筑波山に向かうまで
ヤマノススメの聖地巡礼で山に登る
2013年8月31日 鋸山

地獄のぞきが有名な千葉県の鋸山に登山。浜金谷駅からロープウェイは使わず車力道を登って、日本寺を抜けて保田駅まで。
2014年9月6日 天覧山

テレビアニメ「ヤマノススメ セカンドシーズン」の放映中に、聖地巡礼として訪れて登った飯能市の天覧山。
20分もあれば登れてしまうが、一応登山。ヤマノススメの聖地巡礼登山を始めるきっかけ。
「舞台めぐり」というアプリで、アニメに登場する飯能市街地のスポットをくまなく周って、飯能にある全スポットをコンプした。
2015年5月29日 八丈富士

三宅島と八丈島に自転車を持って旅行した。八丈富士のお鉢までは登ったが、立っていられないような暴風に敗れて、お鉢めぐりはできずに下山。
2015年9月12日 三ツ峠山

位置情報ゲームの「駅メモ」を初めた頃。富士急行線を乗りに行くついでとして、三ツ峠山に登る計画を立てた。久しぶりの本格的な登山となるため、モンベルクラブの会員になりレインウェア上下を購入。
三つ峠駅から三ツ峠山山頂へ登ったあとは、河口湖側へ下りた。
ヤマノススメと富士急行のコラボで追加された、三つ峠周辺にある舞台めぐりのスポットを巡った。
2015年10月18日 天覧山~多峯主山

この日は朝から忙しかった。まず、自転車を輪行してJRと西武線を乗り継ぎ元加治駅へ。そこから、あけぼの子どもの森公園と飯能市街地を結ぶ、ここなちゃんの散歩道を自転車で巡礼。
そして、天覧山の奥にある多峯主山(とうのすやま)に登った。
その後、秩父鉄道を三峰口駅から羽生駅まで乗りつぶし。羽生駅から上熊谷駅に折り返して、国営武蔵丘陵森林公園までチャリ走。
この日だけで、埼玉聖地横断ラリー2015で追加された「飯能」と「森林公園」の聖地巡礼スポットを全部巡った。
2015年11月15日 陣馬山~景信山~高尾山

いわゆる高尾山・陣馬山縦走。陣馬山口バス停から登って、高尾山口駅へ降りるルート。
2015年11月24日 函館山

函館の観光中、なんとなしに函館山へ登ってみた。
途中で雨が雪に変わり、ガチガチに凍えながら誰もいない函館要塞を見学
そして2015年に日本百名山の筑波山へ聖地巡礼登山
2014年から天覧山、三ツ峠山、陣馬山と、アニメ「ヤマノススメ」の聖地巡礼を通じて徐々に登山の魅力に目覚めていた。2015年に選んだのが、「西の富士、東の筑波」と称される日本百名山の筑波山だった。
関東平野の名峰として親しまれている筑波山は、標高こそ877mと決して高くはないが、独立峰としての存在感は抜群。つくばエクスプレス開通により東京からのアクセスも格段に良くなり、日帰り登山には最適な山として人気を集めていた。
12月という時期を選んだのは、ナイトハイクに挑戦してみたかったから。ヤマノススメの原作でも夜景を楽しむシーンがあり、関東平野の夜景を一望できる筑波山は格好のフィールドだった。また、この時期なら観光客も少なく、静かな山歩きを楽しめると考えていた。
実際に登ってみた
日程: 2015年12月19日(土) [日帰り] 天候: 快晴
アクセス
往路: つくばエクスプレス秋葉原駅 → つくば駅 → 筑波山神社入口
復路: つつじヶ丘 → つくば駅 → 秋葉原駅
つくばエクスプレス秋葉原駅で「筑波山きっぷ」を購入。つくば駅までの往復と筑波山までのシャトルバス、さらに筑波山のケーブルカーとロープウェイが乗り放題という、関東の山としては珍しく充実したパッケージ切符。
午前中は筑波研究学園都市の施設見学も兼ねて、地図と測量の科学館(国土地理院)と筑波宇宙センター(JAXA)を訪問。登山愛好者には国土地理院の展示が特に興味深く、地形図や測量技術の歴史を学ぶ貴重な機会となった。
地図・標高グラフ
⏱タイム | 🏃距離 | ↗登り | ↘下り |
---|---|---|---|
01:06 | 1.9km | 353m | 48m |
コースタイム
原作に合わせてナイトハイクをしてみたいが、夕方までは時間があったのでサイエンスツアーバスの乗車券を買った。
地図と測量の科学館
筑波宇宙センター(JAXA)
筑波山のシャトルバスで筑波山へ
ほどよい時間で、つくばセンターから筑波山へのバスに乗る。
14:30 神社入口 – 14:50 宮脇駅 – 15:00 筑波山頂駅 – 15:17 男体山 – 15:26 御幸ヶ原 – 15:47 女体山 – 16:15 女体山駅 – 16:30 つつじケ丘駅

原作では女体山にしか登ってないようだが、どうせなら男体山にも登りたいので筑波山神社バス停で下車し、ケーブルカーに乗車。


ケーブルカーは中間地点で90度近いカーブをするユニークな構造。車窓から見える紅葉の名残りを見ながら高度を上げていく。


男体山の山頂に到着

ケーブルカーの筑波山頂駅から少し歩いて男体山の山頂(871m)へ。三脚を構えたカメラマン集団が夕景の撮影準備中。山頂は思ったより狭く、早めに退散して女体山へ向かうことに。


山頂連絡路を歩いて女体山の山頂へ

山頂連絡路を歩いて女体山へ。
女体山山頂(877m)は筑波山の最高峰。岩がせり出した特徴的な地形で、高度感のある展望が楽しめる。独立峰ならではの360度パノラマは圧巻で、地球の丸みを実感できる壮大な眺めが広がっていた。




女体山から一旦下山
一度ロープウェイで下山し、ヤマノススメの原作通りナイトハイクに挑戦。つつじヶ丘登山口からのコースは、様々な奇岩を巡る「自然研究路」として整備されており、昼間とは違った山の表情を楽しめる。



つつじヶ丘登山口から女体山へ登り直す
16:30 つつじケ丘駅 – 16:31 東筑波ハイキングコース分岐 – 17:05 弁慶茶屋跡 – 17:32 女体山 – 17:36 女体山駅

つつじヶ丘登山口から登山開始。ナイトハイクなのでまともな写真が撮れてない ><
ヘッドランプだけを頼りに登る夜の山は、想像以上にスリリング。弁慶茶屋跡、胎内くぐり、出船入船など、筑波山名物の奇岩群を暗闇の中で発見するのは、まさにアドベンチャーゲームの世界。

女体山山頂からの夜景は、関東平野全体を見渡す雄大な光景。東京方面の光の海、つくば市街の明かり、そして満天の星空が織りなす美しさは、昼間の景色とは全く違った感動を与えてくれた。
下山後の感想
ヤマノススメの聖地巡礼として訪れたが、実際に登ってみると、アニメ以上に魅力的な山だった。特に、昼と夜の二度登山することで、同じ山でも全く違った表情を見せてくれることを実感。
関東平野の夜景は予想以上に美しく、都市近郊の山ならではの楽しみ方を発見できた。東京から日帰りで気軽に行ける距離にこれほど素晴らしい山があることに、改めて関東エリアの恵まれた環境を感じた。
国土地理院とJAXAの見学も含めて、知的好奇心と登山欲求を同時に満たしてくれる充実した一日となった。筑波研究学園都市ならではの贅沢な楽しみ方ができたのも、この日の特別な思い出。
かかった費用と装備
この山行では費用を記録していないので、記録なしとします。
今になって思うこと
2021年に日本百名山を完登した現在振り返ると、この筑波山が「百名山踏破」のきっかけを作ってくれた山だった。翌年2017年から本格的な百名山踏破を開始することになるが、最初の一歩を作ってくれたのは間違いなくヤマノススメと、それに導かれて登った筑波山。
筑波山の魅力は、標高の低さを補って余りある多様な楽しみ方にある。ケーブルカーとロープウェイによる手軽なアクセス、奇岩巡りのトレッキング、ナイトハイクによる夜景鑑賞、そして関東平野を一望する壮大な眺望。一つの山でこれほど多彩な体験ができる場所は、他にはなかなかない。
「西の富士、東の筑波」という呼び名は決して誇張ではなく、関東平野における筑波山の存在感は格別。どこから見ても特徴的な双耳峰の姿は美しく、その後の登山で関東の様々な山から筑波山を眺めるたびに、あの山頂に立った記憶が蘇ってくる。
ヤマノススメという作品を通じて登山に出会い、筑波山で本格的な山の魅力を知り、その後の百名山踏破へとつながっていく。振り返ってみると、筑波山は自分の登山人生における重要な転機となった山だった。