日本百名山全山踏破 13座目 浅間山 | 外輪山周回と賽の河原、群馬長野遠征初日

浅間山 日本百名山
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浅間山に向かうまで

雲取山で一泊のソロ登山の経験値を得て、今度は遠征での効率重視作戦に切り替えた。アクセスに時間もお金もかかる山々をレンタカーでまとめて登れば、日本百名山全山踏破の費用を抑えられる。

百名山ガイドブックの地図とにらめっこして、地方ごとのブロック分けで遠征計画を立てた。この時に立てた4つの遠征計画がこちら。

  • 6月9日~12日に群馬・長野へ遠征(浅間山、四阿山、草津白根山)
  • 7月7日~9日に東北へ遠征(早池峰山、岩手山、八幡平、鳥海山)
  • 7月22日~23日に栃木へ遠征(男体山、日光白根山)
  • 8月5日~7日に北海道へ遠征(利尻山)

この戦略がドンピシャで、結果的に百名山全山踏破の費用を大幅に抑えることができた。

遠征前の練習山行

浅間山の群馬長野遠征に向けて、トレーニングとヤマノススメ聖地巡礼を兼ねた練習山行を2つ実施。

5月27日 箱根外輪山(金時山~塔ノ峰)

金時山山頂での快晴時の登山記録と箱根外輪山縦走トレーニング

乙女峠から小田原駅までの約20kmをスピードハイクで縦走。足腰の持久力チェックと、長距離歩行の感覚を掴んだ。

6月3日 飯能三名山(龍崖山~柏木山~多峯主山)

柏木山頂上での飯能三名山縦走時の山頂標識と展望
柏木山頂上

ヤマノススメ3期発表イベント「ヤマノススメファンミーティング」参加前の腕試し。飯能三名山の一筆書きハイキングで、地図読みと連続歩行の練習を兼ねた。

浅間山を含む5つの山に登る群馬と長野へ レンタカー車中泊戦略

遠征にはレンタカーを使用。宿泊費を抑えるため、車中泊ができる車を選んだ。

車中泊まとめWikiを熟読して、ニコニコレンタカーでファンカーゴを3日間レンタル。車種を予約時に選べるのがニコニコレンタカーの良い所。

6月9日に名古屋から高速バスで高崎へ。夕方に高崎でレンタカーを借りて、3泊4日の群馬長野遠征スタート。

遠征1日目:荒船山・妙義山

6月11日 荒船山(内山峠からピストン)

荒船山のテーブルマウンテンのような特徴的な山容と艫岩展望

ヤマノススメ聖地巡礼第一弾。道の駅で前泊して、早朝から登山開始。朝一番で山に入ると、蜘蛛の巣に引っかかりまくることを初めて知った。

同日 妙義山(中間道コースを両端からピストン)

妙義公園からの妙義山奇岩群と中間道コース登山口

ヤマノススメ聖地巡礼第二弾。中間道が途中で通行止めになってるため、東端と西端からそれぞれピストンする変則的な登山。

碓氷峠で群馬から長野へ

妙義山を昼過ぎに下山して、旧碓氷峠を通って群馬から長野県に入った。

碓氷峠の熊野皇大神社と熊野神社の群馬長野県境
熊野皇大神社、熊野神社
碓氷峠の長野県と群馬県の県境標識
長野県と群馬県の県境
碓氷峠の元祖力餅しげの屋と県境線
碓氷峠・元祖力餅 しげの屋

県境の熊野皇大神社・熊野神社で県境をまたぐ体験。しげの屋では店内の床に引かれた県境線を見て、日本の県境の面白さを実感した。

ヤマノススメでは浅間山外輪山として黒斑山が登場

実際に登ってみた

日程: 2017年06月11日(日) [日帰り] 天候: 晴れ

アクセス

軽井沢側から車坂峠への登山口は舗装路だったが、帰りは四阿山方面に向かうため北側へ。すると未舗装のダート道に変わって、レンタカーでのハラハラ運転になった。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
04:1510.7km862m860m

コースタイム

浅間山は噴火警戒レベルのため、山頂の前掛山へは入山不可。そのため外輪山の黒斑山を経由して、賽の河原まで下りるコースで山行を楽しんだ。

車坂峠から黒斑山へは表コースと中コースがあり、今回は中コースを選択。

ルート: 車坂峠-トーミの頭-黒斑山-蛇骨岳-仙人岳-Jバンド-湯ノ平-トーミの頭-車坂峠

山行タイムライン
  • 04:13
    車坂峠
    浅間山車坂峠の高峰高原ホテル前バス停と登山口
    高峰高原ホテル前バス停

    山行中に日の出を迎えたかったが、車坂峠へ向かう途中で空が白んできて、少し出発が遅かった。

    浅間山の噴火警戒レベルを示す登山口の注意看板
    噴火警戒レベルを示す看板
    浅間山表コースと中コース合流地点の稜線と樹林帯
    表コースと中コースの合流地点の稜線

    中コースは最初、谷筋を進んでいく。途中で方向を変えて南へ向かうのを見落として、踏み跡を頼りにそのまま奥へ進んでしまった。ずっと森の中の登りで展望がなかったが、表コースとの合流地点で開けた稜線に出る。

  • 05:06
    トーミの頭
    浅間山外輪山トーミの頭からの360度パノラマ展望
    トーミの頭

    トーミの頭は遮るものが何もなくて、全方向で景色がよい。浅間山の山容を全て捉えることができる絶好の展望台。

    トーミの頭より雲海越しに見える八ヶ岳の稜線
    トーミの頭より八ヶ岳を望む

    来た道を振り返った南側には、雲海の向こうに八ヶ岳の稜線が見えた。

    トーミの頭より浅間山外輪山の黒斑山・蛇骨岳・仙人岳を望む
    トーミの頭より浅間山の外輪山を望む

    北側に見えるのが黒斑山。その後ろの蛇骨岳、仙人岳とこれから進んでいく外輪山の様子がはっきりとわかる。

    浅間山トーミの頭からの早朝パノラマ展望
    トーミの頭からのパノラマ
  • 05:22
    黒斑山
    黒斑山から朝焼けをバックにした浅間山の黒い山容
    黒斑山から浅間山を望む

    黒斑山に到着。黒い浅間山が朝焼けをバックにして一層黒く見える。

    黒斑山山頂の火山監視用スピーカーと観測機器
    黒斑山のスピーカー

    黒斑山にはスピーカーが設置されてて、火山の監視が行われてるのがわかる。

    浅間山外輪山からの朝の山岳パノラマ展望
    浅間山外輪山登山道の6月残雪と高山植物
    浅間山外輪山の残雪

    外輪山の日が当たらない登山道には、まだ溶けきっていない雪が残っていた。

    浅間山外輪山の稜線歩きと火山地形
    浅間山外輪山
    浅間山外輪山の早朝に残る霜柱と氷結
    早朝に残る霜柱

    霜柱を踏む感触がたまらなく好き。これは朝一番に登山道を歩いている人だけが楽しめる特権だね。

    浅間山外輪山の稜線と火山性地形
  • 05:48
    蛇骨岳
    浅間山外輪山蛇骨岳山頂の強風と展望
    蛇骨岳

    風の通り道になっており強い風が吹いている。遮る樹木もなくなるので、バランスを崩さないよう注意が必要。

    蛇骨岳周辺の6月の高山植物と花
    蛇骨岳の花
    浅間山外輪山からの上信越高原と山岳展望
    浅間外輪山からの眺め
    浅間山外輪山から見る噴火警戒中の浅間山本体
    浅間山
    浅間山外輪山から望む四阿山・根子岳と妙高山
    四阿山・根子岳

    側は、右手前の四阿山・根子岳の奥に妙高が見える。

    浅間山外輪山から西側に望む北アルプスの山並み
    北アルプス

    西側は、北アルプスの山々がきれいに見えた。

    浅間山外輪山から快晴時の北アルプス展望
    北アルプス
  • 06:08
    仙人岳
    浅間山外輪山仙人岳山頂の標識と展望
    仙人岳
    浅間山外輪山の火山性地形と植生
  • 06:19
    虎ノ尾
  • 06:26
    Jバンド
    浅間山Jバンドの岩場急降下取り付き部分
    Jバンドの取り付き部分

    Jバンドの取り付き部分。ここの右側を下っていく。

    浅間山Jバンドの岩肌急坂と落石注意区間
    Jバンド

    岩肌の急坂だが、幅があるので危なさは感じない。浮いている石が多いので、落石には注意したい。

    浅間山Jバンドを下から見上げた岩場急坂
    Jバンドを下から見る

    あっという間に降りて、Jバンド付近を見上げる。

    浅間山賽の河原の火山性平地と異世界的風景
    賽の河原

    賽の河原は、風もなく、アップダウンもなく静か。とはいえ悠長なことは言ってられない。浅間山が噴火したら危険な場所だろうし。

    浅間山賽の河原の火山灰地帯と独特の植生
    賽の河原
    浅間山賽の河原の火山性地形と植生変化
    賽の河原
    浅間山賽の河原の火山地形と湯の平への道
    賽の河原

    湯の平に向かうにつれて、徐々に植生が変わっていき、森林の中へと進んでいく。

    浅間山賽の河原から湯の平への植生変化
    賽の河原の植生
    浅間山賽の河原周辺の火山性植生と森林移行
    賽の河原の植生
  • 06:49
    賽の河原分岐
    浅間山前掛山登山口の噴火警戒レベル入山禁止標識
    前掛山登山口

    前掛山(浅間山山頂)への登山口。噴火警戒レベルのため入山禁止。

  • 06:59
    湯ノ平分岐
    浅間山湯の平の火山性平地と草すべり登山道
    湯の平

    湯の平を経て草すべりを登っていく。

    浅間山草すべりの急登と火山性地形
    草すべり
    浅間山外輪山の6月のハクサンイチゲと高山植物
    ハクサンイチゲ
    浅間山外輪山の6月のユキワリソウと高山植物
    ユキワリソウ
  • 07:31
    トーミの頭
  • 07:51
    槍ヶ鞘
    浅間山表コースの槍ヶ鞘と岩場展望ポイント
    槍ヶ鞘

    下りは表コースで。こちらはアップダウンがあり、中コースよりも時間はかかるが、所々に展望がよい場所がある。

    浅間山表コースの木段と土壌流出対策
    表コースの木段

    土の流出が激しくハードルのようになってる木段。下りだと楽だけど、登りの場合は障害になって面倒くさそう。

  • 08:09
    開けたガレ場
    浅間山表コース途中からの上信越高原パノラマ展望
    表コース途中からのパノラマ

    表コース途中からのパノラマ。

  • 08:21
    車坂山
  • 08:29
    車坂峠
    浅間山車坂峠の山の神と安全登山祈願
    山の神

    無事下山できて、山の神に感謝。

下山後の感想

景色、道、風、植生が目まぐるしく変わって、満足度の高い山行となった。浅間山の外輪山は、これぞ火山の魅力って感じの独特な地形とパノラマ展望を楽しめる。賽の河原の異世界感もすごかった。

続けて四阿山に登るため、慣れない未舗装路での運転にヒヤヒヤしながら車坂峠を北に下っていった。

かかった費用と装備

遠征中にかかった費用は、遠征最初の百名山にまとめて書くことにします。

遠征をレンタカーで行うにあたって、iPhone等を充電するため2つUSB口のついたシガーソケット充電器と、寝るためのキャンピングマットを購入。

キャンプ用のマットには3種類あるが、これはいわゆる「エアーキャンピングマット」という中にスポンジが入ってて、ある程度自動で膨らんでくれるタイプ。

中国産で3000円程度と安かったのだが、中で空気を区画分けしている部分のシールが剥がれて、まったく使い物にならなくなってしまった。おそらく、遠征中に空気を入れっぱなしで高所の登山口に行ったため、周りの気圧が低くなり耐えられなくなったんだと思う。

買うときは安くても数回使っただけでダメになるようでは、かえってお金がかかる。この経験以来、中国産やまがい物は避けて、品質が良く価格も手頃なモンベル製品に頼るようになった。

装備費

  • 車載充電器: 799円
  • キャンピングマット: 2,880円

装備費合計: 3,679円

交通費

  • 高速バス(新宿~高崎)回数券往復: 1,395円×2(4枚綴りで5,580円)
  • レンタカー72時間: 11,400円
  • 菅平牧場駐車場(四阿山): 200円
  • 白根火山ロープウェイ(草津白根山): 1,500円
  • ガソリン代: 4,324円

交通費合計: 20,214円

食費

  • 朝・昼・夕 3日分: 6,000円
  • 行動食3日分: 900円

宿泊・食費合計: 6,900円

総費用

合計: 30,793円

今になって思うこと

レンタカーでの遠征登山って効率がよくて、お金もかからない!と、とても費用がかかると言われていた日本百名山全山踏破の解決法を発見した遠征だった。

この浅間山遠征で確立したレンタカー車中泊登山には、こんなメリットがある。

  • 車の維持費用がかからない、メンテナンスが要らない、汚れを気にしなくていい
  • レンタカー会社までは公共交通を使えばいいので、交通費が安い
  • 登山口や近くの駐車場での前泊ができるので、早朝から山行ができる

デメリットは、車中の覗き込みを防止するカーテンや寝る場所のフラット化など、車中泊対策がしにくい所だろうか。前者はあまり気にしなくなる図太い神経が身についたし、後者はニコニコレンタカーなど車種が選べるレンタカー会社を選ぶことで妥協できるようになった。

浅間山は外輪山の景色も楽しめるし、賽の河原の火山らしい風景も体験できるし、初心者から上級者まで楽しめる山。山頂の前掛山に登れないのは残念だけど、それでも十分に浅間山の魅力を味わうことができる。

火山の百名山の中でも、浅間山は特に火山らしい地形と植生が楽しめる。後に登る蔵王山や安達太良山とはまた違った火山の魅力を発見できた。経があり、後者はニコニコレンタカーなど車種が選べるレンタカー会社を選ぶことで妥協できるようになった。


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