日本百名山全山踏破 10座目 赤城山 | 雪山デビューでヤマノススメ聖地巡礼

駒ヶ岳から黒檜山 日本百名山
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赤城山に向かうまで

JR全線完乗達成からの新たなスタート

2017年年始、ついにJR全線完乗を達成した!北海道から九州鹿児島まで、JRの全路線網を完全制覇するという壮大なライフワークがついに完遂。長年の夢だった分、感慨深い。

これまで週末の大半を占めていた遠方への鉄道旅行が一段落したことで、時間的余裕が生まれた。でも同時に、長期間継続してきた明確な目標を失った喪失感もあった。この空白の時間を埋める新たな情熱の対象として、自然と注目したのが、これまで副次的な趣味だったヤマノススメの聖地巡礼。そして登山活動そのものだった。

2016年までのヤマノススメ聖地巡礼

この時期は主にヤマノススメ原作の舞台となった山々を巡る「聖地巡礼」的な登山を楽しんでいた。

日和田山棒ノ嶺などで登山技術の基礎を身につけつつ、作品世界と現実の山行を重ね合わせる新たな楽しみ方を発見。

2016年4月29日 日和田山

日和田山 山頂
日和田山 山頂

2016年6月11日 棒ノ嶺

棒ノ嶺 山頂
棒ノ嶺 山頂

特に2016年6月の棒ノ嶺(棒ノ折山)での白谷沢ルートは、これまでの「ゆるふわ登山」から本格的な山岳技術を要する登山への意識転換のきっかけとなった。沢登り要素や急峻な登りは厳しかったが、その分だけ山頂到達時の達成感は格別だった!

2017年の本格的な登山活動開始

ヤマノススメの聖地巡礼という切り口から始まった登山活動を、より系統立てて本格的な山岳活動へと展開させていく決意を固めた。まずは手始めに鎌倉アルプスと御岳山への連続山行を企画してみた。

2017年1月4日 鎌倉アルプス

大平山山頂
大平山山頂

鎌倉アルプス(新年初登山)では、北鎌倉から由比ヶ浜までの長距離ハイキングコースで十分な充実感を得た。ヤマノススメ原作【七十四合目】の舞台で、標高は低いが歴史と自然を同時に味わえるコース。

2017年1月7日 御岳山~日の出山、龍崖山

日の出山山頂
日の出山山頂

御岳山縦走では、御岳山から日の出山への縦走(登山口と下山口が異なる登山)登山を計画。これまでの単発的な山頂ピストン登山とは根本的に異質な、復数ピークを結ぶ長距離登山の醍醐味を実感。つるつる温泉での疲労回復まで含めたトータルプランが最高だった!

春山登山で装備と技術を強化

2月に入ってモンベル ストライダーパンツを購入。これまでのジーンズやジャージでの登山とは比較にならない快適性。買って正解だった!

2017年2月4日 飯能アルプス

子の権現の鉄下駄
子の権現の鉄下駄

飯能アルプスでは早速ストライダーパンツの効果を実感。10キロ近くある大高山~子ノ権現縦走も快適に歩けた。足の動きが全然違う。

2017年2月26日 三原山

三原山火口
三原山火口

三原山では、伊豆大島旅行でお鉢めぐり。火山が作り出す今まで見たこともない景色に圧倒された!

2017年3月12日 賤ヶ岳

賤ヶ岳山頂
賤ヶ岳山頂

賤ヶ岳は想定してなかった残雪で危うく遭難するところだった。結構ヤバかった。でもこの経験が雪山装備選定に役立つことになる。

2017年3月19日 関八州見晴台

関八州見晴台
関八州見晴台

関八州見晴台で登山熱が俄然高まってきた。もっと山に登りたい!登山にハマっていく自分が分かった。

雪山である赤城山地蔵岳への準備

ちょうど春の青春18きっぷが2回分余っており、日帰りで行けそうな範囲で聖地巡礼にもなる山となると、ヤマノススメ原作5巻と9巻で登場する赤城山の地蔵岳だ。9巻ではスノーシュー使って雪山山行してるし、あおいちゃん(ヤマノススメの主人公)が行けるならなんとかなるだろう。

雪山装備は持っていないので、モンベル恵比寿店で新しい装備を購入:

防寒装備は持ってるもので間に合わせた。下は防寒タイツ、ストライダーパンツ、レインウェア。上はTシャツ、ヒートテック、フリース、レインウェア。そういえば厚手の手袋(安物)を慌ててホームセンターで購入。準備完了!

ヤマノススメの原作とアニメで赤城山へ行っているので、聖地巡礼に行きたい人はこちらの記事を参考にしてください(巡礼記録は重複しています)。

実際に登ってみた

日程: 2017年04月02日(日) [日帰り] 天候: 晴れ

アクセス

残していた青春18きっぷで、荻窪から前橋へ。東京駅で中央線から上野東京ラインに1回乗り換えるだけ。荻窪駅を5時34分に出発してから3時間、8時33分に前橋駅へ着いた。

駅前ロータリーに出てバスに乗り換え。JR前橋駅から8時45分発の赤城山直通バスを往復利用(1500円×2)

ここで早速やらかした!バスの料金は現金のみで、電子マネーが利用できないバスに乗ることすら久々でうっかりしてた。5千円札以上のお札と多少の小銭しか持っておらず、バス車内の両替も千円札まで。ピンチ!

運転手さんから「どこかで両替してもらって、帰りのバスで支払ってもらえばいいよ」って言われ下車。ありがたい!大洞にある土産店で両替してもらい、帰りのバスで支払った。

地図・標高グラフ

⏱タイム🏃距離↗登り↘下り
05:189.5km876m900m

コースタイム

ルート: 赤城少年自然の家バス停-地蔵岳-八丁峠-大洞-駒ヶ岳大洞登山口-駒ヶ岳-黒檜山-黒檜山登山口-赤城神社-赤城公園ビジターセンター

山行タイムライン
  • 10:08
    赤城少年自然の家バス停
    赤城自然少年の家バス停
    赤城自然少年の家バス停

    バス停 赤城自然少年の家 で下車。バスには10人くらい乗っていたが、ここで降りたのは自分だけ。軽アイゼンを装着して登山準備完了!

    地蔵岳登山口の積雪
    地蔵岳登山口の積雪

    登山口はバス停からすぐ近くでわかりやすい。思ってた以上に積雪があるけど、トレースがあるから心強い。でもスノーシューの穴にズボズボはまって足を取られ苦労するのがこの時期の雪山。

    地蔵岳登山口の積雪
    地蔵岳登山口の積雪
    雪山たーのしー
    雪山たーのしー

    展望のない登りと積雪とで悪戦苦闘するも、尾根筋入って山頂のアンテナも見えてくると 雪山たーのしー。久しぶりの雪山にハイテンション。

    地蔵岳途中の眺め
    地蔵岳途中の眺め
    赤城山地蔵岳山頂
    赤城山地蔵岳山頂
  • 11:10
    地蔵岳
    赤城山地蔵岳山頂
    赤城山地蔵岳山頂

    地蔵岳の山頂到着!広くて開放感がある広場で、雪山初心者にも優しい山頂。

    赤城山地蔵岳山頂からのパノラマ
    赤城山地蔵岳山頂からのパノラマ
    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂のお地蔵さん
    地蔵岳山頂のお地蔵さん

    半分雪に埋まったお地蔵さんが並んでる。だから、地蔵岳なのか!ヤマノススメであおいちゃんたちが登った山頂と同じ景色。

    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂
    地蔵岳山頂のアンテナ
    地蔵岳山頂のアンテナ

    地蔵岳山頂にはアンテナの鉄塔が並ぶ。

  • 11:40
    八丁峠駐車場
    八丁峠駐車場
    八丁峠駐車場

    地蔵岳から八丁峠駐車場経由で下山。下りは勢いでグリセード(足のかかとで雪山を滑り落ちる)やシリセード(お尻で滑る)でサクサク進んで楽しかった。

    赤城山第一スキー場
    赤城山第一スキー場

    途中から赤城山第一スキー場の横道を下る。看板には、日本一小さなスキー場って書いてある。
    スキーしてる人はいなくて、雪遊びを楽しむ家族連れが多いみたいだ。

  • 12:05
    大洞駐車場
    大沼湖畔のお土産屋
    大沼湖畔のお土産屋

    営業してる湖畔のお土産屋で5千円札を両替してもらい、自販機でホットココア購入。一息ついて次の作戦会議。

  • 12:20
    駒ヶ岳大洞登山口
    駒ヶ岳大洞登山口
    駒ヶ岳大洞登山口

    地蔵岳ではちょっと物足りなかったので、雪の状態によっては途中で戻ってくることも考えながら、駒ケ岳から黒檜山への登山道へ。

    駒ヶ岳へのトレースは歩きやすい
    駒ヶ岳へのトレースは歩きやすい

    会う人も少なかった地蔵岳と違って、メインのこのルートは圧雪具合がよくて歩きやすい、これなら行けそうだ。

    駒ヶ岳稜線
    駒ヶ岳稜線

    尾根筋から地蔵岳の眺め。申し訳程度の雪庇もいいね。

    駒ヶ岳稜線
    駒ヶ岳稜線
    駒ケ岳頂上
    駒ケ岳頂上
  • 13:10
    駒ヶ岳
    駒ヶ岳山頂
    駒ヶ岳山頂
    駒ヶ岳山頂
    駒ヶ岳山頂

    駒ケ岳到着。山頂は狭い。

    木に邪魔されているけど、ここからは氷結して雪を被った大沼の湖面がよく見える。

    駒ヶ岳から黒檜山
    駒ヶ岳から黒檜山

    駒ケ岳から黒檜山への最後の登りがキツかった。

  • 14:05
    黒檜山大神
    黒檜山大神の鳥居
    黒檜山大神の鳥居

    でも黒檜山大神の鳥居が見えた。雪に埋まってる鳥居がまた幻想的だ。

  • 14:10
    黒檜山
    黒檜山山頂
    黒檜山山頂

    なんとか赤城山の最高峰黒檜山(標高1,828m)に登りきった。山頂は意外と狭くて、雪で埋まってるけどしっかりとした山頂標識もある。

    地蔵岳だけのつもりが、雪山デビューで日本百名山の最高峰まで踏破するとは。

    黒檜山山頂
    黒檜山山頂
    黒檜山山頂
    黒檜山山頂

    山頂からの眺めは最高。氷結した大沼と雪山の景色が広がって、これぞ雪山登山って感じ。初雪山がこんなに素晴らしい体験になるとは思わなかった。

    赤城神社と橋
    赤城神社と橋

    黒檜山から下る途中から見える赤城神社と橋。

  • 15:00
    黒檜山登山口
    黒檜山登山口
    黒檜山登山口

    黒檜山登山口まで下山。ずっと下りっぱなしだったので、逆ルートでこちらから登ると相当辛そう。軽アイゼンを外してアスファルトが見えてる車道を歩く。

  • 15:05
    赤城神社
    赤城神社
    赤城神社

    途中、赤城神社に参拝。雪の白に赤い鳥居が映えて美しい。無事に登頂できた感謝の気持ちを込めてお参り。

    赤城神社
    赤城神社
    赤城神社
    赤城神社

    神社の境内も雪化粧で、神秘的な雰囲気。

    大沼
    大沼
    赤城神社の橋
    赤城神社の橋

    赤城神社の橋を渡って車道に戻り、あかぎ広場へ。氷結した大沼の美しさに見とれながら歩く。

  • 15:26
    おこの駐車場

    16:45発のバスまで時間があるし、少しでも温かいところで休もうとビジターセンターへ行くも、すでに閉館時間で目論見が外れる。仕方なく外のベンチで休憩。

    疲れてるはずなのに、雪山デビューの充実感が上回り疲労感はそれほどでもなかった。

下山後の感想

余力と時間があったらと考えてた黒檜山(赤城山の最高峰)も一度に登れて、おトクであった。

雪山って想像以上に楽しかった。真っ白な雪景色の中を歩くのは、普通の登山とは全く違う体験。

3月末までは湖上を歩けたようだが、今は危険防止のため進入禁止となっており、また冬の季節に行く機会があれば、歩いたりワカサギ釣りもやってみたい。

かかった費用と装備

出発前に、モンベルの野外活動保険に入った。これには個人賠償責任補償が含まれているので、今まで契約していた自転車保険を乗り換える形。一番安いプランを3年間で7,790円

装備費用

  • トレッキングパンツ: 9,462円(これは買って正解)
  • ライトスパッツ: 4,212円(雪が靴に侵入しないようにする)
  • スノースパイク: 2,057円(安全性を考えると必需品)
  • グローブ他: 1,289円(ホームセンターで慌てて購入)

装備費合計: 17,020円

保険・交通費

  • モンベル野外活動保険: 7,790円(3年契約。個人賠償責任補償が含まれてるから、自転車保険としても利用できる。)
  • 青春18きっぷ: 2,370円(1回分)
  • 赤城山直通バス: 3,000円(往復)

保険・交通費合計: 13,160円

食費

  • 朝・昼2食: 1,000円
  • 行動食: 300円

食費合計: 1,300円

総費用

合計: 31,480円

雪山装備を一から揃えるとなると、やっぱりそれなりの金額になるね。でも安全第一だし、長く使えるものだから妥当かな。モンベルの装備は品質がしっかりしてて、その後の登山でも活躍してくれてる。

今になって思うこと

百名山を全山踏破した今振り返ると、この赤城山は本当に思い出深い山だ。何より、これが百名山完走への第一歩になったんだから。

当時の無謀さを反省

正直、今思うと相当無謀なことやってたな。山行のステップアップもなしに、いきなり雪山の日本百名山に登るとか危険すぎる。たまたま天気が良かったからなんとかなったものの、雪崩や雪庇の踏み外しも十分考えられるのに、十分な冬山装備(ピッケルやビーコン等)もなしにソロ登山とか……今なら絶対やらない。

服装もこの頃は貧弱だった。3レイヤーは意識していたもののユニクロのヒートテックでは汗冷えしてしまうことまで気づかなかった。ヒートテックは普段の防寒には問題ないが、登山する時に着ていくのは絶対ダメ。これ、登山始めた人はみんな通る道だね。

登山計画の甘さ

この登山が初めてヤマレコに記録した登山となった。つまり、この登山は山行計画も立てず、登山届の提出もしてなかったことになる。今となっては恐ろしいことだが、なんとか無事でつくづく運が良かった。

赤城山の魅力

でも、赤城山は雪山デビューには最適な山だと思う。アクセスも良いし、コースも分かりやすい。特に地蔵岳は初心者にも優しい山頂で、ヤマノススメの聖地巡礼としても楽しめる。

初心者へのアドバイス

これから雪山を始める人には、もっと段階を踏んでほしい。まずは低山で雪山の基本を学んで、装備もしっかり揃えてから挑戦してほしい。そして必ず登山届を出して、できれば経験者と一緒に行くことをオススメする。

赤城山は素晴らしい山だけど、雪山の知識と装備は必須。安全第一で楽しんでほしい。


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