日本百名山全山踏破 87座目 安達太良山 | 東北遠征最終日とほんとの空への憧憬

安達太良山 山頂 日本百名山
スポンサーリンク

安達太良山に向かうまで

2020年10月5日 あだたら高原スキー場から安達太良山に登る

東北遠征3日間の最終日を迎えた。朝日岳、吾妻山と順調に歩くことができ、充実した山行を重ねてきた。最後を飾るのは福島県を代表する名峰、安達太良山。高村光太郎の詩で有名な「ほんとの空」が広がる山として、長らく憧れを抱いていた山だった。

道の駅つちゆで車中泊を終え、あだたら高原スキー場に向かう道すがら、東北の山々への感謝の気持ちが込み上げてくる。これで東北地方の日本百名山は完結となる。しかし、期待とは裏腹に空模様は芳しくない。雨こそ降っていないものの、厚い雲が空を覆い、光太郎が讃えた「ほんとの空」とは程遠い状況だった。

実際に登ってみた

日程: 2020年10月5日(月) 日帰り 天候: 曇り

アクセス

あだたら高原スキー場に駐車。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
03:1410.2km762m762m

コースタイム

ルート: 奥岳登山口-五葉松平-薬師岳-安達太良山-くろがね小屋-奥岳登山口

山行タイムライン
  • 05:41
    奥岳登山口
    あだたら高原スキー場の駐車場
    あだたら高原スキー場の駐車場

    ロープウェイの営業開始は8時30分のため、徒歩でのアプローチとなる。

    奥岳登山口
    奥岳登山口
    分岐
    分岐

    ロープウェイの山頂駅へ行くルートとくろがね小屋を経由するルートの分岐。
    今回はロープウェイの山頂駅から安達太良山へ登り、くろがね小屋を経由して下りるコースを歩く。

    ススキ草原
    ススキ草原

    スキー場のゲレンデを登る途中、秋の風物詩であるススキの穂が風に揺れる草原が広がる。

  • 06:24
    五葉松平
    アキノキリンソウ
    アキノキリンソウ
  • 06:31
    薬師岳
    薬師岳
    薬師岳

    薬師岳の山頂を通過。ここからはロープウェイ山頂駅からのハイキングコースが本格的に始まる。

    木道
    木道

    ロープウェイ山頂駅からは立派な木道が整備されており、ハイキング気分で歩を進める。

  • 06:52
    仙女平分岐

    山頂に近づくにつれて、徐々にガスが濃くなってくる。視界が狭まり、期待していた展望への不安が募る。

    風も強さを増し、ガスに含まれる水分が肌に当たって冷たい。

    安達太良山の乳首
    安達太良山の乳首

    安達太良山の象徴である「乳首」と呼ばれる岩峰が、ガスの合間からかすかに姿を現す。神秘的ではあるが、晴天時の雄大な姿を想像せずにはいられない。

    強風に身を屈めながら、山頂の乳首に向かって最後の登りに取り組む。足場はしっかりしているため、悪天候下でも安全に登頂できる。

  • 07:20
    安達太良山
    安達太良山 山頂
    安達太良山 山頂

    ついに安達太良山の山頂に到達。

    安達太良山からの景色
    安達太良山からの景色

    残念ながら山頂は真っ白なガスに包まれ、光太郎が愛した「ほんとの空」を見ることは叶わなかった。強風のため、早々に下山を開始する。

    シラタマノキ
    シラタマノキ
  • 07:38
    峰の辻

    峰の辻からの下りはザレた急坂となり、足元に注意が必要。

  • 07:55
    くろがね小屋
    岳温泉の源泉
    岳温泉の源泉

    くろがね小屋付近では、岳温泉の源泉から麓まで続く温泉パイプラインが目に入る。

    くろがね小屋
    くろがね小屋

    歴史あるくろがね小屋は、多くの登山者に愛され続ける山小屋。NHKのドキュメント72時間にも登場してた。

  • 08:00
    塩沢分岐
  • 08:11
    勢至平分岐
  • 08:22
    八の字
    八の字分岐
    八の字分岐

    八の字分岐で最短ルートの旧道と、なだらかな馬車道の分岐に遭遇。時間短縮を優先して旧道を選択したのだが…

    旧道
    旧道

    旧道選択は完全に判断ミス。足型が刻まれた岩場は予想以上に滑りやすく、神経をすり減らしながらの下山となった。次回は迷わず馬車道を選ぼう。

  • 08:55
    奥岳登山口
    あだたら山ロープウェイ
    あだたら山ロープウェイ

    登山口に戻ると、あだたら山ロープウェイは強風のため運行休止。山頂の悪天候を物語る光景だった。

安達太良山麓にある岳温泉に入浴

岳温泉 ニコニコ共和国
岳温泉 ニコニコ共和国

下山後は岳温泉街へ。まず目に飛び込んできたのは「独立国家ニコニコ共和国」の看板。この建物は国会議事堂。

岳温泉 岳の湯
岳温泉 岳の湯

岳の湯で冷え切った体を温める。先客のおじさんたちが「今日はぬるいなぁ、先週は47度あったのになぁ」と恐ろしいことを話していた。ぬるくて良かった、本当に。

現在の福島県浪江町のダッシュ村を見学

今回の遠征で最後の山かつ東北地方の日本百名山で最後の山である安達太良山に登り終えたので、あとは仙台に戻るのみ。

まだ帰りのバスには時間に余裕があったため、太平洋沿いに仙台まで北上するドライブを計画。途中、浪江町のDASH村に立ち寄ることにした。震災後に常磐線(初期は代行バス)で幾度も通ってはいるが、復興具合を近くから確認したかった。

福島県浪江町のダッシュ村
福島県浪江町のダッシュ村

浪江町市街地の手前にあるDASH村の入口。この先は帰宅困難地域のため封鎖されている。震災から9年が経過しても続く現実を目の当たりにし、複雑な気持ちになった。

日本一低い山(3.0m)日和山に登る

日和山登山
日和山登山

のんびりとドライブしながら仙台市内へ。まだ時間があるようなので、今回の遠征で本当に最後の山として日和山に登ることにした。日和山は標高3.0mの日本一低い山として有名。

  • 日和山登山
  • 日和山登山
  • 日和山登山
  • 日和山登山
  • 日和山登山
  • 薄明光線
  • 日和山登山
  • 日和山の登山口
  • 登山口から山頂までのアプローチ
  • 日和山登山
  • 落石注意
  • 日本一低い山 3.0m
  • 登頂証明書も発行してもらえる

「クマ出没注意」「落石注意」といった警告看板が並ぶ中、数々の困難を乗り越えて日和山の山頂到達を果たした。

日和山の山頂
日和山の山頂
日和山 パノラマ
日和山 パノラマ

周辺にはメッセージが数多く書かれており、地域住民に愛され続けている山だということが伝わってくる。

SS30 展望フロアから仙台の夜景

SS30 展望フロアからの仙台夜景
SS30 展望フロアからの仙台夜景

新宿行きの夜行バスが23時35分発のため、時間調整でSS30ビルの展望フロアに上がった。仙台市街の夜景が美しく広がり、充実した東北遠征の締めくくりにふさわしい光景だった。

さらば仙台。

下山後の感想

東北遠征3日目の最終日。1日目、2日目とも予定通りの山行ができたので、余裕をもたせていた3日目はノンビリと登ろうとしていた。が、昼前くらいから雨予報。なので、雨が降る前に登らなきゃと、ノンビリどころではなくなった。

朝早くから登ってみたものの残念ながら天候に恵まれず、「ほんとの空」を見ることはできなかった。しかし、強風に煽られながらも無事に登頂を果たせた達成感は大きい。

かかった費用と装備

費用は、今回の遠征の中で最初の日本百名山 蔵王山の記事でまとめています。

今になって思うこと

百名山完走後に振り返ると、安達太良山は天候に恵まれなかった心残りの山の一つ。高村光太郎が愛した「ほんとの空」を見ることができず、晴天時の再訪を強く願っている。

東北の百名山は地理的にバランスよく配置されており、遠征計画を立てやすいのが魅力。岩手、山形、福島それぞれに特色ある山が揃い、どの山も個性的で印象深い。特に安達太良山は詩の舞台としても有名で、文学好きにはたまらない山だろう。


タイトルとURLをコピーしました