箱根外輪山を乙女峠から箱根湯本まで縦走する約20kmの長距離コース。金時山の斧記念撮影、明神ヶ岳の大展望、明星ヶ岳の草原、塔ノ峰への急下降と、変化に富んだスピードハイクに挑戦するエピソードの舞台です。
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 山名 | 金時山~明神ヶ岳~明星ヶ岳~塔ノ峰 |
| 最高標高 | 1,212m(金時山) |
| 所在地 | 神奈川県箱根町・南足柄市 |
| 難易度 | ★★★★☆(健脚向け縦走) |
| 推奨シーズン | 4月~11月(夏は暑さ注意) |
| コースタイム | 約7時間(休憩含む) |
| 登山スタイル | スピードハイク・長距離縦走 |
ヤマノススメでの描写
原作での登場シーン
【九十五・九十六合目】《スピードハイク、縦走》箱根外輪山〈金時山~明神ヶ岳~明星ヶ岳~塔ノ峰〉
- メンバー: あおい、ひなた、ここな
- アクセス: 乙女峠バス停
- コース: 乙女峠バス停→乙女峠→金時山(1,212m)→明神ヶ岳(1,169m)→明星ヶ岳(923m)→塔ノ峰(566m)→露天風呂かっぱ天国→箱根湯本駅
あらすじ
【九十五合目 スピードハイクって…?】ひなたが乙女峠から箱根湯本までのスピードハイクで縦走を計画。コースタイムが長いため、明星ヶ岳から強羅に降りるエスケープルートも設定する周到さ。金時山頂上では、ここなが金太郎の斧を持って記念撮影。
【九十六合目 限界に挑戦!!】金時茶屋でうどんを食べてエネルギー補給。明神ヶ岳までの途中で、ここなが作ってきた小さいおにぎりを行動食として補給。長い縦走路を歩き切り、下山後は露天風呂かっぱ天国で疲れを癒やす。
ヤマノススメ単行本13巻に収録されています
ルート地図
聖地巡礼のポイント
- 乙女峠: 悲恋伝説の残る峠
- 金時山山頂: 斧の記念撮影スポット
- 明神ヶ岳: 360度の大展望
- 明星ヶ岳: 大文字焼きの山
- かっぱ天国: 箱根湯本の日帰り温泉
アクセス・縦走情報
アクセス方法
縦走のため、スタートとゴールが異なる点に注意が必要です。
スタート地点(乙女峠バス停)
- 小田急ハイウェイバス(新宿〜箱根線)
- 箱根登山バス(アウトレット〜御殿場駅〜強羅駅)
- 本数が少ないため時刻表と路線の確認必須
ゴール地点(箱根湯本駅)
- 小田急線・箱根登山線の始発終着駅
- 新宿から小田急ロマンスカーで約85分
- 小田原から箱根登山線で約15分
おすすめコース
長距離縦走のため、体力と時間配分が重要です。
標準縦走コース(原作ルート) 乙女峠バス停→乙女峠→長尾山→金時山 休憩→矢倉沢峠→火打石岳→明神ヶ岳 昼食→明星ヶ岳→塔ノ峰→阿弥陀寺→箱根湯本駅
エスケープルート
- 明神ヶ岳→宮城野(最短下山)
- 明星ヶ岳→強羅駅(ケーブルカー利用可)
- 体調や天候により柔軟に対応
逆コース(箱根湯本発) 箱根湯本→塔ノ峰→明星ヶ岳→明神ヶ岳→金時山→乙女峠 登りが続くため、より体力が必要。
装備と準備
長距離縦走には十分な装備と準備が必要です。
必須装備
- 登山靴(長時間歩行に耐える)
- ザック(25-30L)
- 雨具(天候急変対策)
- ヘッドランプ(日没対策)
- 地図・コンパス・GPS
- 飲み物(2L以上)
- 行動食(エネルギー補給)
スピードハイク装備
- 軽量化を意識
- トレッキングポール(膝の負担軽減)
- 速乾性ウェア
- 塩分補給タブレット
各山の特徴
金時山(1,212m):富士山と金太郎伝説の山
箱根外輪山の最高峰である金時山は、遮るもののない富士山の大展望が楽しめる絶景スポットです。山頂には金太郎伝説にちなんだ「大きな斧」が置かれており、これを持って記念撮影をするのが聖地巡礼の定番。 また、山頂には「金時茶屋」と「金太郎茶屋」の2軒があり、登山者の胃袋を満たしてくれます。
明神ヶ岳(1,169m):360度の大パノラマと開放感
縦走路の中央に位置する明神ヶ岳は、このコース随一の展望を誇ります。360度のパノラマが広がり、箱根の中央火口丘群(大涌谷など)をはじめ、遠く相模湾や伊豆半島まで見渡すことができます。山頂部は非常に広く開放的なため、景色を眺めながらゆったりと休憩を取るのに最適です。
明星ヶ岳(923m):箱根の夏を彩る「大文字」の舞台
毎年8月16日に行われる「大文字焼き」で有名な山です。山頂付近は草原状になっており、宮城野方面の展望が開けています。強羅駅方面へ降りる下山路の分岐点でもあり、ここからエスケープすることも可能ですが、スピードハイクを完遂するならそのまま塔ノ峰方面を目指しましょう。
塔ノ峰(566m):静かな樹林帯のフィナーレ
縦走路の最後を飾るピークが塔ノ峰です。標高を下げてくるため展望は少なくなりますが、阿弥陀寺へと続く静かな樹林帯の歩きを楽しめます。
実際の巡礼記録
日程: 2017年5月29日[日帰り]
コースタイム: 乙女峠バス停 08:55→09:18 乙女峠 09:19→09:32 長尾山→10:03 金時山 10:12→10:22 公時神社分岐→10:34 矢倉沢峠 10:35→11:55 明神ヶ岳→12:11 明神ヶ岳展望地 12:15→12:37 明神・明星コース鞍部→13:02 明星ヶ岳 13:04→13:47 明星ヶ岳登山口→13:57 塔ノ峰山頂入口→14:10 塔ノ峰 14:13→14:35 阿弥陀寺 14:36→14:49 函嶺洞門駐車場→15:00 箱根湯本駅 15:02→15:26 入生田駅 15:27→16:09 石垣山駐車場→16:15 石垣山(笠懸山) 16:24→16:30 石垣山駐車場 17:04→17:51 小田原駅
ルート地図
巡礼レポート
バスタ新宿から高速バスで乙女峠バス停へ

小田急箱根高速バスにバスタ新宿から乗車。東名高速の渋滞により、予定より15分ほど遅れて乙女峠バス停へ到着しました。

バスを降りた瞬間から富士山の絶景が広がり、登山客がいっせいにカメラを取り出す光景が見られます。付近の車道は時折かなりのスピードで車が下ってくるため、道路を横断する際は注意が必要です。

「ふじみ茶屋」には、金太郎と熊の像が置かれていました。


乙女峠バス停から少し上がった左側に、ハイキングコースの入口があります。車が進入しないようチェーンが張られていますが、脇を通って中へ進みます。

前日の雨のおかげか、ひんやりとした空気が心地よく感じられました。懸念していたぬかるみや滑りやすい箇所もなく、順調な滑り出しです。


木々に囲まれた「乙女峠」に到着。看板の手前には展望台もありますが、木が成長しているためか、期待したほどの展望はありませんでした。

看板に記された乙女峠の悲しい由来を読み、先へ進みます。

稜線は細かいアップダウンが続き、最後は急登が待ち構えていました。


金時山の山頂に到着

金時山の山頂はパッと開けており、見事な展望が広がります。逆側のコースから登ってきた人は、ここで初めて富士山を目にするためか、「登ってよかった」と感動する声があちこちから上がっていました。





山頂を後にし、明神ヶ岳方面へ下っていきます。目の前にはこれから歩むハイキングルートがくっきりと見え、一気にテンションが上がります。


「矢倉沢峠」の分岐を過ぎると、金時山のみを目指す人が多いためか、登山者の姿がぐっと減ります。ここからは静かな稜線歩きです。




時折振り返ると、それまで金時山に隠れていた富士山が、徐々にその全貌を現していく様子が見事でした。

明神ヶ岳の山頂で休憩

明神ヶ岳はピークを巻いた先に広場があり、多くの人が休憩していました。ちょうどお昼時だったので、私もここで昼食をいただきます。



下り道では小田原の市街地と海が見え始め、外輪山の東側まで来たことを実感しました。

明星ヶ岳の山頂は、少し奥まった静かな場所にありました。


明星ヶ岳を下り、塔ノ峰の登山口までは車道を900mほど進みます。

塔ノ峰の登りでは、MTB(マウンテンバイク)で下ってくる人と遭遇しました。山道で自転車が来るのは想定外だったので、一瞬戸惑います。
塔ノ峰山頂


塔ノ峰山頂からの下山道は、それまでの整備された道とは一変し、踏み跡が枯れ葉に隠れて分かりにくい箇所がありました。日が暮れてからここを歩くのはかなり難しそうです。


「阿弥陀寺」の境内を通過し、急坂を下ります。この道からも、原作に登場した露天風呂「かっぱ天国」へ行くことができます。

箱根湯本駅より先に行く

15:00に箱根湯本駅へ到着しましたが、まだ時間に余裕があったため、以前から訪ねてみたかった豊臣秀吉の「一夜城(石垣山城)」を経由して小田原駅まで歩くことにしました。
駅前の自販機で購入したコーラで糖分を補給し、入生田駅まで国道1号を進みます。


道中、石垣山へのウォーキングコース案内板が各所にありますが、コースの大部分が車道なのが少々辛いところです。

途中、歩道がなくなる場所で案内通り階段を登ると、車道を見下ろす形で並走する整備された遊歩道がありました。
石垣山一夜城歴史公園

ようやく「石垣山一夜城歴史公園」に到着。

本丸の展望台からは、小田原の街を一望できます。




公園のすぐ隣にある「一夜城 ヨロイヅカファーム」でさらにカロリーを摂取し、小田原駅まで下る元気を蓄えました。

最後は市街地へ続くコンクリートの生活道路を下りますが、急勾配のせいで大腿四頭筋が常に引っ張られ、悲鳴を上げているのが分かりました。


東海道本線の沿線を歩き、ようやく小田原駅に到着。非常に歩きごたえのある一日でした。

周辺情報・関連記事
箱根外輪山の山々
箱根駒ヶ岳 箱根の中央に位置する展望台。
大涌谷 今も噴煙が上がる火山活動を間近で体感できる観光地。
他の縦走コース
飯能アルプス 奥武蔵の縦走路。アップダウンが激しく、スピードハイクの練習にも最適。
高水三山 青梅の人気縦走コース。三つの山を巡る達成感。
温泉・観光
かっぱ天国(原作登場)
- 箱根湯本駅徒歩3分
- 営業時間:10:00〜22:00(最終受付21:00頃 要確認)
- 料金:大人900円(入湯税込み)
- 野趣あふれる露天風呂が魅力
箱根湯本温泉街
- 日帰り温泉施設多数
- 温泉まんじゅう
- 寄木細工などの土産物
- 早川沿いの風情ある街並み
よくある質問
Q: 初心者でも歩けますか?
A: 全長約16km、休憩を含めると7〜8時間の長距離行程です。まずは金時山単独や明神ヶ岳までのピストンなど、短いコースで体力をつけてから挑戦しましょう。特に後半の明星ヶ岳から塔ノ峰にかけては疲労が溜まるため、油断は禁物です。
Q: エスケープルートは使いやすいですか?
A: 明神ヶ岳から宮城野、明星ヶ岳から強羅への下山路は整備されています。体調不良や天候悪化の際は、無理せずエスケープルートを利用しましょう。事前にバスの時刻表も確認を。
Q: 水場はありますか?
A: 縦走路の中に水場はありません。金時山の茶屋で飲料水を購入できますが、基本的にはスタート時に2L程度の水分を持参しましょう。小春のようなスピードハイクを意識するなら、軽量化しつつも水分量は妥協しないことが大切です。
Q: 塔ノ峰の下山は危険ですか?
A: 急斜面かつ落ち葉で滑りやすい箇所があるため、特に雨上がりは注意が必要です。樹林帯は日没が早いため、遅くとも15時までには箱根湯本駅付近へ下りてこられるようなスケジュール管理を心がけましょう。


