富士山の御殿場口から双子山を巡るトレイルランコース。森林限界を跨いで、火山礫の荒涼とした風景と緑豊かな樹林帯の両方を楽しめる、トレランデビューに最適なエピソードの舞台です。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 山名 | 下双子山(しもふたごやま) |
| 標高 | 1,804m |
| 所在地 | 静岡県御殿場市・裾野市 |
| 難易度 | ★★☆☆☆(トレラン初心者向け) |
| 推奨シーズン | 5月~11月(冬季積雪注意) |
| コースタイム | 周回3時間(トレラン2時間) |
| 登山スタイル | トレイルラン・ハイキング |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【五十五合目】《トレイルラン》富士山 御殿場トレイルコース
- メンバー: あおい、ひなた、ここな、楓
- アクセス: 新宿駅→〈特急あさぎり〉→御殿場駅→〈タクシー〉→御殿場口新五合目
- コース: 御殿場口新五合目(1,440m)→幕岩→下双子山(1,804m)→御殿場口新五合目
あらすじ
【五十五合目 富士山で走ろう】小春からトレランザック、トレランポール、靴とゲイターを借りた4人は御殿場口新五合目へ。霧で視界が悪い中、御殿場トレイルコースを走りきった。火山礫の上を走る感覚、トレイルランニングの魅力を初体験。
ヤマノススメ単行本8巻に収録されています
ルート地図
聖地巡礼のポイント
- 御殿場口新五合目: 標高1,440mのスタート地点
- 大砂走り: 下りが楽しい火山礫の斜面
アクセス・コース情報
アクセス方法
御殿場口は富士山登山口の中で最も標高が低く、アクセスしやすい登山口です。
電車・バスでのアクセス JR御殿場駅からバスで約40分。夏季(7月〜9月上旬)以外はバスが運行されないため、タクシーの利用となります。
マイカーでのアクセス 東名高速「御殿場IC」から約30分。御殿場口新五合目の駐車場は無料で利用可能です。
おすすめコース
御殿場トレイルコースは複数のルートを組み合わせて楽しめます。
標準トレイルランコース(原作ルート) 御殿場口新五合目→幕岩→下双子山→御殿場口新五合目
水ヶ塚公園発着ロングコース 水ヶ塚公園→須山御胎内→幕岩→三辻→四辻→上双子山→下双子山→幕岩→南山林道→水ヶ塚公園 樹林帯を長く楽しめる約15kmのコース。
ハイキングコース(初心者向け) 御殿場口新五合目→大石茶屋跡→次郎坊→往復 歩きやすい道で富士山の雰囲気を楽しむ。約2時間。
装備と準備
トレイルランには専用装備が必要ですが、ハイキングなら通常装備でOK。
トレラン装備(小春の貸出装備)
- トレランザック(5-10L)
- トレランシューズ
- トレランポール(折りたたみ式)
- ショートゲイター(火山礫対策。必須!)
- 軽量ウインドブレーカー
- ハイドレーション(1.5L)
ハイキング装備
- 登山靴(ミドルカット推奨)
- ザック(20L程度)
- 雨具(天候急変対策)
- 防寒着(標高差あり)
- 飲み物(1.5L以上)
- 行動食
御殿場トレイルの魅力
森林限界を越え、地球の鼓動を感じる「双子山」
御殿場トレイルの最大の魅力は、わずかな距離で劇的に変化する景観のダイナミズムにあります。スタート地点の豊かな樹林帯を抜け、幕岩を過ぎる頃には、突如として視界が開ける森林限界へ。そこから見上げる「下双子山」と「上双子山」は、富士山の側火山らしい荒々しくも美しい山容を見せてくれます。山頂に立てば、眼下に広がる広大な御殿場の街並みと、背後にそびえる富士山本体の圧倒的なスケール感に包まれるはずです。
トレイルランナーを虜にする「大砂走り」の爽快感
あおいが小春に導かれて体感したように、御殿場ルートは「走る」ことの楽しさを再発見させてくれる場所です。特に、ふかふかの火山礫が堆積した道は、膝への負担を和らげつつ、一歩で数メートル進むような独特の浮遊感を与えてくれます。なだらかな尾根道とスリリングな砂の斜面、そして木漏れ日の中を駆け抜ける樹林帯。この変化に富んだコースレイアウトこそが、多くのランナーを惹きつけて止みません。
実際の巡礼記録
日程: 2017年11月27日[日帰り]
コースタイム: 水ヶ塚公園 09:01→09:50 幕岩 09:51→10:07 三辻 10:08→10:18 四辻→10:40 上塚 10:41→10:56 双子山 11:00→11:56 幕岩 12:01→12:43 水ヶ塚公園
ルート地図
巡礼レポート
御殿場市街地から富士山スカイラインへ。富士山はすっかり雪化粧していますが、道路に雪や凍結はなくスムーズにアクセスできました。
本来なら原作と同じ「御殿場口新五合目駐車場」から周回したかったのですが、11月中旬ですでに冬季閉鎖。そこで今回は、西に3kmほど離れた「水ヶ塚公園駐車場」をスタート地点に選びました。
水ヶ塚公園駐車場から登山開始

ここは視界が開けており、車で訪れた観光客も目の前の富士山を盛んに写真に収めていました。

道路を挟んで向かい側の「須山登山口」から入山。


登山道を奥へ進むとすぐに富士宮ルートと御殿場ルートの分岐が現れます。

「須山御胎内ハイキングコース」は、自然の地形を活かしたコース。大きなアップダウンこそありませんが、カーブが多く、森の中をぐるぐると振り回されるように歩いていきます。


途中、南山林道との分岐で、広くえぐられた下り道に引き込まれそうになりましたが、正解は一段上へ登る道。

ここまで水平な道が続いていたので油断しましたが、コースを外れると広大な森林が広がっているだけなので、慎重に踏み跡を辿ります。


三辻まで登ると木々が無くなって森林限界の際
目の前には薄っすらと雪化粧した宝永山

やがて傾斜が増し、汗が滲む頃には樹林帯を抜け「三辻」に到着しました。

森林限界の際にある三辻からは、薄っすらと雪化粧した宝永山が目の前に。その名の通りそっくりな形をした2つの「双子山」も見えてきます。




まずは「上塚」へ。
上塚に登頂

足元の火山礫が崩れやすく、滑らないように登るのが少しハードでしたが、山頂からは宝永山とその奥に鎮座する富士山の圧倒的な姿を拝むことができました。






一旦下って、次は「下双子山(下塚)」へ登り返します。こちらは坂が緩やかで地面も固く、非常に歩きやすい道です。
下双子山に登頂



頂上からは、富士山・宝剣山・上塚が一直線に並ぶ贅沢なパノラマを楽しめました。

下山は火山礫の「大砂走り」へ。柔らかい砂がクッションになり、まるで滑る心配のない雪渓を駆け下りるような、爽快な感覚を味わえます。


御殿場口新五合目駐車場の近くまで下りたところで、脇の森林へ。



火山礫が積み重なってできたという巨大な「幕岩」を見学し、帰路は南山林道を経由しました。

林道はブルドーザーの轍がある整った道で、行きに歩いた原生林とはまた違った雰囲気です。
富士山といえば森林限界の上からスタートすることが多かった私にとって、森に囲まれたこのコースはとても新鮮でした。森林限界を跨ぎ、「火山礫の開放感」と「森林の静寂」を一度に味わえる欲張りな体験。普段登山をしない人にも、ぜひオススメしたい好ルートです。
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富士山(吉田ルート) 最も人気の富士山登山ルート。
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須走ルート 樹林帯が長く変化に富む。
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富士山周辺の山
三ツ峠山 富士山の展望台。
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観光・温泉
御殿場プレミアム・アウトレット
- 国内最大級のアウトレット
- 富士山ビュー
- アウトドアブランド(アークテリクス、ノースフェイス、サロモン等)充実
時之栖(ときのすみか)
- 御殿場高原ビール
- 温泉施設「天然温泉気楽坊」
- イルミネーション(冬季)
よくある質問
Q: トレラン装備がなくても楽しめますか?
A: もちろん楽しめます。御殿場トレイルは、走らずに歩くだけでも森林限界の景観変化を楽しめる素晴らしいハイキングコースです。ただし、レポートにもあった通り火山礫の道は滑りやすいため、足首を保護するミドルカット以上の登山靴と、砂の侵入を防ぐ「ゲイター(スパッツ)」の使用を強くおすすめします。
Q: 初心者でもトレランできますか?
A: 双子山周辺はなだらかなセクションが多く、小春があおいに教えたように「下りを軽く駆け下りる」ことから始めるのに適しています。ただし、ここは標高約1,500m〜2,000mの高地です。平地よりも息が上がりやすいため、最初は「登りは歩き、平坦と下りだけゆっくり走る」というペース配分を心がけましょう。
Q: 富士山登山のトレーニングになりますか?
A: 非常に効果的です。特に御殿場ルート特有の火山礫(砂利道)を歩く感覚は、他の山ではなかなか経験できません。足の置き方やバランスの取り方を学ぶのに最適で、さらに標高に体を慣らす「高度順応」のトレーニングとしても活用できます。
Q: 水場やトイレはありますか?
A: 11月中旬以降は売店やトイレなどの施設が閉鎖されます。水ヶ塚公園からスタートする場合も、自販機や売店が利用できない可能性があるため、食料と水分(1.5L以上)は事前に街中で用意してから向かいましょう。また、日没が早いため、15時までには下山完了する計画を。


