
三ツ峠山(1,785m) 富士山の絶景を楽しみながら、標高差1,000m以上の登山を体験できる。
金峰山(2,599m) 2,500m超の高度を体験でき、岩場の練習にもなる。
雲取山(2,017m) テント泊縦走で長時間行動の練習ができる。
富士山は頂上だけが富士山ではない
原作では、富士山の御殿場口新五合目にある御殿場トレイルコースをトレイルランで訪れています
ステップアップ登山
富士山登頂後の次なる挑戦:
- 富士山冬季登山: ガチの上級者のみ・専門装備必須
- 北アルプス縦走: 剱岳、槍ヶ岳など3,000m級の山々
- 南アルプス縦走: 北岳、間ノ岳など日本第2位・3位の高峰
よくある質問
Q: 初心者でも富士山に登れますか?
A: 適切な準備と装備があれば可能ですが、あおいの初回挑戦のように高山病のリスクがあります。事前に2,000m級の山での経験を積み、体力をつけてから挑戦することをおすすめします。富士山のような単独峰というのは、淡々と登っていくことができるかという自分との戦いでもあるので、強い信念も必要です。
Q: 高山病になったらどうすればいいですか?
A: 楓の判断のように、すぐに休んで下山することが最も重要です。症状が軽い場合は、その場で休憩し、水分補給と深呼吸をしてください。頭痛、吐き気、めまいなどの症状が改善しない場合は、無理せず下山しましょう。
Q: ご来光を見るベストポジションは?
A: 山頂でのご来光が最も人気ですが、混雑を避けるなら八合目や九合目での鑑賞もおすすめです。あおいが八合目で見たご来光も、それはそれで美しい体験でした。
Q: 須走ルートと吉田ルートどちらがおすすめ?
A: 初心者は山小屋が多く、救護所も充実している吉田ルートがおすすめ。経験者や混雑を避けたい方は須走ルートが良いでしょう。あおいたちのリベンジ登山で須走ルートを選んだのは、既に登頂を果たしているひなたやここなに対する配慮があったかもしれません。